クリニック・病院開業にあたっては、そろえなければならない機器やシステムがいくつもあります。必要な機器やシステムは診療科などによって異なりますが、比較的規模の大きいクリニックまたは病院で、放射線室・放射線科を有している場合、放射線科情報システム(RIS)があると業務効率が向上します。そこで今回は、医療機関におすすめの、放射線科情報システム(RIS)について解説していきます。
- 放射線科情報システム(RIS)とは?
- 画像保存通信システム(PACS)との違いは?
- 病院情報システム(HIS)との違いは?
- クリニックにおすすめの放射線科情報システム(RIS)は?
- 業務効率化に役立つデータピックアップツール搭載「F-RIS」
- 「M-RIS」
- カスタマイズ性が高い「Nazca RIS(ナスカリス)」
- 英字-漢字変換をはじめ便利な機能満載「Excel Creates 放射線科情報システム」
- 現場をサポートする充実の機能群「RiSMEC(リスメック)」
- ショートカットキーやポップアップメニューからの操作性抜群「iRad-RS」
- PACSとまとめて購入でコストダウンできる「ACTRIS」
- 多彩な業務支援機能搭載「ProRad RIS」
- 見やすさ、使いやすさを徹底追及「Connection RIS」
- 情報共有が可能なメッセージ機能付き「ARIStation」
- PACS、参照用ビューアなどと一体となったシステム「Clinical Collaboration Platform」
- RISを導入するとメリットがいっぱい
放射線科情報システム(RIS)とは?
放射線科情報システム(RIS)とは、放射線検査オーダーの予約管理、検査機器への連携、検査情報の管理、他部門システムとの連携などを担っているシステムのこと。「RIS」は、Radiology Information Systemの頭文字を並べた略語です。
画像保存通信システム(PACS)との違いは?
医療機関の放射線室で使われることの多いシステムとしては、ほかに「画像保存通信システム(PACS/Picture Archiving and Communication System)」がありますが、こちらは、撮影した画像をサーバに転送・保管して、電子カルテ画面に画像を配信するシステムです。RIS、PACSを導入することによって、患者情報の誤入力や予約の重複、X線フィルムの紛失といったリスクを低減できます。
病院情報システム(HIS)との違いは?
放射線科情報システム(RIS)と似た名前のシステムとして、病院情報システム(HIS/Hospital Information System)というものも存在します。こちらは、病院に関わっている情報全般を扱うシステムで、電子診療録システムや会計システム、処置実施情報入力システムなどが含まれます。HISはRISとの連携も可能です。
クリニックにおすすめの放射線科情報システム(RIS)は?
続いては、クリニックにおすすめの放射線科情報システム(RIS)を紹介していきます。
業務効率化に役立つデータピックアップツール搭載「F-RIS」
放射線科の複雑なワークフローに求められる機能を多彩に搭載しています。さまざまな条件で抽出したデータをExcelのツールと組み合わせることで、必要な集計を簡単におこなえる「データピックアップツール」などを活用することで、業務効率向上を図ることができます。国立病院機構施設での共通統計が出力可能。医療機器の点検や不具合・修正記録を登録・管理することも可能。
「M-RIS」
撮影件数の多い一般撮影部門の実績管理を自動集計して、管理業務を効率化します。HISから検査情報をオンラインで連携することによって、正確な情報伝達と検査情報管理も可能です。
カスタマイズ性が高い「Nazca RIS(ナスカリス)」
オーダー管理から検査予約機能、放射線科受付、実施入力、集計、帳票管理まで幅広くサポート。検査室ごとに画面を自由に設計することができるので、自院に合った使い方を追求したいクリニックにおすすめ。放射線科のモダリティ以外の各種分析器および計測器との接続可能、バス健診にも対応など、機能面も充実しています。
参照:ASTROSTAGE「Nazca RIS(ナスカリス)」
英字-漢字変換をはじめ便利な機能満載「Excel Creates 放射線科情報システム」
モダリティごとの検査件数、画像枚数等の集計情報を出力する「件数集計機能」、検像サーバの構築によって画像サーバへの送信前の検像業務が可能となる「検像機能」など便利な機能を有しています。撮影装置メーカーに関わらず接続できる「マルチベンダー対応」。英字にしか対応していないモダリティの情報を漢字情報に変換してPACSに送信してくれます。
参照:エクセル・クリエイツ「Excel Creates 放射線科情報システム」
現場をサポートする充実の機能群「RiSMEC(リスメック)」
ワークフローに合わせた設計、業務の効率化による時間短縮、診療点数を用いた収益管理、蓄積データから分析・統計出力、禁忌情報管理などによる医療安全への対策など、現場をサポートしてくれる機能がそろっています。
参照:MEDICAL CREATE「RiSMEC(リスメック)」
ショートカットキーやポップアップメニューからの操作性抜群「iRad-RS」
画面上に必要なコンテンツを自由に配置したり、あまり使用しないものは必要なときのみ表示するように設定したりも自由自在。ショートカットキーやポップアップメニューからの操作性が強化されているので、モニタのワイド化・高精細化によるマウス操作の負担が軽減されます。
PACSとまとめて購入でコストダウンできる「ACTRIS」
メーカーでハードウェアをまとめるとコストダウンが可能となるのが魅力。内視鏡、生理検査部門でも利用することで、費用対効果を高めることもできます。
多彩な業務支援機能搭載「ProRad RIS」
技師の休暇や当直を管理できるグループウェア機能、点検や修理などの機器管理や各種統計機能など、部門内のさまざまな業務を支援する機能を備えています。放射線部門ではもちろん、生理検査部門や内視鏡検査部門でも活用できます。
見やすさ、使いやすさを徹底追及「Connection RIS」
放射線科における撮影から管理までの業務管理を徹底的にサポート。一括でさまざまな情報を表示できる「段組み検査リスト」、他の検査室の状況をリアルタイムに更新する「ブロードキャスト機能」などによって、撮影業務をしっかりサポートします。
情報共有が可能なメッセージ機能付き「ARIStation」
放射線部内で検査やその他業務に関する情報を共有したいときに役立つメッセージ機能付き。メッセージは端末ごとに送信できます。また、ポータブル撮影用に便利なタブレットプションが用意されているので、院内のどこでも予約情報の確認、検査の受付・実施が可能です。
PACS、参照用ビューアなどと一体となったシステム「Clinical Collaboration Platform」
画像診断用PACSビューア「Vue PACS Client」、参照用ビューア「Vue Motion」、診療データの統合アーカイブ(VNA)として機能する「Vue Archive」を始めとする画像診断、画像アーカイブの製品に加え、放射線情報システム(RIS)の「CARESTREAM RIS-J」が一体となったプラットフォームとして提供されています。
参照:ケアストリーム「Clinical Collaboration Platform」
RISを導入するとメリットがいっぱい
RISをオーダリングシステムと接続すれば、アレルギーや腎機能、体内金属といった禁忌情報などに至るまで正確な依頼情報を伝達できるので、医療事故防止に役立ちます。また、オーダリングシステムからの患者情報・検査情報をさまざまな条件で検索できることなども大きなメリット。自院の業務効率化のためにもぜひ導入を検討してみてくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2023年7月時点の情報を元に作成しています。