クリニックのプリンタはインクジェットとレーザーどちらがいい? 複合機との使い分けは?

クリニック開業時に買いそろえるべきもののひとつにプリンタがあります。紙カルテではなく電子カルテを使うことで少なからずペーパーレスになるとはいえ、処方箋や領収書、他院への紹介状などは電子化することができないので、プリンタを「買わない」という選択肢はありません。では、クリニックでの利用に適しているのはどんなプリンタなのでしょうか? 早速みていきましょう。

目次
  1. インクジェットプリンタとレーザープリンタの違いは?
  2. クリニックに導入するならインクジェット? レーザー?
    1. コストを削減したい
    2. 業務効率化を図りたい
    3. 設置スペースを最小限にしたい
  3. 複合機との使い分けは?
  4. 複合機一台に集約させるのではダメなのか?
  5. プリンタや複合機はA3サイズにも対応していることが必要か?
  6. 今の時代にファックスって必要?
  7. 保守契約は必要?
  8. レンタルやリースを視野に入れるのも◎!
  9. 印刷物が多く、大型の複合機を探しているなら「バリューフロンティア」もおすすめ

インクジェットプリンタとレーザープリンタの違いは?

まずは、インクジェットプリンタとレーザープリンタの違いを説明します。

インクジェットプリンタとは、液体のインクを使って印刷するプリンタのこと。主に家庭用として販売されています。基本的に、インクの吹き出し口である「プリントヘッド」からインクが紙に噴射されて、文字や写真が印刷されます。インクの色は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色が基本ですが、グレーやライトシアンの色を加えた5色タイプや6色タイプも存在します。

一方のレーザープリンタは、トナーパウダー(樹脂の粉)と熱で溶かして紙に定着させるプリンタです。トナーパウダーの粒子のサイズは小麦粉の1/10程度ですが、溶かすにあたって小型の暖房器具程度の電力を必要とします。また、最近はレーザーの代わりにLEDが使われることもありますが、これもレーザープリンタの一種です。

その他の違いは以下の表の通りです。

インクジェットプリンタ レーザープリンタ
印刷方法 液体のインクを紙に噴射 トナーパウダーを熱で溶かして紙に定着
向いている印刷 文字をはっきり見せたいプレゼン資料など 微細な色のコントラストを表現したい写真など
消費電力 少ない 多い
サイズ 小型が多め 小型から大型複合機タイプまで存在
印刷スピード※ 遅い(レーザーと比較して) 早い
備考 インクでプリントするため水に弱い 上からマーカーを引いてもにじまない

※レーザープリンタは印刷に熱を使うため、ウォームアップに時間がかかる場合が多いため、少ない枚数であればインクジェットのほうが速い場合もあります。

クリニックに導入するならインクジェット? レーザー?

次に、プリンタを選ぶ際に重視したいポイントをもとに、どちらがよりクリニックでの使用に向いているかを考えてみましょう。

コストを削減したい

コスト削減を重視するなら断然インクジェットプリンタです。消費電力が圧倒的に少ないため、ランニングコストが大きく変わってくるからです。

業務効率化を図りたい

印刷物が多く、業務のスピードを上げたいならレーザープリンタが優勢です。比較表に記した通り、印刷スピードが速いため、会計の時間を短縮できる可能性があります。ただし、レーザープリンタはウォームアップに時間がかかるものが多いため、何枚もまとめてプリントすることが少ないならインクジェットで十分といえます。

また、印刷物に書かれていることのなかで特に注意してほしい文章の下にマーカーを入れる際などは、ペンを引くとにじみやすいインクジェットプリンタだと、慎重に作業しなければならず、そのぶん業務効率が落ちることもあるかもしれません。

設置スペースを最小限にしたい

家庭用サイズが多いインクジェットプリンタなら、受付の机の上などにも十分設置可能です。レーザープリンタは、本体サイズによってはかなりのスペースを必要とします。

複合機との使い分けは?

続いては、プリンタと複合機との使い分けを考えていきましょう。

複合機とは、プリンタのほかに、FAXやスキャナ、コピーなどの機能が集約されている機器のこと。たとえば、情報をPDF化してEメールに添付したいとき、PDF化やTIFF化して共有フォルダ―にアップロードしたいときなどはスキャンできますし、手術等で署名が必要な同意書を発行することがあるなら、原本をクリニックが保管して患者にはコピーを渡すことになるでしょう。また、スキャナに関しては、多くのクリニックは保険証のスキャンに活用することがもっとも多いと考えられます。

そして、本題の使い分けに関しては“正解”はありませんが、もっとも印刷枚数の多い処方箋や領収書の出力には、受付カウンターに設置したモノクロのレーザープリンタを使い、複合機はインクジェットのカラー対応タイプをチョイスして、血液検査結果や内視鏡画像等のプリントなどに利用しているクリニックなどがあります。

モノクロとカラー、レーザーとインクジェットを用途に応じて使い分けることで、効率的にプリントすることも可能といえます。

複合機一台に集約させるのではダメなのか?

