
病棟や外来などの医療現場では、迅速かつ正確な情報伝達が求められるため、略語や専門用語が日常的に使われています。しかし、看護師になりたての頃や、診療科を異動したばかりのタイミングでは「それ何の略?」と戸惑うことも少なくありません。
今回は、現役看護師のみなさんからアンケートを実施し、「よく使う医療用語・略語」をジャンル別に整理しました。知っておくと現場でのコミュニケーションがぐっとスムーズになるはずです。
疾患名・診断名に関する略語
病名や診断名は、医師の指示や申し送りで頻出します。覚えておくとカルテや記録の理解にも役立ちます。
DM:糖尿病(Diabetes Mellitus)
CHF:うっ血性心不全(Congestive Heart Failure)
COPD:慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)
UTI:尿路感染症(Urinary Tract Infection)
CVA:脳血管障害(Cerebrovascular Accident)
AMI:急性心筋梗塞(Acute Myocardial Infarction)
CA:癌(Cancer)
処置・ケアに関する略語・用語
日々の看護業務の中で登場する処置やケア関連の略語は、患者さんの対応時に即座に理解できるとスムーズです。
CV:中心静脈カテーテル(Central Venous catheter)
NPO:経口摂取禁止(Nil Per Os)
RR:呼吸数(Respiratory Rate)
SpO2:経皮的動脈血酸素飽和度
バイタル:バイタルサイン(体温・血圧・脈拍・呼吸)
褥瘡処置、陰洗、清拭 など基本ケア用語
検査・データ系略語
検査値やモニタリング項目も略語が多く、状態の急変時などにすばやく対応するためにも把握しておきたい項目です。
Cr:クレアチニン(腎機能)
BUN:尿素窒素(腎機能)
AST/ALT:肝機能(アスパラギン酸・アラニンアミノトランスフェラーゼ)
Hb:ヘモグロビン
ECG/EKG:心電図(Electrocardiogram)
物品・薬剤に関する略語・略称
日常的に使用する物品名や薬剤名も略称で呼ばれることが多く、医師の指示受けや物品準備の際に役立ちます。
BP:血圧計(Blood Pressure)
PHS:院内携帯電話
スピッツ:検体容器
ラシックス:利尿剤(一般名:フロセミド)
PPI:プロトンポンプ阻害薬
PCA:患者自己調節鎮痛法(Patient Controlled Analgesia)
看護師間で使う「略語・隠語」的な用語
いわゆる"ナース用語"とも呼ばれる、現場で自然と使われる非公式な略語もあります。新しい職場では戸惑うこともあるかもしれません。
トロミ:嚥下困難な患者に用いるとろみ付きの飲料や食事
ルート:点滴ライン
サチる:SpO2が下がる(酸素飽和度が低下)
マルチ:多機能モニター
上がる:退院、または転棟・転院すること
おわりに
医療現場で日常的に使われる略語や専門用語は、最初は戸惑うかもしれませんが、業務に慣れてくると自然と身についていきます。とはいえ「わからないことをそのままにしない」こともとても大切。
ぜひこの記事を参考に、少しずつ知識を整理していってくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2025年4月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
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