「電子カルテ」はもはや医師にとって必須のツールとなっています。これまでの「電子カルテ」は、いわゆる「オンプレミス型」※のものが主流でした。そのため、クリニックにサーバーを置くなど特別なハードウェアが必要で、価格も高額になりがちでした。
しかし、IT技術の進歩によって「電子カルテ」のシステム自体は「クラウドサーバー」に置くというスタイルのサービスが広がっています。「きりんカルテ」はクラウド型で、しかも非常に安価に導入できる、無床のクリニック向けの「電子カルテ」です。
※「オンプレミス」はしばしば「オンプレ」と略されますが、何らかのハードウェアなどの装置・設備をクリニック内に置いて管理することを指します。
「きりんカルテ」の特徴・機能
↑「きりんカルテ」のカルテ画面
「きりんカルテ」はクラウドサーバーにあるシステムを利用するタイプの「電子カルテ」サービスです。インターネット環境、ネット接続できるPCがあればすぐに利用できる簡便さが大きな特徴です。
しかも、医師・クリニック院長にとってうれしいことに、利用料は無料です(後述)。
また、在宅医療の管理、患者さんからの診療予約が可能で、クリニック側での予約管理機能も標準で備えています。レセコンは、日医標準レセプトソフト「ORCA(オルカ)」のクラウド版「日レセクラウド」との連携が前提となっています。
つまり、「きりんカルテ」はリーズナブルに利用でき、最も標準的なレセコンと連動できる安心の「電子カルテ」といえるのです。
「きりんカルテ」は以下の機能を備えています。
「きりんカルテ」の機能
「電子カルテ」としての機能
- 「電子カルテ」としての機能
- 保険診療カルテ
- 自由診療カルテ
- オーダー入力
- 病名登録
- 診察セット入力
- 画像貼付
- シェーマ貼付
- Do入力
- 病名チエック
- 患者内カルテ検索
- カルテ一括ダウンロード
- 処方せん発行
- 院外・院内処方
- 『日レセクラウド』との連携
- 受付
- 診察
- 会計
- 在宅医療の管理
- 未来日付のカルテ作成
- 訪問スケジュール作成
- 診察予約の表示
- 訪問施設・診察予定の一括作成
- 在宅医療文書の作成
- 予約管理
- 『撮影・画像登録アプリ』を使ってカルテへの画像取り込み
etc.
「電子カルテ」として必要な機能はもちろんですが、「きりんカルテ」が素晴らしいのは医師が使いやすいようにとさまざまな機能拡張を進めていることです。
例えば、上記の「Do入力」というのは、「日レセクラウド」にある診療履歴の内容を「Do」というボタンを押すことで、一発でカルテに入力できるという機能です。
↑過去のカルテからのデータ入力、「ORCA」の診療履歴からのデータ入力を簡単に行える「Do入力」機能を備えています
他にも、現在多くのクリニックで診療予約システムの導入が増えていますが、「きりんカルテ」は標準でこの機能を装備しています。患者さんは「診察予約ZERO」というアプリを用いて予約を入れます。
クリニック側ではこの予約を一覧管理できます。「順番予約」の場合、システムが自動で患者さんに推測される診察開始時間を送信してくれます。患者さんはアプリでリアルタイムに待ち状況を確認可能です。ただし、予約は「順番制」か「時間制」のどちらで運用するかを選ぶことになり、併用はできません。
特に医師から支持が厚い機能は、在宅医療の管理ができるという点です。訪問スケジュール作成などの機能を持ち、しかもこれも標準装備しています。
↑在宅・訪問スケジュール画面です
面白いのは「画像撮影アプリ」を用いれば、カルテに医師が撮影した画像を貼り付けられることです。患部の撮影などに用いるとより分かりやすいカルテとなるでしょう。
↑「画像撮影アプリ」を用いて撮影した画像は電子カルテに取り込むことが可能です
「きりんカルテ」は現在も新たな機能を追加するべく進化を続けています。このようにアグレッシブに開発が続いている点も同サービスの注目ポイントです。
※「きりんカルテ」の詳細な機能については、本記事末にある「きりんカルテシステム株式会社」のページを参照してください。
