病気について日ごろから相談できて、なにかあったときすぐに頼れる「かかりつけ医」がいれば、健康に関する不安やストレスが緩和されて、毎日を活き活きと過ごせるものです。
では、患者にとって頼りになるかかりつけ医になるためにはどんなことが必要かというと、そのときどきの体調不良や発熱などを治すための治療や薬の処方だけでは不十分。患者の生活背景を把握して、食事や運動などの指導もおこなえるよう、チーム体制を整えて患者をサポートすることが不可欠です。
- 自院サイトには、YouTubeチャンネルへのリンクやレシピ集も掲載
- 集患・増患のコツは「圧倒的1番になること」。「2番目にいい病院」にわざわざ遠くから通おうとは思わないもの
- 患者にとってもうれしい「時短」「節約」の工夫もいっぱい
- 電子カルテを管理栄養士や運動療法士と共有することで、チームでの患者のサポート力がUPする
- 電子カルテの操作は医療秘書に100%お任せ。そうすることで患者さんとの会話に集中できる
- 初期投資が高くても、あとから回収すれば問題なし
- 患者さんに、食事や運動の楽しさを伝えることもとても大切
- 病気になったから早死にするのではない。きちんとコントロールすることでむしろ罹患していない人より健康にもなれる
自院サイトには、YouTubeチャンネルへのリンクやレシピ集も掲載
福岡県・福岡市で、多くの患者からかかりつけ医として頼りにされている『二田哲博(ふたた てつひろ)クリニック』も、万全のチーム体制で患者をサポートしていることで知られています。
クリニックのwebサイトを見ると、クリニックの特色やドクター紹介、アクセスといった基本情報に加え、YouTubeチャンネルへのリンク、ドクターによるブログ、健康管理に役立つレシピ集といった“読んで楽しい”コンテンツも盛りだくさん。
また、本院、分院それぞれの特徴や問い合わせ先、地図などをA4サイズにぎゅっとまとめたシートや、献立を考える際に活用できる「食事バランスシート」などのPDFも掲載。患者がプリントアウトして使うことまで想定した仕様に、脱帽させられるばかりです。
集患・増患のコツは「圧倒的1番になること」。「2番目にいい病院」にわざわざ遠くから通おうとは思わないもの
これだけ患者目線の工夫がいっぱいのクリニックなら、集患・増患を意識した対策もさまざまに考えているに違いない!
そう考え、『二田哲博クリニック』理事長で、糖尿病専門医、甲状腺専門医である二田哲博医師に集患・増患のコツを尋ねたところ、「医療レベルに関してもホスピタリティにおいても“圧倒的1番”になることです」と即答。
極めてシンプルに聞こえますが、それを実現できているということは、人一倍考え、努力を重ね、いま自分にできることを追求し続けている証拠。医療に限らずどの分野においてもそうですが、自分の専門に関して一切妥協することなく理想を追求して、常にさらなる高みを目指し続ける姿勢によって、周囲も「この分野はこの人でなければダメ」「この人なら間違いない」と思わせられるものです。
「うちは県外からの患者さんも多いのですが、時間をかけてでも通いたいと思ってもらえるのは、“1番だから”なんです。2番ではダメなんです。だって、“2番目にいい病院”にわざわざ遠くからでも行きたいとは思わないですよね」(二田先生)
患者にとってもうれしい「時短」「節約」の工夫もいっぱい
しかも、県外から来院する患者さんのことを考えて、「通いやすさ」にこだわっているのも大きな特徴。とりわけ糖尿病や甲状腺の病気などの慢性疾患の場合は長く通院することになるため、第一に交通の便に配慮しています。
また、往復だけでも時間がかかるのに、さらに病院内でも膨大な時間を消費するとあっては、患者さん側が通い続けることを辛いと感じてしまいます。そうならないよう、毎回の検査ひとつとっても、結果が出るまでの時間を最小限に抑えているのもポイント。
たとえば、一般的な大学病院などでは結果待ちに3時間から4時間程度要す検査も、1時間以内に結果を出すように工夫しています。
「患者さんひとりあたりの検査にかかる時間を短く抑えることで、必然的に、より多くの患者さんの検査ができようになります。そうすると結果的に、臨床力にも圧倒的な差が出ます。
