医師が放った言葉で患者さんが起こした行動

医師の言葉の患者さんへの影響力は、とても強いです。医師に「治療した方が良い」と言われれば治療はするし、「それはダメだ」と言われれば素直に従うのが一般的でしょう。ですが、中には医師が放った一言に傷ついたり、逆上したりする患者さんもいます。本記事では、私が実際に垣間見た、医師と患者さんとの間に起きた出来事についてお伝えします。

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目次
  1. 口の悪い外科医
  2. 実は優しいところもある
  3. 中には冗談が通用しない患者さんも……
  4. 変わらず接する医師
  5. トラブルになった患者の特徴
  6. 徐々にその本性があらわに
  7. 医師が放った一言
  8. 患者さんはその医師を完全拒否
  9. 主治医との話
  10. 謝罪はしても気持ちは変わらず
  11. その後の対応は

口の悪い外科医

私が働いていた病院に、50歳を超えているベテランの外科医がいました。その医師に診察してほしくて受診する患者さんも多く、他院の紹介から来る患者さんも少なくありません。

腕が良いと、その地域では有名な医師でした。しかし、腕は良いですが見た目は怖くて言葉遣いも荒いため、初めて受診する患者さんは驚きます。

その医師は、思ったことをすぐに口にするタイプです。そのため、初心であろうが怒ったり、ときには患者さんを傷つけたりして、クレームになることもありました。私たちは、その医師の発言に冗談が多いことも知ってします。ですが、それは長年その医師と働いていたから通じることでもあります。初対面の患者さん相手に、冗談まじりで言ったことが通じるとは限りません。現に、初めての診察で「デブだから痩せないと手術できない」と言われてショックを受けたと言っている患者さんもいました。

実は優しいところもある

その医師は、見た目が怖くて口は悪く、スタッフや患者さんに対してよく怒鳴りますし、理不尽な言動も多いです。ですが、スタッフはその医師の文句を言いながらもみんな慕っています。なぜかというと、その医師が実は面白いところがたくさんあり、患者さんのことは最後まで責任を持って診ますし、何かあればその医師自身が動いてくれるからです。

入院患者さんも、最初は怖いと思っていても、入院してその医師と関わってくると、よく声はかけてくれるし、「無理すんなよ」「ゆっくりしていけ」「急いで帰る必要ないからな」など優しい言葉をかけてくれるため、その医師がいい人であることに気づきます。

中には冗談が通用しない患者さんも……

入院している患者さんは、その医師と関わるようになると、優しい医師だとわかり、お互いに冗談まで言い合えるほどになることもあります。医師もその冗談に対して患者さんを怒ることはありません。むしろ楽しんでいる方でしょう。

患者さんも、「毎日ギスギスしていて緊張感があるより、冗談の1つや2つ言って笑って過ごせるぐらいの方がいい」と口にしているぐらいです。しかし、ごく稀に冗談が通じない患者さんがいます。私たち看護師はさまざまな患者さんと関わってきています。その経験から、入院してきた時点で表情や雰囲気、話し方などから「この患者さんは注意した方が良さそう」「クセがありそう」など、100%とまではいきませんが、高確率で見分けることもできます。

そういった患者さんにどんな特徴があるかといえば、何となく表情が暗かったり活気がなかったり、目が据わっていたり、目つきが違っていたり……。既往歴を聞いてみると、精神疾患を患っていたり、病気かはわからないけど大量の精神薬を服用していたりすることも多々あります。そういったことを、表情からある程度見抜いて、注意を払います。

全員とは言えませんが、精神疾患を患っている患者さんは、こだわりが強かったり、例えそれが間違っていたとしても正しいと思い込んだり、人の意見を聞かなかったりします。

また、ちょっとしたきっかけによって、ひとつの物事がずっと気になって不眠や恐怖に陥ったりします。ましてや入院となれば、ストレスからいつ症状が強くなってくるかわかりません。それを知っている看護師は注意深く接することも少なくないのです。

変わらず接する医師

中には、既往歴がなく、精神薬を服用していなくても、コミュニケーションから精神疾患を患っているのではないかと感じることがあります。しかし、本人や家族の情報から心療内科の受診歴があれば判断できますが、何もなければ判断は難しくなります。また、その医師は外科医であるため、心療内科に関して詳しいとは言えません。患者さんに心療内科の受診歴があれば、医師へ疾患名を伝えることができますが、その診断がなければ、単なるイメージにしか過ぎないので医師に伝えることも難しくなります。そのため、情報を得ていない医師は今までのように口が悪いまま。冗談たっぷりにコミュニケーションを図ろうとします。

それは決して悪いことではないとは思いますが、場合にはよっては患者さんを傷つけることになりかねません。

トラブルになった患者の特徴

その患者さんは、外科的治療が必要で入院となった30代男性です。その患者さんには、精神疾患の既往がなければ、薬も服用していません。既往があるとすれば高血圧症のみ。これに関しては、自覚がありながらも未治療でした。その患者さんが入院した当日、私はナースステーションにいて、患者さんへあいさつしました。

