
クリニック開業時には、医療機器からITツールまで用意すべきものがたくさんあります。以前は、そのうちのひとつとしてスキャナーを導入するのが当たり前でしたが、マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになることを考えて、「これからの時代、スキャナーは必要ないのでは?」と疑問に思ったことがある人もいるかもしれません。そこで今回は、スキャナーの必要性について考えてみます。
マイナンバーカードが完全に健康保険証代わりになるのはいつ?
ほとんどの人がニュースで見聞きしているに違いありませんが、2022年12月時点では、政府は「2024年秋に現行の保険証を廃止する」と発表しています。あくまでも現在の方針であって“予定”にすぎませんが、少なくとも、今すぐにすべての人がマイナ保険証しか使えなくなるわけではありません。予定がまいて2024年夏になったとしてもあと約1年半あるので、それまでの間はスキャナーで健康保険証をスキャンする必要があるということになります。
健康保険証のスキャン以外の用途は?
また、健康保険証のスキャン以外にもスキャナーを必要とするシーンはあります。たとえば、紹介状や同意書などをスキャンして電子カルテに紐づける作業もそのひとつ。紙カルテを使っているクリニックなら、スキャンではなくてコピーをとって保存しておくことがほとんどかもしれませんが、電子カルテに切り替えて、なるべく紙を無駄にしないようにしているクリニックなら、コピーではなくスキャンすることのほうが圧倒的に多いでしょう。
保険証のスキャン以外にスキャナーを使うことがない場合の懸念点は?
クリニックのなかには、保険証のスキャン以外でスキャナーを使う頻度は極めて低いというところもあるでしょう。そうしたクリニックがスキャナーを購入するにあたって懸念するのが、「今後マイナ保険証に切り替わったら、ほとんど使わないのに設置スペースだけ確保しないといけなくなる」ということかもしれません。そうした懸念があるなら、コンパクトなサイズ感で設置スペースが少なくて済むタイプのスキャナーを選ぶといいでしょう。
コンパクトサイズで人気のスキャナーは?
そこで続いては、コンパクトなサイズで使い勝手に関しても定評のあるスキャナーをみていきます。
1分間に30枚スキャン可能な「Scan Snap iX1300」
まずは、医療機関以外にさまざまな業界でも重宝されている富士通「Scan Snap」から、コンパクトモデルの「iX1300」をご紹介。A3対応可能、スキャンスピードは30枚/1分の高速読み取りなので、資料などを大量にスキャンしたいときにも重宝します。サイズは、トレー収納時:296mm×114mm×87mm、トレー全開時:296mm×247mm×242mmで重量はわずか2kgしかありません。オープン価格は税込37,400円。
出張先に持ち運びもできるモバイルモデル「Scan Snap iX100」
続いてもScan Snapからのラインナップ。273mm×47.5mm×36mm、重量400gのモバイルモデルは、出張先にも気軽に連れて行けるコンパクトボディーが魅力です。送り機構は1枚のみですが、保険証のスキャン以外に使用することがないならこれでも十分といえるでしょう。オープン価格は税込26,400円。
本を切ることなく見開きでスキャンできる「Scan Snap SV600」
スキャンしたいものを読み取り部分の下に置くことで、非接触でスキャンできるスタンドスキャナー「SC600」も、Scan Snapのラインナップのなかで人気が高い一台。210mm×156mm×383mmで一見テーブルライトのようなので、圧迫感を感じることもありません。
原稿セットの手間を軽減してくれる「FUJITSU Image Scanner fi-65F」
「傾き補正機能」や「自動サイズ検出機能」を搭載したフラッドベッドスキャナーなら、原稿の向きやサイズを自動で補正してくれるため、傾きなどを気にする必要がなく、極めて気軽にスキャンできます。サイズは、145×234×40mmで0.9kgとコンパクト。オープン価格は税込52.800円。
参照:FUJITSU Image Scanner fi-65F
スキャナーでできることをよく考えて、より機能性の高いものを選ぶのもアリ
開業前には、「スキャナーを使うシーンは保険証のスキャンくらいだ」と思うかもしれませんが、いざクリニックの運営が軌道に乗り始めて、新しいことをどんどん吸収したくなったときには、さまざまなセミナーや交流会に出席して受け取った資料をまとめるなどの目的で、スキャナーを積極的に使いたくなることもあるかもしれません。そういった場合を想定して、サイズ感にこだわることなく、より機能性の高い一台を選んでおくこともマイナスにはなりません。また、価格的に最高峰のものであってもそこまで値が張るものではないので、将来どんな作業に使う可能性があるのかを考えながら、自院にとってベストなものを選んでくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2023年1月時点の情報を元に作成しています。