女性開業医が感じたクリニック開業のメリット・デメリット

病院勤務を経て、最近一般内科で開業した女性医師である筆者が、自身の経験、先輩医師の経験談を元に開業を考えた際に役立つポイントをご紹介いたします。

 開業を考えている女性医師も、家庭とのより良いバランスを求める男性医師も是非参考になさってください。

目次
  1. 女性開業医が感じた開業のメリット・デメリット
    1. メリット1.女性の患者さんに来てもらいやすい
    2. メリット2.職場の人間関係がスムーズに築ける
    3. デメリット1.トラブル対応が難しい可能性がある
    4. デメリット2.人間関係のトラブルが起きやすいかも……。
  2. 女性開業医だからこそ思う「良好な職場環境」の作り方
    1. いざというときに備えて、セキュリティサービスを
    2. 人間関係は一定の距離間が重要
  3. 開業医と家庭との両立のための工夫
    1. 家庭への影響
    2. 家庭と両立するための仕組みづくり
    3. 両立の味方、完全予約制
    4. ほかの女性医師の取り組みは…
  4. まとめ

女性開業医が感じた開業のメリット・デメリット

女性医師が開業するにあたって感じたメリット、デメリットを正直にお話しします

参考にし、ぜひ開業を考える際に役立ててください。

メリット1.女性の患者さんに来てもらいやすい

当院ではホームページで女性医師・院長が診察することを特徴の前面にだしており、『女性ならではのきめ細やかな診療を行います』とうたっています。

患者さんの中には「女性の医師だから来院した」という方も多く、特に平日午前の外来は8〜9割女性です。

理由としては、「男性医師に聞きづらいことを相談しやすい」ことが一番に挙げられます。更年期、月経、尿漏れなどは、同じ女性のほうが話しやすいと感じるのです。

また、女性の患者さんが多いことのメリットとして、ネットにたよらない口コミでの来院や、ご紹介をいただけることが挙げられます。

当院でもよく「○○さんの紹介で」「周りの口コミで評判が良かったから」などの理由で来院してくださる初診の患者さんがいらっしゃいます。

こうした患者さん同士のつながりの影響力は、女性ならではのものだと感じています。

メリット2.職場の人間関係がスムーズに築ける

医療の現場(特にクリニックの場合)は看護師、医療事務など女性が多い職場でもあります。

当院の場合は院長の筆者自身も女性のため、同じ女性としてわかることも多々あり、職場の人間関係構築がスムーズにできたことはメリットだと思います。

例えば子供が急病のとき、急に学校から呼ばれた時など職員が理解してくれ、患者対応などのサポートをしてくれます。

また、調子が悪いときもさりげなくいたわってくれるなど “女性だからこそ” 気づける点も多いため、カバーしあいながら和気あいあいと働けています。

デメリット1.トラブル対応が難しい可能性がある

院長含めスタッフすべてが女性であることのデメリットとしては、クレーマータイプの患者さんの対応が難しい場合がある、という点が挙げられます。

様々な理由で対応ができない旨をお話ししても執拗に訴えを繰り返す場合や、トラブル発生時に激昂する方への対応の際には、男性がいたほうが話が収まりやすいのかとも思います。

実際当院では内覧会や開業後、その方が希望されている検査に対応していない旨を説明をしても、執拗に質問を繰り返し怒り出してしまったことがあり、説明に30分以上かかったという事例があります。

この時はひたすら傾聴し事なきを得ましたが、苦痛の時間でした。

デメリット2.人間関係のトラブルが起きやすいかも……。

距離が近いことで、アットホームな雰囲気で仕事ができるメリットはありますが、女性同士、どうしても距離が近くなってしまうところがあります。

近くなりすぎると慣れあいがでたり、言いすぎてしまったり、業務を超えて関与しすぎてしまうこともあり注意が必要です。

当院でも実際に初期スタッフより、『私の扱いが〇〇(責任者)と違う!』と、キレられたことがあります。当然責任者とそのほかのスタッフでは、業務内容の話も違い、責任も変わってきます。

しかし、仲の良い仕事仲間同士のため、自分の立場を勘違いしていたというケースがあり、対応に苦慮しました。

女性開業医だからこそ思う「良好な職場環境」の作り方

上記デメリットの経験をもとに、現在導入してよかったものをお教えします。

いざというときに備えて、セキュリティサービスを

クレーマーに対しても、女性でも毅然とした態度で対応することが必要です。

しかし、暴力的な状況が万が一あった時を考え、防犯カメラやセキュリティサービスなどを活用することが一定の抑止効果につながるのではないかと思います。

人間関係は一定の距離間が重要

クリニックの方針でぶつかることがあれば自分の信念を元に、考えを伝えることも大切です。

しかし、それ以外は直接かかわるのではなく、それぞれの部署に責任者を置くか、クリニックとして自分とは別に事務長など統括して全体を見てくれる職員を置く方が、冷静な判断ができ良いと思います。

