【日本の医師数人口について】海外との比較は?

ウィズコロナの時代に突入して以降、ニュースなどでも、「医師不足」「医療施設不足」「病床不足」の言葉を頻繁に見聞きするようになりました。では、実際のところ医師はどのくらい足りていないのでしょうか? また、海外と比べても日本の医師数は少ないのでしょうか? 早速詳しくみていきましょう。

目次
  1. 日本における人口1,000人あたりの医師数は2.4人
  2. 人口1,000人あたりの医師数ランキング
  3. 全国の医師届出数の年次推移は?
  4. 医師の届出数年次推移
  5. 診療科別の医師数はどのくらい?
  6. 診療所で働く医師数は病院で働く医師数の約6.8割
  7. もっとも厚い医師の年齢層は施設によって異なる
    1. 医療施設の種別にみた医師の年齢
  8. 人口10万人当たりの医師数がもっとも多い都道府県は徳島県
  9. 医師数の今後の変化にも注目していきたい

日本における人口1,000人あたりの医師数は2.4人

日医総研が公表している「医療関連データの国際比較-OECD Health Statistics 2019-」によると、日本の医師数は、人口1,000人あたり2.4人という結果が出ています。これに対して、OECD(経済協力開発機構)の加盟国38か国の平均は3.5人。日本はかなり少なめであることがわかります。

また、人口1,000人あたりの医師数がもっとも多いのはギリシャで、人数にして6.1人。続いて、オーストリア=5.2人、ポルトガル=5.0人、ノルウェー=4.7人、リトアニア=4.6人、スイス=4.3人、ドイツ=4.3人、スウェーデン=4.1人、デンマーク=4.0人、イタリア=4.0人までは、人口1,000人あたりの医師数が4人を超えています。

人口1,000人あたりの医師数ランキング

順位 国名 人口1,000人あたりの医師数
第1位 ギリシャ 6.1人
第2位 オーストリア 5.2人
第3位 ポルトガル 5.0人
第4位 ノルウェー 4.7人
第5位 リトアニア 4.6人
第6位 スイス 4.3人
第7位 ドイツ 4.3人
第8位 スウェーデン 4.1人
第9位 デンマーク 4.0人
第10位 イタリア 4.0人
第11位 スペイン 3.9人
第12位 アイスランド 3.9人
第13位 チェコ 3.7人
第14位 オーストラリア 3.7人
第15位 オランダ 3.6人
第16位 エストニア 3.5人
第17位 スロバキア 3.4人
第18位 ハンガリー 3.3人
第19位 ニュージーランド 3.3人
第20位 フィンランド 3.2人
第21位 ラトビア 3.2人
第22位 フランス 3.2人
第23位 イスラエル 3.1人
第24位 スロベニア 3.1人
第25位 ベルギー 3.1人
第26位 アイルランド 3.1人
第27位 ルクセンブルグ 3.0人
第28位 イギリス 2.8人
第29位 カナダ 2.7人
第30位 アメリカ 2.6人
第31位 チリ 2.5人
第32位 日本 2.4人
第33位 メキシコ 2.4人
第34位 ポーランド 2.4人
第35位 韓国 2.3人
第36位 トルコ 1.9人

参照:医療関連データの国際比較-OECD Health Statistics 2019- p.1、p.20一部抜粋

全国の医師届出数の年次推移は?

続いては、全国の医師届出数の年次推移を見ていきましょう。厚生労働省が公表している「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、1982(昭和57)年から2018(平成18)年にかけての約20年の間、全国の医師届出数は年々増加している傾向にあります。

医師の届出数年次推移

医師数 増減率 人口10万人あたりの医師数
1982(昭和57)年 167.952万人 - 141.5人
1984(昭和59)年 181.101万人 7.80% 150.6人
1986(昭和61)年 191.346万人 5.70% 157.3人
1988(昭和63)年 201.658万人 5.40% 164.2人
1990(平成2)年 211.797万人 5.00% 171.3人
1992(平成4)年 219.704万人 3.70% 176.5人
1994(平成6)年 230.519万人 4.90% 184.4人
1996(平成8)年 240.908万人 4.50% 191.4人
1998(平成10)年 248.611万人 3.20% 196.6人
2000(平成12)年 255.792万人 2.90% 201.5人
2002(平成14)年 262.687万人 2.70% 206.1人
2004(平成16)年 270.371万人 2.90% 211.7人
2006(平成18)年 277,927万人 2.80% 217.5人
2008(平成20)年 286.699万人 3.20% 224.5人
2010(平成22)年 295.049万人 2.90% 230.4人
2012(平成24)年 303.268万人 2.80% 237.8人
2014(平成26)年 311.205万人 2.60% 244.9人
2016(平成28)年 319.480万人 2.70% 251.7人
2018(平成30)年 327.210万人 2.40% 258.8人