たとえば、大学病院で週に1例しか対応できないことを週に10例できるようにすれば、臨床の経験も10倍になります。そのほか、大学病院では入院しなければできない検査も、当院では可能な限り通院で受けてもらえるような体制を整えています」(二田先生)
つまり、患者さんからすると「時短」だけでなく、入院費などを捻出せずに済むため「節約」まで叶うということ。
もちろん、単に時短や節約ができているだけできちんとした検査がおこなわれていなければ意味がありませんが、高度な設備を備え、スタッフの教育も徹底しているため、患者さんにとっても「二田哲博クリニックを選ぶことがベストな選択」であることは一目瞭然。
たとえば糖尿病の場合、圧倒的な血糖コントロール状態のよさを追求し続けています。
電子カルテを管理栄養士や運動療法士と共有することで、チームでの患者のサポート力がUPする
それにしても、他院の何倍ものスピードや精度をどうやって実現しているのでしょうか? 二田先生に尋ねたところ、「まずはシステムを変えることが大事です」との回答。
「特に専門医療機関であれば、『患者さんが来院して受付を終えたら、まずは血液検査などをおこなってその次に診察』というように基本的な流れが決まっているはずです。
でもそれは私たち医療者目線の話であって、それ以外の時間は患者さんにとって『待ち時間』ということになります。そこで、待ち時間をできるだけ減らせるよう、当院では、検査結果がでるまでの時間を利用して栄養指導などをおこなっています」(二田先生)
理想的なシステムを作るために役立っているのは、約20年前に導入した電子カルテ。医師や看護師、管理栄養士、健康運動指導士など、患者さんのサポートに関わる全スタッフが電子カルテによって情報をリアルタイムに共有することで、診察フローの中でそれぞれが適切な行動をとることできるのです。
今から20年前といえば、まだ電子カルテが広く普及していないころ。その時代に二田先生が電子カルテの導入を決めたのは「糖尿病や甲状腺疾患の治療にはチームでの医療が不可欠だ」と考えたから。
「医者が管理栄養士に『この患者さんには1日〇〇〇キロカロリーのメニューにしてね』と指示するのでは、チーム医療とはいえません。食事の専門家は、医者ではなく管理栄養士。健康を考えた食事を摂ることができていない患者さんがいるのなら、それは管理栄養士の責任です。
医療スタッフ一人ひとりがそのことをしっかり理解して、責任感を持って仕事に臨むためにも電、子カルテは必要なものでした」(二田先生)
電子カルテの操作は医療秘書に100%お任せ。そうすることで患者さんとの会話に集中できる
電子カルテ導入以降、二田先生の診察を支え続けているのが医療秘書。実は、ご自身で電子カルテを操作することは一切ないのだといいます。
「電子カルテを導入したら、『画面ばかり見ずに患者さんの顔を見たほうがいい』とよく言われますが、操作するためにはどうしても画面に集中することになります。
ですから当院では、医療秘書に常駐してもらっています。日数の計算、次回の来院日調整、どういった検査をおこなうのかなど、電子カルテへの記録はすべて任せています。そのおかげで医者は患者さんとしっかり向き合って話をすることができるのです。
さらに、患者さんとの会話のやりとりも同時進行で記録していくので、患者さんにとっては入力待ちの時間もなくなります。メリットしかありません。つまり、電子カルテは質の高い医療を提供するための基幹となるシステムです。
ですから最大限活用するために、システムメーカーの協力を得て、当院の診療スタイルに合わせて大規模なカスタマイズを加えた電子カルテを使っています」(二田先生)
初期投資が高くても、あとから回収すれば問題なし
電子カルテや高度な医療機器の導入がよい医療につながるとはわかっていても、最初のうちはそんなにコストをかけられない……。そう思う人も多いはず。しかし二田先生は、「専門医療機関であれば、コストはあとから回収できる」と言い切ります。
「専門医療機関は特定の疾患を治療するので、基本的に同じ検査をおこなっていきます。つまり、一度購入した医療機器を長く使い続けていくことになるということです。
