医師の年収は推移している? 高収入を目指すためにできることは?

「医師は高収入」というイメージを抱いている人は多いですが、平均収入がどの程度であるのかまで把握している人は少ないかもしれません。また、医師が高収入というイメージは昔からあるものですが、時代の移り変わりとともに金額は推移しているのでしょうか? 詳しくみていきましょう。

目次
  1. 勤務医の平均年収は?
  2. 勤務医の平均年収の推移は?
  3. 開業医の平均年収は?
  4. 開業医の平均年収の推移は?
  5. 勤務医、開業医の年収は今後どう推移する?
  6. 勤務医が年収を上げる方法は?
    1. 出世する(役職に就く)
    2. 勤務時間を増やす
    3. 専門資格を身に着ける
    4. 副業する
    5. 資産運用する
    6. 給与額が高い医療機関に転職する
    7. 開業する
  7. 開業医が年収を上げる方法は?
    1. 自院の診療科のニーズが高いエリアを選ぶ
    2. 自院の認知度を高める努力を怠らない
    3. 患者やスタッフの声にきちんと耳を傾け、常に医療や経営を改善し続ける
    4. 医療DXに取り組む
    5. 副業する
    6. 自由診療を取り入れる
    7. 資産運用する
  8. ワークライフバランスや将来の目標もしっかり考えていくことが大切

勤務医の平均年収は?

厚生労働省が、毎年、実施している「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の医療機関における医師、つまり勤務医の給与額は、2023(令和5)年時点で約1,436.5万円です。

計算式は以下の通りです。

決まって支給する現金給与額=1,090.7千円
年間賞与その他特別給与額=1,276.3千円
(1,090.7千円×12か月)+1,276.3千円=1,436.47万円

参照:政府統計の総合窓口 e-Stat「賃金構造基本統計調査」

勤務医の平均年収の推移は?

続いては、同調査の結果をもとに、2020年から2023年の勤務医の平均年収の推移をみていくと、この期間の勤務医の平均年収の推移は以下の通りとなっています。

  • 2022(令和4)年=1,428.8万円
  • 2021(令和3)年=1,378.3万円
  • 2020(令和2)年=1,440.3万円
  • 2019(令和元)年=1,169.2万円
  • データをみる限り、勤務医の平均年収は1,100万円強~1,400万円強程度で増えたり減ったりを繰り返しており、少なくともここ5年は、年収が上がり続けているということはないようです。

    参照:政府統計の総合窓口 e-Stat「賃金構造基本統計調査」

    開業医の平均年収は?

    一方、開業医の平均年収に関する最新データは、令和5年に実施された「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)」の結果では、約2,631万円と報告されています。

    参照:厚生労働省「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)」報告

    開業医の平均年収の推移は?

    また、「医療経済実施調査(医療機関等調査)」は2年に1回実施されていますが、令和5年分を含めた3回分の調査データをもとに開業医の平均年収の推移を確認すると以下のように変遷しています。

  • 2019(令和元)年=約2,807万円
  • 2021(令和3)年=約2,699万円
  • 2023(令和5)年=約2,631万円
  • こちらに関しても、勤務医の平均年収同様、増えたり減ったりといった推移で、ここ5年程度は大きく変遷してはいないことがわかりました。

    参照:厚生労働省「第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)」報告

    参照:厚生労働省「第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)」報告

    勤務医、開業医の年収は今後どう推移する?

    前述の通り、ここ5年程度では医師の平均年収は大きく変わっていませんが、10年、20年というスパンで見ると、ほかの多くの業界がそうであるように、物価の上昇に伴い収入も上がっています。勤務医であれば、医療機関側が設定する給与の額が変わっていますし、開業医であれば、医療機器の仕入れや家賃の支払いもあるため、物価の上昇に対応できるよう、患者数を増やしたり単価を上げたりすることで収入アップを図ってきた医師も多いでしょう。

    では、この先も10年、20年単位でみたときに医師の収入が上がるかというと、ご存じの通り、ここ数年は値上げラッシュが常態化していることから、収入が上がらなければ生活の質を落とす必要が出てきます。そのため、最近では従業員の賃上げを発表する企業が増えていますし、医療業界も例外ではなく、厚生労働省は、医療従事者の賃上げのために診療報酬やベースアップ評価量を改定することを発表しています 。

    こうした施策によって、勤務医であれば、自らは何もしなくても勤め先が給与の額を上げてくれる可能性もありますが、開業医の場合、診療報酬が高くなったことによって、「なるべく医者にかかりたくない」と患者が通院回数を減らすことなども考えられるため、確実に年収を上げていくためにはどうすればいいかを考えることが望ましいといえるでしょう。

    また、勤務医であっても、「さらに年収を上げていくためにはどうすればいいか」を考えるのが賢明であることはいうまでもありません。

    参照:厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定と賃上げについて~今考えていただきたいこと(病院・医科診療所の場合)~」

    勤務医が年収を上げる方法は?

