医療事務の仕事を辞めたい……という気持ちで悶々とした日々を過ごしている人は意外と多いかもしれません。
そこで今回は、辞めたいと思う理由としてどんなことが考えられるのか、どうすればマイナスな感情から解放されるのかを考えていきたいと思います。
医療事務を辞めたい理由とは?
まずは、医療事務を辞めたい理由として代表的なものをみていきましょう。
忙しすぎてプライベートの時間が持てない
医療事務の仕事は、受付および会計業務だけではありません。電話対応や患者からのクレーム対応、カルテ管理、書類の整理はもちろん、毎月のレセプト業務やクラーク業務までこなす必要があります。クリニックによっては、医療事務が院内掃除を担当することもあるでしょう。
どのくらい忙しいのかは医療機関によって異なりますが、IoT導入が遅く業務効率化できていないクリニックであれば、未だに毎月のレセプト業務に伴い残業が発生していることも。そうなると、忙しすぎて自分の時間が持てなくなります。
覚えなくてはいけないことが多すぎて辛い
医療事務の仕事は資格なしや未経験でもできますが、資格や経験がなければ、そのぶん覚えなくてはならないことが多くなります。また、未経験でも採用はしているというクリニックでも、採用後に資格取得を推進されることがあります。実際、専門知識があったほうが業務効率もアップしますが、必要な知識を習得するまでは、「毎日勉強しないといけなくて辛い」と感じる人もいるでしょう。
また、一度しっかりと勉強して知識を叩きこんだとしても、2年に1度の診療報酬改定などに伴い、新たに覚えなくてはならないことも出てきます。
給与の額が業務量に見合っていない
残業が多かったり、覚えなければいけないことが多かったりするのに給与水準が低いとなると、納得がいかなくて当然です。では、医療事務の年収はどのくらいかというと、地域や勤務先によっても異なりますが、平均すると250万円~350万円程度であるとされています。
職場の人間関係に悩まされている
医療機関で働くにあたっては、医師や看護師をはじめさまざまな職種の人とコミュニケーションをとる必要があります。しかし、一緒に働く人のなかに苦手な人がいたり、もしくはそもそもチームで働くことが得意ではなかったりする場合、仕事を続けることが辛くなってくる場合もあるでしょう。
医療現場ならではの緊張感に耐えられない
医療事務は直接患者の処置などに当たることはありませんが、患者の個人情報を扱うことで間接的に患者の健康に関与することになります。そうなると、たとえばある患者の情報を他の患者の情報を取り違えるなどのミスを犯すと、場合によっては患者の命に関わることもあるので、人によってはプレッシャーやストレスを感じるでしょう。
医療事務を辞めるべき?見極めポイント
続いては、実際に医療事務を辞めたほうがいいのかどうかの見極めポイントを考えていきます。
今後のキャリアプランについて
辞めたい気持ちがピークに達すると、発作的に辞めてしまうこともあるかもしれません。しかし、無計画に仕事を投げ出してしまったら、人によっては食べていくことにも困りますし、生活に困窮した結果、どこでもいいから雇ってほしいと、今以上に条件の悪い職場で働き始めてしまうことも考えられます。
そのため、まずは自分自身と向き合い、今後の人生について、キャリアについて、しっかりとプランを立てることが大切です。
「辞めたい」原因が解決できるかどうか
「辞めたい」と感じる原因が、たとえば「知識が足りなくて業務に時間がかかって辛い」であるなら、一度腰を据えて勉強できれば、「もう少しがんばれそう」と思い直せることもあるでしょう。
しかし、「他院に比べて給料が安い」「職場にソリが合わない人がいて顔を合わせるのもイヤ」などの場合、少なくとも今すぐには、現状を変えることができないので、離職を考えたほうが精神的に健康になれるでしょう。
業務内容・職場に対してのポジティブな感情の有無
「辞めたい」と感じる一方で、仕事にやりがいを感じていたり、仕事していて「楽しい」と感じる瞬間があったりするのなら、少なくとも医療事務の仕事自体には魅力を感じていると考えられるので、「医療事務職から足を洗う」ではなく、「条件のいい職場に転職する」という選択肢を考えるといいかもしれません。
「医療事務を辞める」と決意した場合、何をすればいい?
