観葉植物は室内の雰囲気向上に欠かせない大切なインテリアです。開業した際には、待合室だけでなく、診察室内にも置きたいと考えている人も多いでしょう。
とはいえ、観葉植物の種類は非常に多く、何を選べばいいのか迷いがち……。
そこで今回は、「クリニックにふさわしい観葉植物」について、観葉植物のレンタル・販売を行っている「株式会社グッドグリーン」の上垣宏貴さんにお話を伺いました。
クリニックにお薦めの観葉植物は?
――クリニックなど医療機関に観葉植物を置く場合は、どのような植物を置くといいのでしょうか?
実際に観葉植物をレンタルしていただいているクリニックさんを拝見する限り、まず機能的な面にフォーカスして選ばれる方と、デザイン的な部分を優先して選ぶ方の大きく2通りに分かれます。
「機能的な面」というのは、たとえば植物が発するマイナスイオンの効果への期待や、場所を広く取れないクリニックさんであれば、スリムなタイプを選んだり、植物の高さや大きさを絞ったりといったことです。
クリニックさんは植物を待合室に置かれることが多いのですが、待合室には光が差し込まないことがようで、太陽光に当てなくても問題ない植物を選ぶクリニックさんもいますね。
――「デザイン的な部分」とは具体的にどんなことでしょうか?
みなさんがどこかで見たことがあるような、ポピュラーな植物を選ぶケースが多く見られます。また、風水的な観点を参考にして、「縁起がいい」とされる色や形をチョイスする方もいます。
――実際、人気のある観葉植物の種類を教えてください。
ポピュラーな観葉植物では「ポトス」や「パキラ」が特に人気です。これらの植物は名前もよく知られていますし、目にする機会も多いため、なじみがある安心感から選ばれるクリニックも多いですね。
また、風水を気にされる方が多く選ばれているのは「ユッカ」や「サンセベリア」です。また、「幸福の木」と呼ばれている「マッサンゲアナ」も、指名されることの多い人気の観葉植物です。
――クリニックに置くと考えた場合、特におすすめの観葉植物は何でしょうか?
置く場所や太陽光の入り具合、室内のテイストによって適した観葉植物は変わりますが、基本的に室内なので光量が取れない場合がほとんどだと思います。
そう考えると、「サンセベリア」と「ポトス」がおすすめといえるでしょうか。マイナスイオンを発生して居心地のよさを感じさせてくれることだけでなく、水さえ与えれば育つ手軽さも魅力です。特にサンセベリアは、1カ月に一度しっかりと水を与えてやれば大丈夫なほど手軽です。
また、美容外科など、女性患者さんの比率が高い場合は、女性に人気のある植物を提案することが多いですね。
たとえば、一般的に「ゴムの木」と呼ばれるフィカス属はカフェに置かれることが多い人気の観葉植物ですが、そのなかでも特に「ベンガレンシス」や「アルテシマ」といったインテリア性・デザイン性の高いものは、私どもも提案することの多い植物です。
観葉植物の導入コストは?
――観葉植物を選ぶ場合、やはりコストも気になるところですが、実際どのくらいの費用が必要になるのでしょうか?
ホームセンターなどで観葉植物を買ってくる場合、ある程度の大きさのものなら安くても数千円、高いものなら数万円という値段になるでしょう。
ただ、「買うのはちょっと……」という人もいますので、弊社のように、レンタルという形で観葉植物を提供している業者もいます。
レンタル費用は大きさにもよりますが、だいたい人の背丈ほどの大きさで月2,500~3,000円くらいの価格で提供しています。1メートルほどのサイズや、小鉢サイズなら月1,000~1,500円くらいの価格帯になります。
――実際、レンタルの形で利用するクリニックも多いのでしょうか?
レンタルの場合は、観葉植物のメンテナンスもセットになっているケースが多いので、維持するための手間を考えて、レンタルにする方は多いですね。
種類にもよりますが、観葉植物は管理が難しいものも多く、枯らしてしまったり、手入れしないことで形が変わってしまったりすることも珍しくありません。そうなると美観を損ね、観葉植物を置く意味がなくなります。
――レンタルの場合はアフターケアもしてくれるのが利点なのですね。
ほかにも、業者にもよりますが、3カ月に1回など、定期的に観葉植物を無料交換できるのもレンタルのメリットです。
季節に合わせて変えるといった利用をされているクリニックさんもありますね。観葉植物を置く場合は、双方のコストを比べて、買い切りかレンタルにするかを選ぶといいと思います。
――定期的に観葉植物が変わると、患者さんも新鮮な気持ちになるかもしれませんね。ありがとうございました!
取材後記
株式会社グッドグリーンの上垣宏貴さんに、「クリニックにふさわしい観葉植物」や「観葉植物の導入コスト」について解説していただきました。
見る者の心を落ち着かせ、和らげてくれる観葉植物はクリニックには必要不可欠。今回挙がった植物の名前や導入コストを参考に、自分のクリニックにふさわしい観葉植物を選んでみてはいかがでしょうか。
また、参考までに、実際に観葉植物を導入しているクリニックの声としては、「育てやすいものを選べば手入れもほとんど要らないし、クリニック内が明るくなった」というポジティブな意見がある一方、「伸び放題にしておいたところ、数か月で見た目に問題が出てきてしまった」という意見もあります。
設置している場所の日当たりや院内の湿度をはじめとする条件が異なると、一か月後、二か月後、半年後の状態が大きく変わる可能性があるほか、ついつい水やりを忘れてしまうなど、そもそも植物を育てるのに向いていない人もいます。
購入したのに枯らしかけたり手入れが面倒になったりした場合は、植物のためにも、早めに設置場所を変えるか、ほしいと言ってくれる方に譲るのがおすすめ。
クリニックに限らず、企業が事務所移転に伴い植物を置けなくなった場合、社員が持ち帰ったり顧客に譲渡されたりするケースが多いので、それに倣うことをおすすめします。
取材協力:観葉植物のレンタル・リース「GOOD GREEN」
特徴
依頼内容
建築内容
職種
診療科目
特徴
建築内容
依頼内容
職種
診療科目
特徴
依頼内容
建築内容
職種
診療科目
この記事は、2021年1月時点の情報を元に作成しています。