「Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)」は、登録するだけでクリニックの診療内容や位置情報が検索結果に表示されるようになるため、集患に役立つサービスです。
しかし同時に、心無い言葉や誤った情報が口コミとして投稿される可能性もゼロではないことから、デメリットについても知っておくことが大切です。
では、実際に悪い口コミを書き込まれたときはどうすればいいのでしょうか? 気になる対処法を早速紹介していきます。
口コミは諸刃の剣
「Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)」は、ビジネスオーナーが自社の情報を登録・管理するためのサービスとして提供されています。一番の特徴は、登録されている企業や店舗に対して、ユーザーが自由に口コミを投稿できることです。もちろん、投稿された口コミは誰もが自由に閲覧可能です。
そのため、たとえばクリニックの利用者が「利用してよかった」とのよい口コミを書き込んでくれたら、信頼度UPや集患・増患、スタッフの応募率UPが期待できます。
一方、「二度と利用したくない」という悪い口コミが入った場合は、患者からも求職者からもネガティブな印象を持たれやすくなるため、集患・増患も期待できなくなってしまうでしょう。
対応できる口コミには真摯に対応
クリニックにつけられる低評価の口コミの中には、
- 医師の受け答えが悪い
- スタッフの態度が悪い
- 長時間待たされた
などの意見が多く見られます。
医師の態度に関するネガティブな口コミの多くは、「こちらの話をちゃんと聴いてくれない」「必要以上にレントゲンを撮られてぼったくられた」など、患者の気持ちやニーズに寄り添っていないことを指摘するものです。
また、スタッフに関しては、「いつも冷たくて感じが悪い」「スタッフ同士でおしゃべりしていて目障り」など、患者と接していないときの様子もチェックされています。また、清潔感のなさや言葉遣いの悪さなども、ネガティブな口コミとして書き込まれやすいポイントです。
こうした口コミは、ある意味でクリニックの悪い点の指摘でもあります。まずは真摯に受け止め、自院に非があったのであれば謝ることが大切です。
口コミには返信機能もあるので、例えばスタッフの対応が悪いとあった場合には、「今後は教育を徹底するよう努めます」など、しっかりと相手の意見を受け止めましょう。そうすると、「ここはちゃんと対応してくれる」と評価につながることもあるのです。もちろん、クリニック側も是正に努めないと意味はありませんが……
一方、第三者が見るとクリニックに非があるような投稿であっても、書かれた内容が真実でないことも十分あり得ます。悪質なクレーマーやモンスターペイシェントも世の中には数多く存在するので、そうした人たちからでっち上げの内容を書き込まれたときには、「口コミありがとうございます」の一言を冒頭で述べたうえで、公に見える形で事実を返信しておくこともときには必要です。
ただし、その際、感情的になって相手を批判するようなことを書き込むのはNG!事実だけを淡々と書き、第三者に自院の誠実さを伝えるにとどめましょう。
口コミには削除申請を出せる
悪い口コミの中には、的外れな批判や、誹謗中傷が寄せられることもあります。「Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)」では、そういった口コミの削除も可能にはなっています。
しかし、オーナー側(登録者側)は口コミを自由に削除したり、非表示にしたりできるわけではなく、一度Googleに報告したうえで、「この口コミは適切だ」と判断されたときにはじめて削除される、という手順を踏む必要があります。
これはGoogleが「Googleのポリシーに違反した口コミ」のみを削除する方針を取っており、Google側でその基準を満たしているかどうか確認しているためです。
Googleとしては、自社サービスを使用するすべてのユーザーに対し、「ニーズに応えた有益な情報を提供すること」を目標としています。この場合は「グーグルマップ」を使用するユーザーに対して「有益かどうか」を判断したいのです。そのため、そのビジネス(ここでいうクリニック)にとってどうなのか?については考慮していません。よって、ビジネス側で勝手にコメントを削除することはできなくなっているのです。
そのため、ビジネスオーナーとしては口コミの削除申請をする以外に方法がありません。「Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)」の管理画面を開き、ダッシュボードにある「クチコミ」を選ぶと、口コミの一覧が表示されます。ここで問題になっている口コミを選び、[不適切なクチコミとして報告]を選択すればOKです。
報告された口コミはGoogleで審査され、報告どおりに不適切だと判断されれば、削除されます。しかし、審査の結果「不適切ではない」と判断された場合は、残念ながらそのまま残ります。削除申請を出したといっても、必ず削除されるとは限らないことは覚えておきましょう。
登録するだけで利用でき、効果的な集患が可能になる「Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)」ですが、悪い口コミが集まるなど、時にはマイナスになってしまうこともあります。そのまま放置してしまってはクリニックの評判を落とすだけですから、削除の申請方法など、適切な対処方法を覚えておきましょう。
この記事は、2020年12月時点の情報を元に作成しています。