診療看護師の年収はどのくらい? 1,000万円超えも目指せるって本当?

看護士が年収UPを実現するためのひとつの方法として、資格取得が挙げられます。看護の仕事に役立ち、かつ年収UPが叶う可能性が高い資格はいくつかありますが、そのなかで今回は、診療看護師について説明していきます。

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目次
  1. 診療看護師とは?
  2. 診療看護師ができること
    1. 医師が作成した手順書をもとに「特定行為」をおこなうことができる
    2. 「絶対的医行為」を深く理解したうえで的確な「相対的医行為」をおこなえる
    3. 治療と看護の両方の観点から患者に説明できる
  3. 診療看護師の仕事内容は?
    1. 医師の仕事のサポート
    2. 医師と連携して治療プランを作成する
    3. 医師と看護師の橋渡し的な役割を果たす
    4. 看護スタッフの教育
  4. 診療看護師の年収は?
  5. 診療看護師になるには?
    1. 看護師として5年以上の実務経験を積む
    2. 「日本NP教育大学院協議会」が認定する「NP教育課程」がある大学院の修士課程で2年間履修する
      1. 週2~3日程度働きながら大学院に通う
      2. 働き方に合わせて授業の時間帯を選ぶ
      3. オンデマンド配信に対応している大学院を選ぶ
    3. 「日本NP教育大学院協議会」が管轄する「NP資格認定試験」に合格する
    4. 国立病院機構による診療看護師の認定を受ける
  6. 診療看護師はどれくらいいる?
  7. 診療看護師の将来性は?

診療看護師とは?

まずは、「診療看護師」とはどのような資格であるのかを説明していきます。

診療看護師は、アメリカではホームドラマにも登場する人気職種です。英語では“Nurse Practitioner(ナース・プラクティショナー )”と呼ばれることから、日本でも頭文字をとって「NP」と呼ばれることがあります。

アメリカにおいては看護師の職位が細分化 されていますが、NPの資格を取得していれば、上級の看護師であることを証明できるうえ、高額報酬も狙うことができるとされています。具体的にはどのくらいの額かというと、平均年収は日本円にして約1,100万円。1,500万円クラスのベテランも少なくないといいます 。

なぜそのような高額収入につながるかというと、診療看護師は一定レベルの診療行為をおこなうことができるからです。医師とまったく同じことができるというわけではないので一定の制限はありますが、一般の看護師は、医師の指示のもとで看護をおこなうことしかできないのに対して、診療看護師は、医師の指示や手順書をもとに一定の範囲内の診療行為をおこなうことができます。

診療看護師ができること

診療看護師ができることを、もう少し詳しくみていきましょう。

医師が作成した手順書をもとに「特定行為」をおこなうことができる

前述した「一定の範囲内の診療行為」とは、「特定行為」のことを示します。特定行為とは、厚生労働省によって定められた研修を修了した看護師が、手順書に基づいて実施できる21区分38行為のことです。

特定行為の種類は以下の通りです。

① 経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整
② 侵襲的陽圧換気の設定の変更
③ 非侵襲的陽圧換気の設定の変更
④ 人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
⑤ 人工呼吸器からの離脱
⑥ 気管カニューレの交換
⑦ 一時的ペースメーカの操作および管理
⑧ 一時的ペースメーカリードの抜去
⑨ 経皮的心肺補助装置の操作および管理
⑩ 大動脈内バルーンパンピングからの離脱をおこなうときの補助の頻度の調整
⑪ 心嚢(しんのう)ドレーンの抜去
⑫ 低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定およびその変更
⑬ 胸腔ドレーンの抜去
⑭ 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された 穿刺針の抜針を含む)
⑮ 胃ろうカテーテルもしくは腸ろうカテーテルまたは胃ろうボタンの交換
⑯ 膀胱ろうカテーテルの交換
⑰ 中心静脈カテーテルの抜去
⑱ 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
⑲ 褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
⑳ 創傷に対する陰圧閉鎖療法
㉑ 創部ドレーンの抜去
㉒ 直接動脈 穿刺法(せんしほう)による採血
㉓ 橈骨(とうこつ)動脈ラインの確保
㉔ 急性血液浄化療法における血液透析器または血液透析濾過器の操作および管理
㉕ 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
㉖ 脱水症状に対する輸液による補正
㉗ 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
㉘ インスリンの投与量の調整
㉙ 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与および投与量の調整
㉚ 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
㉛ 持続点滴中のナトリウム、カリウムまたはクロールの投与量の調整
㉜ 持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
㉝ 持続点滴中の糖質輸液または電解質輸液の投与量の調整
㉞ 持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
㉟ 抗けいれん剤の臨時の投与
㊱ 抗精神病薬の臨時の投与
㊲ 抗不安薬の臨時の投与
㊳ 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射および投与量の調整