「きりんカルテ」の導入準備・導入に必要な時間
「きりんカルテ」導入の準備は以下になります。
クリニック側で準備すること
- インターネット環境
- インターネット接続可能なPC
患者さん側で準備すること
- インターネット環境
- インターネット接続可能なスマホ・タブレット
- 予約アプリ「診察予約ZERO」(無料)のダウンロード・インストール(iOS/Andorid対応)
クラウド型のサービスですので、クリニック側で準備するものは上記のとおり最小限で済みます。また、患者さんも予約アプリ「診察予約ZERO」をスマホ・タブレットにインストールするだけです(アプリは無料)。
開発・サービス提供元の「きりんカルテシステム株式会社」に伺ったところ、導入には2カ月半~3カ月ほどかかるとのこと。
導入までの時間が長いと感じるかもしれませんが、これだけの時間を要するのには理由があります。
まず、現在使用している別の「電子カルテ」がある場合には、データのコンバート作業が発生するので、その分の時間がかかります。
また、「日本医師会ORCA管理機構」にアカウントを発行してもらい環境を構築しなければならないのですが、申し込みから発行までに3~4週間ほどかかります(繁忙期など申し込む時期によります)。
さらに、これは運用フローにもよるのですが、医師・クリニック院長への操作の説明、トレーニングなどに1カ月弱ほどかかります。
これらを合わせると2カ月半から3カ月ほどの期間になってしまうのです。新しくクリニックを開業し、「日レセクラウド」と「きりんカルテ」を使いたい場合には、医療機関コードの発行依頼と同時にアカウント発行申請を行っておくことをおすすめします。
「レセコン」との連携
「きりんカルテ」は、日医標準レセプトソフト「ORCA(オルカ)」のクラウド版「日レセクラウド」と連携が必須です。そのため、「きりんカルテ」を使用するには「日レセクラウド」を導入する必要があります。
「きりんカルテ」のサポート体制
「きりんカルテ」ではカルテ画面からのチャットサポートを行っています。
チャットサポート
月~金(10:00~17:00)/土日祝・年末年始は休み
「きりんカルテ」の導入費用
「きりんカルテ」は基本的に「初期費用」「システム利用料」「保守・メンテ費用」などは全て無料です。ただし、「日レセクラウド」との連携が必須ですので、その導入費、保守・サポート費用はかかります。しかし、これも安価に抑えられています。
項目 | 費用 |
「きりんカルテ」システム利用料 | 無料 |
「きりんカルテ」チャットサポート費用 | 無料 |
「日レセクラウド」初期設定費用 | 10万円[税別]~ |
「日レセクラウド」導入サポート費用 | 別途要見積もり |
「日レセクラウド」保守・サポート費用 | 23,000円[税別]/月~ |
つまり「きりんカルテ」は、「日レセクラウド」の初期導入費用はかかるものの、あとは「日レセクラウド」の保守・サポート費用だけで使えるという、クリニックの経営者にとっては非常に助かる「電子カルテ」サービスなのです。
まとめ
というわけで、「きりんカルテ」は医師・クリニック院長にとっては多機能な上、安価で導入できるという大きなメリットがある「電子カルテ」サービスです。
なぜこれほどリーズナブルな価格で提供されているのか、「きりんカルテシステム株式会社」に伺ったところ、「「日本の電子カルテ普及を推進し、社会のより良い医療体験づくりに貢献する」というビジョンの実現のため、医師にとって必須なツールである電子カルテは無料で利用できるべきだ」という同社の永用万人(ながよう かずひこ)会長の理念に基づいているから、とのことでした。
このような理念に基づく「きりんカルテ」は他に類を見ない「電子カルテ」サービスです。医師の皆さんもぜひご注目ください。
「きりんカルテ」についての詳細は以下の「きりんカルテシステム株式会社」のページを参照してください。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2020年12月時点の情報を元に作成しています。