クリニックの開業届を提出する理由は? そのほかに必要な手続きは?

クリニックの開業時にはさまざまな書類を諸官庁に提出することが必要ですが、提出が義務付けられているものとそうではないものに分けられます。提出が義務付けられていないもののうちのひとつが「開業届」ですが、それでもほとんどの開業医が提出するのはなぜなのでしょうか? 理由を説明していきます。

目次
  1. 開業届とは?
    1. クリニック開業時に提出が必要な書類はほかにも
      1. 診療所開設届
      2. 保険医療機関指定申請書
  2. 開業届を提出するメリットは?
    1. 青色申告特別控除が使える
    2. 屋号を名義とした銀行口座を開設できる
    3. 職業の証明ができる
    4. 創業融資の審査を受けられる
  3. 開業届を提出するデメリットは?
    1. 失業手当をもらっている場合、受給できなくなる
    2. 配偶者の扶養から外れる場合がある
  4. 開業届の入手方法は?
  5. 開業届を記入するにあたっての注意点は?
    1. 納税地に関する注意点
    2. 職業によって税率が異なる
    3. 提出時の注意点
  6. 開業届の記入および提出自体は簡単

開業届とは?

開業届とは、業種を問わず、個人事業主が事業を始めるときに所轄の税務署に提出する書類のこと。国税庁の税務署に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」と都道府県税事務所に提出する「個人事業税の事業開始等申告書」の2種類があります。

開業届の提出は義務ではないため、提出しなくても罰則を受けることはありませんが、後述しますが、青色申告で確定申告を行う場合や、屋号を名義とした銀行口座を開設する際などには、開業している証明として開業届の写しの提出が求められることがあります。

開業届を提出する場合は、事業開始から1か月以内に提出します。

クリニック開業時に提出が必要な書類はほかにも

クリニックの開業時には、さまざまな書類を用意しなければなりません。提出先は、保健所、地方厚生局、社会保険事務所、労働基準監督署、税務署、公共職業安定所、地方自治体、福祉事務所、医師会と多岐にわたるうえ、たとえば保健所に提出が必要な申請書だけでも数種類あるので、計画的に作成を進めていかなければ期限内に間に合わなくなってしまいます。

複数の必要書類のうち、クリニックの開業に関するものは、前述の開業届を含む3種類です。残りの2種類の書類は以下の通りです。

診療所開設届

医療法によって、クリニック開設後10日以内に保健所に提出することが求められています。

保険医療機関指定申請書

クリニック開設届が受理された後、厚生局に提出します。保険診療をおこなうための申請書であるため、自由診療のみしかおこなわない場合は提出不要です。

開業届を提出するメリットは?

開業届けの提出は義務付けられてはいないのに、提出する人がいるのはなぜかというと、開業届を提出することにはメリットがあるからです。具体的には以下のメリットを享受できます。

青色申告特別控除が使える

確定申告を青色でおこなうためには、「青色申告承認申請書」と「開業届」の両方を所轄の税務署に提出する必要があります。青色申告は白色申告に比べて節税効果が高く、最大65万円の控除を受けることができます。

屋号を名義とした銀行口座を開設できる

クリニック開業時に開業届を提出すると、金融機関によっては、クリニック名や屋号を名義とした銀行口座を開設できます。屋号を名義とした銀行口座を開設すると、取引先からの信用を得やすくなりますし、事業用とプライベート用の講座をわけることができるため、お金を管理しやすくなります。

職業の証明ができる

会社に雇用されている場合、勤め先から社員証や在職証明書などを発行してもらうことが可能ですが、個人事業主やフリーランスにはそのような証明書がありません。そのため、代替となる書類を提出することが求められますが、開業届を提出していた場合、その写しで職業を証明することができます。

どのようなときに職業を証明する必要があるかというと、たとえばクレジットカードの発行手続き時、マンションの契約時などが考えられます。

創業融資の審査を受けられる

金融機関に創業融資を申し込むには、開業届の控えが必要です。なぜかというと、創業融資を申し込むタイミングは事業開始前なので、「実際に事業を行うことを示すための証明」として提出が求められるのです。経済産業省や厚生労働省の補助金や助成金を申請する場合にも同様に、開業届の控えの提出が必要です。さらに、クリニックや事務所などの賃貸借契約に関しても同様です。

開業届を提出するデメリットは?

開業届を提出することにはデメリットもあるのかどうかみていきましょう。

失業手当をもらっている場合、受給できなくなる

勤務医としての仕事を辞めて開業準備中に雇用保険の失業手当をもらっていた場合、開業届を出すと受給できなくなります。開業届を提出すると、まだ本格的に稼働する前で収入がないとしても、自営業者だとみなされて受給者の対象ではなくなるためです。

配偶者の扶養から外れる場合がある

クリニックの開設者が配偶者の扶養家族となっている場合、開業届を出すことで不要から外れる場合があります。収入から経費を差し引いた「所得」が一定額を超えていなければ、税制上は扶養を外れることはないのですが、加入している健康保険組合によっては、自営業者である個人開業医は扶養から外れる場合があります。

開業届の入手方法は?

開業届出書は、税務署で直接受け取るか、国税庁のホームページからダウンロードして入手します。ホームページからPDFでダウンロードした場合、1枚目を記入すると自動的に2枚目にも転記されるので便利です。税務署で紙の用紙をもらった場合は手書きになります。

参照: 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

開業届を記入するにあたっての注意点は?

続いては、開業届に関する注意点をみていきましょう。

納税地に関する注意点

個人事業主の納税地は基本的には個人の住所地になりますが、クリニックの住所を納税地としたい場合、「納税地」の欄にクリニックの住所を記し、そのひとつ下の欄の「上記以外の住所地に自宅住所を記します。この場合、開業届とあわせて「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」も提出する必要があります。

職業によって税率が異なる

開業届には職業を記す欄があります。個人事業主は、職業と所得金額によって、所得税以外に支払う「個人事業税」の税率が異なるからです。個人事業税の課税対象となる「法定業種」は、おおまかな分野別に3種類にわかれていて、職業は70種類に分類されています。医業は第3種事業に該当して、税率は5%になります。

提出時の注意点

開業届の提出方法は、「税務署の窓口に直接持参」「郵送」「e-tax」の3種類あります。書き方などに関してわからないことがある場合は、直接持参すれば職員に質問できるのでおすすめです。郵送の場合、控えを含めた2枚と、切手を貼付した返信用封筒を送れば、1部に受領院を押して返送してもらえます。

開業届の記入および提出自体は簡単

開業届は記入する欄も少なく極めてわかりやすい仕様なので、記入および提出は誰もが問題なくできるでしょう。また、開業医にとってはメリットが大きいため、提出しておくことが好ましいものなので、開業が決まったら速やかに準備できるといいですね。

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