2024年7月3日、20年ぶりにデザインが刷新された新紙幣の発行が開始となります。
日本の紙幣はこれまでにも約20年ごとに刷新され続けていますが、定期的にデザインを更新する理由として、大きくは偽造防止があります。民間の印刷技術が日進月歩であることから、偽造紙幣の流通を未然に防ぐためには、偽造防止技術も刷新していく必要があるのです。
さらに、目の不自由な人や外国人でもどの紙幣がどの金額なのかがわかりやすいよう、ユニバーサルデザインが採用されたことも今回の刷新の大きな特徴。つまり、紙幣のデザイン変更は不可欠かつとても大切だといえますが、業種によっては大きな影響を受けることとなってしまいます。
その最たる業種が、ATMやセミセルフレジ(=自動釣銭機)、セルフレジ(=自動精算機)などのメーカーです。そこで今回、診療所向けセミセルフレジ「OWEN」を扱う『三栄シスポ』のPM部(Planning & Marketing)押尾洋佑さんに、新紙幣発行がセミセルフレジに及ぼす影響や医療業界の課題について伺いました。
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- ――新紙幣発行のタイミングでセミセルフレジ、セルフレジの導入を検討する医療機関も増えるかと思います。まずは改めて、セミセルフレジ、セルフレジの違いを教えてください。
- ――新紙幣発行に向けて、セミセルフレジを扱うメーカー側ではどんな準備を進めていますか?
- ――新紙幣発行に向けて、クリニック側でも必要な対応がありますか?
- ――クリニックのセミセルフレジのアップデートはいつまでに完了すればいいですか?
- ――特需到来のタイミングで、セミセルフレジ、セルフレジの導入率が上がることも予想されますか?
- ――セミセルフレジを導入するメリットを改めて教えてください。
- ――セミセルフレジを導入するデメリットに関してはいかがですか?
- ――「OWEN」の特長についても教えてください。
- ――「OWEN」のサポート体制も万全なのですね。
- ――セミセルフレジ・セルフレジをこれから導入する場合、どんなポイントをチェックして製品を選べばいいでしょうか?
――新紙幣発行のタイミングでセミセルフレジ、セルフレジの導入を検討する医療機関も増えるかと思います。まずは改めて、セミセルフレジ、セルフレジの違いを教えてください。
押尾:セミセルフレジは、会計窓口で発行されたQRコードやバーコードを、患者さまご自身で読み取って会計できる端末で、金銭授受が自動化されることから「自動釣銭機」とも呼ばれています。
一方のセルフレジは、電子カルテやレセコンと連携させることで、会計のみならず領収書や診療明細書の発行を含めた一連の会計業務を自動化する端末です。
こちらは「自動精算機」と呼ばれることもあります。機能や端末の大きさが異なることから、セミセルフレジは主にクリニックなどの小規模な医療機関、セルフレジは病院に導入されています。
――新紙幣発行に向けて、セミセルフレジを扱うメーカー側ではどんな準備を進めていますか?
押尾:2023年11月、新札に対応した新機種をリリースしたのと併せて、既存機種に対してのアップデートの案内も進めています。
アップデートの内容としては、旧紙幣と新紙幣の両方ともを読み込めるよう、ハードウェアのビルバリ(=ビルバリデーター:紙幣識別装置)を交換すると同時に、ファームウェアをバージョンアップすることになります。
アップデートは有償になりますが、弊社のコンシェルジュチームが順次伺って対応します。セミセルフレジを扱っているメーカーはどこも同じような対応を進めていると思います。
――新紙幣発行に向けて、クリニック側でも必要な対応がありますか?
押尾:既存の機種を導入済のクリニック様に関しては、まずはバージョンアップ作業の申し込みをしていただく必要があります。
ファームウェアのバージョンアップ作業自体は一時間前後みていただけたらOKですが、作業完了後、きちんと新紙幣が読み込まれるかどうかのテストを何度か繰り返すことも必要です。
セミセルフレジやセルフレジを扱うメーカーには、読み取りテスト用の新紙幣が予め日銀から配布されているので、その紙幣を実際に読み込ませるという作業を、エラーが出なくなるまで続けます。目安としては、エラーなしで連続4回読み込めたら問題なく使えるとされています。
――クリニックのセミセルフレジのアップデートはいつまでに完了すればいいですか?
押尾:新紙幣が発行開始となる7月以前に完了していれば問題ないですが、新紙幣に対応するハード・ソフトの更新特需は“1兆円超えビッグイベント”とも言われているほど。
ですので、直前となるとどこのメーカーも問い合わせが増えていてすぐには動けないことが予想されます。そう考えると、できるだけ早めにアップデートしておくに越したことはないですね。
――特需到来のタイミングで、セミセルフレジ、セルフレジの導入率が上がることも予想されますか?
