医療事務、看護師の採用面接のポイント、質問内容は? | 教えて!蓮池林太郎先生

クリニック経営の中でも特に悩むジャンルは、人事・労務といわれています。
院長先生は、人事・労務については開業後にはじめて踏み込む人が多いため、試行錯誤しながら悩まれていることかと思います。

今回は、1日400名前後の患者が来院し、時には6診体制で診察を行う新宿駅前クリニックの院長・蓮池林太郎先生に、トラブルが少ないクリニック運営をするための、医療事務・看護師採用のポイントをお話しいただきました。
面接時に意識する点、重視して見極める部分などを今後のスタッフ採用の参考にしてみてください。

目次
  1. スタッフ採用は経験重視か人柄重視か
    1. 医療事務:経験と人柄のバランスで判断
    2. 看護師の場合:ほとんどが人柄重視
  2. 【質問内容】看護師・医療事務との面接で必ず聞くこと
  3. 面接時や内定前後に気をつけたいポイント
  4. まとめ

スタッフ採用は経験重視か人柄重視か

よく、経験豊富な候補者と、自身のクリニックの雰囲気にマッチした候補者のどちらを採用すべきか悩まれている先生がいます。
今回は、当院の場合をもとに重視する部分をお話しします。

医療事務:経験と人柄のバランスで判断

医療事務において、当院では経験と人柄の両方を重視しています。

まず人柄という面で見ると、受付で接する患者さんだけでなく、同僚となる他の医療事務、他職種の看護師や医師とも良好な関係を築けそうな人を雇用したいところです。
経験については、履歴書である程度把握できます。ほとんどの候補者は、他の医療機関での経験がある人ばかりなので、実際に能力が大きくずれていることは少ない印象です。

もちろん、未経験の人を雇用するのも良いとは思いますが、実際に医療事務として働いてみて思い描いていた職種ではなかったという人もいるようです。
新規開業においては少なくとも経験のある医療事務を1人以上雇用するべきでしょう。

看護師の場合:ほとんどが人柄重視

看護師においては、経験よりも人柄を重視しています。採血や点滴などの基本的なことができることは前提ですが、クリニックレベルにおいて特殊な能力を必要とされることは少ないです。
クリニックと大病院の勤務は、看護師としての業務は大きく異なるため、どちらかというとクリニックでの勤務経験があった方が親和性は高いかもしれませんが、そこの比重はわずかです。

当院では、介助や処置で接する患者さんだけでなく、同僚となる他の看護師、他職種の医師や医療事務ともうまくやっていくことができる人を雇用したいと考え採用をしています。医師の介助をする業務があるのであれば、医師との相性は非常に重要になりますし、相性が悪いと医師のモチベーションが下がってしまいかねません。

【質問内容】看護師・医療事務との面接で必ず聞くこと

ここでは、看護師や医療事務の候補者と面接をする際に質問する内容についてまとめています。

看護師・医療事務の採用面接での質問内容

1)志望動機多くのクリニックがある中で、なぜ当院を志望されたのか?
本人の意志はもちろん、論理的に話せるかどうかも含めて確認しています。

2)前職の退職理由
人間関係のトラブルで辞めたのであれば、自分がトラブルを起こして辞めたのか、トラブルを起こすスタッフが嫌で辞めたのかなどは確認したいところです。

3)長く勤めることはできるか?
どんなに経験があり人柄が良いスタッフでも、短期間の勤務で退職されてしまっては困ります。
長く勤めることができるかどうか見極めることは難しいですが、本人の意志を確認しつつ、定期昇給制度を導入していることを伝え、長期間働いてもらうメリットを明示しています。

4)友人からどのような性格と言われるか?
自身の強みや性格をアピールしてもらう質問はよくありますが、当院ではこのような聞き方をしています。考える時間も限られるため、友人からよく言われる自分の性格をそのまま話してしまう傾向があり、よりその人の本来の姿を感じとりやすいです。

5)自宅からクリニックまでの通勤時間
通勤時間が長すぎる場合には、長く勤務し続けられるのかどうか疑問に感じることもあります。
その場合は、当院で働く必要性を本人がどのように考えているか丁寧に確認します。

なお、面接時は、院長だけでなく、同僚となる医療事務や看護師にも同席してもらっています。

必ずしも同僚となるスタッフが人を見る目があるわけではありませんが、面接者としてもどのような人と一緒に働くのかは知りたいことでしょう。

面接時や内定前後に気をつけたいポイント

その他、面接や内定時にトラブルを避けるために意識すべき内容もあります。

まずは書類選考や面接時での注目ポイントとして、転職の回数や期間があります。よく言われることかもしれませんが、これまでの経験上、短期間に転職を繰り返している人はやはり離職する可能性が高い傾向にあります。候補者を選考する上でこの点は注視していただきたいです。

また、医療事務なら医療事務以外、看護師なら看護師以外の仕事ばかりをおこなっている面接者は、給与が高いから医療事務や看護師として働きたいケースもあります。そのため、実はその職種が好きでない人、向いていない人もいます。

最後は内定前後についてです。
選考を進め、内定を出したい候補者がいた場合に、トライアル勤務として1日体験をしてもらう方法もあります。内定前に実施することにより、能力や人柄に関してもある程度チェックすることができます。さらに、本人の意識と当院の方針にズレがないか確認することもできます。

まとめ

今回は、医療事務・看護師の採用に関する注意点などをご紹介しました。

1)志望動機
2)前職の退職理由
3)長く勤めることはできるか?
4)友人からどのような性格と言われるか?
5)自宅からクリニックまでの通勤時間

本記事で記載した上記の質問内容や、内定時のリスクヘッジなども含めて実際の選考に活用してみてください。

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蓮池 林太郎

執筆 医療法人社団SEC 理事長/新宿駅前クリニック 院長 | 蓮池 林太郎

2009年に新宿駅前クリニックを開設。現在は自院経営を通じて培ったネット集患の知見をもとに、クリニックの開業支援およびコンサルティングを実施。多数の書籍執筆やセミナー、メディア出演も行っている。著書に『競合と差がつく クリニックの経営戦略ーGoogleを活用した集患メソッド』(日本医療企画)、『患者に選ばれるクリニック: クリニック経営ガイドライン』(合同フォレスト)など。


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