MS法人とは? 設立のメリットは?

近年、MS法人を設立する医療機関が増えています。しかし、その理由は何なのか、うまく説明できない人も多いのではないでしょうか。そこで今回、MS法人を設立する医療機関が増えている理由や、設立のメリットなどを説明していきます。

目次
  1. MS法人とは?
  2. なぜMS法人を設立する医療機関が増えているのか?
  3. MS法人と医療法人との違いは?
  4. MS法人のメリット
  5. MS法人設立のデメリット
  6. 自院にとってMS法人設立が有益か判断できない場合は専門家に相談しよう

MS法人とは?

MS法人の「MS」は、Medical Serviceの頭文字を並べた言葉です。具体的にどんな法人かというと、法令上の医療機関でなくてもできることで、かつ医療機関運営に関わることをおこなう法人です。つまり、医療行為自体は医療法人でおこない、非医療行為のみ切り出して法人でおこなうことを目的に設立するということになります。逆にいうと、MS法人は単体では機能せず、医療機関と密接に関わることが不可欠です。

わかりやすい例を挙げると、MS法人で建物を所有してクリニックに貸して、医療機関がその物件で医療行為をおこなうというケースがあります。また、高額な医療機器が必要な診療科であれば、MS法人で医療機器を取得して医療法人にリースするということもできます。そのほか、どんな診療科でも使える手としては、MS法人で保険請求業務をおこなうという手があります。

なぜMS法人を設立する医療機関が増えているのか?

続いては、なぜMS法人を設立する医療機関が増えているのかを説明していきます。

第一の理由としては、MS法人を設立することによって、事業分散もしくは事業拡大が可能になることが挙げられます。

たとえば、MS法人が「会計業務」「保険請求業務」「医療機器および備品等の仕入れ・管理・販売業務」「人材派遣」などの事業を医療法人から請け負うことで、医療機関とMS法人で事業を分散することが可能ですが、事業を分散することによって、節税対策やリスク分散効果が見込めます。

また、「美容クリニックにおける化粧品販売」や「医療機器のリース」は“営利目的の事業”に分類されますが、医療法によって、クリニックや医療法人が営利目的の事業をおこなうことは規制されています。そのため、化粧品販売や医療機器のリースをおこないたい場合、一般法人と扱いが同じで非営利性を担保できるMS法人の設立が不可欠ということになります。

MS法人と医療法人との違いは?

前述の通り、MS法人は基本的に一般法人と扱いが同じです。では、医療法人が一般法人と違う点はどこにあるかというと、医療法人であるためには以下の要件を満たしている必要があります。

【医療法人の要件】

  • 社員が3名以上いること
  • 役員として理事3名(理事長含む)、監事1名がいること
  • 1ヶ所以上の病院・診療所・介護老人施設があること
  • 医療行為に必要な設備・器具があること
  • 年間支出予算の2か月分の運転資金があること
  • 個人時代の設備を買い取る場合は別途そのための資金があること
  • 医院の土地・建物は医療法人所有のものか、もしくは長期の賃貸借契約が担保されていること
  • 既存の法人と同様の法人名を使用していない
  • 誇大広告にならないような法人名であること
  • 2つ以上の医療施設を保有する場合、それぞれの医療施設の管理者が事実上の雇用関係にないこと

など

また、医療法人について必ず覚えておきたいのが、平成18年の医療法改正によって、現在では持ち分なしの法人設立しか認められていないということです。具体的にどういうことかというと、医療法人解散時の残余財産が自分に戻ってこないということです。

一方、MS法人が解散した場合の残余財産は株主である院長に帰属するので、財産を取り戻すことができます。

MS法人のメリット

続いては、MS法人設立のメリットを説明します。

MS法人設立のメリットとしては、まず、前述の通り、事業分散もしくは事業拡大が可能になることが挙げられます。

また、個人事業主の開業医がMS法人を設立した場合、節税効果が大きいこともメリットです。個人の場合、所得税は超過累進課税になるため、所得税の高税率部分の所得を法人に移して、かわりに法人税を払うことで、大きく節税できるのです。たとえば、院長の家族などをMS法人の役人に就任させて役員報酬を支払えば、役員報酬は法人に置いては経費計上できるため、給与所得控除というみなし経費を差し引いて税金を計算することができます。

ただし、MS法人の場合、医療従事者には役員報酬を支払うことができないので、院長の家族などが医療従事者の場合は、この手は使えません。しかし、医療法人であれば医療従事者でも役員に就任できるので、院長の家族も医療従事者の場合は、先に医療法人を設立した後にMS法人を設立することが賢明だといえるでしょう。

MS法人設立のデメリット

個人開業医の所得が695万円を下回った場合、住民税込みの所得税率が20%以下となり、逆に増税となるため、税制面では優遇されなくなります。さらに、クリニックとMS法人両方の決算が必要になることや、法人からクリニックへの請求作業、クリニックから法人への支払作業が発生して手間が増えることも、ある意味、デメリットといえるでしょう。

自院にとってMS法人設立が有益か判断できない場合は専門家に相談しよう

MS法人設立のメリットおよびデメリットの大きさは、単純に所得のみで決まるものではありません。前述の通り、作業時間や手間が増えることに加えて、クリニックまたは医療法人とMS法人との取引に消費税が課せられることなども視野に入れなければ、自院にとってはMS法人を設立するメリットが大きいのかそうでないのか判断できないので、自院で比較することが難しいなら、まずは専門家に相談することがおすすめですよ。

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