【集患・増患のためのクリニック設計】リフォームで気を付けることは?

集患・増患のためにさまざまな対策を取っていても、なかなか結果が出ないというクリニックはありませんか? 思うように結果が出せず苦しい状況が続いているなら、リフォームを検討してみることもおすすめです。「リフォームにお金をかけて失敗したら、さらに苦境に追いやられるのでは?」と不安になるかもしれませんが、しっかりポイントを押さえることで、リスクは回避することができます。そこで今回は、医師・クリニックを専門とした設計事務所『株式会社ラカリテ』のコーディネーターである鈴木伸氏によるオンラインセミナー「集患・増患ができるクリニック設計のポイント~事例紹介と注意する点~」をもとに、リフォームで気を付けるべきポイントを紹介していきます。

参照:クリニック経営セミナー『 集患・増患ができるクリニック設計のポイント』

目次
  1. 集患・増患のためにできること、すべきこと
  2. 内装設計のポイント ①患者目線編
    1. 1.受付の視認性
    2. 2.患者用トイレ
    3. 3.レイアウトのわかりやすさ
    4. 4.プライバシーの確保
  3. 内装設計のポイント ②スタッフ目線編
    1. 1."スタッフ動線"の確保
    2. 2.収納の配置
    3. 3.倉庫の有無
    4. 4.院長室、スタッフルームの配置
  4. リフォームの日数の目安は?
    1. 待合室・受付周り=工事期間約1週間
    2. 受付・通路=約1か月
    3. トイレ=約5日間
    4. 手洗い・洗面=約10日間
    5. 承継開業にともないクリニックをほぼすべて解体して全面リニューアル=約2か月
  5. 余裕あるスケジュールを組むことも大切!

集患・増患のためにできること、すべきこと

クリニックの設計やリフォームにおいて、集患・増患のためにできること、すべきことは診療科によって異なります。なぜかというと、患者層や潜在的患者層の特徴が異なるため、求められることも違ってくるからです。では、どうすれば、自院の患者および潜在的患者がどんなことを求めているかがわかるかというと、まずは"競合がどんな対策を取っているかを調べる"ことです。

たとえば、Google mapの口コミや競合のSNS、広告などをチェックするだけでも、何を売りにしているか、どんな診療に力を入れているかがわかります。設計に関しては、インテリアや採光だけでなく、バリアフリー設計や手すり、ウォーターサーバーの有無もチェックしたいポイントですし、コロナ禍においては感染症対策が万全かどうかを気に掛ける人も増えています。

競合の設計や対策をチェックした後は、同じポイントを押さえるだけでなく、競合がおこなっていないことで自院でできる取り組みについても導入していくことが望ましいでしょう。

では、続いては、具体的にどんなポイントを意識しながら設計を考えていけばいいかを紹介していきます。

内装設計のポイント ①患者目線編

まずは患者目線で気を付けたいポイントをみていきましょう。

1.受付の視認性

「入口から入ってきた患者に迅速に対応しているか」「待合室で待っている患者に目が行き届いている設計であるか」「受付カウンターの高さは適切か、荷物置き場はあるか」などがチェックポイントです。

2.患者用トイレ

女性専用トイレの有無、清潔感の有無、遮音性が高いかどうかといった基本的なことのほか、診療科によっては、車椅子対応、ベビーシートやベビーキープの設置も必要です。また、清潔感を保つための定期的なチェックと清掃も欠かせません。

3.レイアウトのわかりやすさ

待合室から診療室にスムーズに移動できるか、受付周りが混雑しがちではないかなどの基本的なことはもちろん、院長室やスタッフルームが、患者が通常は通らない奥のエリアにあるかなどもチェックポイントになります。

4.プライバシーの確保

診療、処置中に他の患者に会話が聴こえていないか、待合室から診察室のなかが見えていないかなど、患者はクリニック側が思っている以上に気にしています。完全に遮断することが難しい場合は、待合室に音楽を流したり、待合室の椅子の配置に工夫したりすることで対策できます。

内装設計のポイント ②スタッフ目線編

続いては、スタッフ目線で気を付けたいポイントをみていきます。

1."スタッフ動線"の確保

患者とバッティングしない動線の確保が望ましいです。裏でバタバタしている様子などを見られることがない動線を作りましょう。

2.収納の配置

吊戸棚やキャビネットをうまくレイアウトして、消耗品の設置場所などを確保します。

3.倉庫の有無

オフシーズンの季節家電や掃除道具を収納するスペースは必須です。それに加えて、増え続ける書類などをしまうスペースも必要となってきます。

4.院長室、スタッフルームの配置

あえて院長室とスタッフルームは隣に配置しないのも一手です。

リフォームの日数の目安は?

続いては、リフォームの日程の目安をお伝えします。

待合室・受付周り=工事期間約1週間

受付カウンター周りの床や壁、天井の仕上げ、張替、照明器具の交換などに約1週間を要します。

受付・通路=約1か月

壁、床、天井の仕上げやすべての張替、診察室などの扉、照明器具、エアコンなどのすべてを交換するのに約1か月を要します。

トイレ=約5日間

壁、床、天井の仕上げおよび張替、便器、紙巻き器の交換、手洗いや鏡の新設に約5日を要します。

手洗い・洗面=約10日間

壁の位置変更、洗面台や洗面・鏡の新設、壁、床、天井の仕上げ交換、照明器具交換に約10日を要します。

承継開業にともないクリニックをほぼすべて解体して全面リニューアル=約2か月

承継開業にともない、受付カウンターから待合室、通路、診察室にいたるまでのほぼすべてを解体してリニューアルするには約2か月を要します。

余裕あるスケジュールを組むことも大切!

リフォームにおいて気を付けるべきポイントや、各箇所のリフォームにかかるおおまかな日数を把握していても、ギリギリのタイミングで発注すると、予定外の出来事が起きた場合にトラブルに発展することも考えられます。また、時間的余裕がなくてなんとか間に合わせようとすると、追加工事が発生したりコストアップしたり場合もあるので、余裕を持ったスケジュールで進行していくことが大切です。時間がないなかで慌ただしく物事を進めると、後々、「あのときああすればよかった」との後悔にもつながりやすいので、十分注意してくださいね。

人に伝えたくなる医療福祉施設創り 口コミで広げたい居心地の良い空間作りのプロフェッショナル

特徴

・来院された方が家族やお知り合いに話したくなるクリニック創り ・ドクターやスタッフがより良い医療を提供できる働きやすいクリニック創り ・オリジナリティーあふれるクリニック創り ・災害に強く、安心・居心地の良いクリニック創り ・自社の作品に固執せず現状に満足しないこと

職種

設計事務所

依頼内容

店舗設計 店舗デザイン 内装施工 インテリアコーディネート

建築内容

診療所

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

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執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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