PACSを導入するならどのメーカーのものがいい?

電子カルテやオーダリングシステムなど、院内の業務を効率化してくれるシステムを積極的に取り入れているクリニックのなかには、PACS(医療用画像管理システム、画像ファイリングシステム)の導入や更新を検討中のクリニックも多いでしょう。そこで今回は、各メーカーのPACSの特徴を紹介していきます。

目次
  1. PACSとは?
  2. PACSにはクラウド型とオンプレミス型がある
  3. クラウド型PACS 12選
    1. 株式会社エムネス「LOOKREC」
    2. コニカミノルタジャパン「NEOVISTA I-PACS SX」
    3. 株式会社NOBORI「クラウド PACS NOBORI」
    4. 富士フィルムメディカル「SYNAPSE Enterprise-PACS」
    5. 富士フィルム医療ソリューションズ株式会社「ShadeQuest」
    6. PSP「EV Insite net」
    7. キャノンメディカルシステムズ株式会社「RapideyeCore Grande」
    8. GEヘルスケア・ジャパン「Centricity PACS/Centricity Clinical Archive」
    9. ジェイマックシステム「XTREK SERVER」
    10. 株式会社スリーゼット「WATARU」
    11. コニカミノルタジャパン「NAOVISTA I-PACS EX-5」
    12. 富士フィルムメディカル「C@RNACORE」
  4. オンプレミス型PACS 6選(一部、クラウド併用もあり)
    1. ライフサイエンスコンピューティング株式会社「Xronos」
    2. 株式会社スリーゼット「Caps-Web」
    3. 株式会社スリーゼット「EZCap」
    4. 株式会社スリーゼット「EZCap Eye」
    5. 株式会社ファインデックス「Claio」
    6. キャノンメディカルシステムズ「RapideyeCore SmartEdition」
  5. 機能性も操作性も両方しっかりチェックしたい!

PACSとは?

まずは、PACSとはどのようなものなのか改めて確認しましょう。PACSには、大きく分けて2つの機能があります。1つは、CR、CT、MRIなどの画像撮影装置(モダリティ)で撮影した画像データを保存する「画像保存機能」です。そしてもう1つは、ネットワークを通じて画像データを受信する「通信機能」です。

近年、PACSのニーズが高まっていますが、その理由は、前述した画像撮影装置が高度化したことで大量の画像出力が可能となったため、フィルムで管理することが難しくなってきたためです。また、電子データであれば、撮影した画像を瞬時に確認に回せるのも大きなメリット。PACSを電子カルテやRIS、オーダリングシステムをはじめとする院内の各システムと連携することで、業務効率がアップします。

PACSにはクラウド型とオンプレミス型がある

電子カルテ同様、PACSにもクラウド型とオンプレミス型があります。クラウド型の場合、PACS画像をクラウド上に保存することになりますが、外部のデータセンターに保存および保管する「外部保管型サービス」、地域医療における「情報共有連携サービス」のほか、緊急時に外部画像を参照するサービスなども利用できます。オンプレミス型の場合、院内のサーバーにPACS画像を保存することになります。最近のトレンドとしてはクラウド型なので、これから導入を考えているクリニックは、まずはクラウド型PACSにはどんなものがあるのかチェックしてみるといいでしょう。

クラウド型PACS 12選

続いては、主なPACS製品およびサービスを紹介します。まずは、トレンドのクラウド型PACSから。

株式会社エムネス「LOOKREC」

放射線診断専門医が創業し、遠隔画像診断のパイオニアであるエムネスが開発したクラウドPACS。現役医師とIT専門家がタッグを組み、医師目線で開発されたからこそ使いやすさに定評があり、全国で1,170施設以上に導入されています(※2024年9月時点)。低コストかつ安全基準に準拠したGoogle Cloud Platformを利用し、より自由にDICOMデータの共有が可能です。

コニカミノルタジャパン「NEOVISTA I-PACS SX」

「汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム」として医薬品医療機器等法の認証を取得したクラウド型PACSです。コニカミノルタのデータセンターに画像情報を保存・管理できるため、クリニック内以外でも画像を活用できます。

株式会社NOBORI「クラウド PACS NOBORI」

PACS画像は東日本と西日本の2拠点で保管。24時間365日有人受付・生体認証とカードシステム人量によるセキュリティシステムで監視されているため、セキュリティは万全です。院内には、コンパクトな専用アライアンスサーバのみを設置すればいいので、設置に幅をとることがありません。