複合機にプリンタ機能がついているのだから、複合機一台でいいのではないか? そう考えるクリニックもあるかもしれません。これに関しては、過疎地のクリニックなどで一日の患者数が極めて少ない場合など、確かにそのほうが無駄がないと考えられます。ただし、万が一故障したときのことを考えると、日ごろから使い分けしていたほうが安心かもしれません。

プリンタや複合機はA3サイズにも対応していることが必要か?

基本的に処方箋や領収書しかプリントしないのであれば、A3サイズに対応している必要はありません。なかには、待合室に掲示するチラシをA3で出力したいというクリニックもあるかもしれませんが、その場合は、A4でプリントしたものをコンビニで拡大するか、もしくはデータを落とし込んだUSBをコンビニやキンコーズに持ち込んでプリントアウトするという手もあります。たまにしかA3サイズで印刷することがないなら、それで十分だといえるでしょう。

今の時代にファックスって必要?

複合機にはそもそも基本的にファックス機能が付いていますが、「今の時代にファックス機能なんてなくてよくない?」と思う人もいるかもしれません。しかし、医療の現場ではまだまだファックスでのやりとりが盛んにおこなわれています。医師会や学会からのお知らせやセミナーの案内、スタッフの採用申込用紙などが送られてくることが多いほか、在宅診療をおこなう予定なら、訪問看護師やヘルパーなどから患者に関する相談や報告が送られてくることもあるでしょう。そのような仕事のパートナーからの相談や報告であればしっかりと目を通すことが必要ですが、ホームページなどにFAX番号を記載していれば、不要なセミナー案内などもしょっちゅう届くことが考えられます。それらをすべて自動でプリントする設定にしていたら印刷代が無駄になるので、受信したFAXを電子データとしてパソコン上で確認できる「PCファクス機能」などもうまく活用するようにしましょう。

保守契約は必要?

プリンタや複合機を購入する際に悩ましいことのひとつが、保守契約を結んだほうがいいかということ。スマホなどもそうですが、保守契約を結んでプラスアルファのお金を払っても結局不具合が起きなかった場合、「損したな……」と思ってしまうことは多いでしょう。しかし、2022年現在、半導体不足であることを考えると、万が一のときに新しい物がすぐに買えるかわからないことから、保守契約を結んでいるクリニックは多いようです、契約を結んでいれば、いざというときに代替機を貸してもらえることが理由です。

ただし、保守に入るにあたっては気を付けなければならないこともあります。それはなにかというと、互換インクを一度でも使った場合、保守の対象外となること。家庭用のプリンタに関しても、多くのユーザーは節約のために純正インクではなく互換インクをチョイスしているものですが、クリニックで使うプリンタにも適合する互換インクが存在するので、価格の安い互換インクを選択したくなって当然。しかし、そうすると保守サービスを受けられなくなる可能性があるので十分注意することが必要です。

レンタルやリースを視野に入れるのも◎!

自院のニーズに合ったプリンタ、複合機を選び、自院に合った使い方をすることでコストを抑えることが可能ですが、さらにコストを削減したいと考えているなら、レンタルやリースを利用するのも一手。ただし、契約期間や使用頻度を考えると、購入したほうが断然お得な場合もあるので、導入前によく比較することが必須! 後悔することのないよう、検討には十分に時間を充ててくださいね。

印刷物が多く、大型の複合機を探しているなら「バリューフロンティア」もおすすめ

印刷物が多く、複合機を頻繁に使うなら、複合機印刷コスト削減に力を入れている「株式会社バリューフロンティア」のサービスを利用するのもおすすめです。国内主要メーカーの最適機種、最適グレードを提案してもらえるうえ、メーカーメンテナンスが採用されているので、購入後も安心して使い続けることが可能。詳細についてはYouTube動画にもまとめられているので、詳しく知りたい人はぜひチェックしてみてくださいね。

参照:株式会社バリューフロンティア 複合機経費削減のご提案

参照:FRONTIER GROUP 複合機提案

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執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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