これからは複数の医療機関で電子カルテを共有
ひとりの患者をみんなで診ていくことが大事
-
- 導入時期
- 令和3(2021)年
- 導入の背景
- 他電子カルテからの移行
-
導入前の課題
- クラウド型の電子カルテを導入したいと考えていた
- 地域連携を強化するためにも電子カルテを通して他院とつながるべきだと考えていた
- 『東京都医師会』が運営する「東京総合医療ネットワーク」の機能強化も大きな課題だった
-
導入後の効果
- それまで使っていた電子カルテのデータ移行を一任できたため、導入がスムーズだった
- 『東京都医師会』が運営する「東京総合医療ネットワーク」との連携が実現
- 「適応病名チェック」機能によって病名チェックがスムーズに
地域連携を強化するためにもカルテデータの相互閲覧が浸透してほしい
電子カルテベンダーを探された経緯を教えてください
CLIUSを導入したのは2021年初頭です。その半年前には、クラウド型電子カルテに乗り換えたいと考えていたものの、喫緊の課題というわけではなかったので、手すきの時間を利用してリサーチしている状況でした。そんななか、CLIUSの広告を見かけてクリックしたところ、セールスの方から「直接ご説明させていただきたい」と連絡をいただきました。
こちらとしてはそこまで急いではいなかったのですが、せっかくなのでお会いしてみたところ、当時使っていた電子カルテの導入時にお世話になった人たちの何人かが、現在、CLIUSに携わっていることがわかりました。しかも、それまで使っていた電子カルテのデータをCLIUSに移行してくれるというので、それならこのタイミングでクラウド型を導入してみようと心を決めました。
CLIUSについて、クラウド型であること以外にも魅力に感じたことはありましたか?
CLIUSを導入している医療機関同士であれば、カルテデータの相互閲覧が可能だということは非常に魅力的だと感じました。たとえば、わたしは神経内科医として主に慢性頭痛や認知症を診ているほうが本業なので、腹痛の患者が来ても診断をつけられないことがあります。
その場合、近隣の医療機関に紹介することになりますが、そのためには紹介状を用意して、患者自ら持参してもらうことが必要です。しかし、こちらで記入したカルテデータに先方もアクセスできるなら、紹介の手続きが今よりずっと楽になります。
その機能を有していることを伺って、わたしが理事を務めている『東京都医師会』が運用している「東京総合医療ネットワーク」との連携も同じように進めてほしいとお話したところ、すぐに実現に向けて動き始めてくれたことも大きな決め手となりました。
実際にその後、当院で用意した患者データでテストをおこなったところ、試験環境における他の医療機関でカルテデータを開いてもきちんと表示されることが確認できたので、有効に活用するためにもこれから体制を整えていかなければなりません。
導入して使ってみて気に入った機能はありますか?
処方を入力すると病名候補を提示してくれる「適応病名チェック」です。病名のなかには時代の流れとともに変化しているものも多いですが、変更後の病名がすべて頭に入っているわけではないので、自動的にチェックしてもらえることは心強いかぎりです。
改良してほしいことはありますか?
紙カルテ時代は、シェーマや検査画像はカルテをめくった瞬間にぱっと目に入るくらいの大きさだったので、必要なデータが見つかりやすかったです。それと同じ感覚で閲覧できるよう、シェーマや検査結果をインラインで貼りつけできたらうれしいです。
現状はアイコンをクリックしないと細部まで確認できないため、アイコン表示だけだと、そのなかから必要なものを探すのに時間がかかるためです。
もうひとつは、CLIUSに限ったことではないですが、「クラウド型電子カルテの在り様」について今一度考えるべきときだと思います。
国としても電子カルテの導入を推進していますが、特に3月から4月は点数の大幅な改定があったこともあって、国内の医療関係システムでサーバーに負荷がかかっていいましたが、そうした場合でも問題なく閲覧できるよう、「院内にローカルのサーバーを設置」「クラウドデータをローカルサーバーにバックアップ」の2点を進めていくべきだと個人的には考えています。
新たなバックアップが開発されましたが、閲覧機能だけだなので、できればクラウドとローカルでハイブリッド運用できるものが望ましいです。
電子カルテの課題解決に向けて国全体で考えることも大切ですね
システムの強化についてもそうですが、先にお話した通り、医療機関同士でクラウドを介してカルテデータを共有できるようにすることも非常に大切です。それによって検査の重複やポリファーマシーを防ぐこともできますし、これからの時代は、「ひとりの患者につき、ひとつのカルテを共有してみんなで診ていく」ことを考えないといけないと思います。
最後に、よりよい医療提供のために実践していることがあれば教えてください
慢性頭痛の原因を探るために問診はとても大切です。そのため、問診にはしっかり時間をかけるべきだと考えているので、初診の患者さんには「ユビーAI問診」への入力をお願いしています。
そうした情報はFacebookでも発信しているので見てくださっている患者さんもいるかもしれませんが、Facebookの記事は新着投稿があるたびに埋もれてしまうので、後々まで残したい記事はブログに上げてから転載しています。自分の生きた証を残したいという想いもあるのですが(笑)、興味を持って覗いてくれる人がいたらうれしいですね。
※文中の文言は、先生へのインタビューを元に作成しております。
目々澤醫院
1933(昭和9)年、現院長・肇氏の祖父である目々澤定徳氏が開業。1952(昭和27)年、終戦後に職業軍人から医師となった2代目・俊夫氏が院長に就任。その長男である肇氏が『目々澤醫院』で週1回の診療を開始したのは1994(平成6)年のこと。1999(平成11)年、日本医科大学退職後、『医療法人社団茜遥会』を設立して『目々澤醫院』院長に就任。その後も、日本医科大学付属千葉北総病院内科にて神経内科外来を非常勤で担当しながら、方々からの患者に対応していくなか、電子カルテを活用することで地域連携を強化することの大切さを意識し始めた。