富士フィルムメディカル「SYNAPSE Enterprise-PACS」

画像表示の高速化を実現したクラウド型PACS。大容量画像の配信も可能です。動作が高速なため、スピーディな読影を実現できます。

富士フィルム医療ソリューションズ株式会社「ShadeQuest」

画像の表示から保管までのシステムコンポーネントを高度に連携可能。処理能力や操作性にもすぐれているため、目指す医療実現の大きな手助けになります。

PSP「EV Insite net」

スピーディな画像表示、スムーズな過去比較、放射線科部門システムとのシームレスな連携など、使い勝手のよさを追求。"読影医師のためのPACS"をコンセプトに開発されていることから、検査画像データの閲覧もスムーズにおこなえます。

キャノンメディカルシステムズ株式会社「RapideyeCore Grande」

「名寄せ機能」を搭載しているため、同一患者の検査情報を、施設を横断して時間軸で参照することが可能。CTやMRIなどの臨床アプリケーションやVitreaの画像処理・解析アプリケーションを、専用のワークステーション無しでもシステム上で使用できます。

GEヘルスケア・ジャパン「Centricity PACS/Centricity Clinical Archive」

電子カルテなどの診療端末やiPadなどのモバイル端末からもシステムにアクセス可能。必要な情報を必要なときに簡単に確認することができるので、多職種間の医療連携もスムーズです。

ジェイマックシステム「XTREK SERVER」

電子カルテやRIS、レポートとの連携などに柔軟に対応できるのが魅力。クリニックごとの運用に沿った理想のソリューションとして活躍してくれます。

株式会社スリーゼット「WATARU」

汎用性ビューアで、マンモビューアも含めた複数モダリティをカバー。また、医療画像以外の形式も柔軟に取り込めるソフトを多彩に適用することができます。

コニカミノルタジャパン「NAOVISTA I-PACS EX-5」

肋骨や鎖骨で隠れた病変を見やすくして読影を支援する「Bone Suppression機能」、過去画像との変化を見やすくして読影を支援する「経時差分機能」など多彩な機能で医療をサポートしてくれます。

富士フィルムメディカル「C@RNACORE」

各種モダリティと連携しながら、検査情報に対して一元管理、画像処理などをおこなうことができる、クリニック向け画像診断ワークステーション。クラウドで保管することで安全性はキープしながら、院内外のモバイル端末などからもアクセスできます。

オンプレミス型PACS 6選(一部、クラウド併用もあり)

ライフサイエンスコンピューティング株式会社「Xronos」

拡張性が高く使いやすい、低コストのPACSはクリニックでの利用に最適。HISやRIS、電子カルテなどの上位システム、MWMとの連携も可能なうえ、院内サーバー型、クラウド併用にも対応しています。

株式会社スリーゼット「Caps-Web」

クリニック内のあらゆる画像をDICOM化することができます。各種モダリティの検査画像はもちろん、問診票や紹介状などの手書き書類のスキャナ登録およびJPEGやPDFデータのDICOM化も可能です。

株式会社スリーゼット「EZCap」

耳鼻咽喉科向けの画像ファイリングシステムです。鼻、耳、喉の状態を内視鏡で撮影して記録および画像で比較診断する際にうってつけです。

株式会社スリーゼット「EZCap Eye」

スリーゼットの「EZcap」には、眼科クリニック向けの画像ファイリングシステムも存在します。すりトランプ、眼底/OCT、レフケラ/眼圧系など眼科クリニックならではの機器に対応。

株式会社ファインデックス「Claio」

耳鼻咽喉科・頭頚部外科、眼科、各科エコー/内視鏡などの非DICOMモダニティも、エコー、内視鏡などのDICOMも統合管理できる画像ファイリングシステムです。動画のHi-Vision信号キャプチャにも対応しています。

キャノンメディカルシステムズ「RapideyeCore SmartEdition」

設置スペース削減に役立つスタンドアローン型のコンパクトなPSCAです。静止画だけでなく、動画やPDF、JPEGデータなどもPACSで一括管理することができます。

機能性も操作性も両方しっかりチェックしたい!

これからPACSを導入するなら、「クラウド型かどうか」「クリニックでの運用に向いているか」などのポイントをチェックしつつ選択肢を絞ることがまず大切。そのうえで、院内の機器との連携がスムーズであるかどうか、使い勝手はどうかなど、さまざまな側面から機能性や操作性をチェックしながら、自院にとってベストなものを選んでくださいね。

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