国家資格である医師免許は、不正がないよう国による管理が行われています。そのため、医師免許を持つ者は厚生労働省に「医師届出票」をしないといけないのですが、意外と忘れてしまう方もいるようです。今回は、改めて「厚生労働省への医師届出票」についてまとめてみました。
届出票の提出は医師法で定められている
日本国内に居住する医師は、2年に一度、厚生労働省に医師届出票を提出することが「義務」づけられています。これは医師法第六条で以下のように定められています。
●第六条 免許は、医師国家試験に合格した者の申請により、医籍に登録することによつて行う。
2 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、医師免許証を交付する。
3 医師は、厚生労働省令で定める二年ごとの年の十二月三十一日現在における氏名、住所(医業に従事する者については、更にその場所)その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年一月十五日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならない。
引用元:厚生労働省「医師法(昭和23年07月30日法律第201号)医師法」
提出は当該年の翌年1月15日までとなっており、2021年はこの提出年に当たります。つまり、医師免許を持っている人は、来年2022年の1月15日までに医師届出票を提出する必要があるのです。
届出票の提出は、現在従事している・していないに関係なく、「医師免許を所持している人」が対象です。つまり、現在は病院に勤めていない人でも、医師免許を所持している場合は提出しないといけません。
届け出をしなかった場合は50万円の罰金の上、国の「医師等資格確認検索システム」に登録されなくなります。医師等資格確認検索システムは、正式に医師免許を有していることを証明するシステム。未登録だと、なりすましを疑われたり、産業医の求人登録ができなかったりなど、トラブルになる可能性があります。そうした事態を避けるためにも、医師免許を所持している人は届け出を忘れないようにしましょう。
届出票の記入方法を改めてチェックしておこう
医師届出票には、現住所、氏名、登録番号、従事している施設名など、医師法で規定されている項目を記入します。
以下に、主な項目を紹介します。
- 現在の住所
- 氏名
- 連絡先(電話番号、メールアドレス)
- 性別
- 生年月日
- 医籍登録番号、医籍登録年月日
- 従事している施設および業務の種別
- 主たる従事先
- 従事する診療科目名
- 広告可能な医師の専門性に関する資格
- 医学課程を修めた大学名
記入する項目はそこまで多くありませんが、意外と「どう書けばいいのか忘れた」という人もいるようです。その場合は、厚生労働省のHPに記入例があるので参考にするといいでしょう。
医師届出票の用紙は、厚生労働省のHPからダウンロードするか、最寄りの保健所に問い合わせをして入手します。記入した届出票は、原則として住所地を管轄する保健所に提出します。
医療施設に従事している場合は、届出票を出すように通知があったり、提出書類をまとめて一括で提出してくれたりするケースもあります。この場合は提出のし忘れを避けることができますが、開業医の場合は忙しさのあまり忘れてしまう人も少なくありません。提出期間にはまだ余裕がありますが、期限ぎりぎりで慌てないよう早いうちに提出しておくといいですね。
医師届出票の提出は、医師資格の確認だけでなく、大事な統計資料でもあります。日本の医療の発展のためにも、忘れずに届け出るようにしましょう。
参考:厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師の皆さまに届出のお願い」
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この記事は、2021年7月時点の情報を元に作成しています。