参照:厚生労働省「特定行為とは」

一覧を見たらわかる通り、各種薬剤の臨時の投与やドレーンの抜去など、専門的な知識や技能、判断力などを必要とする行為が多く含まれています。

「絶対的医行為」を深く理解したうえで的確な「相対的医行為」をおこなえる

医療行為(法律用語では「医行為」)は、医師または歯科医師が自らおこなわなければならないほど高度で危険な「絶対的医行為」と、医師または歯科医師の指示、指導監督のもと、看護師などがおこなう「相対的医行為」の2種類にわけられます。

看護師資格があれば基本的には「相対的医行為」はおこなうことができますが、診療看護師の資格保持者であれば、一般の看護師より積極的かつ的確に相対的医行為をおこなうことができます。そのため、医師の負担軽減や、医師が不在時に診療機能を維持させることに貢献できます。

参照:東京都医師会「看護師や介護職員の医療(補助)行為について」

治療と看護の両方の観点から患者に説明できる

診療看護師は、看護についても治療についても学んでいるため、治療内容を的確に掴み、両方の視点を持って患者に説明することができます。

診療看護師の仕事内容は?

続いては、診療看護師の仕事内容を説明していきます。

まず、診療看護師の資格を取得すると、専門的な仕事のみを任されることになるのかというとそうではありません。診療看護師はあくまでも資格であって、「資格がなければできない業務にも携われる」というものなので、一般的な看護業務もおこなうことになります。

では、診療看護師の資格があることで任せてもらえる仕事にはどのような仕事があるかというと、たとえば以下のような仕事が挙げられます。

医師の仕事のサポート

前述の通り、診療看護師には特定行為が許されているうえ、相対的医行為に関しても的確におこなうことができます。そのため、診察や手術助手などをおこなうことによって、医師をサポートする役目を担っています。

医師と連携して治療プランを作成する

医師と連携して、クリニカルパスやリハビリのスケジュールをはじめとする、治療に関するプランを作成します。プラン作成時には、看護の視点から医師に意見を伝えることも重要になってきます。

医師と看護師の橋渡し的な役割を果たす

診療看護師は、医師や他部門と看護師との連携をサポートする役目も担っています。また、医師の不在時などに病棟で指示が必要なときには、診療看護師から医師に連絡をとって看護師に伝えます。

看護スタッフの教育

診療看護師は看護についても治療についても専門的な教育を受けているため、臨床現場でスタッフに指導をおこなうことも求められます。

診療看護師の年収は?

前半で述べた通り、アメリカにおいては、診療看護師は高収入であることが知られています。平均でも1,100万円程度稼いでいると聞くと、日本でも同等レベルで稼ぐことができるの? と期待してしまうかもしれませんが、残念ながら日本ではそこまでのレベルには達していません。

なぜかというと、アメリカにおけるナース・プラクティショナーは日本の診療看護師よりも裁量が大きく、診断や薬の処方・投薬などの医学的業務もおこなえるため。現地では、ナース・プラクティショナーが初期医療を担っている地域もあるなど、日本の診療看護師とはニーズもできることも大きく異なります。

では、日本の診療看護師はどのくらい稼ぐことができるのかというと、勤務先にもよりますが、たとえば国立病院機構などの場合、約6万円の診療看護師手当が支給 されるため、単純計算すると、年収が6万円×12カ月の72万円程度増えることが期待できるということになります。

診療看護師になるには?