一見すると普通の患者さんではありますが、何となく表情は険しく、歩き方にも違和感がありました。その時点で「何か患ってそうだな」と感じてはいました。ただ、まだ私自身が患者さんに関わったわけではなく、単なるイメージであったため、あまり気にせず他のスタッフにも言うことはありませんでした。しかし、後になって知りましたが、他のスタッフも第一印象で「何かありそう」と感じていたそうです。

徐々にその本性があらわに

その患者さんは高血圧以外の既往歴はなく、入院した時点で内服薬は何もありませんでした。しかし、あまりにも高血圧が持続していたため、降圧剤の内服が開始されました。すると、ネット上でその薬を調べ、何かしらメモ帳に記入していたのです。詳しくメモを見ることはできませんが、誰が何時何分に来て、何をしていったか、どんな会話をしたかをメモに残していました。それを見て私は「やはり何かしら患っていそう」と感じながら、何かあったときの証拠として残しているのかもしれないとも思いました。

その患者さんは、普通に接しているぶんには特別におかしなところは感じられない、よくいる30代の男性です。しかし、治療や疾患となると、急に目つきが変わってくるのです。そして、ネットの情報を突きつけては「ここにはそんなことは書いていない。本当にこの治療でいいのか」「間違った治療をしているのではないか」と疑い始めます。ですが、看護師たちは治療に関して説明することができません。治療の説明は医師がおこなわなくてはならないからです。

医師が放った一言

医師は朝に回診をおこないました。その医師は主治医ではありませんが、共同で患者さんの処置にあたっているため、その患者さんにも顔を出します。その医師は、その患者さんに多少クセがあることは知りません。しかし、その患者さんがどんな疾患でどんな手術をして、どんな既往歴があるかは把握しています。

そこで、いつものように口悪く、「若いのに、このままだと不合格になるぞ。しっかり治療していこうな」と高血圧の改善を促していました。いつもであれば、患者さんも笑ったり、「気をつけます」と言ったりしながら会話を交わしますが、その患者さんは違いまいた。言われた瞬間に表情が険しくなり、一点を見つめ始めたのです。その表情を見たのは私だけでしたが、何か嫌な予感がしました。

患者さんはその医師を完全拒否

翌日もその医師は回診に周り、患者さんの様子を確認して処置をおこなっていきました。そして、その30代男性のところにも行き、そのときは何事もなく回診は終わりましたが、昨日のことが忘れられなかったようで、患者さんは看護師に「何で主治医でもない人にあんなことを言われなくちゃならないんだ。あんなこと言われたから夜も眠れない、もう二度と関わりたくないし顔だって見たくない」」と言ったのです。

言われた看護師は何のことだかさっぱりわかりませんでしたが、その患者さんがものすごく激怒していることはわかり、スタッフ間で情報共有しました。しかし、他のスタッフもなぜそこまで激怒しているかはわかりません。それからというのも、その患者さんはその医師の声が聞こえようなら、病棟から離れて意図的に医師と顔を合わせないようにしていました。

主治医との話

そのことを主治医は知り、なぜ激怒しているのかの原因を探るために、その患者さんと話をすることにしました。話を聞いているうちに、患者さんが話していたことが、医師から「不合格」と言われたことが気に食わなかったことがわかりました。そのとき、私もその場にいたため、現状を理解しています。医師が「不合格」と言ったのは確かです。しかし、合っているのはそこまでです。どういうことかというと、その患者さんはさらに、その場にいたさまざまな職種に人が全員笑っていたと話したのです。ですが、実際は医師がカーテンを少し開けた状態で話ており、誰がいたかまでは患者さんも把握できていないはずです。また、その医師の近くにいたのは私1人だけであり、他のスタッフは全員病室の外にいました。

もちろん誰も笑ったりしていないことは、私もよくわかっています。しかし、その医師がそんなつもりで言ったことではないにしろ、患者さんを傷つけたことは事実です。主治医も謝罪をしました。

謝罪はしても気持ちは変わらず

主治医から謝罪はありましたが、患者さんの気持ちは変わりませんでした。相変わらず、言葉を放った医師に対しては拒否をしていました。主治医からもその医師へ話が伝わり、一度はその医師も激怒したものの、謝罪をすることを決めたのです。スタッフも、その医師が謝罪をすると聞いて大変驚きました。そんなことは今まで一度もしたことがなかったからです。しかし、患者さんはそれを拒否。顔も見たくなければ、謝罪も受け入れたくないとのことでした。

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その後の対応は

その後は、患者さんも拒否している以上、医師が行くこともありませんでしたし、その患者さんが何を言おうが、スタッフも主治医以外には話すことはありませんでした。間もなくして患者さんは無事退院することになりましたが、冗談まじりで言ったことがここまで大きくなったのも初めてだそうで「冗談もほどほどだな」と反省はしていました。

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ベル

執筆 男性看護師ライター | ベル

看護師歴14年目。救急、ICU、外科、内科を経験トラブルも多い看護の世界でいろいろいあってもこの仕事が好きな男性看護師。 現在、管理職として働きながらブログなどでも経験を活かしたノウハウを執筆しています。


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