意外と知らない医師も多い?医療機器の正しい廃棄方法とは

私はもう10年近く医療機器メーカーの営業として働いているのですが、お取引先の先生に医療機器を更新いただく際「古い機器を持って帰ってもらえないか?」とよく相談を受けます。

先生のお手間を無くしたい一心で対応したい気持ちは山々ですが、こうした依頼には、毎回丁寧にお断りを入れています。

なぜなら、メーカーが医療機器を持ち帰った場合、法で罰せられてしまうからです。この罰則対象はメーカーだけではありません。依頼主の先生方も罰せられてしまうのです。説明の際には、このような背景を話し、ご理解いただくようお願いしています。

こういった経験から、「意外と先生方のなかには『医療機器の正しい廃棄方法』を知らない方も多いんだな……」と感じたため、今回の記事では「医療機器の正しい廃棄の仕方」についてご紹介しようと思います。

医療機器を廃棄する際、廃棄方法に困ったご経験を持つ方は、ぜひ参考にしてみてください。

医療機器は種類ごとで廃棄方法が異なる

医療機器は主に以下の2つに大別されます。

  • 非感染性医療機器
  • 感染性医療機器

それぞれで廃棄方法が異なるため、以下で詳細を解説していきます。

非感染性医療機器は「産業廃棄物」として廃棄する

非感染性医療機器とは、産業廃棄物を指します。

医療機関に関連する産業廃棄物の例としては、以下が挙げられます。

  • グローブやプラスチック容器(血液が付着していないことが前提)
  • ガーゼ・包帯・脱脂綿(血液が付着していないことが前提)
  • レントゲンフィルム、レントゲン廃液…など

廃棄する際は、産業廃棄物(運搬処理)許可取得業者へ依頼しましょう。

産業廃棄物(運搬処理)許可資格を取得している業者は以下のリンクから確認できます。ご活用ください。

東京都環境局ホームページ:産業廃棄物処理業者の情報を調べるには

感染性医療機器は特別管理産業廃棄物として廃棄する

感染性医療機器とは、感染リスクのある医療機器を指します。

主に以下4つの要素を含む場合は、感染性医療機器として判断しましょう。

  • 血液や血清、血漿や体液が付着したもの
  • 病理関連(臓器、組織、皮膚等) 
  • 病原微生物に関連した試験、検査等に用いられたもの
  • 血液等が付着している鋭利なもの

また、これらは、特別管理産業廃棄物 (「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」のこと)に該当します。

廃棄する際は、特別管理産業廃棄物(運搬処理)許可取得業者へ依頼しましょう。

業者を調べる際は、検索サイトで「特別管理産業廃棄物 ●●(地域名)業者」と検索すると調べられます。ご活用ください。

医療機器を正しく廃棄しなかった場合、どうなる?

医療機器を正しい方法で廃棄していない場合、法令違反となります。

廃棄物処理法の第3条第1項では「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」とされています。※参照:環境庁ホームページ「排出事業者責任の徹底について」

事業者(医療機関)は責任を持って、正しい方法で医療機器を廃棄する必要があるのです。

医療機器を廃棄する際の注意点

医療機器を廃棄する際には注意が必要になります。

以下で詳細を解説しますので、医療機器を廃棄する際はこれにのっとって、正しい知識のもと、正しい手順・方法で廃棄しましょう。

医療機器を廃棄する際はマニフェストの発行が必要

医療機器を廃棄する際は、マニフェストの発行が必要不可欠になります。マニフェストとは、産業廃棄物管理票の通称のことで、廃棄物の移動状況を管理するための書面のことです。

マニフェストに関して、以下に該当する場合は法で罰せられます。

  • 産業廃棄物(運搬処理)許可業者に対し、マニフェストを交付していない
  • 産業廃棄物(運搬処理)許可業者から、マニフェストの写しをもらっていない
  • マニフェストを5年間保管していない