※各年12月31日時点

参照:平成30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況―p.4一部抜粋

診療科別の医師数はどのくらい?

続いては、診療科別の医師数を見ていきましょう。厚生労働省が公表している「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、主たる診療科のうち、医師数がもっとも多いのは内科で、医療施設に従事する内科医の医師数は60,403人です。また、医師数トップ10の診療科は以下の通りです。

順位 診療科 医療施設に従事する医師数
第1位 内科 60,403人(医師全体の19.4%)
第2位 整形外科 21,883人(7.0%)
第3位 小児科 17,321人(5.6%)
第4位 精神科 15,925人(5.1%)
第5位 消化器内科(胃腸内科) 14,898人(4.8%)
第6位 外科 13,751人(4.4%)
第7位 眼科 13,328人(4.3%)
第8位 循環器内科 12,732人(4.1%)
第9位 産婦人科 10,778人(3.5%)
第10位 麻酔科 9,661人(3.1%)

参照:平成30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況―p.8一部抜粋

診療所で働く医師数は病院で働く医師数の約6.8割

続いては、施設の種別に医師数をみていきます。「医師・歯科医院・薬剤師統計の概況」によると、「病院(医育機関付属の病院を除く)」「診療所」「医育機関付属の病院」における2018(平成30)年の医師数は、それぞれ、病院=151,691人、診療所=103.836人、56,436人という結果。病院で働く医師の約6.8割程度の人数の医師が、診療所で働いている計算になります。

参照:平成30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況―p.7一部抜粋

もっとも厚い医師の年齢層は施設によって異なる

続いては、年齢層別の医師数を見ていきましょう。年齢層別の医師数は、施設によって大きく異なります。理由は、診療所で働く医師は基本的に、勤務医としての経験を経て開業しているため。そのため、働いている医療施設別に見ると、医師の平均年齢はそれぞれ、「病院で働く医師=47.0歳」、「医育機関付属の病院で働く医師=39.0歳」、「診療所で働く医師=60.0歳」となります。また、年代別の医師数は以下の表の通りです。

医療施設の種別にみた医師の年齢

年齢 病院で働く医師数
(医育機関付属の病院を除く)
医育機関付属の病院で働く医師数 診療所で働く医師数
29歳以下 18,788人 10,383人 207人
30歳~39歳 35,752人 24,213人 4,543人
40歳~49歳 35,719人 13,360人 18,305人
50歳~59歳 32,028人 6,219人 29,027人
60歳~69歳 20,118人 2,164人 30,734人
70歳以上 9,286人 97人 21,020人
(平均年齢) 47.0歳 39.0歳 60.0歳

参照:平成30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 p.5、p.8一部抜粋

人口10万人当たりの医師数がもっとも多い都道府県は徳島県

続いては、都道府県別の人口10万対医師数を見ていきます。人口10万人あたりの医師の数がもっとも多いのは、医師数329.5人の徳島県。2位は323.3人の京都府で、3位は316.9人となっています。4位から6位は関東勢で、4位=埼玉県(169.8人)、5位=茨城県(187.5人)、6位=千葉県(194.1人)という結果。患者からすると、自分が暮らしている都道府県の医師の割合が高いと、安心できるということがあるかもしれませんね。

参照:平成30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 p.14一部抜粋

医師数の今後の変化にも注目していきたい

ウィズコロナといわれる2020年、2021年を経験して、医師不足の深刻さを痛感することとなった日本。また、超高齢化社会となったことで、日常的に医療を必要とする人口が増えてきたことも、医師のニーズ増加を深刻化させています。アフターコロナ時代を前に国を挙げて対策を考えはじめたことで、これから先、診療科別、地域別などの医師数がどのように変化していくのかに、ますます注目が集まりそうですね。

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