2025年12月2日より、マイナ保険証は義務化されています。ただし現在でも、マイナ保険証の代わりに資格確認書を提示することで、医療機関を受診することは可能です。では、現時点でのマイナ保険証の普及率はどのくらいなのでしょうか? また、資格確認書を使い続けている人は、受診時に困ることなどはないのでしょうか? マイナ保険証に関するアンケートへの回答者のコメントを見ながら、考察していきましょう。
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従来の保険証・資格確認書の使用期限は?
マイナ保険証の利用率を確認する前に、まず、従来の保険証・資格確認書の使用期限を改めて確認しておきましょう。
従来の保険証の最終的な使用期限は【2026年7月31日】
冒頭で述べた通り、2025年12月2日より、マイナ保険証は義務化されたため、原則として、従来の保険証はこの時点を持って有効期限切れということになります。
しかし実際には、自分の健康保険証の有効期限に気づいていない人や、マイナ保険証への切り替えが済んでいない人、有効期限が切れた健康保険証を持って医療機関を訪れる人が数多く出ることが予想されました。そのため、厚生労働省は、資格がオンラインで確認できれば、期限切れの従来の健康保険証を持参した場合でも、いったん通常の自己負担割合で受診できるという暫定措置を設けました。このときの期限は2026年3月末と設定されていました。
ところが、2026年3月に遭っても、期限切れに気づくことなく、従来の健康保険証を持参して受診する人がいることがわかりました。そこで、3月末に暫定対応を終了すると、受診時に混乱を招く可能性があると判断されたことから、厚生労働省は、暫定措置を2026年7月末まで延長するとしました。
出典:厚生労働省「マイナ保険証の円滑な利用に向けた対応について(周知)」
つまり、時系列では次のように示すことができます。
| 時期 | 暫定措置 |
|---|---|
| 2025年12月2日~ | 健康保険証は原則すべて有効期限切れ |
| 当初 | 2026年3月末まで、期限切れ保険証を持参した場合の暫定対応 |
| 2026年3月25日 | 厚労省が7月末まで延長すると通知 |
| 2026年7月31日 | 暫定措置終了 |
| 2026年8月1日~ | 原則としてマイナ保険証または資格確認書を持参 |
資格確認書の有効期限は【最長5年だが自動更新される】
一方、資格確認書の有効期限は、加入している医療保険の種類や保険者によって異なります。具体的には、「5年を超えない範囲」で保険者が設定できることになっていて、有効期限が切れる前に新しい資格確認書が自動的に郵送されるという仕組みがとられています。
出典:厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」
【2026年7月/厚生労働省公表】マイナ保険証の最新の利用率は70.43%
続いて、厚生労働省が公表している、マイナ保険証の最新の利用率を確認していきましょう。
2026年10月8日時点において、厚生労働省が公表している最新のマイナ保険証利用率は、2026年7月時点のデータとなります。厚生労働省の公表データによると、2026年7月時点において医療機関を受診した人のうち、70.43%がマイナ保険証を利用しています。
これは、“医療機関を受診した人”を100としている数で、前述の通り、2026年7月は従来の保険証の暫定措置期間であったため、残りの3割弱は、従来の保険証または資格確認書を使用したということになります。
また、2026年8月以降については、マイナ保険証または資格確認書のいずれかでなければ受診できないということになります。
※ただし、生活保護受給者に限っては、マイナ保険証も資格確認書も交付されていないということになります。なお、マイナンバーカード自体は有している場合、マイナンバーカードで医療扶助の資格を確認することになります。
出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について」
【独自アンケート結果】2026年8月以降の受診でのマイナ保険証利用率は?
続いては、株式会社DONUTSが2026年10月に独自に実施したアンケート結果をみていきます。アンケートの質問は、「2026年8月以降に病院・クリニックを受診したとき、受付で出したものは何ですか?」。
この回答結果は次の通りとなっています。
| 提出したもの | 人数 |
|---|---|
| マイナ保険証 | 83人 |
| 資格確認書 | 16人 |
| 従来の健康保険証 | 1人 |
なお、先に説明した通り、従来の健康保険証の暫定措置期間は2027年7月をもって終了していますが、上表の通り、「従来の健康保険証」の回答者が1人います。
当該の回答者は、「制度が変わる時期ということもあって、今回の受診時にどの書類やカードを提示したら正解なのか少し迷ってしまいました。 受付のスタッフの方が“今回はこちらで大丈夫ですよ”と丁寧に優しく案内して下さったので安心して受診できたけど、今後はもっとわかりやすく事前の案内や周知が徹底されると助かるなと感じました」とコメントしています。
つまり、暫定措置の延長を経てもなお、マイナ保険証へと切り替わったことを知らなかった人がいるということになります。
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2026年8月以降の受診で患者が困ったことは?
