内科の忙しさはランキング何位?

医者は忙しいというイメージがありますが、診療科によっても忙しさに大きな違いはあるのでしょうか? 緊急手術があるかないか、夜勤が多いかどうかなども忙しさに影響しそうですが、実際のところどうなのかをみていきましょう。

目次
  1. 医師の不足感実感度ランキングでは内科は第6位
    1. 医師の不足感実感度ランキング
  2. 出勤日以外も忙しい? 学会・研究会等への平均参加日数はランキング第9位
    1. 学会・研究会等への平均参加日数ランキング
  3. 主たる勤務先の日直・宿直の月あたりの回数は何番目に多い?
    1. 主たる勤務先の日直ランキング
    2. 主たる勤務先の宿直ランキング
  4. 内科医はオンコールの回数は多い?
    1. オンコールの回数ランキング
  5. 内科医の週当たりの労働時間はどのくらい?
    1. 週当たりの労働時間ランキング
  6. 年次有給休暇の取得日数は多い?
    1. 年次有給休暇取得日数ランキング
  7. 内科医は疲労感を感じている?
    1. 勤務医が疲労感を感じているランキング

医師の不足感実感度ランキングでは内科は第6位

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が2012年に公表している「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、忙しさの原因のひとつであろうと推測される「医師の不足感」について、「非常に感じる」または「まあ感じる」と回答した医師は全体の68.6%に上ります。では、診療科別に見た場合はどうかというと、「非常に感じる」または「まあ感じる」と感じている医師の割合がもっとも高いのは麻酔科。内科は第6位となっています。

医師の不足感実感度ランキング

順位 診療科目 割合
第1位 麻酔科 81.70%
第2位 救急科 77.80%
第3位 小児科 70.70%
第4位 整形外科 70.60%
第5位 呼吸器科・消化器科・循環器科 70.30%
第6位 内科 69.00%
第7位 外科 67.80%
第8位 放射線科 66.60%
第9位 脳神経外科 65.90%
第10位 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 64.90%

参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」p.5より一部抜粋

出勤日以外も忙しい? 学会・研究会等への平均参加日数はランキング第9位

勤務医は、学会・研究会等への参加を余儀なくされることもあります。そこで続いては、学会・研究会等への参加日数ランキングを見ていきます。内科医の、学会・研究会等への平均参加日数は年間9.1日。参加日数0日という内科医も5.4%存在しますが、逆に15日以上参加していると回答した内科医は15.1%にも上ります。また、もっとも参加日数が多いのは整形外科医で平均11.4%、もっとも参加日数が少ないのは麻酔科医で、7.5%という結果が出ています。

学会・研究会等への平均参加日数ランキング

順位 診療科目 平均日数
第1位 整形外科 11.4日
第2位 呼吸器科・消化器科・循環器科 10.3日
第3位 小児科 10.2日
第4位 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 9.9日
第5位 産科・婦人科 9.7日
第6位 外科 9.4日
第7位 脳神経外科 9.3日
第8位 放射線科 9.2日
第9位 内科 9.1日
第10位 救急科 8.7日

参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」p.7より一部抜粋

主たる勤務先の日直・宿直の月あたりの回数は何番目に多い?

続いては、日ごろの忙しさを比較します。まずは、主たる勤務先の日直・宿直の月あたりの回数で比較しましょう。まず、日直の回数がもっとも多いのは救急科。「日直あり」と回答した医者は91.8%にも上ります。さらに、宿直の回数がもっとも多いのも救急科。「宿直あり」と回答した医者は94.4%にも上ります。一方で内科はというと、日直の回数、宿直の回数ともに第9位。日直、宿直の回数だけみると、他の診療科に比べて余裕を持って働けそうです。

主たる勤務先の日直ランキング

順位 診療科目 割合
第1位 救急科 91.80%
第2位 小児科 73.60%
第3位 呼吸器科・消化器科・循環器科 70.00%
第4位 産科・婦人科 69.40%
第5位 精神科 68.80%
第6位 外科 63.10%
第7位 整形外科 61.70%
第7位 脳神経外科 61.70%
第8位 内科 61.00%
第9位 麻酔科 53.60%

主たる勤務先の宿直ランキング

順位 診療科目 割合
第1位 救急科 94.40%
第2位 脳神経外科 78.00%
第3位 精神科 75.00%
第4位 呼吸器科・消化器科・循環器科 74.10%
第5位 外科 73.90%
第6位 小児科 71.70%
第7位 産科・婦人科 70.00%
第8位 整形外科 68.90%
第9位 内科 66.60%
第10位 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 58.90%

参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」p.37より一部抜粋

内科医はオンコールの回数は多い?

