日々の看護のなかで、患者さんやご家族からかけられた言葉が心に強く残ることがありますよね。今回は、現役ナースたちに「今も忘れられない言葉」を聞いてみました。

うれしい言葉に励まされたり、つらい言葉に胸が痛んだり——。その一つひとつが、私たちの看護観に影響を与えてくれているのかもしれません。

胸が熱くなる、あたたかい言葉たち

「『あなたがさすってくれるだけで痛みが軽くなる』。ターミナル期の患者さんに、夜勤中ベッドサイドで身体をさすっていた時に言われた言葉です。薬ではとれない苦しさに、少しでも寄り添えたのかなと思えました。」 （ママナース／40代・前半）

「『あなたが担当でよかった』。ターミナル患者さんのご家族にかけてもらいました。なかなか患者さんと向き合えなかったご家族と一緒に過ごす時間を増やしていった結果、受け入れるきっかけになったようで、本当にうれしかったです。」 （ナースTOY／20代・後半）

「『はるさんがいたから父は大好きな母の近くで逝けました』。自宅で最期を迎えたいという希望を叶えるために退院支援をしたとき、ご家族にかけてもらった言葉です。つらかったけど、報われた気がしました。」 （はる／40代・後半）

「『この子、漢字も読めるんですよ』。事故で意識不明だった子どもが退院後、私の名札を読んでくれました。お母さんからの『本当にありがとうございました』という言葉もずっと覚えています。」 （ちえみ／40代・前半）

「『後悔しないように生きてね』。同年代の患者さんが、手のリハビリをしながら話してくれました。強さと優しさが詰まった、忘れられない一言です。」 （よっしぃ／30代・後半）

「『あなたの手、温かいわね』。CPAの患者さんのご家族の背中をさすっていたときに言われた何気ない言葉。看護師として“手を当てること”の大切さを実感しました。」 （のぞみ＠２児ママナース／20代・後半）

日々の忙しさのなかで、こうした言葉に触れると、ああ看護師ってやっぱり大切な仕事なんだなって改めて実感しますよね。

ちょっと疲れた時でも、患者さんや家族からの素直な感謝は何よりの励みになるはずです。

心に刺さった、厳しい一言

「『この泥棒！』。術後せん妄の患者さんに言われました。新卒の頃で、知識も浅くて本当に衝撃的でした。」 （maa／30代・後半）

「『こんな苦しい思いするために入院したんじゃねぇ！』。ターミナル期の患者さんの訴え。医療者として何もできない悔しさと、申し訳なさで涙が出ました。」 （H@Nurse／40代・後半）

「『あなたが来てくれていたら亡くなることはなかったかもしれない』。訪問看護で他のスタッフが伺った後に亡くなった利用者のご家族から。自分への信頼の重さを痛感しました。」 （飛来／20代・後半）

時にはこんな厳しい言葉が胸に刺さることも。

でも、その言葉の裏には看護師への期待や、患者さんの苦しみが隠れているんだと思います。自分を責めすぎず、できることを続けていきたいですね。

考えさせられた言葉

「『私はバカになってしまったけど、誰が優しくて誰が冷たいか分かるのよ』。高次脳機能障害の患者さんが泣きながら話してくれた言葉です。感情や人を見る目は失われていないと痛感しました。」 （のぞみ／30代・前半）

「『体力があるうちに、いろんな国に行きなさい』。海外旅行が好きだった患者さんの一言。自分の人生について考えるきっかけになりました。」 （なぁ／20代・後半）

「事故で重篤な状態になった旦那さんを見て、『朝までは普通だったのに、子どももいるのに、私はこれからどうしたら…』と涙ながらに話す奥さんの言葉。同じ世代として胸に刺さりました。」 （あい／30代・後半）

看護の現場は本当に一人ひとり違うドラマがあって、その場その場で自分ができることを探しているんだなと感じます。

どんな経験も、明日のケアに活かせる宝物だと思います。

まとめ

看護の現場では、うれしい言葉も、つらい言葉も、すべてが経験として心に刻まれます。それぞれの一言には、患者さんやご家族の想いや背景が詰まっていて、私たちの看護に深みを与えてくれる存在です。

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