看護師に聞いた「定時で帰りたいとき」の対策とは?無駄残業を減らすコツ

看護師は残業が多い傾向にあることがわかっています。そのため、残業の可能性を見越して予定を立てることが当たり前になっているという人も多いかもしれません。

しかしそれでも、「今日だけはどうしても定時で帰りたい」「残業しても稼げないからなるべく残業したくない」ということがあるでしょう。

では、看護師が定時で帰るためにはどうすればいいのでしょうか? 『クリアス開業マガジン』が看護師を対象に独自に実施したアンケートの回答も交えながら、詳しく解説していきます。

目次
  1. 看護師の残業の実態は?
  2. 看護師の残業が発生する理由は?
    1. 人手不足
    2. 急患対応
    3. 引き継ぎ業務に時間がかかる
    4. 看護記録の記帳に時間がかかる
    5. 研修や勉強会への参加を求められる
  3. 看護師が残業を回避するためにできることは?
    1. 常に“巻き”で仕事する
    2. メモを残す習慣をつける
    3. 仕事ができる先輩や同僚を見習う
    4. 看護記録や申し送りをフォーマット化する
    5. 常にコンディションをベストに整えておく
    6. 同僚と協力し合って仕事する
    7. パートナーシップ・ナーシング・システムを導入する
  4. 残業が少ない職場に就職・転職するのも一手
  5. 残業にはメリットがある場合もある
  6. 絶対に定時で帰りたいときは事前に伝えよう

看護師の残業の実態は?

まずは、看護師の残業の実態をみていきましょう。

日本看護協会が公表している「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」によると、2022年9月における正規雇用看護職員1人あたりの月平均超過勤務時間の平均は5.4時間です。

もっとも多い回答は「1~4時間未満」で31.7%、続いて「4~7時間未満」の22.6%、「7~10時間未満」の14.9%であることがわかっています。また、「20時間以上」の回答者も1.2%存在します。

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件数割合
0時間1013.4%
0時間超~1時間未満29810.1%
1~4時間未満93931.7%
4~7時間未満67122.6%
7~10時間未満44114.9%
10~15時間未満33711.4%
15~20時間未満792.7%
20時間以上371.2%
無回答・不明612.1%
2,964100.0%
平均(n=2,903)5.4時間
参照:日本看護協会「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」

 

また、2021年に同協会が実施した「2021年 看護職員実態調査」では「申告した超過勤務時間」も公表されていますが、この結果をみると、実際の超過勤務時間は月平均で17.4時間であるにも関わらず、そのうち申告した超過勤務時間の平均は8.7時間なので、かなりのサービス残業が発生しているということになります。

参照:日本看護協会「2021年 看護職員実態調査」

看護師の残業が発生する理由は?

続いては、看護師が残業しなければならなくなる理由をみていきましょう。看護師が残業しなければならなく理由としては、主に以下が考えられます。

  • 人手不足
  • 急患対応
  • 引き継ぎ業務に時間がかかる
  • 看護記録の記帳に時間がかかる
  • 研修や勉強会への参加を求められる

それぞれ詳しくみていきましょう。

人手不足

まず考えられる理由が人手不足です。医療現場は全体的に人手が不足しています。人手が足りないと、必然的に1人あたりの業務量や担当する患者数が多くなります。

急患対応

人手不足をカバーするために常に効率よく仕事していたとしても、入院患者の容体が急変したり、急患が運ばれてきたりすると、残業が発生する場合があります。

特に、救急車を受け入れている医療機関や、患者の容体が急変することがよくある循環器科や産婦人科などでは、時間外でも対応が必要になることがあり得ます。

引き継ぎ業務に時間がかかる

有床の医療機関は基本的に2交代制もしくは3交代制であるため、日勤から夜勤、準夜勤から日勤などに交代するにあたって引き継ぎ業務が発生します。始業前、終業後の両方に時間外労働が発生しがちであることに悩まされている看護師も多いようです。

看護記録の記帳に時間がかかる

看護記録は、看護を提供したら適時記録することが基本とされていますが、人手不足などが原因で次から次へと他の業務をこなしていかなければならない場合など、ついつい後回しになりがちです。

最終的に、申し送りを終えた後に看護記録を記帳するという看護師も多く、残業を余儀なくされることが多いようです。

研修や勉強会への参加を求められる

院内研修や勉強会は、本来であれば「業務」とみなされるべきものですが、日々の業務のなかに組み込むことが時間的に難しく、結果として勤務時間外に実施となるパターンが多いようです。

そのほか、1on1の面談なども勤務時間外におこなわれるケースがありますが、その時間には給与が発生しないとなると、腹を割って話そうという気になれないどころか、「早く帰りたい」と思って当然です。

看護師が残業を回避するためにできることは?

