クリニックの運営・経営において欠かせない要素の1つ、「集患対策」。
そんな集患対策について、クリニックのWebマーケティングや病院口コミサイト「Caloo」の運営等を行うカルー株式会社より、営業部マネージャー/システム統括責任者の大塚幸穂さまを講師にお迎えしたセミナーの模様を、前後編でお届けいたします。
前編ではまず、「患者さんからの口コミへの対策」についてです。
オープニング
カル―株式会社の大塚と申します。 普段は開業医の先生方と、Webマーケティングや口コミ対策ホームページ対策に関してやりとりをしています。
本日のセミナーでは、口コミ対策やクリニックのホームページをはじめとしたWeb集患対策についてお話していきます。
医療系Webサイト制作・広告業者の見極め方や選び方、来院しやすい仕組み作り、新規の患者さんを獲得する方法等をご紹介します。
患者さんの口コミ対策
まず初めに患者さんからの口コミ対策なんですが、これは結構悩まれている先生が多いと思います。口コミをどのように扱ったらいいのかわからないっていうお声もいただいております。
口コミに対する基本的な考え方
皆さんもご存知の通り、口コミはすごくつきにくいものです。
たいていの場合は「怒り」が口コミを書く原動力になることもあって、基本的には患者さんの「想定を大きく超えるサービス」じゃないと、良い口コミはなかなかつきません。
ですので、何も対策せずにいると、ただ悪い口コミが溜まっていってしまうだけになってしまうこともあります。
2つめ、資料に「口コミは良い悪いだけを伝えるものではない」とあるんですけれども。
口コミは、星の数だけで評価するものではなく、クリニックの特徴や受付のタイプ、院内の雰囲気などを文章で伝えるものです。
患者さんにもいろいろなタイプの方がいらっしゃるので、たとえば「怖いけど真剣に叱ってくれる先生がいい」という方もいれば、「やわらかい雰囲気の先生がいい」という方もいます。
つまり、一概に何が良くて、何が悪いのかを判断できるものではないってところを覚えておいていただければ幸いです。
また口コミの特性として、基本的にはずっと向き合っていかなければならないものです。
この先口コミがなくなることはほぼないと思います。
ただ、日常的にネットを利用する世代は、口コミだけじゃなくいろいろな情報をもとに、自分に合っているか、行くべきかどうかを総合的に判断します。口コミを鵜呑みにすることが少ない傾向にある、ということですね。
こうした前提の上で、「口コミ対策」についてお話をしてまいります。
ヤラセはバレる
注意していただきたいのが、よくヤラセやサクラの口コミをするクリニックがあるんですけど、これは割とバレます。レビューの数が不自然だったりとか、あと内容を見ると、「明らかに医療関係者が書いてるな」っていうものがあったりしますので……。
長期的な財産となるような本質的な対策を
口コミの内容については、基本的にはすべて真摯に受け止めていただいた方がいいかなと思います。
仮に悪い口コミがあったとしても、書き込んだ方がそう感じたのは事実だからです。
また、口コミはご自身だけではなく、スタッフの方々にもぜひ共有してください。
「事実として、こう思われているんだよ」っていうところは、クリニックの皆さんが把握しておいた方がいいと思います。
口コミの共有をしているクリニックと共有していないクリニックを比べてみると、スタッフの皆さんの立ち回りが違う印象を受けます。
これからご開業される先生は必ずどんなものであっても口コミは共有していただいて、「クリニックの顔である」ということをお伝えいただければと思います。
口コミの返信は効果的
口コミの返信について、そのまま放置しておくのとしっかり返信をするので比べると、絶対にしっかり返信した方がいいと思います。
炎上したらどうしよう……と考えるかもしれませんが、きちんと「読んでいること」をわかってもらうのも大事です。
ほったらかしてしまうと、患者さんもどんどん言いたい放題になって、無法地帯になることもあります。
場合によっては、患者さんがなにも気にせずに好きなようにあれこれ書いていってしまって荒れているところもあります。
そういったことを防ぐために、「基本的には読んでいるよ」ってことをアピールするためにも、返信はした方がいいと思います。
また、もし患者さんに対して申し訳ないなって思うこと(落ち度)があれば、口コミに対してもきちんと一言謝罪をして、改善を目指していただければと思います。
これは医療機関だけじゃなくて他のビジネスも同様で、私達ももちろんそうですね。
どんなところであっても、ビジネスをしている場合は基本的に持っておいた方がいい考え方かなと思います。
競合からの攻撃
たまに、近くのクリニックやそこのコンサルの方が書き込んでるでしょ?っていう内容の口コミが載っていることがあるんですが、これに対する対応としては、ぜひ「通報」を行ってほしいですね。
明らかに医療機関だけを狙って悪口を書いているアカウントだったりとかする場合は、そのアカウントが書いている全ての口コミに対して通報していただくのが良いと思います。
何らかの対応があるとは必ずしも言い切れませんが、Googleが対応してくれている例も過去にありますので。
