クリニックの口コミ対策やWeb集患について、クリニックのWebマーケティングや病院口コミサイト「Caloo」の運営等を行うカルー株式会社より、営業部マネージャー/システム統括責任者の大塚幸穂さまを講師にお迎えしたセミナーの模様を、前後編でお届けしています。
前編はこちらから
後編では、Web集患の要となる「ホームページ」について解説していきます。
クリニックのホームページは24時間働く営業マン
次がクリニックホームページについてなんですけど、ウェブ上のクリニックそのものになります。
また、「24時間働く営業マン」と書いたんですが、ホームページは24時間どんなときでもクリニックを宣伝してくれる営業マンだと思ってください。
良くないホームページの特徴
それを前提として、良くないホームページとはどんなものか?というポイントをまとめてみました。
これからホームページを作る先生も、すでにホームページを作成済の先生もチェックしてみてください。
基本情報しか載っていない
Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)などでわかる程度の、基本情報しか載ってないのがまず1つめの特徴です。
来院時には予約が必要なのかどうかが明記されていなかったり、疾患や治療に対してのコンテンツが薄かったりするとNGですね。
たとえば(診療可能な)病名を羅列しているだけだったりすると、特定の症例に強い医師を探している患者さんには刺さりにくく、結果敵にファンになりにくい傾向にあると思います。
ですので、病名コンテンツを作成する際には、しっかりと必要な内容を入れていただければと思います。
クリニックとしての強みや特徴がわかりにくい
たしかに、「目立った強みとか特徴はないよ」とおっしゃる先生も多いです。
でもたとえば、比較的待ち時間が長くなりがちなクリニックであっても、「しっかり見てくれる先生がいい」と考えている患者さんには求められます。
少し考え方や視点を変えてもらって、ぜひご自身のクリニックの強みや特徴を見つけてみてもらえればなと思います。
ホームページの内容が現場と大きく乖離している
たとえば「笑顔でお迎えします」などと書いているものの、医師も含めたスタッフがみんな塩対応だったりすると、やはり悲しい気持ちになってしまうかなと……。
コンバージョンポイントまでの道筋が不明確
「コンバージョン」とは、Web広告で使う用語で、意味としては「目標」ですかね。そのサイトの中で、運営者にとって一番良いアクションのことを指します。
医療機関のホームページで言うと予約フォームに行ったりとか、 あとは予約の電話をかけたりっていうのがコンバージョンにあたります。
つまり、その「目標」を達成するための道筋が、ユーザー(クリニックの場合は患者さん)から不明瞭なのがNGなわけです。
予約ボタンどこだろう……?とか、電話どこからかけるんだろう?となってしまうのは良くないですね。
使いにくいシステムを導入している
たとえば、私も経験があるんですが、予約フォームの作りがわかりにくくて予約するのを辞めてしまうことが考えられます。
ですのでできるだけユーザーの立場に立って、できるだけわかりやすく、やさしいものを選んでいただければと思います。
クリニックのホームページ・改善のポイント
続いては、そんなクリニックのホームページの改善ポイントについてです。
強みや特徴をしっかりと記載する
やっぱり、「言わなきゃわからないこと」もあります。
診察の中で「この先生、すごく診察長いな……」って思われるのと、「私たちはしっかり診察したいからちゃんと診察時間をとってます」って言ってから診察を受けてもらうのとでは、まったく印象が変わってきます。
Web予約を導入する
これについては、今の時代だと当たり前になりつつあるものですね。
「予約制が怖い」という先生もいると思うんですけれども、予約制のメリットは大きいので、ぜひちょっとご検討してみていただければと思います。
Web予約の有無によって、患者さんの候補から外れてしまうというケースもありますし……。
疾患に対する記事を掲載する
コンテンツについては先ほど申し上げた通りで、内容をしっかりと入れ込んだものを掲載しましょう。
文量は、ものにもよりますが大体5000~1万5000字ぐらいあるといいと思います。おそらく、必要なことをしっかりと書いていれば必然的にその文字数にはなっていくはずです。
たとえば(立地などの)条件が同じようなクリニックが2つあったときに、症例に対して詳しく書いてある方とそうでない方のどっちを選ぶか?っていうと、おそらく詳しく書いてある方を選ぶと思うんですよね。
