クリニックの平均売上は月いくらになるのか?

クリニックを運営していくうえでは、お金の流れについて考えることが不可欠です。

毎月どれだけの売上を上げていたら、スタッフにも十分な水準の給与を支払うことができるのかを考えることなく運営を続けていたら、場合によっては、スタッフに給与面での条件がいい競合に転職されてしまうこともあり得ます。

そこで今回は、クリニックの売上にスポットを当てていきます。これから開業を予定しているドクターも、これを機会にぜひ一度売り上げについて考えてみてください。

診療所の入院外の診療行為1件当たりの点数は「1,091.3」

『厚生労働省』の「社会医療診療行為別統計(令和3年)」「病院-診療所別にみた入院外の診療行為別1件当たり点数」によれば「診療所」は「1,091.3点」です(参照・引用元:『厚生労働省』「令和元年社会医療診療行為別統計の概況」)。

これは1カ月ごとに提出される診療報酬明細書の1件当たりの平均の診療報酬点数なので、少し強引ですが、これを患者1人当たりの単価と読み替えれば、1人当たり「1万913円」になります。

つまり1日に患者が40人来れば、1万913円 × 40人 = 43万6,520円(1日の売上)になり、1カ月に20日(土日休みであれば通常は営業日は21日か22日)稼働するとして、これを1年間続ければ、873万400円 × 12カ月 = 1億4万7,64800円(1年間の売上)になります。ざっくり1億5,000万円です。

ただし、『厚生労働省』のデータでは上記の1件当たりの点数を「1日当たり」にしたものもあり、こちらは「診療所」では「739.1点」です。こちらの方がより現実的な計算になるでしょう。これを患者さん1人1日当たりと読み替えて「739.1点」、すなわち「7,391円」です。

同様に1日40人で計算すると以下のようになります。

1日の売上29万5,640円
1カ月間の売上591万2,800円
1年間の売上7,095万3,600円

ざっくり年間売上は7,100万円です。3,500万円近い開きがありますが、これがまさに客単価の違いというわけです。ちなみに患者が1日に3人増えれば、「739.1点」で計算しても1年間で「532万1,520円」の増収になります(年間売上:7,627万5,120円)。

患者が1日に3人増えるだけでここまでの増収となるとわかると、さらに患者数を増やしたくなりますね。

クリニックの売上を上げるには?

続いては、患者数を増やす方法を含んだ、クリニックの売上を上げる方法をみていきましょう。

現状を分析する

患者数や売上を上げるためには、まずは現状がどうであるのかを確認することが大切です。

一か月あたりの平均などは記録を見ればすぐにわかりますが、併せて、「どこで自院のことを知ってくれたのか」「なぜ自院に来院しようと思ってくれたのか」を確認することも大切。

患者にアンケートに協力してもらったり、webサイトのアクセス解析をしたりすることが有効です。

SEO対策を取る

患者がwebサイトのどこに惹かれて診察を受けようと思ったのか、どこからクリニックのサイトに辿り着いたのかという分析結果を確認したら、さらに多くの患者に自院のサイトにアクセスしてもらえるよう、SEO対策を取ります。

サイト上のどこを変えたらいいかわからない場合は、ホームページ制作会社に改築を依頼するのがベストです。

MEO対策を取る

「地域名+診療科」で検索した患者に対して自院のwebサイトを上位に表示するためには、MEO対策を取ることが必要です。

これに関しても、ITに明るくなくて自信がない場合は、業者を頼るといいでしょう。

口コミ対策を取る

よい口コミが増えれば、そのぶん、患者から「来院したい」と思ってもらいやすくなります。

既存の患者に会計時に口コミをお願いするところからはじめてみるのが、もっとも手っ取り早い方法です。

広告を出す、チラシを配る

より多くの人に自院の存在を知ってもらうために、ネット上の広告や駅前の看板広告、フリーペーパーの広告などを出す方法や、チラシを配るという手もあります。ただし、広告出稿は媒体によっては高くつくので、費用対効果を考えたうえで出稿の有無を決めましょう。

h3 SNSを活用する

SNSなら、出稿代がかかる広告や印刷代やデザイン料が発生するチラシとは異なり、無料で発信することができます。instagramやtwitter、FACEBOOKなどで院内の雰囲気を知ってもらうだけでも、興味を持ってくれる人が出てきやすくなります。

h3 診療スピードUPを心がける

患者ひとりあたりの診療時間を5分短くするだけでも、1時間に診ることのできる患者数は変わってきます。「うちは患者数が少ないからそれを実践する機会はまだない」と思うドクターもいるかもしれませんが、患者数が少ないかどうかは関係ありません。なぜなら、ひとりあたりの診療時間が短くなると必然的に待ち時間が少なくなるため、患者満足度が向上するからです。

h3  予約システムを導入する

患者の待ち時間を少なくするためには、予約システムの導入も有効です。「予約できないからどのくらい待たされるかわからない」となると、それだけで来院したくなくなる患者は多いもの。特に、定期的に通い続けなければならない患者にとっては、毎回待たされるほど辛いことはないので、早々に導入を検討することをおすすめします。

h3 点数が高い処置を意識する

点数が高いとそのぶん収益は増えます。ただし、点数が高いからといって無暗に検査ばかりおこなうことなどは、医療人として褒められたものではありません。

たとえば、在宅医療を視野に入れるなど、困っている人の助けになりながら点数を上げることも可能です。

まとめ

クリニックの売上について推算してみました。

「6,600万円」コースですと、自分の給料、人件費、家賃、経費などを考えるとそこまでもうからない計算になるはずです。また、クリニック開院すぐから毎日40人の患者さんを期待するのは難しいでしょう。

そのため、少しでもスタートダッシュを良くするべく、開院前にサイトを作って潜在的な患者さんにアピールする、予約システムを導入しておく、宣伝を行うなどの施策を考えておくとよいでしょう。

会計税務に留まらない医療機関事務長業務の一部をサービス提供する

特徴

豊島区駒込発 医療機関の“事務長代行型”税理士事務所Crave(クレイヴ) 代表の加藤 二郎(かとう じろう)と申します。 私は医療機関に事務幹部職員として出向した経験も有し、会計・税務に留まらないようなサービス提供を目指して税理士事務所を開業しました。医療機関の事務長業務の一部を担えるようなサービス提供を目指します。 何卒宜しくお願い致します。

対応業務

会社設立 助成金対応 月次面談・監査 経理代行 記帳代行 税務相談・申告 相続税・資産税 融資・資金調達 給与計算 年末調整 社会保険 人事・労務手続き 電子申告 資金繰り相談 経営計画・経営指導 経営コンサルティング 事業計画 節税対策 M&A 事業継承 財務分析

その他特徴

医療業界に強い

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
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まずは弊社のページをご覧頂きまして、ありがとうございます。 当社は開業時より医業に特化し、以来370件以上の診療所・病院・薬局・医療関連企業の実績を積み上げて参りました。また、「自利利他」の経営理念のもと、お客様を想う気持ちはどこにも負けない自信があります。ぜひご相談ください。親身に、誠実にご対応致します。

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執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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