続いては、熟考した末、「医療事務を辞める」と決意した場合、何をすればいいかを説明します。
転職先を探す
精神的に疲弊していて一度ゆっくり休みたい場合など以外は、次に働く先を探し始める必要があります。
これまでと同じく医療事務として勤務したいなら、同じ轍を踏まないように労働条件などをしっかり確認することが不可欠ですし、まったく違う業界への転職を希望しているなら、必要な知識取得のための努力も欠かせません。
転職活動を始める時期・準備について
転職活動を始める時期としては、「転職したいと思ったとき」ということになりますが、よりよい結果を出したいなら、求人が増える時期である2~3月または8~9月を狙うといいでしょう。また、金銭的なメリット・デメリットを考えると、元の職場で賞与を受け取ってから辞めることが望ましいため、賞与が支給された後に退職することを考えて、6~7月または12~1月を狙うのもいいでしょう。
第二新卒であれば、新卒と一緒に4月入社することを考えて転職活動を始めるのも一手です。
また、転職活動でよりよい結果を出すためには、一社だけでなく複数の人材会社に登録しておくのがおすすめです。また、登録しておくだけで自分から動かないのではなく、SNSなどで有益な情報が発信されていないかチェックすることも意識しましょう。
医療事務の経験を活かせる仕事は?
異業種に転職する場合、以下のような職種は特におすすめです。
・美容クリニックの受付・美容カウンセラー
美容クリニックの受付や美容カウンセラーであれば、医療事務の業務とかけ離れすぎておらず、スピーディに仕事に慣れやすいといえます。しかも、資格や免許が必要ないため、未経験でも挑戦可能です。また、特に女性の場合、美容クリニックの正社員となることで、美容施術を安く受けられるなどの福利厚生を大きなメリットだと感じるケースが多いでしょう。
・美容部員
医療事務の仕事を通して、接客やホスピタリティのマナーが身に着いているため、美容部員やBA(ビューティー・アドバイザー)として重宝される可能性が高いといえます。
・一般事務
医療事務の仕事は医療機関における事務仕事が専門ですが、PCスキルや事務処理能力はこれまでの仕事で培われてるため、一般事務の仕事もすぐに慣れることができるでしょう。しかも、レセプト業務で数字を扱ってきた経験から、数字に強い人も多いはずなので、業界によっては引く手あまたとなりそうです。
・電子カルテやレセコンを扱う企業やメーカー
医療事務の業務において日常的に使う電子カルテやレセコンを扱うメーカーや企業に転職すれば、ユーザー側の視点を持って開発に関わったり、意見を出したりすることが可能です。
退職希望時期の1~3か月前までに職場に退職の意思を伝える
どんな仕事もそうですが、仕事を辞めるときには、「立つ鳥跡を濁さず」を意識することが大切です。退職したい時期の1~3か月前までに職場に退職の意思を伝えて、円満な退職を目指すことが礼儀だとされています。また、退職理由を尋ねられたときにスムーズに答えることができるよう、自分なりに言葉をまとめておくことが望ましいといえます。
ただし、法律的には退職希望日の2週間前までに職場に退職の意向を伝えればよしとされているので、なんらかの理由があって少しでも早く退職したい場合は、2週間前までの申告でも構いません。
業務引き継ぎはきちんと行う
職場に退職の意向を伝えた後は、後任者に業務を引き継ぐことが必要です。後任となるスタッフがまだ採用されていない場合は、これまで自分がやっていた業務を資料にまとめておくなどの気配りができるといいでしょう。
【一刻も早く辞めたい場合】退職代行サービスを活用する
パワハラやセクハラなどの一刻も早く辞めたい事情がある場合は、引き継ぎ業務を行うために職場に出社すること自体辛い者になると思います。その場合は、「退職代行サービス」を活用することをおすすめします。
退職代行サービスとは、退職希望者と企業との間に入って退職手続きを行ってくれるサービスです。利用にはお金がかかりますが、辛い気持ちを抱えたまま残りの日数を過ごすより、精神衛生上はよいといえるでしょう。
医療事務を辞める前に
転職に向けて動き始める場合、「またイヤな職場に当たってすぐに辞めたくなってしまったらどうしよう……」などとネガティブな考えが浮かんでくることもあるかもしれません。しかし、万が一、再度転職したくなった場合は再度転職活動をすることもできるので、行動する前から悲観的になる必要はありません。
ただし、遅刻や無断欠勤をはじめ、自身の問題行動が原因で転職を繰り返している場合などは、医療業界内で噂が広まることもあるので要注意。
転職したいと思ったときに堂々と転職活動するためにも、日々の仕事に対しては誠実に向き合うことがとても大切です。
特徴
対応業務
提供人材
タイプ
その他特徴
診療科目
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対応業務
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この記事は、2024年2月時点の情報を元に作成しています。