問診票は、患者の基本情報や過去の病歴、主訴を知るための大切なツールです。そのため、診療に必要な情報を拾い漏らさないよう、クリニックが確認したいことをすべて網羅している問診票を用意することが望ましいです。では、その条件を兼ね備えた問診票はどのようにして用意したらいいのでしょうか? 早速解説していきます。
問診票に載せるべき質問は?
問診票に載せるべき質問項目には決まりはありませんが、ひとつの目安となるのが、厚生労働省が公表している「初診時の標準的な問診票の項目等」です。これによると、初診時に確認することが望ましい標準的な項目は以下とされています。
【問診票に載せることが望ましい標準的な項目】
※マイナ保険証による情報取得に同意した患者に関しては、直近1カ月以内の処方箋を除き、記載の省略が可能
※マイナ保険証による情報取得に同意した患者に関しては、記載の省略が可能
また、問診内容とは別に、以下の項目についても問診票に記載することが望ましいとされています。
【問診内容とは別に患者に伝えることが望ましい項目】
項目をみるとわかる通り、従来の問診票との大きな違いは、マイナ保険証に関するくだりがあることです。ただしこれに関しては、問診票に落とし込むかどうかは各クリニックの判断に委ねられていますし、必ず入れなければならないというものではありません。しかし、国がこうした対策を推進していること自体は、知っておいても損はないでしょう。
問診票のテンプレートはどうやって用意したらいい?
続いて、問診票の用意の仕方を説明します。
問診票で患者に確認したい項目は、診療科や各クリニックによって違いがあるでしょう。基本的なことは同じであっても、たとえば主にアレルギー疾患の患者を診察しているクリニックであれば、「ペットを飼っていますか?」などの質問をデフォルトで聞きたいと考えるでしょうし、産婦人科であれば、性病や妊娠につながる行為について聞かなければならないこともあるでしょう。
そう考えると、まずは自院のニーズにより近いテンプレートを用意するために、診療科別のテンプレートから探すことが賢明といえます。
たとえば、日本最大級の問診票テンプレートサイトである「問診票.com」なら、診療科別のテンプレートをダウンロードすることが可能です。
テンプレートをもとにより使いやすいテンプレートにするにはどうすればいい?
問診票.com以外にも、テンプレートを無料で配布しているwebサイトはいくつかありますが、ダウンロードしたテンプレートに質問項目を足すなどしてアレンジして使いたいと考えているなら、wordやEXCELのテンプレートをダウンロードすることがおすすめです。PDFのテンプレートは見た目もキレイですが、ある程度のITスキルがなければ、PDFをアレンジすることは難しいかもしれません。
ただし、元データがPDFであれwordであれEXCELであれ、テンプレートを参照しながら一から自作するのであれば、参照元のテンプレートはどういった形式のものでも構いません。ゼロから自分で作り上げることが好きな医師であれば、その方法のほうが向いているともいえます。
オンライン診療の問診票はどうやって用意すればいい?
続いては、オンライン診療で使う問診票の用意の仕方をみていきましょう。
オンライン診療で使う問診票は、さまざまなメーカーから提供されています。なかには、電子カルテにweb問診票システムが搭載されているものもあるので、自院にとってもっとも使いやすいものを選ぶといいでしょう。また、基本的に、電子カルテに搭載されているweb問診システムをはじめとする問診票は、オンライン診療用としてだけでなく、来院前・後のweb問診にも活用することができます。
オンライン診療に活用できるおすすめのweb問診システム
続いては、オンライン診療に活用できるおすすめのweb問診システムをみていきましょう。
クラウド型電子カルテシステム「CLIUS」
クラウド型電子カルテシステム「CLIUS」には、無料のオプションとしてweb問診票システムが付いています。これから開業を考えている人は、「web問診票が付いているかどうか」の視点で電子カルテを選ぶのもいいかもしれません。
すべての電子カルテに自動連携できる「メルプweb問診」
使いたい電子カルテが決まっている、もしくは既に電子カルテを導入済なら、すべての電子カルテに連携できるweb問診システムが使い勝手がいいでしょう。「メルプweb問診」なら、電子カルテへの転記が1タップ約3秒で完了するため、業務効率化も大変よいといえます。
AIが患者ごとに最適な質問を自動生成・聴取してくれる「AI問診ユビー」
患者が一問回答するごとに、AIがその回答に沿って次の的確な質問を投げかける仕組みのため、確認漏れを防ぐことができます。患者は、専用のアプリをダウンロードして使うことになります。
予約システムとも連携可能な「Symview」
予約システムと連携できる「Sumview」なら、予約した患者にそのままweb問診票を入力してもらえばいいので、患者にとっても二度手間だと感じにくいシステムであるといえます。
著名医師2,000人の診療プロセスを再現した「今日(こんにち)の問診票」
2,000人の著名医師協力のもと作成した医療電子辞典と連携している「今日の問診票」なら、患者の回答を受けてAIが次の質問を投げかけるため、先輩医師らの診療プロセスを再現することも可能です。
患者ごとに問診票のテンプレートを選べる「Ace-connect」
患者ごとに合った問診票をテンプレートから選ぶことができる「Ace-connect」は、さまざまな疾患の患者を診療するクリニックに適しています。また、一つひとつの質問を階層で登録できるので、項目ごとに深掘りして確認することができます。
入力しやすさを追求した「Medical TQ」
「タッチするだけで質問に回答できる」「文字が大きく見えやすい」など、入力しやすさにこだわって設計されているシステムです。また、診療科別に用意されている問診票のほか、20種類以上のフォームから組み合わせてオリジナルの問診票を作成することも可能です。
登録患者にメール配信もできる「My Clinic問診票」
「来院予定日」「一斉メール」「誕生月」などのカテゴリー別に、登録患者にメール配信できるなどの便利な機能を備えた「My Clinic問診票」は、レセコンや電子カルテと連携させればさらに便利。患者が入力した内容が、テキストやJPEGで転送されてきたあと、カルテ側で編集することも可能です。
問診システムを一覧で比較
クリニック開業ナビでは、充実の機能を持つ問診システムをご紹介しています。提供形態Webブラウザやアプリなどの提供形態はもちろん、スマホ・タブレットなどの各種デバイスにも対応可能なシステムが揃っています。診療科を問わず、機能やシステム連携など、あなたの希望に沿ったものがきっと見つかります。/strong>
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
紙の問診票、webの問診票ともに必要に応じてアップデートしよう!
受付で患者に渡して書いてもらう紙の問診票、自宅で事前に入力してもらうwebの問診票ともに、必要に応じてアップデートしていくことが望ましいといえます。冒頭で説明したマイナ保険証に関する記載に関してもそうですし、コロナの流行など、そのときどきで必要になる質問も出てくることがあります。そうした状況にいち早く対応しながら、問診票のアップデートを続けられるといいですね!
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
特徴
対応端末
機能
システム提携
提供形態
診療科目
この記事は、2023年4月時点の情報を元に作成しています。