整骨院・整体院開業を検討中の人のなかには、今すぐにでも開業したいけど、資金が足りずなかなか最初の一歩を踏み出せずにいる人もいるかもしれません。
確かに、必要な資金をすべて自分で用意しようとすると時間がかかるでしょう。しかし、補助金を活用すれば開業時期を早めることが可能です。そこで今回は、整骨院・整体院を開業するときに利用できる補助金を紹介します。
小規模事業者持続化補助金(一般型)
持続的な経営に向けた経営計画に基づき、販路拡大や業務効率化に取り組んだ経費の一部を補助するものです。整骨院・整体院の場合、「販路拡大=新規顧客開拓やリピーター獲得」と考えることができるので、以下の経費などがこれに該当するといえます。
(例)
- 施術に使用するベッドや器具、機器の購入費
- 外装工事費、内装工事費
- 看板の設置またはリニューアル費
- ホームページ開設またはリニューアル費
- チラシの作成および配布にかかる費用
- 診察券や会員カードの作成費
また、業務効率化にかかる費用には、会計ソフトやレセコンの購入費などが該当します。
小規模事業者持続化補助金はいくらもらえる?
小規模事業者持続化補助金は、「通常枠」「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」「インボイス枠」の6つの申請枠がありますが、このうち開業時に申請できるのは「創業枠」となり、上限は200万円、補助率は2/3となります。
小規模事業者持続化補助金の申請はいつまで?
小規模事業者持続化補助金は、2023年1月時点では、11回目までの募集について発表されています。12回目以降の募集があるかどうかは今のところ未定です。第11回目の公募に関して、事業支援計画書発行の受付締切は2月13日、申請受付締切は2月20日となっているので、応募を検討している人は早めに事業支援計画書を発行することをおすすめします。
参照: 商工会議所地区 令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金(一般形)
ものづくり補助金
「ものづくり補助金」の正式名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。経済産業省中小企業庁によって、「中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金」と定義されています。
この定義に当てはまるためには、従来の整体院や整骨院では見られないサービスや仕組みを展開していくことが不可欠です。たとえば、新規サービスを提供するために必要な設備に対する投資などが補助の対象となります。
ものづくり補助金はいくらもらえる?
ものづくり補助金の申請枠は、以下の5つです。
- 通常枠
- 回復型賃上げ・雇用拡大枠
- デジタル枠
- グリーン枠
- グローバル市場開拓枠
このうち、整体院または整骨院開業時に申請できる枠としては、基本的には「革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援」を目的とする「通常枠」となります。
補助金額は、従業員数が5人以下であれば100万円~750万円、6~20人であれば100万円~1,000万円、21人以上であれば100万円~1,250万円で、補助率は2/3です。
ただし、「DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開発またはデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等の支援」を目的とする「デジタル枠」、
「海外事業の拡大・強化等を目的とした製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム等の支援」を目的とする「グローバル市場開拓枠」への申請も不可能ではないでしょう。
アイディア次第では、DXを活用することで革新的なサービスを生み出したり、インバウンドに貢献したりすることもできるかもしれません。
ものづくり補助金の申請はいつまで?
ものづくり補助金は、2023年1月時点では、14次締切まで発表されています。令14次締切分の公募は既に開始されていて、申請開始日時は3月24日17時、申請締切日時は4月19日17時となっています。
和元年度補正予算・令和3年度補正予算が使われている「小規模事業者持続化補助金」とは異なり、早期に予算が尽きる可能性は低いかもしれませんが、助成金制度はいつまでも同じものがあるわけではないので、確実に募集があるうちに申請することをおすすめします。
参照: ものづくり補助金総合サイト
IT導入補助金
「IT導入補助金」とは、中小企業または小規模事業者がITツールを導入する際に活用できる補助金です。整体院または整骨院であれば、パソコンやタブレットなどの端末、電子カルテ、レセプトなどのソフトの購入費、予約システム導入費などがこれに該当します。
IT導入補助金はいくらもらえる?
IT導入補助金には、A類型・B類型の2つの「通常枠」に加え、「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤導入類型」「複数社連携IT導入類型」の申請枠が用意されています。各申請枠の補助対象および補助額、補助率は以下の通りです。
【通常枠・A類型】
補助対象:ソフトウェア費・クラウド利用料(1年分)・導入関連費
補助額:30万円~150万円未満
補助率:1/2以内
【通常枠・B類型】
補助対象:ソフトウェア費・クラウド利用料(1年分)・導入関連費
補助額:150万円~450万円未満
補助率:1/2以内
【セキュリティ対策推進枠】
補助対象:対象となるサイバーセキュリティシステムのサービス利用料(最大2年分)
補助額:5万円~100万円
補助率:1/2以内
【デジタル化基盤導入類型】
補助対象:ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)・導入関連費
補助額・補助率:5万円~50万円以下の場合、3/4以内 50万円以上~350万円の場合、2/3以内
※上記に加えて、下記のハードウェア購入費も補助
・パソコン・タブレット・プリンター・スキャナーおよびそれらの複合機器:補助率1/2以内、補助上限額10万円
・レジ・券売機等:補助率1/2以内、補助上限額20万円
【複数社連携IT導入類型】
- 「デジタル化基盤導入類型」の要件に属する経費の場合
補助対象:ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)・導入関連費+ハードウェア購入費
補助額・補助率:5万円~50万円以下の場合、3/4以内 50万円以上~350万円の場合、2/3以内
2-1. 「デジタル化基盤導入類型」の要件に属さない経費の場合
補助対象:消費動向等分析経費
補助額:50万円×グループ構成員分
補助率:2/3以内
2-2. 「デジタル化基盤導入類型」の要件に属さない経費の場合
補助対象:補助事業者が参画事業者をとりまとめるために必要とする事務費、外部専門家謝金、旅費
補助額:(基盤導入経費+消費動向等分析経費)×10%
補助率:2/3以内
IT導入補助金の申請はいつまで?
IT導入補助金の申請枠のうち、通常枠に関しては残念ながら2022年12月22日に最終締切を迎えています「「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤導入類型」「複数社連携IT導入類型」に関しては、2023年1月時点では第7次締切となる2月16日17時が最終締切とされています。まもなく締切ということになるので、今すぐにチェックすることをおすすめします。
参照: IT導入補助金2022
補助金申請の準備はお早めに!
補助金の申請は、条件が細かく、準備に時間がかかることも多いので、締切が近いIT導入補助金以外に関しても、早めに準備を進めることが肝心です。開業まではもう少し時間がかかりそうだと思っている人も、これを機会に開業に向けて動き出してみるのもいいかもしれませんね。
特徴
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対応業務
診療科目
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この記事は、2023年1月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
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