そのような形で比較対象になった競合に負けないためにも、疾患についての記事は長い間財産になってくれるので、ぜひ先生が書くなり、監修してライターさんに書いてもらうなりして掲載していただければと思います。
来院フローを明確に記載する
初診・再診で来院のフローが変わる場合はそれをしっかりと記載すべきですし、特にそういった決まりがなく、「自由に来ていただいて大丈夫です」という場合でも、そのことをしかk理と書いてあげてください。何も書いてないと、ちょっとわかりにくいと思います。
クリニックのSEO対策
「SEO対策」という言葉は、結構皆さん聞いたことあると思います。
Search Engine Optimizationの略で「検索エンジン最適化」のことを意味します。
Googleなどの検索エンジンにおいて、自分が持っているWebサイトのコンテンツを検索結果の画面に表示されやすくするために最適化を行うことをいいます。
Googleの意図を図の右に書いたんですけれども、Googleとしては、ユーザーが知りたい情報をきちんと提供したいんですね。
※編集部脚注…ユーザーが求める情報を適切に提供し、その結果、検索エンジンとしての価値を高め、より多くのユーザーに利用してもらう狙いがある。Googleとしては、Googleユーザーが多いほうがその分広告費などにもつながるため。
だからこそ、すぐに離脱しているページやサイトがあると、Googleは「あるキーワードで調べたユーザーにとってふさわしくない(ユーザーの求めるモノではない)ページなのだ」と判断します。
ですので、検索順位を上げたいキーワードで検索するユーザーを想定していただいて、そのユーザーにとって「どんな情報が有益なのか?」を考えたうえで、ホームページやそこに掲載するコンテンツを作っていただけるといいと思います。
Googleのアルゴリズムについて
Googleには、検索順位を決める条件があります。その条件(アルゴリズム)を、Googleは常に最適化(アップデート)して、より良いものにしようとしています(ユーザーの検索体験のために)。
その一例としては、最近のアルゴリズムはたとえば「文字が小さい」とか「ボタン同士が近すぎる」等も条件に入れているようです。
それぞれ判読性や操作性につながっているため、「ユーザーの検索体験の向上」という点では理にかなっていますね。
こういったところからもわかるように、ちょっとユーザー(患者さん)のことを考えて、人間が使うと思って、ホームページを作っていただきたいです。
コアアルゴリズムアップデートについて
コアアルゴリズムアップデートとは、検索順位を決める条件が大きく変わるアップデートのことです。
年に数回ありまして、SEO対策をしていても、このコアアップデートが来ないと順位の変動が起こらないケースも増えてきています。
※編集部脚注…とはいえ、多くの場合で変動は少しずつ生じているので、「アップデートで上位になったからしばらくは何もしなくていいや」と思っていると、急に順位が落ちたりすることもあるにはあります。日々の順位監視とコンテンツ調査が重要です。
すぐにできるSEO対策
SEO対策にはいろいろな種類があるので、全部は紹介しきれないんですけれども、いま先生ご自身ですぐにできるSEO対策としては、「サイト名の改良」があります。
例として、私達の会社があるエリアで調べた結果に出てきたものなんですけども、 青い文字のところを「タイトルタグ」といいます。その下の概要文みたいなところを、「メタディスクリプションタグ」といいます。
タイトルタグ改良のポイント
Googleが検索結果を表示するときは、主に「タイトルタグ」からキーワードを拾っていますので、検索順位を上げたいキーワードは、ここに必ず入れておきましょう。
ただ、キーワードを入れすぎても良くないと言われているので、タイトルタグは大体30〜32文字ぐらいの間で設定していただけると良いかなと思います。
基本的には、「エリア」「診療科目」などを入れていきますが、たとえば禁煙外来に力を入れているなどあれば、「禁煙外来」というキーワードを入れ込むなど、自院の特徴を盛り込んだうえで、校正してもらうと良いかなと思います。
メタディスクリプションタグ改良のポイント
タイトルタグの下にある概要文が「メタディスクリプションタグ」です。こちらは、ユーザーに向けての説明文だと思っていただければと思います。