    続いては、医師が年収を上げるためにできることをみていきましょう。まずは、勤務医が年収を上げる方法から解説していきます。

    勤務医が年収を上げる方法としては、以下のようなことが考えられます。

    【勤務先を変えない場合】

  • 出世する(役職に就く)
  • 勤務時間を増やす
  • 専門資格を身に着ける
  • 副業する
  • 資産運用する
  • 【勤務先を変える場合】

  • 給与額が高い医療機関に転職する
  • 開業する
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    出世する(役職に就く)

    多くの医療機関では、勤務医は役職に就けば年収が上がります。そのため、出世ルートから外れない生き方を選択すれば、必然的に年収が上がる可能性が高まります。ただし、人間関係などにまつわるストレスを伴うことも多いかもしれません。

    勤務時間を増やす

    勤務医の多くは年俸制です 。そのため、勤務時間が長いほど年収が上がります。当直やオンコールへの対応を増やすなどすると、手っ取り早く勤務時間を増やすことができるので、院内で仮眠をとることなどがさほど苦ではないなら、積極的に当直やオンコールに対応するのも一手です。

    専門資格を身に着ける

    専門的な資格や特殊な技術があれば、給与交渉の際に有利です。たとえば、内視鏡専門医、消化管内視鏡スクリーニング認定医などの内視鏡の資格もそのひとつ。特別な資格がある医師が勤務していれば、患者満足度が向上するメリットなどが考えられることから、勤務先も交渉に応じやすいと考えられますし、後々、転職または開業したいと考えている場合も、資格があれば有利に働くことは間違いありません。

    参照:一般社団法人日本消化器内視鏡学会「専門医制度」

    参照:一般社団法人日本消化器内視鏡学会「スクリーニング認定医制度」

    副業する

    勤務時間を増やしたり給与交渉したりが難しいなら、今の働き方は変えずに、空いた時間に副業で稼ぐのも一手です。スポットのアルバイトや定期非常勤の仕事を積極的に受けることで年収アップを目指せます。ただし、勤務先によっては副業を禁止しているので、まずは勤務先が提示している条件を確認することが大切です。

    資産運用する

    今の働き方を変えずに年収アップを目指せるもうひとつの方法が資産運用です。NISAやiDeCoのほか、不動産投資などで収入アップを目指している医師も大勢います。ただし、副業とは異なり、資産運用は必ずプラスになるわけではないので、運用のメリット・デメリットをきちんと理解したうえで取り組むことが大切です。

    給与額が高い医療機関に転職する

    今の働き先の給料に満足していないなら、年収アップのために転職を検討してもいいかもしれません。ただし、ご存じの通り、年収さえ高ければ気持ちよく働けるというわけではなく、給与以外の勤務条件や院長の人柄などに不満があると、働き続けるのが困難になる場合も多いので、転職先は慎重に選ぶことがとても大切です。

    開業する

    先に述べた通り、2023(令和5)年の勤務医の平均年収は約1,436.5万円であるのに対して、同年の開業医の平均年収は約2,631万円です。差額にして1,000万円を軽く超えているため、「こんなに年収が違うなら開業医になりたい」と考える人は一定数いるでしょう。確かに、年収を1,000万円以上上げることができるなら魅力的な選択ですが、開業医は医師であると同時に経営者でもあるので、経営の資質がない場合は年収がマイナスになってしまうこともありえるので注意が必要です。

    開業医が年収を上げる方法は?

