クリニックの過重労働を防ぐためにはどんな対策が必要?

コロナ禍には医療従事者の過重労働が問題となりましたが、新型コロナウイルス感染症が5類に移行した今、医療従事者の過重労働問題が解消されているかというとそんなことはありません。2024年4月からは、「医師の働き方改革」の一環で、医師の時間外労働の上限規制が適用されることも決まっていますが、現状は過重労働で心身に不調をきたす医療従事者が少なくありません。では、この問題を解消するために、各クリニックではどのようなことに取り組めばいいのでしょうか? 早速みていきましょう。

目次
  1. 過重労働とは? 長時間労働との違いは?
  2. クリニックのスタッフが過重労働に陥る原因は?
    1. 慢性的な人員不足
    2. 勤務時間が不規則
    3. 急患への対応が必要
    4. 残業が発生しがち
  3. 過重労働を防ぐための対策は?
    1. 適正人数のスタッフを採用する
    2. 業務内容の見直し
    3. パートナーシップ・ナーシング・システムを導入する
    4. ITの力に頼る
    5. 個別ミーティングはChatworkやLINEなどを活用する
  4. 過重労働対策はメリットが大きい

過重労働とは? 長時間労働との違いは?

まず、過重労働とはどのような労働を指すのかをみていきます。

過重労働とは、不規則な勤務や度重なる週末出勤などによって、働く人の心身に大きな負担がかかる働き方のこと。具体的には、「時間外・休日労働が月100時間以上」、もしくは「2~6か月における平均が月80時間を超えている状態」を指します。“精神障害ライン”と呼ばれる、月160時間を超えるような時間外労働が行われている場合も、過重労働に該当します。

似た言葉で「長時間労働」もありますが、こちらは、実労働時間が法定労働時間を大幅に上回っている状態で、具体的に何時間以上かという定義はありませんが、「1日8時間・週40時間」を超えた労働を長時間労働と解釈する場合もあります。

ただし、時間や日数の違いによって意味が変わるのではなく、過重労働と長時間労働のもっとも大きな違いは、肉体的、精神的に負荷がかかっているかどうかということです。そのため、長時間労働を続けた結果、心身への負荷が大きくなっていき、結果的に過重労働とみなされるようになる場合もあるでしょう。

クリニックのスタッフが過重労働に陥る原因は?

続いては、クリニックのスタッフが過重労働となる原因をみていきましょう。

慢性的な人員不足

医療分野における人員不足は深刻です。少子高齢化が進んだことによって、医療機関にかかる患者が増えているのに、ケアする側の人材が足りないのです。

勤務時間が不規則

2交代制や3交代制といった不規則な働き方が続くと、時間的にはギリギリ過重労働に該当しないとしても、「寝つきが悪くなる」「身体の疲れが抜けにくくなる」といったことから、徐々に心身に疲労が蓄積されていくことが考えられます。また、日勤から夜勤、夜勤から日勤への引き継ぎを考えると、始業時間前、就業時間後の時間外労働が多く、勤務時間に含まれていない時間に実際は業務をこなしているということもあります。

急患への対応が必要

深夜・早朝であっても急患に対応しなければならないことがあります。夜間は閉まっていて誰も対応できないクリニックであったとしても、たとえば診療受付終了間際に駆け込んできた患者の容態が思わしくなく、処置に時間がかかって残業を余儀なくされることもあるでしょう。

残業が発生しがち

看護記録の作成やレセプト作成が勤務時間内に終わらず、たびたび残業しなくてはならなくなるケースも多いです。

過重労働を防ぐための対策は?

続いては、過重労働を防ぐためにできることをみていきましょう。

適正人数のスタッフを採用する

人手不足が原因でスタッフに過重労働が課せられているなら、最初に考えるべきはスタッフの適正人数です。とはいえ、スタッフをひとり追加で雇うとなると、採用コストも人件費も余分にかかります。それを防ぐために、自院のHPおよびSNSを活用してスタッフを募集したり、正社員ではなくアルバイトで募集したりするという手もあるので、クリニックの負担削減も考えながら工夫してみてください。

業務内容の見直し

「スタッフ同士の協力体制を整える」「業務時間を短縮するための動線を考える」など、業務効率化のためにできることは意外とたくさんあります。スタッフ全員から意見を出してもらうと、あっさりと無駄が見付かることも多いので、院長ひとりで考えることなく、みんなで業務内容を見直すのがポイントです。

パートナーシップ・ナーシング・システムを導入する

看護師ふたりがペアを組んで、互いに協力して業務をおこなう「パートナーシップ・ナーシング・システム」を導入すると、お互いの強みや特性を活かして相手の足りない部分を補完し合うことができるので、業務効率が上がります。パートナーに迷惑をかけたくないという意識から、それぞれが自分の力をフルに発揮しやすくなるのも大きなメリットです。

ITの力に頼る

電子カルテや予約システムをはじめとするITシステムを導入すると、特定の業務にかかる時間を大幅に短縮することができます。特に、検査機器やレセコンなどとも連携できる電子カルテは、業務時間短縮に大きく貢献してくれるでしょう。

個別ミーティングはChatworkやLINEなどを活用する

定期的に個別ミーティングを設けることはとても大切ですが、そのために定時で帰宅できないことがストレスになる場合もあるでしょう。しかし、ChatworkやLINEなどのコミュニケーションツールを利用した個別ミーティングに切り替えれば、仕事から帰って夕飯の支度をしたあとの時間などをミーティングに充てることができるので、スタッフ側も気持ち的に楽だと感じるでしょう。

過重労働対策はメリットが大きい

多忙な毎日のなかで、過重労働対策について考える時間をとったり、実際に実践して慣れていったりすることを面倒に感じる人も多いでしょう。しかし、きちんと過重労働対策をとれば、スタッフ全員にとって働きやすい職場になりやすいので、「定職率が上がる」「その結果として新たに採用活動しなくていい」「みんなが気持ちよく笑顔で働いているため患者からの支持が上がる」「医師本人も時間に余裕ができてプライベートが充実する」などメリットがたくさん。できる範囲からでもいいので、少しずつ働き方を変えていってみてくださいね。

人事・労務・総務をサポートし法令遵守業務効率化、コスト削減のご提案!

特徴

当法人はNTS総合コンサルティンググループに所属し、つながる全てに「ありがとう」を の理念のもと、他法人では難しい課題も解決につなげてまいります。 法令遵守、業務効率化、コスト削減を可能とする総合アウトソーシングのご提案をさせていた だき、本業に専念できる環境をお約束致します。

対応業務

住民税関連手続き 人事労務相談 社会保険 手続き代行 就業規則策定 給与規定策定・見直し 助成金 人事制度の策定 退職金 メンタルヘルス 個別労働関係紛争の解決 年金相談 創業サポート

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
診療や経営に専念できる環境づくり、労務管理のプロとして経営を徹底サポート

特徴

わたしたちはドクターの皆様の声に耳を傾け、人に関する法律のスペシャリストとして 「職員の労働トラブルに関するアドバイス」、「院内ルール作成」等を得意とする社会保険労務士事務所です。 人事労務に関する相談サポートにより、診療や経営に専念して頂く事が可能です。 診療所特有の人事労務相談は専門家でなければ適切なアドバイスはできません。弊社はこれまでの実績により的確なアドバイスを行い、労務管理をサポートします。

対応業務

住民税関連手続き 人事労務相談 社会保険 手続き代行 就業規則策定 給与規定策定・見直し 助成金 人事制度の策定 退職金 メンタルヘルス 個別労働関係紛争の解決 年金相談 創業サポート M&A

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、