レセプト返戻があると、再請求のためにレセプトを見直す手間が発生します。レセプト査定があると、診療報酬が不支給となったり減額されたりするため、クリニックは大きなダメージを受けることになります。そのため、レセプト返戻もレセプト査定もゼロを目指すことが大切です。そこで今回は、レセプト返戻・レセプト査定を減らすために、電子カルテシステムの請求機能をうまく活用する方法を解説していきます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
前提として知っておくべき「返戻」と「査定」の決定的な違い
対策に入る前に、まずは「返戻」と「査定」の違いと、クリニックの経営にどのようなダメージを与えるのかを正しく整理しておきましょう。
レセプト返戻:キャッシュフローの悪化(入金遅延)
返戻とは、記載内容に誤りや漏れがあり、審査支払機関からレセプトが「突き返される」ことです。修正して再提出すれば診療報酬を受け取れますが、大きな問題は「入金が1ヶ月以上遅れること」です。返戻件数が多いと、手元の資金(キャッシュフロー)がショートし、スタッフの給与支払いや経費の精算に悪影響を及ぼす危険性があります。また、過去のカルテをひっぱり出して修正する事務スタッフの多大な労力(見えない人件費)も発生します。
レセプト査定:売上の減少(減点・不支給)
査定とは、審査支払機関の判断により、請求した診療報酬の一部または全部が「不当」とみなされ、減額(カット)されることです。単なるミスではなく「医学的な妥当性がない」と判断された結果であるため、クリニックにとっては直接的な「売上の減少」を意味します。
返戻による「資金繰りの悪化」と、査定による「売上の喪失」。この2つを防ぐことこそが、クリニックの経営を安定させるための最重要課題なのです。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
レセプト返戻・査定の根本原因:気合いのチェックからの脱却
まずは、レセプト返戻・査定をなくすために気を付けるべきポイントについて解説していきます。
レセプト返戻・査定をなくすために、「レセプトチェック期間は残業必須」というクリニックは未だに存在します。令和の時代に、まさかの「気合と根性で乗り切ろう」という昭和の精神が継承されているのです。
このような状況は、雇用されている側からしたらたまったものではありません。「なぜもっと効率よく作業することができないのか?」「こんな職場でこれ以上働き続けることはできない」。そう思われても仕方ないとしかいいようがありません。
もし自院が“気合と根性”を推奨しているなら、一刻も早く、次の3つの点に着目して、改善を進めていくことが大切です。
- 事務的エラーと診療的エラーの切り分け
- オンライン資格確認による保険証トラブルの完全回避
- なぜ「ダブルチェック」は失敗するのか?
それぞれ詳しく解説していきます。
事務的エラーと診療的エラーの切り分け
レセプト返戻・レセプト査定の理由は、大きく「事務的エラー」と「診療的エラー」の2つにわけられます。この2つを減らす、あるいはゼロにするための対策はまったく異なるため、2つを混同していると改善が進みません。
事務的エラー
事務的エラーは、レセプトチェックの体制を整えることによってほぼゼロにすることができます。具体的には次のようなエラーです。
-
(例)
- 保険証番号の誤り
- 記号・番号の入力ミス
- 算定要件の入力漏れ
- 点数算定の単純ミス
診療的エラー
診療的エラーが生じると、レセプト査定されるリスクがあります。具体的には次のようなエラーを指します。
-
(例)
- 病名と処置の不一致
- 過剰投与と判断される
- 算定根拠が弱い
実務対応のポイント
2つの違いを理解したうえで、次のような実務対応をおこないます。
- 1 分類して管理
返戻理由を毎月「事務的エラー/診療的エラー」でわけます
- 2 改善の担当をわける
事務的エラーは、医事・受付が改善して、診療的エラーは、医師と事務で見直します。
なぜこのような対応が必要かというと、事務的エラーが生じるのはオペレーションに問題があるからで、診療的エラーが生じる原因は、医学的に妥当でなかったり、記録に問題があったりするためです。
オンライン資格確認による保険証トラブルの完全回避
オンライン資格確認による保険証トラブルが原因のレセプト返戻は、もっとも簡単にゼロにすることができます。
-
まず、従来の保険証関連の主なトラブルは次の通りでした。
- 保険証の期限切れ
- 転職・転居による資格変更
- 記号番号の誤り
-
これが、オンライン資格確認によって、
- 最新の資格情報をリアルタイムに取得
- 保険変更を即時反映
- 負担割合も自動確認
が可能となりました。
しかし実は、オンライン資格確認を導入しているだけでは不十分なのです。
なぜかというと、「導入しているけど毎回確認していない」「窓口での運用が徹底されていない」などのケースがあるためです。
正しい運用
では、どうすれば保険証トラブルを完全に回避することができるかというと、次の3点を徹底することです。
- 初診・月初は必ず確認
- 再診でも変更疑いがあれば確認
- スタッフ全員が同じ運用ルールで運用する
つまり、オンライン資格確認による保険証トラブルは、「運用ルールを徹底すること」によってほぼ防げるということになります。
なぜ「ダブルチェック」は失敗するのか?
