世間一般からは、「医者はお金持ち!」と思われています。しかし、実際に資産、貯金が十分ある医者家庭は多くないのも事実です。堅実にお金を使用しないと、医者といえども蓄財はできません。今回は、医者で億万長者になるのは無理! という理由についてお話します。
1.年収の上限が決まっている
勤務医の年収上限は2,000万円
医者の年収は高いです。医者の平均年収は年度によっても変化が多少ありますが、1,100万円ほどです。しかも、研修医期間2年間が終わり、正式に医者になると、年収1,000万円を超える医者が多いです。ストレートで医師になれば、20代後半で誰でも年収1,000万円を超えることができます。
しかし、医者を5年10年と続けていけば、年収2,000万円、 3,000万円、 5,000万円と伸びるわけではありません。部長職や病院長職といった役職につければ給与は上がりますが、大体1,000万円?2,000万円程度で頭打ちになります。これ以上、給与を伸ばそうとするならば、開業に踏み切るしかありません。開業医となり、うまく収益が上がれば、5,000万円以上の収益が見込まれます。
結局は時間の切り売り
勤務医である限り、どんなに病院の収益に貢献しても給与は上がりません。なぜならば、勤務時間に対して対価が支払われるからです。時間外勤務が増えれば収入は高くなりますが、どんなに働いても24時間以上は働くことはできません。
高額医者バイトも多くはできない
勤務医をしながら、医者のアルバイトをすることは可能です。半日の外来バイトで、3万円?5万円ほどの収入増になります。これを月に1回おこなえば、年収を30万円?50万円ほど増やすことは可能です。しかし、勤務医の仕事自体、激務であることが多いです。月に何回も外来バイトをかけ持つのは無理です。どんなに医者のアルバイトを増やしても、年収3,000万円を超えるのは至難の業と言えます。
2.医者のポジション維持コストが高い
高額な学会費用
医者のポジションを維持するには、お金がかかります。例えば、整形外科学会会費は年間14,000円かかります。また、整形外科学会の参加費は25,000円かかります。これだけでも、4万円近く年間かかります。また、専門医取得にも合計10万円以上かかります。さらに認定医維持のために、定期的に専門学会に参加をしていかなくてはいけません。そのため、専門医を維持するのにも数万円かかります。
さらに、専攻科の総会だけではなく、より専門的な学会はいくつもあります。それぞれが、1~2万円程度の年会費と別途数万円の学会参加費を必要とします。これらをすべて含めると、年間10~20万円近く学会関連費がかかります。
高い医局費
医局に所属していると、医局費という年会費を払います。所属医局によって違いはありますが、高額なことが多いです。筆者の医局費は年額9万円になります。また、知り合いの医師で、医局費として12万円払っている医師もいます。
3.医者は出費が多くなる
宴会費は「医者価格」
病院に勤めていると、職場の飲み会が多くあります。新人歓迎会、納涼会に忘年会と数ヶ月に1回の頻度で宴会があったりします。これらの宴会の参加費ですが、「医者価格」なるものがあって、医師は他職種に比較して多めに宴会費を払います。一般的な目安は1万円です。さらに、2次会、3次会と参加すれば、支払いはほぼすべて医師になります。一晩で、3~5万円払う医者もいます。医者は周囲からも、お金持ちと思われます。そのため、機会がある毎に比較的多めに出費を求められることが多いです。
無駄遣いが多くなる
前述の通り、ストレートで医師になると20代後半から年収1,000万円以上となります。すると、金遣いが荒くなりやすくなります。ある医師は、一晩数万円支払う飲み会を月に何回もしています。また、時計や車にお金をつぎ込む医者も多くいます。地方の医者は、外車を購入する比率が高いです。収入が多くても、全く貯金ができていない医師は比較的多いです。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2021年9月時点の情報を元に作成しています。
執筆 整形外科専門医 医学博士 | 医師YouTuberいっさ
2019年8月よりYouTuberとして活動を開始した。YouTubeでは、医者のかたわら、動画配信600本以上を達成。既に1,000人以上の登録者がある。「医者のキャリア形成」を中心に、医療にまつわる話を配信している。
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