
看護師にとって、夜勤は日々の業務の中で特に厳しいシフト。
その中でも「夜勤で嫌なこと」として多くの看護師が共感する点があります。今回、20名の看護師に「夜勤で嫌なことはなんですか?」というアンケートを実施しました。集まった意見をもとに、夜勤中に特にストレスや負担を感じることをランキング形式でご紹介します。
これから夜勤を始める方や、夜勤の改善策を模索している方にとって、参考になる情報が得られることでしょう。
第3位:生活リズムの乱れにも…「仮眠が取れない」
3位にランクインしたのは、「仮眠が取れない」こと。
たださえ普段の生活リズムとは違う時間帯の勤務で、疲労やストレスを感じている方は少なくないようです。
寄せられた意見としては、以下のようなものがありました。
「夜勤は夜中起きているということがすでにストレスや疲れのもとであるにもかかわらず、まわりからはみんな寝てる時間にいるだけでお金がもらえて次の日は遊べるでしょといった見方をされるため。明けなら来れるよね?と誘われることもしょっちゅうあります」(あずきさん/女性・30代)
「家に帰りたくなる。ねむれない。夜は普通は寝るものだから身体2悪影響があって当然である。また変な時間に食べることで胃へのストレスもかかる。夜勤明けの胃もたれも感じる。家族とのすれ違いも増えてしまう」(みかさん/女性・20代)
第2位:医療の現場にもある…「人間関係」
2位にランクインしたのは、夜勤中の人間関係について。とくに「厳しい(怖い・苦手な)先輩」などの「相性の悪い人」との夜勤が苦しいという意見が多くありました。
日中よりも人数が少なく夜勤という勤務時間帯には、普段よりも協力し合う必要があるため、関係が悪化するとストレスも倍増するのでしょう。
「採血など自分の技量でうまく行えなかった処置がある時などに、代わってもらいたくても頼みづらいことがあるので厳しい先輩と組んでいる日はないか、勤務表が出るとまずは確認していました。厳しい先輩は看護技術がうまくて知識も豊富な方が多く、新人の頃は何かあっても頼れるという安心感もあったのですが、それと同時に頼み事のしづらさは常に感じていました」(ゆきママさん/女性・40代)
「苦手な人との夜勤は、先輩でも後輩でも気をつかいます。仕事中は割り切って話すことができますが、仕事以外は会話するのも苦痛で、時間が経たないのが1番辛いです」(Yukoさん/女性・30代)
「夜勤は2人または3人で行うことが多いと思います。どちらも経験がありますが、そのうちの一人でも、働かない(お局的な)先輩だったら、ほとんど休めないです。夜勤で休めないと、朝の処置などの時に頭が働かず、事故がおこるリスクが高いと思います」(はなさん/女性・40代)
「急変などあった際に、協力しないと行けないところ。先輩が自分より年下だと、若いんだからもっと働けよ、というオーラを放ってきて心身共にストレスフルの状況下になってしまう。また、急変時などの対応などを客観的に判断されて指摘されるので怖い」(manaさん/女性・30代)
第1位:なぜか夜に多い…?「急変対応」
なぜか夜に多い急変対応が1位にランクイン。夜勤の看護師さんにとっては、最も大きなストレス要因となっているようです。
患者の急変が続くと、休憩時間が削られ、仮眠が取れないことが精神的にも肉体的にも大きな負担となっているとのことでした。
またそのほかにも、医師の対応についても言及されている意見がありました。
「小さなインシデントも含めた急変対応は、夜勤で人手が少ない中、対応をする時間や労力がかかる。また、本来の入院科の患者であれば関わりが深い当番医の医者に報告をするが、他科の患者がベッドコントロール上で入院しているときは、その科の主治医や当番医に報告する必要があり、対応が自分の科と違ったり、冷たい態度で指示をもらうことがある」(あーちゃんさん/女性・20代)
「仕方ない部分であると思っているが、患者の急変が起こるとその対応や、他患者の対応に追われることになり、その結果、休憩時間が削られることとなる。休憩を思うように取れないことで仮眠することができず、精神的にも肉体的にも疲れるため」(ヤマドカさん/男性・30代)
「夜間は当直医だけで主治医がいないので何かあったときにすぐに指示を仰げない・認知症患者はほとんど昼間より夜間の方が不穏になるので暴言、暴力、徘徊などその対応が嫌です」(hikaさん/女性・20代)
夜勤のストレスを軽減するには?
夜勤中の人間関係のストレスを軽減するためには、急変対応に備えてスムーズな報告体制と十分な人員配置や確保、医師との円滑な連携を促進できる職場環境が欠かせません。
また、先輩後輩間でのコミュニケーション向上のために普段から言葉遣いや対人関係の改善のための研修制度を設けたり、苦手な相手とのシフトを調整する工夫も必要でしょう。
生活リズムの乱れを防ぐため、夜勤明けのリカバリータイムを十分に確保し、食事や睡眠の質を高める取り組みも必要です。組織全体での取り組みが、看護師の負担軽減につながります。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2024年9月時点の情報を元に作成しています。