続いて、「2026年8月以降の受診で困ったことは?」の回答結果は次の通りです。
| 困ったこと | |
|---|---|
| 特に困ったことはなかった | 77人 |
| カードの読み取りがうまくいかなかった | 15人 |
| (受付で)何を出せばいいかわからなかった | 5人 |
| 待ち時間が長くなった | 3人 |
8割近くの人が、受付時に特に困ったことはなかったということになります。なお、それ以外の選択肢をチョイスした回答者のコメントは次の通りです。
カードの読み取りがうまくいかなかった:15人
顔認証がうまくいかなかった
-
「いつもは簡単に認証してくれる顔認証システムが認証してくれず、暗証番号認証に切りかえたところ、無事認証してくれました」
-
「受付でマイナ保険証の認証をしたのですが、顔での認証がうまくできなかったので、受付の人から暗証番号でやるといいですと言われました。実際に暗証番号を入力したところ、すぐに手続きが終わって楽でした」
-
「子どもを連れて受診したときに、顔認証が反応せずに困った。何となく覚えていた暗証番号で受付することができた。子どもは成長すると顔つきが変わるので、気を付けないといけないなと感じた」
-
「マイナ保険証を機械で読み取るときに、顔認証がいまいちうまくいかないことがあって、そのときの空気が嫌」
→もっとも多い理由は顔認証のエラーでした。回答にあるように、子どもの風貌が成長とともに変わった場合だけでなく、整形などによって顔が変わった場合にも、きちんと認識されなくなる可能性があると考えられます。また、回答者の声の通り、顔認証がスムーズにいかず、受付のスタッフや次の患者を待たせることによるプレッシャーを感じるケースもあるでしょう。
読み込みに時間がかかった
-
「従来の保険証と違って読み込むのに多少時間がかかるので、受付が混みやすくなったと感じました」
-
「マイナンバーカードの読み取りがスムーズにできなかったが、結果としては正しく認証された。私のあとに来院した患者も、うまくできない人が数人いた。受付スタッフはうまくできないときの対応に慣れているようだった」
→カードの読み込みに時間がかかってやきもきしたという声もありました。読み取り機器の反応が悪いケースも考えられますが、実際にはさほど遅くなくとも、次の人を待たせているなどの状況で気持ちが焦って、なかなか読み取られないように感じてしまうケースもあるかもしれません。
カードリーダーなどの不具合・故障が原因だった
-
「受付時にマイナンバーカードの読み取り機械が動いておらず、受付の人にその旨を伝えました。ちょうど不具合があって再起動しているときだったようです。朝の混み合う時間帯に機械がうまく動かないと、受付の人と患者側の両者ともにストレスがたまるなと感じました」
-
「顔認証付きカードリーダーの読み取りができなかった。困っていたら、“故障中なんです”と言われてびっくりした。定期的に通院している病院だったので、そのまま受付してくれた」
→カードリーターなどの不具合や故障がたびたび起こる場合は、医療機関側でベンダーに修理を依頼するか、機器の入れ替えを検討する必要があると考えられます。
マイナ保険証の有効期限が切れていた
- 「有効期限が切れていることに気づいていませんでしたが、受付で今回は受診できることと、更新手続きが必要なことを説明してもらえて助かりました」
→マイナ保険証の有効期限が切れていた場合、医療機関側は、マイナ保険証を使ったオンライン資格確認以外の方法で資格確認をおこなうことになります。どのように資格確認をおこなうかについては、厚生労働省の「資格確認方法について」のページにまとめられています。
当該ページによると、停電などの災害時や、患者が携帯しているマイナンバーカードのICチップの破損時などについても、オンライン資格確認以外の方法で患者の受診資格を確認するとされています。
原則としては、再診の場合は職員による口頭確認、初診の場合は患者に被保険者資格申立てに記入してもらうことが必要になります。
初めて受診する医療機関、または久しぶりの来院で勝手がわからなかった
-
「初めて受診する病院だったこともあり、戸惑っていた私に対して医療事務の方が優しく教えてくれて助かりました」
-
「マイナ保険証が当たり前になってきたからか機械に通すやり取りが当たり前みたいで、ほとんど通院歴のない私は案内がなく何をすれば良いかわからず、しばらく受付ができなかった」
→久しぶりに医療機関にかかる場合などは、そもそもカードを読み取る必要があることを知らないというケースもあるようです。
(受付で)何を出せばいいかわからなかった:5人
資格証明書からマイナ保険証に切り替えたら受付方法がわからなかった