ユーザーがそのサイトにアクセスするかどうかを判断する基準にもなりますので、適切な情報を入れていくことが大切です。
たとえば土日診療を行っているクリニックであれば、その旨をしっかりと入れていただくことで、ほかのクリニックとの差別化を図れます。ほかにも、自費診療に力を入れている場合は自費診療のメニューをいくつか並べるのもいいと思います。
いずれにしても、簡潔に「クリニックの概要がわかる」ような文章にしていただけるといいと思います。
これはWeb業界の人であればわかるようなものだと思うので、制作会社に依頼してい場合は、「タイトルタグこれにしてください」「メタディスクリプションこれにしてください」などの依頼をすれば反映してもらえると思うので、ぜひやってみてください。
内部リンクの最適化
いろんなサイトにアクセスして見ていく中で、「元のページに戻りたいのに、戻りにくいな……」ってこと、ありませんか?とくにスマホでは多いように思います。
そういうときはちゃんとリンクを 貼って、元のページに戻りやすくしてあげるなど、「サイトの中の動きやすさ」を考えたうえで、リンクを設置いただければと思います。
Googleアナリティクス・サーチコンソールを活用する
この2つはGoogleが提供している無償のツールで、かなり細かいアクセス解析や、サイトにたどり着いたユーザーがどういうキーワードを使ってサイトに来ているのか?等がわかるツールです。
この2つはぜひとも必ず導入いただければと思います。
私達もサイト改善のご相談を受けること多いんですけど、サイト改善をするにあたって「データ」は必須です。データがあるからこそ、「これがあるからこれが悪くて、これをこう改善すれば良くなる」っていうのがわかるんですよ。
なので、もしまだ導入していない場合は、早めに導入いただければと思います。
クリニックのMEO対策
Googleで調べたときにGoogleマップが出ると思うんですけど、その地図情報上での順位を上げる施策が、MEO(Map Engine Optimization=地図エンジン最適化)です。
SEOとも若干ですが関係があると言われていますね。
情報を充実させるポイント
MEOの対策で一番重要なのが、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の情報を充実させることです。入力できる箇所は全部入力してください。
表記の揺れにも注意が必要で、Googleビジネスプロフィール上の住所表記は、ホームページの住所表記と完全に一致させてください。これは半角全角含めて、表記方法についてもすべてを統一させる必要があります(※)。
※編集部脚注
インターネット上での情報を統一させることによって、Google等の検索エンジンに「同じ場所についての情報なんだ」と認識してもらうためです。結果として、検索順位等も上がりやすくなりやすいと言われています。
たとえばホームページ上に「東京都新宿区西新宿〇丁目〇番〇号」という表記をしている場合は、Googleビジネスプロフィール上でも全く同じ表記をしなければいけません。仮に「東京都新宿区西新宿〇-〇-〇」とした場合、完全一致ではなくなってしまうため、もったいないことに……。
ビジネス名についての注意点
それから、ビジネス名は正しいものを入力してください。たとえば図の例に出したように「カルー内科クリニック おすすめ 名医」など、キーワードを盛り込んだ名称にしてしまうのはNGです。
場合によってはペナルティを与えられてしまい、検索順位を大きく落とす結果にもなりかねません。最悪、苦労して入れたすべての情報が削除されることもあり得ますので、気をつけていただければと思います。
データを集めるためには
また、ユーザーの「アクションの数」や「滞在時間」も見られています。MEO対策では「(ビジネス≒この場合はクリニック)に関する写真を追加するといい」と言れていますが、写真を追加すると、 見たいユーザーは見るんですよね。
そうすると、何回クリックされたとか、何分間このビジネス情報にいたなどのデータが集まりやすくなります。そのデータから、Googleが「長く滞在してるから、みんなにとって有益な情報なんだ!」と人認識したコンテンツが、順位を上げやすくなっています。
写真の投稿やイベント等大体2週間に1回程度、積極的に行っていただいて、常にアップデートをしていただけたらと思います。
特徴
診療科目
特徴
対応業務
その他の業務
診療科目
特徴
その他特徴
対応業務
診療科目
この記事は、2022年8月時点の情報を元に作成しています。