そうすると、おのずとコストを回収できます。それに、同じ機器を使い、同じ疾患を診続けるとなると、いい診療ができる環境を整えているかどうかで、技術や知識にも大きな差が出てきます」(二田先生)
患者さんに、食事や運動の楽しさを伝えることもとても大切
また、管理栄養士や健康運動指導士が主体となっておこなう「からだみがきプロジェクト」などを実践していることも、同クリニックの大きな特徴。しかもその内容が、単に「摂るべき栄養素」や「運動の重要性」を伝えるだけではないため、患者たちが楽しみながら『からだみがき(=健康管理・健康促進)』できるのがポイントです。
たとえば、野菜ソムリエ上級プロでもある管理栄養士が院内の専用キッチンで開く「野菜教室」では、食材の栄養素についてのみならず、おいしい食材の選び方や長持ちする保存方法まで教えてくれるんだとか。
「僕たちは『栄養学に従って食べている』のではなく『料理がおいしいから食べている』のです。料理を食べるとき、栄養素についてあれこれ考えるのではなく、『おいしい』『うれしい』と感じているはずです。
つまり、患者さんに食に興味を持ってもらおうと思ったら、『食べてうれしくなる食事』を伝えることが大切なのです。
そうでなければ、本当の意味での栄養指導にはなりません。だから、たとえば野菜を紹介する場合にしても、管理栄養士には最もおいしい『旬』の時期にその野菜を使って料理して、一口一口味わいたくなるような指導を実践してもらっています。
『食べましょう!』ではなくて、患者さんにみずから『食べたいな』と思ってもらうことが重要なのです」(二田先生)
続いて、健康運動指導士による院内の運動教室について尋ねたところ、「一人ひとりが楽しめる運動を見つけてあげることが大事です」と即答。
「運動も食事と同じで、楽しくなければ続きません。
たとえば、何よりも卓球が大好きな人に『毎日ウォーキングしてください』と言っても続かないでしょう。運動は、その人が一番楽しいと思えるものを続けることが大切なんです。でも、実際に楽しく続けられる運動と出逢えていない人はたくさんいます。
だから、クリニック内でいろんな教室を開いているんです。たとえば、ストレッチ、ステップ、ピラティス、ズンバ、ロコモ。運動した経験のない初心者から、もっと身体を動かしたい中級者までカバーできるよう、さまざまな運動強度のクラスを用意しています。
健康運動指導士からのアドバイスを参考に、気持ちも肉体も自分にぴったり合うものが見つかれば、最終的には当院の運動教室に参加しなくてもいいんです。
『身体を動かすのって楽しい!うれしい!気持ちいい!』と感じてもらえれば、自分から率先して運動するようになりますし、長く続けられる原動力になります。そして、長く続けることが身体のケアにつながるのです」(二田先生)
病気になったから早死にするのではない。きちんとコントロールすることでむしろ罹患していない人より健康にもなれる
最後に、健康に対する不安緩和のために糖尿病・甲状腺疾患の患者さんに伝え続けていることを尋ねてみると、「糖尿病になったから早く死ぬかもしれない、糖尿病になったから心筋梗塞を起こしやすい。そう思っている方がいらっしゃいますが、それは違います。
血糖コントロールが悪いと、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが高まるというだけの話。専門医療機関に定期的に通院して、きちんと検査をしてしっかりとコントロールしていたら、むしろ糖尿病じゃない人より体調がよくなる場合だってあるんです。甲状腺疾患にしても同じこと」と回答。
「しっかりと治したいと願う患者さんのために、私たち専門クリニックが全力でサポートします」。その言葉通り、常に患者さんに寄り添った施策を展開している二田哲博クリニック。
「圧倒的一番になること」をモットーとしながらも、診察からシステム作りまでどれひとつとっても患者想いであることが明らかなので、小さなことからでも真似してみては?
特徴
その他特徴
対応業務
診療科目
特徴
対応業務
その他特徴
診療科目
この記事は、2021年8月時点の情報を元に作成しています。