これらに該当した場合、「行為者は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が課されます。そこで正しくマニフェストを管理するためにおすすめなのが、電子マニフェストです。

電子マニフェストでは、この写しや送付、受け取りが電子情報として受けられる点などがメリットとして挙げられます。電子化によって確実にデータを保存し、管理していくことも可能になります。

マニフェスト発行の際には、電子マニフェストをぜひ利用してください。

ご利用の際は、こちらの「公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター」のホームページを利用しましょう。

医療機器は販売業者が引き取れない

医療機器を更新する際、古い機器が不要になったため、メーカーや販売業者に引き取りを依頼する…。これは、法で罰せられます。

記事の冒頭でもお伝えしたように、メーカーや販売業者は産業廃棄物(運搬処理)許可を持っていないため、まず古くなったり、不要になったりした医療機器の引き取りが行えません。

万が一、業者が医療機器を引き取ってしまった場合は、依頼主と業者の双方が罰せられ、最悪の場合、「5年以下の懲役もしくは1,000万以下の罰金」が双方に課されます。

医療機器を廃棄する際には、販売業者ではなく、産業廃棄物(運搬処理)許可を取得している業者に委託しましょう。

リース物件はリース会社に返却する必要がある

リースアップ物件の医療機器を更新する際は、所有権がリース会社に依存することが多いです。

万が一、リースアップ物件を廃棄してしまった場合は、違約金が発生するケースもあります。リースアップ物件の医療機器を廃棄する際は、リース会社に返却しましょう。

医療機器のおすすめ廃棄方法

医療機器を廃棄する際、廃棄料を業者に支払うのが一般的です。とはいえ、手間や費用が余計に掛かるのは億劫ですよね。

そんな時におすすめなのが、医療機器を医療機器中古業者に売却する方法です。

現在では、様々な中古業者が医療機器の買取プランを展開しています。利用者の手間が掛からないよう、スムーズに取引できる体制を整えている業者が多いのでおすすめです。

また、保存状態や経過年数が問題なければ、高値で買い取ってくれるケースがあります。仮に保存状態が悪くても、状態によっては無料で買い取ってくれるケースもあるため、利用すべき手段と言えるでしょう。

医療機器中古業者3社ご紹介

ご参考までに医療機器中古業者3社をご紹介します。医療機器の買取を業者に依頼したい方はぜひ参考にしてみてください。 

エム・キャスト株式会社 

CTやMRI、超音波画像診断装置などの高額画像医療機器に強い業者です。それ以外の医療機器も多数取り揃えています。 

https://www.e-mcast.co.jp/shop/default.aspx

株式会社グリーンメディカル 

業界最大手です。品揃え日本NO.1を謳っており、買取先は10,000窓口以上。海外にもクライアントは多数おり、54カ国に対し輸出を行っています。

https://www.green-medical.jp/

株式会社インターメディカル 

独自のセール・キャンペーンをやっており、他社と差別化を図っています。医療機器のセット販売なども柔軟に対応している業者です。 

https://www.intermedical.jp/

不要になった医療機器は正しく廃棄しましょう

今回は医療機器の正しい廃棄方法について解説しました。

医療機器は種類ごとで廃棄方法が異なります。

適切に廃棄していない場合は、法令違反で罰せられる可能性があるため、注意が必要です。

また、医療機器を廃棄する際は、必ずマニフェストを発行しましょう。

現在では、電子マニフェストによって手続きが簡素化しています。

データの保存性の観点からもメリットが多くありますので、ぜひ利用してみてください。

医療機器を廃棄する際は、産業廃棄物(運搬処理)許可業者に委託し、適切に処理しましょう。

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執筆 医療ライター ゆし

医療機器メーカー(東証プライム市場上場)の営業職に約9年間従事。薬機法管理者資格、YMAA認証マーク取得。クリニック開業サポート・医院継承サポート実績あり。
日々、多くの医師やコメディカルと関わり合いながら仕事しています。


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