年収UPのためにも診療看護師の資格を取得したいと考えるなら、以下の4つのステップを踏む必要があります。

①看護師として5年以上の実務経験を積む
②「NP教育課程」がある大学院の修士課程で2年間履修する
③「日本NP教育大学院協議会」が管轄する「NP資格認定試験」に合格する
④国立病院機構による診療看護師の認定を受ける

詳しくみていきます。

看護師として5年以上の実務経験を積む

診療看護師の受験資格を得るためには、看護師としての5年以上の実務経験が必須です。

「日本NP教育大学院協議会」が認定する「NP教育課程」がある大学院の修士課程で2年間履修する

5年以上の実務経験を積んだ後、「日本NP教育大学院協議会」が認定する「NP教育課程」がある大学院で2年間学び、修士課程を終える必要があります。ただし、大学院に通うために看護師を辞めなくてはならないというわけではありません。働きながら大学院に通う方法は、主に以下の3つです。

週2~3日程度働きながら大学院に通う

大学院の授業がない日にパートなどで働くのがこの方法です。ただし、2年次になると臨床での実習があるため、働きながら学ぶためにはかなりの体力が必要です。

働き方に合わせて授業の時間帯を選ぶ

大学院によっては、昼間制だけでなく夜間制を選べる場合もあります。すべての大学院が昼夜両方に対応しているわけではないので注意が必要です。

オンデマンド配信に対応している大学院を選ぶ

e-ラーニングやZOOMでの授業をおこなっている大学なら、働きながら通うことのハードルが下がります。ただし、前述の通り、2年次には臨床実習があるため、これに関してはオンラインでというわけにはいきません。

2024年4月1日時点において、「NP教育課程」がある大学院は以下の18校です。

【日本NP教育大学院協議会会員校】
①北海道医療大学大学院
②国立大学法人 秋田大学
③東北文化学園大学大学院
④国立大学法人 山形大学大学院
⑤東京医療保健大学大学院看護学研究科
⑥国際医療福祉大学大学院
⑦佐久大学大学院
⑧藤田医科大学大学院
⑨愛知医科大学大学院
⑩公立大学法人 島根県立大学大学院
⑪公立大学法人 大分県立看護科学大学大学院
⑫国立大学法人 富山大学大学院
⑬森ノ宮医療大学大学院
⑭東京医療保健大学大学院医療保健学研究科
⑮令和健康科学大学
⑯国立大学法人 大阪大学大学院
⑰聖隷クリストファー大学大学院
⑱公立大学法人 名古屋市立大学大学院

参照:日本NP教育大学院協議会「会員校紹介」

「日本NP教育大学院協議会」が管轄する「NP資格認定試験」に合格する

「日本NP教育大学院協議会」が管轄している「NP資格認定試験」を受験して、これに合格する必要があります。試験は、「プライマリ・ケア(成人・老年)」「プライマリ・ケア(小児)」「クリティカル」の3領域から、資格を取得したい領域で受けることになります 。

受験申込は例年1月で、試験が実施されるのは例年3月初旬です 。

参照:日本NP教育大学院協議会「令和5年度 第14回NP資格認定試験」

国立病院機構による診療看護師の認定を受ける

NP資格認定試験合格後は、国立病院機構によって、診療看護師の認定を受ける必要があります。なお、国立病院機構は診療看護師のことを「医師の指示のもとで一定の範囲の診療行為を提供できる、診療と看護の能力を併せ持つ看護師」と定めています。

診療看護師はどれくらいいる?

診療看護師の資格認定者数は、2024年4月1日時点で872人です。

前述の通り、診療看護師の資格には「プライマリ・ケア(成人・老年)」「プライマリ・ケア(小児)」「クリティカル」の3領域がありますが、それぞれの人数は、プライマリ・ケア(成人・老年)=187人、プライマリ・ケア(小児)=10人、クリティカル=675人です。

参照:日本NP教育大学院協議会「NP資格認定者数(日本NP協議会・日本NP教育大学院協議会)」

診療看護師の将来性は?

「公益社団法人日本看護協会」が公表している看護師・准看護師の就業者数統計によると、2020年時点における看護師、准看護師の総数は162万5,191人なので、診療看護師の資格認定者はそのうち872人しかいないとなると極わずかしかいないように思えます。しかし、日本で最初に診療看護師の資格認定試験が実施された2010年の年の合格者数はそれよりはるかに少ない10人でした。そこから10年以上経った2023年の合格者数は115人。約10倍まで人数が増えているのです。日本での職業認知度はアメリカと比べるとまだまだとはいえ、少子高齢化社会においては今後ますますニーズが高まっていくことが考えられるので、チャレンジしたい人は詳しく調べてみてもいいかもしれませんね。

参照:日本NP教育大学院協議会「NP資格認定者数(日本NP協議会・日本NP教育大学院協議会)」

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特徴

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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、