クリニックの開業準備が後半に差し掛かると、内装等を考える必要があります。その際に受付、待合室、診察室、処置室などさまざまなエリアに気を配る必要はありますが、スタッフが毎日使う「スタッフルーム」も忘れてはいけません。
クリニックのなかには、スタッフルームの広さや環境を大事にしているところも多いです。またスタッフルームの環境は、スタッフ採用や、既存スタッフの満足度にも影響するので、開業後のクリニックも改善の余地がある部分だと言えるでしょう。
今回は、新宿駅前クリニックの院長・蓮池林太郎先生に、新宿駅前クリニックのスタッフルームの状況や、スタッフが快適に過ごすための工夫点などを紹介していただきました。
医師・看護師・医療事務すべてのスタッフがくつろげるスペースを
現在、新宿駅前クリニックでは、常勤医師6名、看護師3名、医療事務8名ほどが勤務しています。
まず医師について、休憩時間中は各診察室で休憩してもらっています。
常勤医師それぞれが配される各診察室にはロッカーを設置していますので、そこに私物を入れて管理しています。休憩時間中には弁当を食べることもできますし、診察室にはベッドがありますので、体を休めることもできます。
医師以外の医療事務や看護師は、クリニックの隣のビルの、10坪(約33㎡、約20畳)ほどの事務所を休憩室として使用しています。
本来であれば、クリニックと休憩室は隣接していた方が利便性も高まって良いのですが、広いスペースを借りることができませんでした。
その分クリニックがあるビルのフロアは、50坪ほどの広さをほぼ全て患者さんが使うスペース(受付、待合室、診察室、処置室など)に充てています。
スタッフの休憩室は広さも大事。マンションの一室を借りる手もある
医療事務や看護師などのスタッフ同士の人間関係は、良くも悪くも休憩室で深まることがあります。
コロナ前は特に、密にコミュニケーションがとれる場所でもあったため、他のスタッフと円滑に仕事をする上でも、そしてリフレッシュする上でも重要だと考えていました。
私が休憩室を設ける際に意識したことは、広さです。休憩室が狭すぎるとスタッフの体も休まりませんし、冷蔵庫やトイレなどの設備を整えるスペースも必要です。
また、休憩中のスタッフの話し声が聞こえないよう、受付、待合室等にいるかもしれない患者さんから遠い場所へのスタッフルームの設置をおすすめします。
そのほかに、事務所ではなく、クリニックの近くのマンションの一室を借りて休憩室兼倉庫として活用しているクリニックもあります。
家賃も、事務所等より格段に安くなる場合が多いです。
これからクリニックを開業される先生方であれば、最初はクリニック内に休憩室を作り、患者さんが増えすぎて手狭になったら、休憩室を診察室や処置室に変更できるように設計しておくと良いかもしれません。
患者さんの増加に合わせて、スムーズに外に休憩室を移動することができます。
特徴
建築内容
依頼内容
職種
診療科目
特徴
依頼内容
職種
建築内容
診療科目
この記事は、2022年3月時点の情報を元に作成しています。
執筆 医療法人社団SEC 理事長/新宿駅前クリニック 院長 | 蓮池 林太郎
2009年に新宿駅前クリニックを開設。現在は自院経営を通じて培ったネット集患の知見をもとに、クリニックの開業支援およびコンサルティングを実施。多数の書籍執筆やセミナー、メディア出演も行っている。著書に『競合と差がつく クリニックの経営戦略ーGoogleを活用した集患メソッド』(日本医療企画)、『患者に選ばれるクリニック: クリニック経営ガイドライン』(合同フォレスト)など。
他の関連記事はこちら