電子カルテには非常に多くの種類があります。自院に合ったシステムを見つけるために資料を集め、試用版を触ってみるなどしていると時間がいくらあっても足りません。当『CLIUS クリニック開業マガジン』の紹介記事を参考に当たりをつけてから資料請求をすることをお薦めします。
今回ご紹介するのは、「株式会社レゾナ」が提供する「i-MEDIC Plus(アイメディックプラス)」。「i-MEDIC Plus」は大規模な病院から小規模な無床診療所までに対応する優れた電子カルテシステムです。
システムの概要
ここで紹介するのは「i-MEDIC Plus」の「電子カルテシステム」ですが、「i-MEDIC Plus」では以下のようなシステムが用意されており、自院に必要なパッケージを選択して導入することができるようになっています。
機能一覧 | |
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オーダシステム | 電子カルテシステム |
病棟管理システム | 看護支援システム |
医療過誤防止システム | 部門支持受け画面 |
放射線部門:簡易RIS | リハビリ部門システム |
透析管理システム | 手術室管理システム |
薬剤情報システム | 薬袋発行システム |
給食管理システム | DPCコーディング |
診察情報(様式I)・経過要約 | 病歴・手術統計システム |
クリティカルパス | 地域連携システム |
勤務表管理システム | 療養型病棟・介護療養型病棟対応システム(Care Link) |
いわば、大規模な病院から無床診療所まで対応できる統合型パッケージと呼んでもよいでしょう。特に近年注目されている、医療保険と介護保険、この両方の診療に対応できることが大きな特徴です。居宅療養管理指導を行うと介護保険の適用になりますが、これは通常の医療保険とは異なります。そのため介護保険に関わる診療も管理しようとすると、別のシステムを導入するなんてことになりがちです。しかし、「i-MEDIC Plus」の場合には、いわばサブシステムを行き来して使えるように設計されているため、1つのランチャープログラムから医療保険、介護保険のどちらのシステムも使えるのです。
「i-MEDIC Plus」は以下のような機能を持っています。
- グループウェア機能(メール、伝言メモ、掲示板)
- 文章My登録機能
- オーダMy検索機能
- オーダ複合セット機能
- 日付未定オーダ機能
- 汎用テンプレート機能
- 付箋機能
etc.
外来カルテから「SOAP記載」を行うことで、入院/外来関係なく、経過記録画面で参照することができます。
↑「SOAP記載」を使用できます
また、カルテ画面からシェーマボタンを押せばシェーマ作成が可能です。サンプル画像を登録しておけば、それをテンプレートとして使用できて便利です。
↑シェーマの編集画面
例えば整形外科なら各部位の画像を登録しておき、痛みのある箇所などを書き加えてそれをカルテに貼り付けるわけです。病名オーダーも便利な機能で、病名や病歴を登録しておきこれを呼び出してボタン1つで選択できます。いちいち入力する必要はありません。診療科ごとに病名やプロブレムリストを作成可能です。
↑文書管理画面
また、サービス提供元の「株式会社レゾナ」によれば基本機能にないものでも、クリニック側に「このような機能がほしい」という要望があれば、時間とコストはかかるものの対応するとのこと。このようなことができるのは自社開発のサービスだからです。
※「i-MEDIC Plus」の詳細な機能については記事末のURLを参照してください。
「i-MEDIC Plus」のシステム上の特徴
「i-MEDIC Plus」にはオンプレ型※とクラウド型の両方があります。クラウド型では院内にサーバーを置かず、外部にあるクラウドサーバーを利用します。クリニックにサーバーを導入しないで済むので安価になりますが、物理的にシステムが外にあるため、セキュリティーを問題視されることがあります。これは、「i-MEDIC Plus」に限らず、どのクラウド型電子カルテを使っても同じなのですが、もしセキュリティーについて気になる場合には、オンプレ型を選択するとよいでしょう。
「i-MEDIC Plus」と連携できる機器
「i-MEDIC Plus」では診療に必須な機器、レセプトコンピューター(レセコン:医事システム)との連携が可能です。例えば、心電図、検体検査、レントゲンなどのデータを参照可能で、また院内調剤を行っている場合には調剤データとの連携もできます。サービス提供元の「株式会社レゾナ」に聞いたところ、レセコンとの連携にはレセコンメーカーとの打ち合わせが必要とのこと。
※オンプレは「オンプレミス(on-premises)」の略で「なんらかのハ-ドウエアを施設内に設置する」という意味です。その言葉どおり、「オンプレ型」の電子カルテでは、クリニック内にシステムを運用するためのサーバーなどを設置して使用します。
クリニック側で準備すること
オンプレ型「i-MEDIC Plus」の場合には、サーバー・パソコンなど一式が提供されますが、クラウド型「i-MEDIC Plus」の場合にはパソコン、インターネット環境はクリニック側で用意しなければなりません。
システム導入にかかる時間・費用
「i-MEDIC Plus」の導入には以下の6つのステップがあります。
- キックオフミーティング(システムの説明など)
- 導入のための打ち合わせ(各部門の導線などを確認・ヒアリング)
- 運用フローの提示
- システム構築
- リハーサル(本番と同様の動きを行ってみる)
- 問題がなければ本稼働
導入から運用開始までには通常4カ月程度かかるとのこと。これから開院するというクリニックでは、導線などが決まっていないので想定導線の打ち合わせをしっかり行ってから運用フローを作成し、医師・クリニック院長に提示するそうです。また、サービス提供元の「株式会社レゾナ」によれば、導入先と月1回のミーティングを行っており、手厚い保守を心掛けているとのこと。1.のキックオフミーティングはその第1回という位置付けです。
「i-MEDIC Plus」の導入費用
「i-MEDIC Plus」の平均的な導入費用は、無床診療所では以下のようになります。
(導入範囲、機器台数により変動します)
オンプレ型 | |
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初期導入費 | 900~2,500万円(税別) |
保守費用 | 15万円(税別)/月 |
クラウド型 | |
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初期導入費 | 700~2,000万円(税別) |
保守費用 | 15万円(税別) |
これはあくまでも一般的な例です。機能の希望やクリニックの規模によっても変動します。より詳細な導入費用については、サービス提供元「株式会社レゾナ」にお問い合わせください。
「i-MEDIC Plus」のサポート体制
「i-MEDIC Plus」ではメールサポート、電話サポートを行っています。
メールサポート
24時間365日対応。返信の第1報は必ず30分以内に行うとのこと
電話サポート(フリーダイヤル)
月~金(9:00~18:00)/土日祝・年末年始は休み
自社開発製品だけあって「i-MEDIC Plus」は進化を続けており、「電子カルテ」「介護システム」「医事会計(レセコン)」の統合パッケージである「i-MEDIC Plus++」という製品も用意しています。これから重要になる「地域医療」にフォーカスした統合パッケージです。地域医療の輪に加わって開業しようという医師の皆さんには要注目のシステムといえるでしょう。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2021年2月時点の情報を元に作成しています。