続いては、主たる診療科のオンコールの回数を比較しましょう。月あたりのオンコールの回数が4回以上だと回答した内科医は、全体の17.9%という結果。診療科全体で見ると、第7位にランクインしています。

オンコールの回数ランキング

順位 診療科目 割合
第1位 脳神経外科 36.70%
第2位 産科・婦人科 31.30%
第3位 呼吸器科・消化器科・循環器科 30.90%
第4位 外科 29.00%
第5位 麻酔科 23.00%
第6位 小児科 20.60%
第7位 内科 17.90%
第8位 整形外科 15.90%
第9位 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 15.30%
第10位 精神科 8.50%

参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」p.45より一部抜粋

内科医の週当たりの労働時間はどのくらい?

続いては、週あたりの労働時間を比較します。内科医の週当たりの平均労働時間は、20時間未満=15.0%、20時間~40時間未満=13.7%、40時間~50時間未満=28.4%、50時間~60時間未満=21.3%、60時間~70時間未満=12.5%、70時間~80時間未満=5.2%、80時間以上=3.9%という結果。平均時間でみると43.4時間です。これは、下表の通り、他の診療科と比べてかなり少ない労働時間といえます。日直・宿直の月当たりの日数やオンコールの回数と併せて考えても、単純に労働時間を比較すると、内科医は余裕がある働き方ができるほうだといえるでしょう。

週当たりの労働時間ランキング

順位 診療科目 週の平均労働時間
第1位 救急科 54.0時間
第2位 脳神経外科 53.3時間
第3位 外科 52.5時間
第4位 小児科 52.0時間
第5位 産科・婦人科 49.4時間
第5位 呼吸器科・消化器科・循環器科 49.5時間
第6位 整形外科 46.8時間
第7位 放射線科 46.1時間
第8位 麻酔科 45.8時間
第9位 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 44.3時間
第10位 内科 43.3時間

参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」p.48より一部抜粋

年次有給休暇の取得日数は多い?

普段余裕を持って働くことができるということは、そのぶん、年次有給休暇の取得日数は少なくなるのでしょうか? 有給休暇の取得日数7日以上のランキングでみていきましょう。有給休暇取得日数が7日以上の内科医は、全体の26.1%という結果。全体の第6位にランクインしているので、年次有給休暇はかなりとれているほうだといえるでしょう。

年次有給休暇取得日数ランキング

順位 診療科目 有給取得率
第1位 産科・婦人科 35.40%
第1位 精神科 35.40%
第2位 麻酔科 33.40%
第3位 放射線科 29.90%
第4位 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 28.80%
第5位 小児科 26.40%
第6位 内科 26.10%
第7位 整形外科 24.80%
第8位 外科 23.90%
第9位 脳神経外科 22.70%

※年次有給休暇取得日数7日以上との回答ランキング

参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」p.55より一部抜粋

内科医は疲労感を感じている?

ここまでは、実際の時間数や休暇取得日数をもとに比較してきましたが、最後に、医師本人が感じている疲労感をもとにした比較をみてみましょう。医師本人が疲労感を感じているランキングでみると、内科は第9位。内科医全体の56.8%が疲労感を感じているという結果です。

勤務医が疲労感を感じているランキング

順位 診療科目 割合
第1位 救急科 72.30%
第2位 外科 66.30%
第2位 小児科 66.30%
第3位 呼吸器科・消化器科・循環器科 64.40%
第4位 産科・婦人科 62.60%
第5位 整形外科 62.30%
第6位 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 58.80%
第7位 麻酔科 58.20%
第8位 脳神経外科 57.70%
第9位 内科 56.80%
第10位 放射線科 56.10%

参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」p.67より一部抜粋

自分にとってベストなワークライフバランスについて考えよう

忙しく働くのが好きな人、そうでない人さまざまですし、「プライベートを充実させたいから、仕事にかける時間はそこそこにしたい」と考える人もいるはず。どちらが正解ということはありませんし、一人ひとりが満足いく人生を生きるのが一番なので、生涯内科医の仕事を続けたい人も、これから内科医として開業したい人も、一度今後の働き方についてゆっくり考える時間を取ってみては?

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