責任者や業務担当者同士の間での話し合いに任せ、報告を受けることで把握をしています。

一方で、個々の意見に関してもくみ上げられるように、定期的に直接職員からのヒアリングの場も設けています。

開業医と家庭との両立のための工夫

子育て、介護、家庭があるから開業は……と考えている方もいらっしゃるかと思います。

筆者の経験を通して再度検討してみていただければと思い、自身の経験を基にまとめてみました。アイデア次第で快適に両立も可能です。

家庭への影響

雇用されているときと違い、自分の働きやすいように時間を調整できるため、とても働きやすいと思います。また、いろいろな環境の整備を自分の思うようにできることも、メリットです。

しかし、一方で経営者として収益も考えなければいけません。勤務時間が自由に決められる分、どの程度収益を上げなければいけないのか、どこを目標に定めるか考える必要があります。

そのため、自分でも知らないうちに気を張って仕事をしているのか、時に仕事後はどっぷりつかれ、週末は家で爆睡し、家族に呆れられます。

また、自分の仕事バランスを理想的に整えても、ある程度自分の時間、家族との時間が減ってしまうこともあります。家族の病気などの際にも、すぐに休めない場合が多いです。このため、パートナー、子供等家族の理解はとても重要です。

学校からの緊急の呼び出しを、外来時間内は対応できず、夫の勤務先へ連絡を入れてもらい、その間対応してもらったこともありました。

家庭と両立するための仕組みづくり

当院では、始業時間がやや遅め10時開始としています。朝に子供たちを送り出し、夕食の下準備まで仕上げてから出勤するため、この設定としました。

また、夜間・早朝加算がとれる最低ラインの診療時間数で設定し、なるべく夜までの診療を少なくしました。子供達が学校帰りにクリニックへ帰ってくることもありますので、待機できる場所も確保しています。

両立の味方、完全予約制

コロナ禍で完全予約制としたのですが、これはとてもおすすめです。ある程度毎日の終業の見込みがつくこと、また行事などで早めに終わりたい、少し遅く始めたいなど微調整ができることはとてもありがたいです。

以前にクリニックで勤務していた時は、この時間に終わると思っていても、患者さんの混み具合で外来が伸びてしまうことが多々ありました。

もちろん急患などで予期せぬ延長もありますが、一日のなかである程度均等に患者さんが来院し、終業時も見通しがつくことは、ストレスも少なく、家庭を両立する上でとても有効です。

ほかの女性医師の取り組みは…

筆者がほかの先生に伺った取り組みとしては、以下のようなものがありました。

  • 自院に子供用の部屋を作り、シッターさんと子供が一緒に過ごせる環境を整えた
  • 在宅診療を行う傍ら、休憩時間には自院に併設したキッチンで料理をしている
  • 仮眠できる場所を作った
  • 子供が病気の時にはクリニックで様子を見ながら働いた
  • 思い切って、午前のみの診療に変えた

アイデアは無限大です。自分にあったスタイルで、職場環境を整えましょう。

まとめ

開業は責任、リスクを背負わなければなりませんが、ライフステージに合わせて職場環境・勤務時間・仕事量を変化させるなど、自分流の働きやすい環境調整が可能です。そのため、女性の働き方に適しているのではないでしょうか。

周囲の協力は必要ですが、女性医師の開業は自身の理想を考える一歩になるでしょう。

我々は医療経営に特化した経営コンサルティング会社です

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①先生から真っ先に相談してもらえるパートナー。 ②診療所の発展段階に応じたコンサルティング。 ③多角的な視点によるコンサルティング。

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音無さくら

執筆 漢方・生活習慣病内科医×医療ライター | 音無さくら

内科医として大学病院、一般総合病院、クリニック勤務医を経て開業。二人の子育て、共働き家庭との両立に悩みながら、クリニック発展のため日々奮闘している。
クリニックでの日々の仕事の中で、正しい医学的情報を伝えることの大切さを感じ、医療ライターとして活動を始める。
開業に悩む先生方に対しても、経験に基づくリアルな情報を発信している。


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