続いては、上記を踏まえたうえで、看護師が残業を回避するためにできることを考えていきましょう。看護師が残業を回避して定時に帰るためには、次のような対策が有効であると考えられます。

1人でもできること・常に“巻き”で仕事する
・メモを残す習慣をつける
・仕事ができる先輩を見習う
スタッフ全員で取り組みたいこと・看護記録や申し送りをフォーマット化する
・常にコンディションをベストに整えておく
・同僚と協力し合って仕事する
中規模以上の医療機関の場合・PNSを導入する

 

それぞれ詳しくみていきましょう。

常に“巻き”で仕事する

時間に余裕をもつためには、忙しくないときでも“巻き”で仕事することが有効です。15分後までに終わらせればいいことを5分で終わらせておけば、残業になりそうな気配を感じたときも、余っている時間を使って、早め早めに業務をこなすことができます。

また、そうした習慣をつけておけば、時間が空いたときに、「今のうちにできることはないかな」と時間を有効に活用しようと自然と身体が動くようになるので、クリニックの業務全体の効率化につながります。

アンケート回答者からは、「普段から、の看護記録が溜まってくると、ナースコールは他の人にとってもらって記録を優先して、記録を1つ書いたら次のナースコールは自分が出るようにしています」などの声も上がっています。

また、普段は残業が発生しても問題がないため、定時で帰りたい当日のみ“巻き”で仕事するために、「用事がある日は休憩時間を返上して仕事する」「前残業する」という声もありました。

メモを残す習慣をつける

看護記録を適宜つけることができず、時間ができたときにまとめて記帳しなければならないのはやむを得ないですが、就業後にその日の看護内容を一つひとつ思い出して記帳するとなると、時間がかかって仕方ありません。

それを避けるためにも、看護内容やそれを実施した時間を箇条書きで逐次メモするなどして、記帳時間の短縮を目指しましょう。

仕事ができる先輩や同僚を見習う

業務効率が悪いことが原因で残業が発生しているなら、まずは自分の業務の進め方のどこに問題があるのかを考えることが先決です。

そのうえで、仕事ができる先輩を見習って、業務の進め方を改善していくと、ポジティブな結果を得やすいでしょう。

また、もしも自分の業務の進め方のどこに問題があるのかわからない場合は、先輩看護師にアドバイスをもらうことも考えてみましょう。

看護記録や申し送りをフォーマット化する

看護記録や申し送りのフォーマットを作成しておけば、いずれの作業も時間を短縮することができます。

たとえば、バイタルサインを記すにしても、「脈拍 65回/分 呼吸 18回/分」などをすべて記すのではなく、「脈拍〇回/分 呼吸〇回/分」など、数字を埋めるだけで完成する部分を多く盛り込んでおけば、そのぶん時間を短縮できます。

常にコンディションをベストに整えておく

体調が悪ければそのぶん思考力や集中力、体力が低下するため、業務スピードが落ちてしまいます。

十分な睡眠、適度な運動、バランスのとれた食事を心がけて、常にベストなコンディションで仕事に臨みましょう。

「早く寝るとなるとそのぶん遊ぶ時間が少なくなる」という考えもあるかもしれませんが、十分な睡眠をとって仕事中は仕事に専念したほうが、プライベートの時間も心置きなく楽しむことができますよ。

同僚と協力し合って仕事する

スタッフ同士協力し合って効率よく仕事を進めていけば、業務スピードが上がるだけでなく、毎日気持ちよく働けるため、ストレスの軽減にもつながります。

アンケート回答者からも「自分が定時で帰りたいときに帰らせてもらうよう、普段から周りのスタッフのフォローを意識しています」の声が上がっていました。確かに、できるときに周りを率先してフォローしておけば、自分が困ったときに助けてもらえる可能性が高くなりそうです。

パートナーシップ・ナーシング・システムを導入する

「パートナーシップ・ナーシング・システム」とは、2人の看護師が対等な立場で協力し合って、安全で質の高い看護を提供する看護方式です。

“お互いの特性を生かして、相互に補完しあう”という特性を活用して、定時に帰宅しなければならない日に相手を頼るのも得策です。

残業が少ない職場に就職・転職するのも一手

上記は、今の働き方を変えずに定時で上がるためにとりたい対策ですが、そもそも残業が少ない職場で働きたいということなら、そうした職場に就職・転職することが望ましいといえるでしょう。

では、どのような職場であれば残業が少ないのかというと、無床かつ完全予約制のクリニックであれば、オンコールや当直に対応する必要がなく、診察受付時間終了間際に集中的に患者が押し寄せるといったこともないので、残業はほとんどないと考えられます。

透析科や自由診療のクリニックなどはこの条件に当てはまる場合が多いでしょう。また、手術と無縁の精神科は、医療的な処置がほとんどないことから、時間外労働が発生する確率は低いといえるでしょう。

就職・転職を希望している医療機関の残業が少ないかどうかを見極めるには、これらの診療科目に該当するかということのほかに、求人票に記入されている情報も参考になります。

ただし、残業の有無に関しては必ずしも求人票に記入されているとは限らないので、求人票で触れられておらず、残業について知りたい場合は、面接時に必ず確認するようにしましょう。

残業にはメリットがある場合もある

残業に対してネガティブな感情を抱いている人は多いですし、実際、帰宅時間が遅くなるのですから喜ばしいことではないといえますが、残業することでメリットを得られる場合もあります。

残業手当がつくのであれば、毎月の給与の支給額が上がりますし、より多くの看護の機会を得ることで、看護師としてスキルアップできる可能性もあります。

絶対に定時で帰りたいときは事前に伝えよう

なお、「定時に帰りたい」「残業したくない」などの願望ではなく、大切な用事があって「絶対に定時に出なければならない」というケースにおいては、上記項目を密かにクリアしようとするのではなく、勤務先に事前に、定時で帰らなければならないことを理由とともに伝えておくことが大切です。

アンケート回答者からも、「先輩や師長、医師にも、定時に帰りたい日には朝のうちに伝えるようにしています」の声が上がっています。

なお小規模なクリニックの場合は、当日の申し出だと人手が足りなくて業務に支障が出てしまう場合があるので、予定がわかった時点でなるべく早めに伝えるようにしてくださいね。

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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

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提供形態

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診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、