膨大な紙カルテのデータは患者さんが来院のタイミングで少しずつ移行
電子カルテベンダーを探された経緯を教えてください
勤務医時代から、独立を視野に入れてクリニック向けの電子カルテをリサーチしていました。『井手ハートクリニック』を継承するまでは主に病院の循環器科に勤めてきたので、病院用の電子カルテは扱ってきましたが、クリニック用の電子カルテは使ったことがなかったんです。それで、まずは実際に触って使用感を確かめたいと思い、『メドピア』が主宰していた電子カルテ体験会に足を運びました。参加予約はしていなくて飛び込みだったのですが、快く通してくださり体験させてもらうことができました。

電子カルテの調査において主にどんな点をチェックしましたか?
初期費用を抑えられることとサーバーの設置スペースが不要なことから、クラウド型を希望していました。オンプレミス型だと更新の際にも費用がかかるし、ランニングコストを考えても好ましくないからです。そのうえで比較する際の基準は、画面の見やすさや操作性のよさです。その点においてクリアスは優れていました。iPhoneを使うような感覚で操作できたので、クリニック導入後もスムーズに使えるだろうなということがイメージできました。
実際に導入してからもスムーズにお使いいただけていますか?
はい。フォントや配列がシンプルで見やすいので、ストレスを感じることもありません。前院長から引き継いだ膨大な患者さんの紙カルテのデータ移行には時間がかかっていますが、画面が見やすくサクサク使えるので、紙カルテ時代からの患者さんが来院したタイミングなどに、少しずつ移行を進めています。気に入っている機能はありますか?
特に重宝しているのは、受付ラベルと受付メモです。当院は、モール内のクリニックということもあって受付と診察室が離れているため、診療時間中に事務スタッフと直接言葉を交わすことが難しいので、電子カルテを通して必要なことを伝え合えることが業務の効率を上げてくれています。
事務スタッフのほうで、「処方箋のみ希望の患者さんは薬マーク」などルールを決めてくれていますが、特に注意深く見てほしいメモの場合、文字に色を入れるなどできたらさらに使い勝手がよくなると思います。たとえば、赤文字で【緊急】と入っていたら、すぐに目につき対応できると思いますので。
奥村医師の話す「受付メモ」や「受付ラベル」について確認したい方は
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他にも改良してほしいことはありますか?
クラウド型の弱点なので仕方ないですが、通信に障害が起きると止まることがありますよね。そうなると患者さんを待たせてしまうことになるので、できる限り紙カルテで対応して会計は後日にしてもらっています。また、過去の電子カルテが閲覧できるバックアップ機能もあるようなので、現在導入中です。もうひとつは、前日の検査結果が一覧でしか表示されないので、患者さんごとに一覧で開けるようになると、大量のデータから必要なものを探す手間が省けて助かります。
クリニック経営において、集患・増患のために工夫していることはありますか?
初診の患者さんにはアンケートにご協力いただいています。アンケートの結果、友人やご家族からの紹介が5割、ホームページが2割、残り3割が「近隣に住んでいて利便性がいい」「たまたま通りかかった」とわかってきたので、ホームページの新規更新に取り組んでいるところです。日々の新しい情報をできるだけ早く、わかりやすく提供したいと考えています。売上を上げるために工夫していることはありますか?
CTや超音波の検査を病院でおこなってもらおうと思ったら、予約がなかなか取れなかったり検査結果が出るまでに時間がかかったりします。一方、クリニックならいち早く検査して結果をお伝えすることが可能です。そのこともホームページでしっかり伝えて、また実際に迅速に対応していこうと思っています。採用や労務に関してはいかがですか?
スタッフに働きやすいと思ってもらえる環境作りは心がけています。急な体調不良やお子さんの行事などでお休みいただけるように、人員に余裕をもてるようにしています。また予定などの確認は毎日朝礼で確認、メールで共有、クリニック内での決め事は月に1回のミーティングにて相談して決めています。近隣の薬局ともご一緒に月2回程度の勉強会の場も設けています。院内外も含めて、コミュニケーションを図ることを重要視しており、困ったときに相談しやすい環境作りを心がけています。