“人に頼るチェック”は、ほぼ確実に形骸化します。
「2人で確認すればミスは防げる」と一般的にいわれていますが、実際は逆で、責任が曖昧になり、見落としが重複する可能性が高いといえます。
失敗する理由
ダブルチェックが失敗する主な理由は次の通りです。
- 1「同じ前提」でチェックしている
同じ教育を受けている2人のスタッフは、同じ思い込みをしていて、同じミスをスルーする可能性が高いといえます。
- 2“確認したつもり”になる
「クリニックが忙しくて時間がない」「レセプトチェックの件数が多い」などの場合、実質スルーしてしまうこともあるでしょう。
- 3 責任の分散
「もう1人が見ているはず」とお互いを頼りにした結果、誰も真剣にチェックしていないこともあります。
解決策
ダブルチェックがうまくいかない可能性が高いのなら、どうすればいいのかというと次の通りです。
- 1 シングル責任制にする
「最終責任者」を1人にする方法です。
- 2 人→システムへ
自動チェック機能や、エラーログの自動抽出を活用します。
- 3 チェックではなく、“エラーが出ない設計”にする
入力時点で制御して、必須項目の未入力を防ぐことによって、エラーが出ることそのものを回避します。
どういうことかというと、たとえば「病名がないと算定できない設定」「保険情報未確認だと会計できない仕組み」などを構築するということです。
【レセプト返戻・レセプト査定対策の本質】
上記3点を総括すると、レセプト返戻・レセプト査定対策の本質は、「チェックを増やすこと」ではなく、「ミスが起きない構造にすること」であるといえます。
具体的にどうすれば、「ミスが起きない構造」を作ることができるのかについては、このあと解説していきます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
電子カルテの請求機能で「提出前エラー」を ゼロにする仕組み化とは?
