認知度向上にも貢献。クリニック情報が掲載できるAI問診システム『ユビーリンク』とは?

医療現場でも、IT・ネットワーク技術を利用して「いかに患者さんとつながるか」が問題になっています。的確に患者さんとつながるクリニックが、集患に成功し、経営もうまくいく時代なのです。つまり、ネットワーク技術を用いた「患者さんの導線の作り方」がクリニックの成否を分けます。

この課題に対して非常に興味深いソリューションを無料で提供している企業があります。クリニック向けに『Ubie(ユビー)AI問診』(以下『ユビーAI問診』と表記)、一般ユーザー向けに『ユビーAI受診相談』を提供している『Ubie株式会社』です。

同社は2021年7月に『ユビーリンク』というサービスを開始しました。『ユビーリンク』に参加すると、月間300万人が利用する『ユビーAI受診相談』にクリニックの情報が掲載されるようになります。今回は、『Ubie株式会社』に取材し、『ユビーリンク』がクリニックにもたらすメリット、機能などについてご紹介します。

目次
  1. 「AI問診」とは?
  2. 『ユビーAI受診相談』とは?
  3. 『ユビーリンク』とは? 患者さんと「かかりつけ医」を結びつけるサービス
  4. 『ユビーリンク』の機能と特徴
    1. 詳細なクリニックの情報を掲載できる
    2. 患者さんが予約に至る導線を設置できる
    3. 回答した「症状に関する情報」を受信できる
    4. 医師向け検索サイトへの掲載が行える
  5. 『ユビーリンク』の導入
  6. 『ユビーリンク』の費用
  7. 『ユビーリンク』を利用するメリット
  8. まとめ

「AI問診」とは?

『ユビーリンク』の基になっているのは『ユビーAI受診相談』。『ユビーAI受診相談』は、クリニック向けサービス『ユビーAI問診』のシステム、ノウハウを一般向けに展開したサービスです。

そのため、まずは『ユビーAI問診』の「AI問診」についてご紹介します。「AI問診」は、クリニックで行われている患者さんに対する「問診」を代替してくれるシステムです。

システム側で患者さんに症状についての質問を行い、回答に合わせて次に聞く質問をアレンジ。その症状に関連する病名を表示します。このようなシステムでは、患者さんに対する質問が医学的に的確かどうかが問われますが、『Ubie株式会社』の提供する『ユビーAI問診』では、5万本以上の医学論文を参照し、約3,600種類の質問を作成。これらの質問を患者さんにすることによって、的確な問診を行い、医師には参考病名、関連する病名を提示してくれるのです。

医師にとっては参考になり、クリニックにとっては問診の時間を短縮できるというメリットがあります。しかも、AIが医療現場からのフィードバックを生かし、常に問診の精度を向上させていきます。つまり、使われれば使われるほどより役立つサービスになっていくというわけです。

↑『ユビーAI問診』の画面。患者さんへの質問はAIがアレンジして的確に行われます。

※『ユビーAI問診』については、『クリニック開業ナビ』ではこちらの記事でご紹介しています。

『ユビーAI受診相談』とは?

『ユビーAI受診相談』は一般向け「受診相談サービス」です。ユーザーは無料で利用できます。

例えば、「どうも昨日からおなかが痛いし食欲もない」といった不調があった場合、このサービスを利用して、症状に関連のある疾患、かかるべき診療科目の候補について知ることができます。めまいがしたからといって内科に行くのが最善とは限りません。耳鼻科にかかったほうがよいというケースがあるわけですが、『ユビーAI受診相談』を利用すれば患者さんとクリニックのミスマッチを防げる可能性が高まります。

クリニックに行く前に医学的に精度の高い質問を受けられるので、患者さんが受診する際の一助となるのです。

『ユビーAI受診相談』は簡便に無料で利用できるため、一般ユーザーから人気の高いサービスとなっており、現在では日本全国で月に300万人もの人が使用しています。「このサービスの利用がクリニックで診てもらうきかっけとなった」という人が増加中です。

↑『ユビーAI受診相談』の画面。医学的に的確な質問が受けられ、診療を受ける際の判断をサポートしてくれます。

『ユビーリンク』とは? 患者さんと「かかりつけ医」を結びつけるサービス

『ユビーリンク』は、『ユビーAI受診相談』のユーザーとクリニックを結びつけるサービスで、2021年7月に開始されました。

上記のとおり、『ユビーAI受診相談』の利用者は月間300万人に達していますが、このユーザーはいわば「患者さん候補」です。

『ユビーAI受診相談』のサービスを利用した患者さん候補に対して、『ユビーリンク』に参加しているクリニックが表示され、予約するための導線を設置できるようになりました。