    続いては、開業医が年収を上げる方法です。開業医が年収を上げる方法としては主に以下が考えられます。

    【開業前】

  • 自院の診療科のニーズが高いエリアを選ぶ
  • 【開業後】

  • 自院の認知度を高める努力を怠らない
  • 患者やスタッフの声にきちんと耳を傾け、常に医療や経営を改善し続ける
  • 医療DXに取り組む
  • 副業する
  • 自由診療を取り入れる
  • 資産運用する
  • それぞれ詳しくみていきましょう。

    自院の診療科のニーズが高いエリアを選ぶ

    都市部であれば駅からの距離、車がなければ移動が難しいエリアであれば駐車場の有無や車道からの入りやすさを考えるのはもちろん、そのエリアで自院の診療科がどのくらい必要とされているのかを確認したうえで、ニーズが高いエリアに開業すると、勤務医時代より収入が上がる可能性が高くなります。

    住宅地なら、単身世帯が多いのかファミリー層が多いのかは必ずチェックすべきポイントですし、昼夜間人口比率や競合の質や数、今後のエリア開発事業などを総合的にチェックして、よりよいエリアを選ぶことはとても大切です。

    自院の認知度を高める努力を怠らない

    ターゲットとする患者層に自院のことを知ってもらうために、ホームページやSNSを駆使することはもちろん、SEO、MEO施策をしっかり講じてリーチを上げていくことも大切です。Googleビジネスプロフィールに正しい情報や院内の写真などを掲載することも重要。あまりにも情報量が少ないと、「どんなクリニックかわからないから行ってみるのは勇気がいる……」と敬遠される可能性が高まるためとてももったいないです。

    患者やスタッフの声にきちんと耳を傾け、常に医療や経営を改善し続ける

    患者からの口コミやスタッフからの意見に、目や耳をふさぎたくなるものがあったとしても、“貴重な意見”としてありがたく頂戴して、医療や経営の改善に活かすことが大切です。そもそも、患者やスタッフが「こういうところがよくない」「改善してほしい」と言っているのにそのままにしておくことはよくありませんし、改善すべき点が見つかることは、収入アップの大きなチャンスでもあります。

    医療DXに取り組む

    患者に向き合う姿勢がすばらしく、患者からもスタッフからも支持されていたとしても、昔ながらのやりかたを続けていては、収入アップにはつながらない可能性が高いといえます。たとえば、予約システムを導入していれば新規患者から選ばれる確率が上がりますし、オンライン診療を導入していれば、診療時間外に自宅に居ながらにして稼ぐこともできます。また、電子カルテをレセコンや各種医療機器と連携させて業務効率化を図れば、そのぶん少ない人数でやりくりすることができるので、結果的に年収がアップしやすいでしょう。

    副業する

    副業に関しては、基本的には勤務医同様、空き時間を利用して他の医療機関でアルバイトしたり定期非常勤として働いたりして稼ぐということになりますが、開業医になって自分の働き方や売り込み方をすべて自分で決められるようになれば、「自院の名前を前面に出しながら執筆活動や講演会講師の仕事をとっていく」ことも楽しみやすいでしょう。最初のうちは以来の数は少ないかもしれませんが、実績を重ねて名前およびクリニック名が知られるようになると、執筆や講演会で得られる収入がそれなりの額になる可能性もあるといえます。

    自由診療を取り入れる

    自由診療の診療メニューは自院で料金設定できるため、人気のメニューが増えれば収入が大幅にアップする可能性も考えられます。美容皮膚科やAGAクリニックなどはもっとも自由診療メニューを取り入れやすい診療科ですが、一般的な内科でも、ビタミン点滴や漢方などを取り入れているところは多いので、導入を検討してみてもいいかもしれません。

    資産運用する

    資産運用に関しても、基本的には勤務医と同じ内容になりますが、iDeCoについては一般的に開業医のほうが上限額が高いので、老後の資金貯蓄のためにも積極的に利用することをおすすめします。なお、病院勤務であれば確定給付企業年金や企業型確定拠出年金に加入しているケースが多いため、その場合、掛け金の月額上限20,000円となります 。一方、個人事業主の開業医が拠出できる上限額は月額68,000円 です。

    ワークライフバランスや将来の目標もしっかり考えていくことが大切

    「役職に就く」「転職する」などの項目でも説明した通り、年収アップのみを重視すると、働きづらさ、生きづらさを感じることもあり得ます。高収入であればプライベートでできることも増えるため、収入が幸せのひとつのバロメーターであることは間違いありませんが、「自分は医師として何をしたいのか?」「人生においてもっとも大切にしたいことは何であるのか?」を考えずに闇雲に収入アップだけ目指していると、働き続けるのがしんどくなる可能性も……。そうした事態に陥ることが内容、ワークライフバランスや将来の目標もしっかり考えながら、自分や家族が幸せであり続ける方法を模索してみてくださいね。

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    対象規模

    無床クリニック向け 在宅向け

    オプション機能

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    提供形態

    サービス クラウド SaaS 分離型

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    内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、