電子カルテの請求機能を活用して、「提出前エラー」をゼロにするために役立つ仕組みのうち、中核となる仕組みは次の2つです。
- レセプト病名と実施行為の紐付け(チェックマスタの整備)
- 摘要欄コメントの辞書登録による「属人化の排除」
それぞれ詳しく解説していきます。
レセプト病名と実施行為の紐付け(チェックマスタの整備)
「この行為を算定するなら、この病名が必須」というルールを電子カルテ(レセコン)のチェックマスタに登録します。
なぜこれが重要かというと、レセプト査定の多くは「病名がない」「病名が弱い(適応外と判断される)」「行為と病名が不一致」であるためです。つまり、診療は正しくても、レセプト上ではNGになっているのです。
わかりやすく例を挙げると、たとえば次のような入力が必要ということです。
-
(例)
- CRP検査→「炎症」「感染症」などの病名が必要
- 湿布処方→「疼痛」「筋肉痛」などが必要
- 胃薬→「胃炎」「逆流性食道炎」などが必要
これらがシステム上で紐づけられていないと、アラートが出るか、あるいは算定不可になるよう仕組みを構築しておけばいいのです。
実務での仕組みの作り方
具体的に仕組みを作る際のポイントは次の通りです。
- 1 よく査定される項目から優先して紐づけする
すべての項目の紐づけには時間がかかるので、いきなり全部やろうとするのではなく、査定頻度の高い順に整備していきます。
検査、投薬、指導料系などに関して、よく査定される項目の紐づけを進めていきます。
- 2 最低限の病名セットを定義する
過剰に細かく定義する必要はありません。細かすぎると運用が崩壊するので、「現場での使いやすさ」を第一に考えましょう。
- 3 「アラート止まり」にするか「入力制御」にするか考える
請求機能を使い始めた初期のころは、アラート止まりにしておいて、定着してきたら、入力制御にして強制的に「入力できない」状態を作ることがおすすめです。
いずれにしても、「後でチェック」ではなく、「入力時にすべての作業を完了させる」ことを目指すことが大切です。
摘要欄コメントの辞書登録による「属人化の排除」
よく使う摘要コメントを「定型文」として登録して、誰でも同じ内容をワンクリックで入力できるようにします。
なぜ、摘要欄コメントの辞書登録が大事かというと、摘要欄は属人化しやすい領域であるためです。たとえば、次のようなことが起き得ます。
- 書く人によって内容が異なる
- 書き漏れが発生
- 表現が曖昧でレセプト査定される
これらの可能性が、辞書登録をした結果、次のように変化します。
- 書き漏れ回避
- 内容の標準化
- 新人でも同品質
具体的な登録方法
辞書登録の方法は次の通りです。
- 1 レセプト査定されやすいコメントから登録
たとえば、次のようなコメントから登録します。
-
(例)
- 長期投薬理由
- 検査の医学的必要性
- 指導料の算定根拠
- 2 「そのまま出せる文章」を登録します。
(NG例)
「XXのため」
(OK例)
「慢性XXの経過観察のため継続投薬が必要と判断」
審査する側に伝わる文章にすることがポイントです。
- 3 選択式にする
「プルダウン」or「ボタン選択」
「キーワード検索」
など、入力を“考えさせない”設計にします。
- 4 定期メンテナンス
レセプト査定されるたびに辞書を修正します。新しいルールを反映させながら、辞書を“育てていく”ことが大切です。
よくある失敗
- 定型文が長すぎる
- 種類が多すぎる
- 結局使われない
上記のような失敗があるため、「シンプルで使いやすい」ことを最優先することが大切です。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
【診療科別】よくあるレセプト返戻の罠と具体的対策
続いては、診療科別の、よくあるレセプト返戻の罠と具体的対策を解説していきます。
内科:生活習慣病管理料などの包括算定漏れ
内科は算定ルールが複雑で、制度変更が多いことから、次のようなことが起こりやすいといえます。
- 特定疾患療養管理料と生活習慣病管理料の取り違え
- 包括算定なのに個別算定してしまう(重複請求)