これはクリニックにとって大きなメリットです。月間300万人の患者さん候補が集うプラットフォームを集患に使えるのですから。

↑『ユビーリンク』に登録したクリニックは、このように『ユビーAI受診相談』に表示されるようになります。

『ユビーリンク』の機能と特徴

『ユビーリンク』に参加すると、クリニックは以下のような機能を利用できます。

詳細なクリニックの情報を掲載できる

クリニックの写真や医師・クリニックからのメッセージを掲載可能です。受診先を探すユーザーに向けてクリニックの認知向上を支援してくれます。

↑『ユビーリンク』に参加すると『ユビーAI受診相談』のユーザーにクリニックの詳細情報をアピールすることが可能です。

患者さんが予約に至る導線を設置できる

『ユビーAI受診相談』のユーザーが近隣の医療機関一覧からクリニックを選択した後、予約するための導線を設置できます。「電話」「WEB予約フォーム」「予約せず直接来院」からの選択が可能です。

↑クリニックで予約システムを導入している場合には、リンクを張って『ユビーAI受診相談』のユーザーをそこに誘導できます。

回答した「症状に関する情報」を受信できる

ユーザーは、『ユビーAI受診相談』で回答した「症状に関する情報」をクリニックに送信することが可能です。クリニックは「メール」「FAX」で受信できます。クリニックに『ユビーAI問診』が導入されている場合には、『ユビーAI問診』のシステムで直接受けることが可能です。また、回答結果は医事用語に翻訳され、自動的に文章が作成されますので、電子カルテに転載して使用できて便利です。

↑クリニック側では患者さんが回答した「症状に関する情報」を医事用語に翻訳して受信することが可能です。

医師向け検索サイトへの掲載が行える

全国500以上の医療機関が導入する『ユビーAI問診』の医師向け検索サイト上で、「逆紹介」先を探す医療機関に向けた情報掲載が可能となります。これはオプションで、特に希望するクリニックだけで使用するものですが、「逆紹介」のために有用な機能といえるでしょう(無料で利用できます)。

『ユビーリンク』の導入

『ユビーリンク』の導入は簡単です。サービス提供元である『Ubie株式会社』の『ユビーリンク』のサイトから申し込むだけです。新たなシステムの導入も不要です。申し込みから掲載までの時間は7営業日となっています(2021年12月現在)。

『ユビーリンク』の費用

『ユビーリンク』は無料で利用できます。初期費用もかかりません。

『ユビーリンク』を利用するメリット

医学的に的確な診療相談をどこでも受けられるため、『ユビーAI受診相談』を利用して来院する患者さんは増加しています。この相談結果が来院前に分かるという点で、クリニック側にも大きなメリットをもたらします。その患者さんへの対応をあらかじめ準備できるからです。

例えば、コロナへの対応です。発熱がある患者さんなら導線を分ける、あるいは診療時間をずらすといった対応を行えます。また、発熱外来を設けていないのであれば、しかるべき別の医療機関を紹介するといったこともできます。

また、何より月間300万人が利用する『ユビーAI受診相談』からの集患が期待できるという大きなメリットがあります。

まとめ

『ユビーリンク』は『ユビーAI受診相談』と共に機能して、患者さん、クリニック双方の行動変容を促す可能性があるツールです。患者さんが受診相談を行い、クリニックがそれを受けた段階で最良の診療ルートを選択できるという効率化が期待できるのです。

また、『ユビーAI受診相談』はさらにユーザーが拡大し巨大なプラットフォームに育つ可能性を秘めています。集患にとても役立つ機能を備えていますので、クリニックへの導入を一考してみてはいかがでしょうか。

取材協力:『Ubie株式会社』

1日わずか500円で問診業務が圧倒的に楽に!日本サービス大賞 厚生労働大臣賞、審査員特別賞ダブル受賞

特徴

従来の紙問診では、医師は患者様からほぼイチから聴取してイチからカルテ記載する手間がありました。AI問診Ubieを活用すると一人あたり初診問診時間が1/3になり、年間約1,000時間の業務時間削減ができます。貴院サイトに来院前問診への導線を設置いただくことで、院内と同様、患者さんは自宅でもAI問診を利用できます。感染拡大防止への関心が高まる中、これにより「受診時の院内滞在時間減少」や「患者満足度向上」が期待できます。近隣にお住まいの患者さんが関連サービス「AI受診相談ユビー」をご利用されると、貴院に適した方々への受診提案ができます(ベータ版)。

提供形態

WEBブラウザ

システム提携

電子カルテ 診療予約システム

対応端末

スマートフォン パソコン タブレット

機能

問診内容カスタマイズ

診療科目

内科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、外科、呼吸器外科、心臓血管科、アレルギー科、

クリニック開業ナビ

執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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