- 「マイナ保険証の前は資格証明書を使っていたのでしばらく機械があることに気づかず資格証明書を出していたが、実際どっちを出すべきなのかどっちも出すべきなのかわからなくて挙動不審になっている」
→資格証明書からマイナ保険証に切り替えたことで、受付方法が変わって戸惑ったというケースです。
診察券の提出とのルールの違いがわからなかった
- 「再診のときに診察券を受付で提示してマイナンバーカードを提示するか分からなくて困っていたときに、受付の人からマイナンバーカードは毎回カードリーダーで読み取ってくださいと言われて、少し焦ってしまいました」
→従来の保険証は、原則として月1回の提示でしたが、マイナ保険証は、受診の都度、カードリーダーで資格確認する必要があるため、その違いを知らなかったことでスムーズに受付できなかったというケースです。
久しぶりの受診だったので受付方法がわからなかった
- 「マイナンバーカードを出すんだろうなとは思いつつも、久しぶりの受診でちょっと不安でした。受付では特に何も案内されず迷いましたが、提示して問題なく手続きができたので安心しました」
→資格証明書からの切り替え同様、従来の保険証から切り替え後、初めてマイナ保険証を使う場合も、やり方がわからず戸惑うことがあるようです。
待ち時間が長くなった:3人
暗証番号でつまずく人、顔認証がうまくいかない人が多いと待ち時間が長くなる
-
「暗証番号を間違えたり顔認証が上手くいかなかったりなど、カードリーダーの前で戸惑っている患者さんが多い。受付の人がその都度対応していて大変そう。それが待ち時間の長さにつながっているような気がする」
-
「マイナカードの暗証番号で躓く人が多く、読み取りの機械が1台しかないため、そういう人のせいで、いつも時間がかかる」
→「暗証番号を思い出せない」「顔認証がうまくいかない」などの理由でオンライン資格確認がスムーズにいかない患者が多いと、そのぶん待ち時間が長くなり、不満を感じるケースがあるようです。
【資格確認書の場合】マイナ保険証を使ってないためスムーズに受付してもらえない
- 「ほとんどの人がマイナ保険証を使っているので、受付でそれが前提のような対応をされて少し戸惑った」
→患者がマイナ保険証ではなく資格確認書で受付する場合、資格確認書の記載内容を確認した後、必要に応じてオンライン資格確認システムに照会することになります。医療機関によっては、この手続きに時間がかかる場合もあるでしょう。
2026年8月以降の受診で、患者が受付時に感じたこと
続いては、2026年8月以降の受診の際、患者が受付時に感じたことをみていきましょう。
マイナ保険証利用者の声
まずは、マイナ保険証利用者の声をみていきます。
従来の保険証より受付が楽になった
-
「マイナ保険証を自分で端末に置いて認証すればよくなったので、以前のように受付職員に保険証を確認してもらう手間がなくなってスムーズで良いと感じます」
-
「マイナ保険証読み取り機の形式に変わったことによって、受付にいちいちカードを渡す手間もなく、よりスムーズになって楽になったと感じました」
→自分で操作できるようになったことで、「以前より受付がスムーズ」と感じているとの声は多く上がっていました。
従来の保険証のほうがスムーズに受付してもらえた
-
「自分はスムーズにできたけど受付で手間取っている人を見て前の紙の保険証の方が楽だったなと感じた」
-
「マイナンバーカードの読み取りのために自分で操作しないといけないので、老人の方とかは難しいのでは無いかと思った」
-
「顔認証の場合、マスクをしたままだと認識されないのですが、うっかりつけたままにして、受付の方から注意を受けていました。 高齢者の方など操作がわからず、受付の方が付きっきりで教えている場面もよく見かけました。移行期なので仕事が増えて大変そうだな、と思います」
→「従来の保険証より楽」と答えた人がいる一方で、「従来のほうが楽だった」とコメントした人も同程度いました。回答者自身はスムーズに受付できた場合でも、「もたついている人がいた」「受付での様子を見ていて、高齢者には操作が難しそうだと感じた」とのコメントも。スムーズに受付できない患者がいる場合、医療機関でのサポートが大切だということになります。
顔認証<暗証番号
-
「いつもは簡単に認証してくれる顔認証システムが認証してくれず暗証番号認証に切りかえて無事認証してくれました」
-
「受付でマイナ保険証の認証をしたのですが、顔での認証がうまくできなかったので、受付の人から暗証番号でやるといいですと言われました。実際に暗証番号を入力したところ、すぐに手続きが終わって楽でした」
-