対応してくれない例も珍しくはないですが、そのまま放っておくよりはいいかと思います。
クリニックが口コミを集める重要性
次に、クリニックが口コミを集める重要性について解説していきます。
口コミが少ないとユーザーは不安を感じる
やっぱり、多くの人が利用している感じがあるクリニックのほうが患者さんも安心するので、 口コミがの数はある程度あったほうがいいかなと思います。
良い点や悪い点も確認しておきたいはずです。
口コミは「院内の様子を伝える有用なツール」である
クリニックのホームページなどで、いくら「私達はこういう診察をしています」「こういう接遇をしています」と言っていても、患者さんの意見には勝てないと思ったほうがいいです。
自分で自分のことをおすすめするのと、第三者からおすすめされるのとでは、後者のほうが印象もいいと思います。
口コミが多いと数の力が働く
「口コミが増えると悪いものも増えて怖い」という理由で、患者さんに口コミを書いてもらうことに消極的な先生も多いですね。
でも、良いものも悪いものもたくさんあるっていうのが口コミのあるべき姿だと思いますし、数が多いほうが、悪い口コミがあっても影響が小さくなります。
口コミを集める方法
口コミを集める方法については、主に2つ。
院内で口コミを集めるためのカードのようなものを作成して書いてもらう方法と、ポータルサイトを活用する方法があります。それぞれについて解説していきますね。
口コミ協力カードを作成する
受付の方から、「院内アンケートにご協力ください」といった形でお渡しするといいと思います。
Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の口コミ投稿欄に繋がるQRコードを載せて配布しているクリニックもありますね。
ポータルサイトを活用する
例で出しているんですが、弊社では「病院検索サイトCaloo」というポータルサイトを運営しています。そこで利用しているアンケートが、図の右側ですね。
このはがきのアンケートに答えて郵送いただくと、Calooのポータルサイトに掲載される仕組みになっています。
Calooのユーザー(患者さん)様に対して行ったアンケートでは、「院内アンケートに協力するのは苦ではない」と答えた方が67%でした。
なので、クリニック側もあまり気負わずに、「よかったらお願いします」っていう形で、ぜひお願いしてみていただけるといいかなと思います。
クリニックに対する「ネガティブな口コミ」に多い内容
カルーのポータルサイトの中でどれぐらいの比率を占めていたかっていうのをちょっと出したデータなんですが、
「受付の態度がひどい」が16.25%で、次が「診療時間が短い・流れ作業」ですね。適当に診察されてるんじゃないかっていう不安があったんでしょうね。
3番目が「先生の対応がひどい」でした。ひどいことを言われたとか、馬鹿にするような態度を取られたなどですね。
その他「予約が取りづらい」「コロナ対策ができてない」「館内が汚い」「薬が多い」などがありました。
これを見ていると、3割以上が「態度」とか「対応の仕方」の問題なのがわかると思います。
ですので、先生やスタッフの皆さんの態度や対応の仕方を改善すれば、ネガティブな意見は防げるものなんじゃないかと感じています。
感じのいい対応とは?
「感じの良い対応」ってどういうものなのか?ですが、無理に笑顔を作ったりする必要はそこまでありません。何よりもまず「真面目に取り組むべきもの」が医療だと思いますし。
ただ、患者さんから「馬鹿にされた」と感じられるような態度はやめておきましょう。できるだけ誠実な話し方を心がけていただけるといいかなと思います。
また、患者さんの目を見ることも大切です。
カルテを書くのに忙しいこともあると思うんですが、チラチラっとでも見ていただけると、患者さんにも「ちゃんと見ている」ことが伝わります。
それから、患者さんからすると「先生の説明、なんだかよくわかんなかったな」となるのが一番良くないと思うので、できるだけ簡単に、原因や治療の方法、今後についてご説明していただければなと思います。
なんとも答えられないことについては、「こういう理由でわからない」と答えてあげるといいと思います。
患者さんの立場からすると、先生が話をそらしたりするのはやっぱり嫌がります。不安にもなるんじゃないでしょうか。
なので、わからないことはわからないと答えていいと思います。
最後に「先回りの声かけ」とありますが、これは「つらかったこと」とか「心配になっていること」は、たくさんの患者さんを見てきた先生方ならある程度わかると思います。
一言でも構いませんので、「つらかったですよね」とか「心配ですよね」といったちょっとした声かけがあるだけでも、かなり印象は変わります。
これらが必ずしも「評価される基準」にはなりえません。
とはいえ、患者さんと先生のやり取りは人対人なので、しっかり地に足のついたコミュニケーションを取っていれば炎上することはまずないと思うので、ぜひ心がけてみてくださいね。
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この記事は、2022年8月時点の情報を元に作成しています。