押尾:その可能性は高いです。紙幣のデザイン刷新は約20年に1回なので、それ自体が大きな出来事ですが、それに加えて、今はキャッシュレスも進んでいるタイミングなので、紙幣に関してだけ見直すのでは不十分です。
コロナ禍に突入するまで、医療の世界ではキャッシュレス化がなかなか進まないのが実情でしたが、これを機にさらに、クレジットカードやQRコードを含めて導入を検討する医療機関が増えていくことが考えられます。
実際、弊社への問い合わせに関しても、キャッシュレスの販売促進を行っている『日本医師会ORCA管理機構』経由のものが一番多いです。キャッシュレス導入を検討している医療機関様が、「OWEN」も併せて検討されるパターンです。キャッシュレスを導入するとなると、違算金防止対策を強化する必要がありますからね。
――セミセルフレジを導入するメリットを改めて教えてください。
押尾:まずは今申しました違算金防止です。導入目的としてもそれが一番多いです。さらに、レジ締めの作業が楽になることや、金銭授受による身体接触を避けられることもメリットとして挙げられます。
また、セルフレジと比べてサイズがコンパクトで、受付カウンターなどにも設置できるため、会計の導線変更を考えずに導入することができます。機能面に関して言うと、電子カルテやレセコンから発行された領収書のバーコードを読み込むことで連携させているので、電子カルテやレセコンに万が一不具合が生じた際に手打ちで会計できることもメリットといえます。
また、最近はインバウンドの増加などで日本人以外が医療を必要とするケースが増えているので、多言語対応のセミセルフレジであれば、患者との会話の補助としての役割を果たしてくれることも考えられます。
――セミセルフレジを導入するデメリットに関してはいかがですか?
押尾:バーコード連携に関してですが、誰が操作したか記録されないことはデメリットともとらえられます。
また、運用方法によっては、精算を完了したかどうかを電子カルテ側で入力する必要もあります。ただし、誰が(どの患者が)いつ会計したかの記録に関しては、個人情報保護の観点から敢えて機能として持たせないという考え方もあります。
――「OWEN」の特長についても教えてください。
押尾:患者側・受付スタッフ側両面ともに大型タッチパネルなので操作しやすいのが一番の特長です。
受付カウンターに設置すれば、会計の導線を変える必要もなく、従来通り、患者と対面でコミュニケーションをとりながら会計することが可能です。また、多種多様なキャッシュレス決済に対応していて、クレジットカードも電子マネーもQR決済も利用可能です。
さらに、医事会計システム・レセコン「ORCA」を導入していただくために2,500件以上の医療機関様をサポートさせていただくなかで培ったノウハウをもとに、最適なサポートを提供できると自負しています。
――「OWEN」のサポート体制も万全なのですね。
押尾:弊社は、レセプトコンピューターやオンライン資格確認、キャッシュレス導入をはじめ、医療機関様の受付周りの医療DXを推進することを目的に事業を行っています。「ORCA」も「OWEN」も医療機関様のトータルサポートの一環として提案させていただいているもので、各医療機関様に医療に集中いただくためにも、しっかりとサポートすることはとても大切だと考えています。
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――セミセルフレジ・セルフレジをこれから導入する場合、どんなポイントをチェックして製品を選べばいいでしょうか?
押尾:画面の大きさや視認性、操作性に関しては、自院の患者層のニーズと併せて考えることが大切です。たとえば高齢患者が多いなら、画面や文字が小さいと操作しにくいはずです。また、自費診療も行っているクリニックの場合、メニューごとにセミセルフレジに事前に入力しておく必要があるので、自費診療の項目をどの程度登録できるかは確認したいところです。
美容クリニックのほか、コンタクトを処方している眼科、松葉杖の貸し出しなどを行う整形外科などがこれに該当します。「OWEN」でも自費診療メニューが多いクリニック向けのオプションを用意しているので、導入をご検討でしたらぜひお気軽にご質問いただければと思います。
また、セミセルフレジ・セルフレジの導入時には、「働き方改革推進支援助成金」をはじめとする助成金や補助金を活用することができるので、申請期間に合わせて導入の準備をすすめることがおすすめですよ。2024年の申請期日はまだ公表されていませんが、2023年までは例年4月あたりに公表されているので、各種サイトでこまめに情報をチェックしてみてくださいね。
特徴
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システム提携
タイプ
診療科目
この記事は、2024年1月時点の情報を元に作成しています。