「以前は病院側がマイナンバーに対応しきれないのではないかと思っていましたが、意外に機器の普及は進んでいたようで、今のところどこでもスムーズに手続きできています。 個人的には顔認証のほうが簡単なのでそちらを選択していますが、見ていた限りでは暗証番号を選ぶ人のほうが多く感じました」
→顔認証がうまくいかず、暗証番号がデフォルトになっているとの声はとても多くありました。顔認証の精度が高くない機器を導入している場合、医療機関側でも暗証番号での認証をすすめるといいかもしれません。
認証時にマスクを外さなければならないのがネック
-
「はじめに顔の画像を読み込んでほしいと言われたが、マスクですっぴんを隠していたので少し焦った」
-
「病院ではマスクの着用が通例なのでマイナ保険証の顔認証は意味が無いと思う。私は暗証番号でやり取りしているし、周りの人も暗証番号を入力していました」
→コメントにある通り、感染予防のためにマスク着用を患者にお願いしている医療機関は多いです。特にインフルエンザなどの流行シーズンは必須の対策となるため、その観点からしても、暗証番号を推奨することが望ましいといえるでしょう。
医療DXが進むと楽/もっと進んでほしい
-
「診察券がデジタル化(ライン診察券など)したり、支払いが自動精算機になったりして、受付の人と接することが少なくなり、さらに待ち時間も少なくなって楽」
-
「マイナンバーカードを受付で提示(スキャンする)ケースが多く、各病院やクリニックの診察券を忘れがちになる。これもマイナンバーに紐づけてもらえたら有難いなと思います」
→マイナ保険証の普及だけでなく、全般的に医療DXが強化されてきたことで、これまでより受診がスムーズになったとする声がありました。また、マイナ保険証に、「各医療機関の診察券が紐づけられたらもっと楽なのに」とさらなる医療DXの強化を望む声も上がっています。後者に関しては個別の医療機関での対応は不可であるものの、診察券をデジタル化するなどの対応は可能であるため、患者満足度向上のためにも検討してみるといいかもしれません。
カードリーダーの設置位置に問題がある
- 「マイナ保険証の読み取り機で顔認証する際に、背伸びしなければならなく不便である」
→身長が平均より低い人や小さな子ども、あるいは車椅子で来院している人などは、カードリーダーが高い位置に設置されていると顔認証時に背伸びしたり立ち上がったりしなければならないため、大きな負担を感じます。医療機関側は、誰もが楽に顔認証できる位置への設置を考える必要があります。
マイナンバーカードの取り忘れ
- 「受付はスムーズに終わり、マイナンバーの読み取りも問題なかったけど、1度だけ、読み取りが終わったあとマイナンバーカードを取るのを忘れるということがあったので、そこは気を付けないといけないと思った」
→認証修了後、患者がカードリーダーにセットしたマイナンバーカードを取り忘れる可能性があります。医療機関側はこの可能性を踏まえて、受付時に患者に一声かけるなど工夫する必要がありそうです。
資格確認書利用者の声
続いては、資格確認書利用者です。
「マイナ保険証を使うのが当たり前」と思わないでほしい
-
「私はマイナ保険証ではなく資格確認書を使っているのですが、受診のたびに“すぐにマイナ保険証へ変更できますよ”とすすめられるため、少し気まずく感じています」
-
「どの病院に行っても、マイナンバーカードをかざしてくださいと言われることに違和感を覚える。みんなが持っているわけではない」
-
「資格確認書の提出をしたいのに、受付の方がいかにもマイナンバー保険証の提出を当たり前のように思っているところにカチンきました。制度的にも資格確認書でも良いのに、マイナンバー保険証持っていないことに不思議な目で見ないでほしいと思いました」
-
「提示するものとして、まず、マイナンバーカードを持っているか聞かれた。資格確認書を出すようには促されないので自発的に提出した。ほとんどの人がマイナンバーカードを提出するためそのような案内なのかなと感じた」
→最も多かったコメントは、「なぜマイナ保険証を使っていないのですか?」という目で見られることにストレスを感じるというコメントでした。
マイナ保険証より資格確認書のほうがいい
-
「受付カウンターが複数個所ある病院で、マイナ保険証で受診している人の資格確認が大変そうだった。機械が1つしかないので順番に確認しており、かえって時間がかかっていた」
-
「私は資格確認書を出してスタッフの方とのやり取りもほとんどすることなくスムーズに受付できたが、私の後に受付していた高齢の女性がマイナカードでうまく受付できてなくて時間がかかっているのを見た」
→マイナ保険証より資格確認書のほうが使いやすいと感じている人も多いようです。
電子資格確認書についても医療機関で把握してほしい