- 算定要件(指導内容・間隔)の記録漏れ
具体的対策
上記のようなエラーを防ぐためにとるべき対策は次の通りです。
- 1 包括対象の自動判定
病名(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)入力時に、「生活習慣病管理料対象」フラグを自動表示させるようにします。
- 2 排他制御(重複防止)
生活習慣病管理料を算定したら、関連する個別項目は入力不可にするか、またはアラートが出るようにします。
- 3 テンプレ連動
指導内容(食事・運動・服薬)がワンクリックでSOAP・摘要に自動反映されるようにします。
整形外科:部位不一致(左右エラー)を防ぐUI設定
整形外科では、たとえば次のようなエラーが起こり得ます。
- 傷病名:右膝(であることがわかる記載)
- 処置:左膝(であることがわかる記載)
この間違いでレセプト返戻となる確率は極めて高いです。
なぜこのようなことが起きるかというと、部位入力が任意だったり、フリーテキスト入力あったりするためです。また、UIがバラバラであることが原因の場合もあるでしょう。
具体的対策(UI設計)
具体的対策は次の通りです。
- 1 部位選択の必須化
「右/左/両側」を選択しないと進めないように設計します。
- 2 病名と行為の連動
たとえば、右膝の病名を選択した場合、処置も自動的に右膝に紐づくよう設計します。
- 3 不一致アラート
左右がずれたら、警告ではなく“登録不可”にします。
- 4 視覚的UI
人体図(ボディマップ)で選択するようにすれば、直感的にミスしにくくなります。
在宅医療:複雑な加算要件と算定ルールの自動追従
在宅医療の場合、次のようなミスが起きる可能性が高いといえます。
- 訪問回数・時間・緊急対応のカウントミス
- 同一建物/単一建物の区分誤り
- 加算の算定要件未達(でも請求してしまう)
具体的対策
これらのミスを回避する方法は次の通りです。
- 1 訪問履歴の自動カウント
月内訪問回数・時間を異動集計して、加算可否を自動判定するようにします。
- 2 施設区分のマスタ管理
患者ごとに、「単一建物/同一建物」などを事前に設定します。
- 3 加算の条件分岐ロジック
(例)
緊急往診あり→自動で該当加算候補表示
要件未達→算定不可
- 4 カレンダー連動
訪問スケジュールとレセプトを連動させます。これによって、入力漏れを防止することができます。
これらはすべて、人が“覚える・数える”業務をゼロにするための仕組みです。
その他の診療科:よくある返戻の罠と対策
その他の診療科でよくある返戻の罠と対策は次の通りです。
小児科
-
返戻の罠
- 体重未入力による投薬量不適合
- 年齢制限のある算定ミス
-
対策
- 体重入力必須化
- 年齢連動で算定可否を自動制御
皮膚科
-
返戻の罠
- 同一部位への重複処置
- 算定回数制限オーバー
-
対策
- 部位×回数の自動カウント
- 上限到達でアラート/制御
眼科
-
返戻の罠
- 左右別算定の入力漏れ
- 検査と病名の不一致
-
対策
- 左右セット入力UI
- 検査ごとの必須病名紐付け
耳鼻科
-
返戻の罠
- 同一日での算定不可項目の重複
- 処置と病名のズレ
-
対策
- 同日算定NGの排他制御
- 行為×病名チェックマスタ
精神科
-
返戻の罠
- 通院・在宅・訪問の区分ミス
- 指導料の要件記載不足
-
対策
- 診療形態の事前選択UI
- 指導内容テンプレ必須化
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
経営(キャッシュフロー)改善に直結する月次PDCA
続いては、クリニックの経営改善に直結する月次PDCAについて解説していきます。
エラー集計と院内ルールのアップデート手法
レセプトチェックを見直すことでクリニックの経営を改善するためには、
エラーを「数える」→「分類する」→「ルール化する」→「再発を防止する」のサイクルを毎月固定運用していくことが必須です。
具体的なステップをみていきましょう。
STEP1:エラーを“粒度高く”集計
