クリニック開業における経営戦略の立て方のポイントは?

開業医として独立したら、医者であると同時に経営者です。経営者である以上、経営戦略はしっかりと立てていきたいものです。とはいえ、これまで勤務医としての経験がなければ戸惑いもあって当然です。しかし、誰しもはじめは経営の素人。わからないことだらけでも、一から学んでいけばいいのです。そこで今回は、クリニックの経営戦略の立て方のポイントを説明していきます。

目次
  1. 経営戦略とは?
  2. 経営戦略の立て方の流れ「3C分析」とは?
  3. 「3C分析」1段階目:市場、顧客分析
  4. 「3C分析」2段階目:競合分析
  5. 「3C分析」3段階目:自院分析
    1. ・強み×機会:強みを活かして機会を最大化する方法
    2. ・強み×脅威:強みを活かして外部の脅威に対処する方法
    3. ・弱み×機会:弱点を克服して機会を活用する方法
    4. ・弱み×脅威:弱点を克服して外部の脅威に対処する方法
  6. 多くのクリニックは「Company(自院)」の分析のみに終始しがち

経営戦略とは?

グロービス経営大学院のMBA用語集によると、経営戦略とは「企業の持続的競争優位を確立するための基本的な考え方」とのことです。つまり、戦おうとする市場において、持続的に、自院を競合から優位な立場を確立するための具体的な方法を考えるということです。

参考:経営戦略とは/グロービス経営大学院MBA用語集

経営戦略の立て方の流れ「3C分析」とは?

経営戦略を考える上でありがちな失敗例が、現状分析をせずに、具体的な方法を考え実行してしまうパターンです。実行する前に、まずは、現状分析を徹底的に行っていきましょう。現状分析を行うには、大きく3段階に分けて考えるのが定石です。いわゆる「3C分析」と呼ばれるフレームワークです。「3C分析」の「C」とは何かというと、「Customer(市場、顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自院)」の頭文字です。

続いては段階ごとに解説していきます。

「3C分析」1段階目:市場、顧客分析

最初に分析すべきは「Customer(市場、顧客)」です。開業を予定しているエリアやそこに暮らしている人たちのニーズを知らずして、経営戦略を立てることはできません。開業に際しての市場分析において一般的におこなわれるのは、「診療圏調査」です。該当エリアでの開業でどのくらいの患者の来院が見込めるのか、エリア一帯に都市開発の予定などはあるのか、それによって今後の人口に動向はありそうかなどを調査します。たとえば、学校や住宅街が集積しているエリアであれば、基本的には患者となる層に大きな変動がないことが予想されますが、都市開発によって大型商業施設などの立地が予定されているなら、人の往来が増える場合もあります。そうした観点を持ちつつ、5年後、10年後、20年後の動きもある程度予想することが大切です。

また、顧客(患者)がどんな医療を求めているのか、どんな時間帯の診療を望んでいるのか、どんなシステムや設備があればより理想的であるのかなども考えます。

「3C分析」2段階目:競合分析

2つめに分析すべき対象は「Competitor(競合)」です。市場分析のための診療圏調査によって競合の概要を把握したら、次はそれについて深掘りしていきます。

最初におこなうべきは競合のホームページチェック。コンセプトや得意とする治療、連携先などをくまなくチェックします。さらに、Googleや各種口コミサイトの該当ページからは、患者の生の声を確認することができます。

加えて、製薬会社をはじめ、さまざまな医療機関に出入りしている取引先に探りを入れるのも一手。同様に、エリア内の薬局も、各医療機関の情報を有しています。

「3C分析」3段階目:自院分析

「市場、顧客分析」および「競合分析」に十分に時間をかけたら、いよいよ「自院分析」です。エリアの動向と患者のニーズ、それに対して既存のクリニックがどんな戦略を立てているかがわかっている状態であれば、より戦略が立てやすいのは自明の理。差別化も図りやすくなりますし、場合によっては、患者のニーズに対して競合が応えられていない部分を狙っていくこともできるでしょう。

自院分析において用いられる手法のひとつが、「SWOT分析」です。「SWOT」とは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの言葉の頭文字。

まずは、自院にとっての4つが何かを書き出した後、その要素を掛け合わせながら戦略を練る方法です。掛け合わせのパターンは以下の4パターンとなります。

・強み×機会:強みを活かして機会を最大化する方法

(ex)少子高齢化によって、今後ますます在宅医療が必要とされることが考えられます。クリニックが「在宅療養支援診療所」として認可されていた場合、競合のなかでも一歩抜きんでやすくなる可能性が高いでしょう。

・強み×脅威:強みを活かして外部の脅威に対処する方法

(ex)最先端の治療には定評があるものの、都市開発によってエリアの人口が減少することが見込まれているなら、現状の診療圏外からも患者を呼び込めるよう広報に力を入れていくことが望ましいでしょう。

・弱み×機会:弱点を克服して機会を活用する方法

(ex)マネジメントに自信がないドクターこそ、開業への準備期間に経営について学ぶことに十二分に時間を充てれば、経営者としてのスキルアップにもつながります。

・弱み×脅威:弱点を克服して外部の脅威に対処する方法

(ex)いいスタッフがなかなかそろいそうにない場合、福利厚生を充実させるなどして、よりよい人材の確保に努めることが必要でしょう。

多くのクリニックは「Company(自院)」の分析のみに終始しがち

経営戦略においてなぜ上記に説明した3点を考えることが大切かというと、「Company(自院)」の理想ばかり追っていても、それが「Customer(市場)」に受け入れられなければ理想通りにいくことがないし、「Competitor(競合)」とバッティングしていても大きな実りを得ることはできないからです。

実際のところ、多くのクリニックが「Company(自院)」の分析のみに終始しがちですが、逆に言うと、「Customer(市場)」および「Competitor(競合)」のことも分析することができたら、よりよい戦略が立てられる可能性が高いということ。

これから開業するクリニックも、既に開業しているクリニックも、今一度、経営戦略についてじっくりと考えてみてはいかがでしょうか? その際、参考にしたいのが"開業医としての"先輩たち。元同僚や大学の先輩・後輩、医師コミュニティの仲間などで、先に開業していて、開業から既に1年以上経ているドクターに、上記に挙げた3Cをどう分析したのか尋ねてみましょう。分析において役に立ったことなども細かく尋ねることが、不要な失敗を避けるためにも役立つかもしれませんね。

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執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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