看護師が転職先を選ぶ基準とは? 求人に応募がくるクリニックになるには

看護師が転職先を選ぶ際には、さまざまなポイントをチェックしています。

具体的にどんなポイントをチェックして、何を基準として転職先を選んでいるのでしょうか?また、現状はその基準に当てはまっていないクリニックは、どんな工夫をすれば、転職先として選ばれるようになるのでしょうか?

目次
  1. 看護師が転職先にチェックするポイントは?
  2. 看護師が転職先に求める条件は?
    1. 勤務時間
    2. 給与
    3. 看護内容(仕事内容)
    4. 通勤時間
    5. 休暇
    6. 子育てと仕事の両立支援
    7. キャリアアップ支援
    8. 宿舎・寮の完備/保育施設の完備
  3. 求職者に寄り添って「働きやすい環境」を整えていこう

看護師が転職先にチェックするポイントは?

看護師が転職先に求める条件はいくつか考えられます。前勤務先になんらかの不満があって退職したのであれば、その不満を解消できるかどうかを重視するのが一般的ですし、理想の働き方を追求するために転職活動をしているのなら、その理想を叶えられる職場であるかどうかを重視するでしょう。

求職者が就職の際に重視する条件に上位ランクインした条件は、日本看護協会が公表している、2022(令和4)年度版の「ナースセンター登録データに基づく看護職求職・求人・就職に関する分析報告書」によると以下の通りです。

求職者が重視する条件割合
1位勤務時間20.0%
2位給与16.2%
3位看護内容14.4%
4位通勤時間14.1%
5位休暇9.1%

また、6位以下には、「子育てと仕事の両立支援」「キャリアアップ支援」「宿舎・寮の完備」「保育施設の完備」などがランクインしています。

参照: 日本看護協会 2022(令和4)年度版「ナースセンター登録データに基づく看護職求職・求人・就職に関する分析報告書」

看護師が転職先に求める条件は?

続いては、上記回答結果を参照しつつ、看護師が転職先に求める具体的な条件および、それに対してクリニックができることを考えていきましょう。

勤務時間

まず、第1位にランクインした「勤務時間」については、昨今、「働く人々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会」を実現するための「働き方改革」が推進されていることもあり、職場が提示する勤務時間に無理にあわせるのではなく、自分に合った働き方ができる職場を選ぶ人が増えています。

特に看護師の仕事に関しては、2交代制や3交代制など、職場によって勤務時間がまちまちであることから、最初に勤務時間をチェックする求職者は多いです。そのため、求職者に選んでもらうためにも、クリニック側でも、勤務時間に関して「働き手が無理なく働ける条件であるかどうか」を今一度考えることが望ましいといえます。

もしも、これまで退職した人や今現在働いているスタッフからも勤務時間について不満の声が上がっているなら、採用人数を増やすことで、スタッフが心身を休められる時間をきちんと与えられるよう、考え直してみてはいかがでしょうか?

給与

給与を基準に転職先を選ぶのは、当然と言えば当然です。しかし、求職者は、単純に額面が高いかどうかだけをチェックしているわけではありません。

たとえば、額面が高くても賞与が設定されていなければ、働くモチベーションを維持できないと考える人もいます。クリニック側からしても、モチベーションが低い人に毎月高い給与を支払い続けることは避けたいはずです。

また、給与は平均より高いものの、手当が充実していないという場合も、求職者から選ばれにくい傾向にあります。逆に、給与の額は平均かそれ以下であっても、住宅手当や夜勤手当などがきちんと支給されているとわかる求人票であれば、求職者に魅力を感じてもらえます。

現状は高い給与を支払えないものの、給与を重視する求職者からも選ばれるクリニックになりたいと考えるなら、「クリニックの成長をサポートしてくれたスタッフには、後々しっかりと還元していきたい」という思いを求人票にも反映させることも大切です。

看護内容(仕事内容)

看護内容が、転職先を選ぶ大きな基準だと考えている人は、求人先の診療科や規模、患者の特徴などをチェックしています。たとえば、小さな子どもと接するのが好きな看護師であれば、小児科もしくは幼稚園内のクリニックなどを希望することが多いでしょう。

終末期の患者や障害児などのケアにあたって社会貢献したいと考えて居るなら、在宅医療に関わりたいという思いが強いかもしれません。

そのため、たとえば「ケガや病気で苦しむ子どものケアをしたい」と考えている求職者に対して、糖尿病内科などがなにかをアプローチできるということはありませんが、「働きやすい環境であること」や「新しい分野にチャレンジできること」などをアピールすることで、多少なりとも興味を持ってもらうことはできるでしょう。

通勤時間

通勤時間に関しては、基本的に「自宅から通いやすいか」「乗り換えなしで通勤できるか」などを基準に選ぶ人が多いため、クリニック側としてアピールできることはあまりないといえます。

ただし、これから新規開業するのであれば、駐車場を完備することや、駅やバス停からのアクセスのしやすさを考慮して開業地を決めることをおすすめします。

これは、患者にとっての来院のしやすさを考えるのとまったく同じことになるので、とことんこだわるに越したことはありません。

休暇

「2023年病院看護実態調査」によると、看護師の週休形態の実態は以下の通りです。もっとも多いのは「週休2日(4週に8日の休日)で、続いて「週休2日(1週に必ず2日の休日)」となっています。