単に「返戻◯件」では意味がありません。
次の軸でエラーをわけることが肝心です。
- 事務エラー/診療エラー
- 内容別(例:病名漏れ、左右不一致、保険資格)
- 発生箇所(受付/医師/医事)
つまり、「どこで何が起きたか」まで分解することが大切だということです。
STEP2:トップ3に絞る
すべて対応しようとすると破綻します。
そのため、まずは“件数の多い上位3つだけ”に集中します。
(例)
1位:病名漏れ
2位:保険資格
3位:摘要不足
STEP3:原因を「人」ではなく「構造」で考える
NG:
「注意不足」
「確認が甘い」
OK:
入力必須になっていない
UIが分かりにくい
ルールが曖昧
“なぜ起きたか”ではなく“なぜ防げなかったか”で考えます。
STEP4:院内ルールに落とし込む
ここが一番重要です。
Before(曖昧)
「病名をしっかりつける」
After(具体)
「検査入力時は病名必須(未入力なら登録不可)」
など、具体的にどうすればいいのかをルール化します。
STEP5:ツール・設定に反映
ルール化するだけでなく、次のような設定もおこない、「守らなくてもレセプトチェックできてしまう状態」を排除していきます。
- 電子カルテの入力制御
- チェックマスタ
- テンプレート作成
STEP6:翌月検証
ルールは「作って終わり」ではなく「育てる」ことが大切です。
「同じエラーが減ったか?」
「別のエラーが増えていないか?」
などを翌月に検証します。
返戻率が下がった成功事例
レセプト返戻が下がった成功事例としては、次のような事例があります。
事例①:内科クリニック
-
(Before)
- 返戻率:5〜6%
- 主な原因:病名漏れ、摘要不足
-
(実施したこと)
- 1 病名紐付けの強制化
検査・処置入力時に、病名なしでは登録不可にした。
- 2 摘要テンプレ導入
よく査定されるコメントを辞書化して、ワンクリックで入力できるようにした。
- 3 月次エラー共有
毎月10分ミーティングの時間を設けて、上位3つだけ共有するようにした。
-
(After)
- 返戻率:1%未満に改善(約3ヶ月)
-
(成功のポイント)
このケースの成功のポイントは、現場の努力ではなく、“入力制御”に振り切ったことだと考えられます。
事例②:整形外科クリニック
-
(Before)
- 返戻率:4%前後
- 主な原因:左右不一致
-
(実施したこと)
- 1 部位入力の必須化
右/左/両側を必ず選択しなければならないようにした。
- 2 病名と処置の自動連動
(例)右膝の病名 → 処置も右膝に固定した。
- 3 不一致時は登録不可
アラートではなくブロックにした。
-
(After)
- 該当エラー:ほぼゼロ化
- 全体返戻率:1%台へ改善
-
(成功のポイント)
- 「注意喚起」をやめて、「物理的に防止」したことが大きいと考えられます。
事例③:在宅医療クリニック
-
(Before)
- 返戻率:7%以上
- 主な原因:加算要件ミス
-
(実施したこと)
- 1 訪問回数・時間の自動カウント
月次で自動集計されるようにした。
- 2 加算ロジックの組み込み
要件を満たさないと算定不可にした。
- 3 スケジュール連動
訪問予定とレセプトが連動されるようにした。
-
(After)
- 返戻率:2%以下に改善
-
(成功のポイント)
- “人が数える業務”をゼロにしたことにあると考えられます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
レセプト返戻に関するFAQ
続いては、レセプト返戻に関するよくある質問とその答えをみていきましょう。
Q. 医師と事務スタッフの連携をスムーズにするにはどうすればいいですか?
「会話を増やす」のではなく、「やりとりを標準化する」ことが肝心です。
レセプト返戻でよくあるパターンは次の通りです。
事務:病名をつけてほしいが遠慮して聞けない
医師:何を求められているのか分からない
結果:曖昧なまま提出 → 返戻
こうなることを防ぐために有効な仕組みは次の3つです。
- 1“依頼フォーマット”の統一
(例)
