お礼金の行方

私は総合病院の外科病棟で働く看護師です。最近では少なくなりましたが、たまに患者さんから医師にお礼として、商品券やお礼金をいただくことがあります。看護師に対しては、お菓子や飲み物などを置いていかれる患者さんが多いです。そんなお礼金の行方について、私の体験を通して以下の3つの要点に沿って紹介していきます。

  • 家族から医師へのお礼金について
  • 看護師として複雑な心境
  • 良い医者の対応について

今後の対応の参考になれば幸いです。

目次
  1. 家族から医師へのお礼金
    1. 複雑な心境
  2. 良い医者の対応
  3. まとめ

家族から医師へのお礼金

あまり公にはされていないことですが、患者さんによっては、まれに退院時にお礼にと言って、商品券やお礼金を置いて行く人がいます。私自身も直接見たことは数回しかありませんが、医師の対応によっては、今後の関係性や人柄が見えてきます。お礼をいただいた際の対応について、2人の医師を比較して紹介していきたいと思います。何が良いのか悪いのかは人それぞれの考えによりますが、私や、私の周りで働くスタッフの意見を中心にて紹介していきます。

複雑な心境

手術が無事に終わり、回復し、退院する直前に患者さんとその家族に対して説明をする、インフォームドコンセントに同席した際のお話です。手術が終了して病理検査の結果が出た際には医師による説明があります。私はその内容を記録に残すために同席していました。無事に説明は終わり、家族からは感謝の気持ちと言って封筒に入った分厚い物が手渡されました。おそらくこれはお礼金ですが、なかなかの厚さがあったのでかなりの金額だったと思います。私は、「こんなもの受け取らないだろうな。気持ちだけ受け取る形になるかな」と思っていました。

しかし、その医師は断ることもなく、自分のポケットにその封筒を入れてしまったのです。その現場を直接見た私は「えー、先生受け取っちゃうの!? まず、断らないの!?」と困惑してしまいました。そのままインフォームドコンセントは終わり、患者さんと家族が退出したので、私は医師に、「先生、それ受け取っちゃってよかったんですか?」と確認しました。するとその医師は、「きっとビール券とかでしょ。本来は断って上の先生に確認するけど」といった内容の返事が返ってきました。

チーム医療のため、1人の医師がお礼金をもらうなどおかしな話です。そしてその場面を後々、振り返りましたが、「一度も断らなかったよね?」とやっぱり困惑してしまいました。そのあと怖くて中身を聞けなかった私ですが、この医師に対する評価は私の中でかなり下がりました。確かに手術をしたのは医者ですが、患者さんが大変な状況の中で身近でサポートしていたのは、看護師である私たちです。「いいとこ取りでうらやましいなー」と看護師たちは内心思ったのでした。そして、断りもせずに当たり前のようにお礼金をもらっていた医師を見て、人柄を疑ってしまったのでした。

良い医者の対応

同じように、インフォームドコンセントのあとに家族からお礼金をもらった医師の話です。こちらは先ほどとは異なる医師なのですが、お礼にもらったものを中身も確認せずに、まずは看護師長のところに持ってきました。「これ、もらったんだけどみんなで頑張った結果、元気になったから看護師さんにも」と言って渡しました。もちろん、その医師は家族に何度も断ったのですが、断りきれずに受け取ってしまったとの話でした。

中身は商品券だったのですが、「看護師さんたちで何かに使って」とその医師はおっしゃいました。結局その商品券は、病棟内の足りない物品や買い替えが必要であった物品類に使いました。病院にとって有意義に使われて、こちらとしても感謝の気持ちでいっぱいでした。そして何より、医師の心遣いに看護師たちの評価はかなり上がりました。チーム医療は、さまざまなスタッフの協力があってこそ成り立っています。このことをよく理解しているからこそ取った行動だったのだと思います。

中には、医者が一番偉いと思っている医師もいますが、それは大きな勘違いだと思います。医者1人で医療は成り立たず、それぞれの専門分野の技術や知識、サポートがあるからこそ、良い医療が提供できるのだと思います。

ちなみに、今回上記に挙げた先生は、患者さんからもとても信頼されている先生です。看護師などのスタッフに対しても差し入れを持ってきてくれるなど、本当に気遣いのできるすばらしい先生です。患者さんにとって医者の腕がいいこともちろん大切なポイントですが、人対人の仕事のため、やはり一番大切なのは、人柄だということがよくわかる事例でした。

まとめ

今回は、お礼金の受け取り方を通して感じた、尊敬できる医師の対応と疑問に感じた医師の対応について紹介いたしました。また、私が今回紹介した、尊敬できる医師の対応を見て、医療従事者に日ごろから意識してほしいと思ったポイントを以下にまとめます。

  • 医療現場ではさまざまな職種の協力があるからこそ成り立っている
  • 1つひとつの対応で今後の医師の評価がかわってくる
  • 結局、患者さんやスタッフから信頼される医者は人柄の良い先生である
  • チーム医療ではスタッフ間の信頼関係が大切であり、人柄の良い医師にスタッフたちは付いていく
  • 病院にとって医者の技術はもちろん大切だが、人間性が何より大切になる

上記の内容について意識していただくことによって、同じ職場で働くスタッフたちの帰属意識が強まり、より良い病院づくりに繋がるのではないかと考えます。今回の記事がスタッフ間での信頼関係について考える機会となり、今後のより良い運用に繋がればと思います。

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risa

執筆 看護師 | risa

看護師歴9年目で現在、総合病院勤務。日々、慌ただしく忙しい中でも、看護師としてやりがいを持って医療にたずさわっています。内科や外科での実際の経験を通して、皆さんに役立つ情報を提供していければと思います。


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