【週休形態】

件数割合
週休2日(1週に必ず2日の休日)90124.4%
週休2日(4週に8日の休日)1,80148.7%
月3回週休2日(4週に7日の休日)1544.2%
月2回週休2日(4週に6日の休日)2005.4%
月1回週休2日(4週に5日の休日)150.4%
週休1日半(土曜日等の半日勤務)511.4%
週休1日180.5%
その他51714.0%
無回答・不明421.1%
3,699100.0%

また、就業規則で決められた所定の年間休日総数は以下の通り。「120~130日未満」がもっとも多く、ついで「110~120日未満」「100~110日未満」であることがわかります。また、平均所定年間休日数は116.6日となっています。

【所定年間休日総数】

件数割合
100日未満932.5%
100~110日未満57415.5%
110~120日未満1,17331.7%
120~130日未満1,63044.1%
130日以上992.7%
無回答・不明1303.5%
3,699100.0%
平均(n=3,569)116.6日

※就業規則に定める職員の所定の休日(週休、国民の祝日、年末年始休暇、夏季休暇、病院創立記念日など)の合計であり、年次有給休暇や慶弔休暇は含まない

続いて、年次有給休暇取得率は以下の通りです。もっとも多いのは「70~80%未満」、次いで「60~70%未満」、「90%以上」となっています。また、平均年次有給休暇取得率は67.7%です。

【年次有給休暇取得率】

件数割合
10%未満350.9%
10~20%未満651.8%
20~30%未満892.4%
30~40%未満1694.6%
40~50%未満3439.3%
50~60%未満48913.2%
60~70%未満59516.1%
70~80%未満61816.7%
80~90%未満56415.2%
90%以上59316.0%
無回答・不明1393.8%
3,699100.0%
平均(n=3,560)67.7%

※年次有給休暇取得率=総取得日数÷各人の付与日数の総計(前年度からの繰り越し分を含まない)×100

参照: 2023年病院看護実態調査(pdf23ページ、24ページ)

心身をしっかり休めることや、家族との時間を大切にしている看護師は、休暇に関するこれらのデータの平均もしくはそれ以上に休めることを重視しています。

ただし、クリニックによっては、医療を必要としている患者のためにも、休診日を増やすことはできないこともあるでしょう。その場合は、スタッフ数を増やすことのほかに、パート・アルバイトを雇うことも視野に入れるといいかもしれません。

もしくは、耳鼻科であれば花粉症シーズン以外、内科であれば風邪やインフルエンザの流行時期を外した時期などに、看護師をはじめとするスタッフが年次有給休暇をとりやすいような体制を整えることなども考えるといいでしょう。

また、人手不足で上記のどの選択肢も難しい場合は、「十分に休日を与えてあげられないぶん、手当を支給する」というのも一手です。働き盛りの看護師であれば、「今はプライベートの時間を大切にするよりも少しでも多く稼ぎたい」と考えていることもあるので、そうした考えの看護師を積極的に採用していくこともひとつの対策といえます。

子育てと仕事の両立支援

子育てと仕事の両立を希望している看護師は、「勤務時間」と併せて、万が一、子どもが熱を出したときなどは休むことが可能であるか?などをチェックします。

また、ひとり親家庭であれば、育児・託児支援制度や提携の保育園、学童保育もチェックしますし、自分が家計を担っている看護師にとっては、家賃補助や年金制度も重要です。

また、「子育てと仕事の両立」と同じように視野に入れたいのが、「介護と仕事の両立」や「妊活と仕事の両立」です。いずれも、本人以外には大変さがわからないケースが多いですが、家庭の事情がある人にも安心して働いてもらうためには、相手の事情に耳を傾け、できる限り支援することが望ましいといえます。

キャリアアップ支援

キャリアアップやスキルアップを目的に転職先を探している看護師にとっては、教育制度が整っていることや、資格取得を支援してくれることは最重視ポイントといっても過言ではありません。

また、昨今は、准看護師として働きながら看護師の資格取得を目指す人が増えているので、それに対するサポート体制が整っていることをアピールすると、准看護師から転職先として選ばれやすくなるでしょう。

准看護師が働きながら看護師の資格取得を目指すためには、准看護師としての7年間の勤務経験および2年間の定時制もしくは通信制教育での勉強が必要です。そのため、資格取得を目指す2年間については、残業なしを約束するなどしてサポートできるといいでしょう。

宿舎・寮の完備/保育施設の完備

宿舎や寮を用意することは、個人開業医にとっては簡単なことではありません。

そのため、宿舎または寮の完備を重視して転職先を探している看護師にアプローチすることは難しいですが、宿舎や寮を完備している医療機関がほとんどないエリアであれば、これに代わる条件として「家賃補助」をチェックする求職者もいるので、福利厚生のなかに盛り込むかを検討してもいいでしょう。

保育施設の完備に関しても同様で、個人開業医にとっては簡単ではありませんが、たとえば、子育て中の求職者に対しては「保育園のお迎えに間に合うよう勤務時間を考慮する」などは対応可能であるといえるでしょう。

求職者に寄り添って「働きやすい環境」を整えていこう

クリニックの求人条件は、一度決めたら変えられないわけではありません。

最初に決めた条件ではほとんど応募がなかったり、面接にはきても内定を受けてもらえなかったりが続いているなら、求職者が何を望んでいるのかをよく考えて、条件面を精査していく必要があります。

とはいえ、特に給与や休日などは、求職者の要望通りに設定するというわけにもいかないもの。求職者とクリニックとでうまくすりあわせながら、働きやすい環境を整えていくことが大切です。

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

執筆 CLIUS(クリアス )

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