「○○の算定に必要なため、△△の病名追加をお願いします」
「査定リスクあり:理由の記載をお願いします」
など、聞き方をテンプレ化するだけで心理的ハードルが下がります。
- 2 カルテ上で完結させる
これは簡単で、付箋機能・コメント機能を活用するだけです。
口頭ではなくログが残る形での依頼となるため、確認する側の意識も高まります。
- 3 週1回・10分だけ共有
「今週の返戻トップ3」
「よくある修正依頼」
などの“情報共有”に徹します。
相手を教育しようとするのではなく、あくまでも“情報共有”です。
また、次のようなパターンはNGです。
- その都度、口頭で確認
- 人によって依頼内容がバラバラ
- 医師に丸投げ
Q. レセプト点検ソフトと電子カルテの標準機能、どちらを優先すべきですか?
まずは、電子カルテの標準機能を最大限使い切って、不足分のみ点検ソフトを使うことが理想です。
なぜかというと、電子カルテの標準機能は、入力時点でエラー防止するよう設計されてている一方、点検ソフトは、提出前の最終チェックをおこなうものであるためです。
つまり、電子カルテの標準機能が「エラーの予防」に役立つものである一方、点検ソフトは「事後チェック」のためのものという違いがあるということになります。
整理すると次の通りです。
-
【電子カルテ標準機能】
- 入力時点でエラー防止(=予防)
- リアルタイムチェック
- 運用に組み込みやすい
-
【点検ソフト】
- 提出前の最終チェック(=事後)
- 網羅性は高いが“後追い”
優先順位
具体的な優先順位は次の通りです。
-
STEP1
- 病名×行為の紐付け
- 入力必須制御
- 算定ルールのチェックマスタ
電子カルテでやるべきこと
-
STEP2
- 地域差・審査傾向
- 複雑な算定ロジック
それでも残るエラー
→ここで初めて、点検ソフトを導入します。
つまり、「後で見つける」のではなく、「最初から発生させない」ことが大事だということです。
Q. 外部へのアウトソーシング(代行)を検討する基準は?
“人が足りないから”ではなく、“内製で回らない構造かどうか”で判断します。
検討すべき3つの基準は次の通りです。
- 1 返戻率が高止まりしている
- 2 属人化が強い
- 3 教育コストが高い
目安として、3%以上が継続しているようだと、内部改善だけでは限界の可能性が高いと考えられます。
特定スタッフに依存している状態だと、そのスタッフが休むと回らなくなります。そのため、リスクを分散させる必要があると考えられます。
新人育成に時間がかかっているうえ、ミスが減らないという状況なら、外部の専門性を活用したほうがいいと考えられます。
なお、アウトソーシングのメリット・デメリットは次の通りです。
-
【アウトソーシングのメリット】
- 専門知識による査定回避
- 人件費の変動費化
- 業務の安定化
- 院内にノウハウが残りにくい
- コミュニケーションコストがかかる
- 完全丸投げは危険(ブラックボックス化)
【アウトソーシングのデメリット】
メリット・デメリットを考慮したうえでのおすすめの使い方は、完全外注ではない「ハイブリッド」です。“基本入力は院内、点検・最終確認は外部”などの使い方にすると、ブラックボックス化も防ぎやすくなります。
Q. 万が一「査定(減点)」されてしまった場合は、もう諦めるしかないのでしょうか?
決して諦める必要はありません。正当な診療を行ったにもかかわらず、審査側の解釈違いや地域ごとのローカルルールによって不当に査定されてしまった場合は、「再審査請求」を行うことができます。
再審査請求とは、「この診療は医学的に妥当である」という理由を添えて、審査支払機関に再度審査を申し立てる制度です。
電子カルテの機能を活用して「病名」や「摘要欄のコメント(算定根拠)」をしっかり入力・辞書登録しておく仕組みを作っていれば、再審査請求の際に「なぜその処置が必要だったのか」を論理的に主張しやすくなります。査定されたらすぐに泣き寝入りするのではなく、毎月のPDCAの中で「これは再審査請求で取り返せる案件か?」を医師と事務で判断するフローを持っておくことも、収益を守る上で非常に重要です。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
システム化でスタッフの疲弊を防いで、収益を最大化しよう
レセプト返戻・レセプト査定を減らすために、システムの構築や外部の専門家活用を検討してみたものの、「余計な手間をかけたくない」と断念しているクリニックもあるかもしれません。しかし、ここまで解説してきた通り、レセプトチェックの精度を上げる仕組み作りやアウトソーシングの活用は、スタッフの負担軽減につながるだけでなく、業務効率化にもつながるため、結果的に収益がUPする可能性が高いといえます。まずは、自院の電子カルテの請求機能を設計することからはじめてみるだけでも、少しずつ業務効率が向上してくるはずなので、ぜひ今月中にでも着手してみてくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