- 「ニュースなど報道では、資格確認書が紙ベースで交付されることがメインで報じられていましたが、私の所属する保険組合からは『電子資格確認書』しか発行されませんでした。 そのため、実際に病院の窓口で提示した際、受付の方の経験がなかったようで、対応に戸惑われてしまい、確認する手続きにいつも以上に時間をかけさせてしまいました。 誰のせいでもないですが、窓口を滞らせてしまい、申し訳ない気持ちになりました」
→健康保険組合のなかには、資格確認書を専用webサイトで交付しているところもあるようです。ただし、基本的には紙での発行であるため、多くの医療機関は電子版もあることを把握できていないでしょう。
出典:関東ITソフトウェア健康保険組合「資格確認書を専用webサイトで交付します【web交付】」
マイナ保険証の必要性を感じない
- 「8月以降の受診で特に困ったことはなく、マイナ保険証がなくても資格確認書で充分なんじゃないかなと思いました」
→「マイナ保険証がなくても資格確認書で事足りる」という声がありました。確かに、医療機関を受診することに関してだけでいうと、どちらを使っても同じに感じるかもしれません。しかし、「過去の薬剤情報や診療情報を共有できない」「高額療養費の手続きで不便になる場合がある」などのデメリットは存在するため、場合によっては医療機関側から患者に対して、マイナ保険証を使うメリットについて説明することを検討してもいいかもしれません。
患者が期限切れの健康保険証を提示してきた場合どうすればいい?
前半で説明した通り、株式会社DONUTSが独自に実施したアンケートでは、100人中1人のアンケート参加者が、「2026年8月以降の受診で従来の健康保険証を使ったが、受診できた」と回答しています。
この事例から考えるに、日常生活のなかでニュースに触れる機会がないなどの理由から、今後も期限切れの健康保険証を持参して受診しようとする患者が出てくる可能性は考えられます。
その場合の対応手順は、次の通りです。
マイナ保険証または資格確認書の提示を案内する
患者に、従来の健康保険証は有効期限が終了していることを説明して、マイナ保険証または資格確認書の提示を求めます。
持参できない場合は、健康保険証を忘れた場合と同様に対応する
厚生労働省の医療機関向け案内では、期限切れの保険証だけを持参した患者には、従来の保険証を忘れた場合と同様の対応をおこなうとしています。
具体的には、患者にマイナ保険証や資格確認書を後日提示できるか確認して、加入保険者や資格情報を確認するための対応を検討します。
保険資格を確認できない場合は、院内の運用に沿って対応する
期限切れの保険証を提示しただけで、暫定措置に基づいて通常の自己負担割合で会計できるとは限りません。資格を確認できない場合の会計や後日の精算については、医療機関の規定に沿って対応して、必要に応じて保険者に確認します。
次回の受診に向けて周知する
次回以降はマイナ保険証か資格確認書を持参するよう説明します。厚生労働省は、受付での案内のほか、院内掲示やWebサイトでの周知も推奨しています。
出典:医療機関等向け総合ポータルサイト「健康保険証の有効期限切れに伴う暫定的な取扱い(令和8年7月31日まで)」
【患者がマイナンバーカードを持っている場合】
マイナ保険証の利用登録が済んでいない場合でも、医療機関の受付に設置された顔認証付きカードリーダーなどから利用登録できる場合があります。患者に希望があれば、その方法を案内できます。
ただし、従来の保険証しか持っていない患者に対して、必ずその場でマイナ保険証の登録を求めるということではありません。マイナ保険証を使わない人には、資格確認書による受診方法をすすめる選択肢もあります。
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マイナ保険証・資格確認書の両方への対応だけでなく、医療DX全般についても考えることが大切
マイナ保険証の普及が進むなか、医療機関には、制度の変化に対応しながら、患者が円滑に受診できる環境を整えることが求められます。マイナ保険証は、薬剤情報や診療情報の共有による診療の質の向上に加え、資格確認や高額療養費に関する窓口業務の効率化にもつながる仕組みです。一方、資格確認書を利用する患者への対応も引き続き必要であり、受付スタッフへの周知や、資格確認ができない場合の対応手順を整備しておくことが重要です。今後は、マイナ保険証の利用率だけに注目するのではなく、オンライン資格確認の運用を安定させて、患者の不安や現場の負担を軽減しながら、医療DXのメリットを診療現場で着実に生かしていくことが求められるでしょう。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2026年10月時点の情報を元に作成しています。
