クリニックでスタッフを雇うにあたっては、自院での仕事の仕方を覚えてもらうために研修を受けてもらうのが一般的です。
また、働き始めて長い場合も、新しい業務を取り入れる場合、研修を実施することがあります。では、それらの研修は一般的にどのくらいの期間行うものなのでしょうか?早速解説していきます。
クリニックで行う研修の種類と期間
まずは、クリニックで行う研修にはどんなものがあるのかを確認しつつ、それぞれの研修期間についても解説していきます。
新人研修
クリニックのスタッフを採用したら、まずは新人研修を行うのが一般的です。新人研修では、自院での業務のやりかたや流れについてスタッフに覚えてもらうだけでなく、クリニックの理念や院長の思いについてもしっかり理解してもらうことが必要です。
離職したスタッフの補てんとして開業後に採用した場合、基本的には働きながら研修を行ってもらうことになりますが、半月~1か月を研修期間に充てるのが一般的です。オープニングスタッフの場合でも同様の期間と考えていいでしょう。
主な研修内容は以下の通りです。
【研修内容】
- 空調設備や電気設備、鍵、セキュリティ関係機器などの操作方法
- 医療機器の操作方法の修得
- 医療薬剤、什器、備品、消耗品の取りそろえと整理整頓および消耗品補充時の調達方法確認
- 医薬品、検査会社、医療廃棄物などの処理および各関係業者とのルーティンに関する打ち合わせ
- 医事コンピュータの操作方法の修得とマスタ登録
- 電話応対や患者応対などの接遇訓練
- 患者とのコミュニケーションやスタッフ同士の会話におけるルール検討
- 模擬診療の実施
- 自院の方針や医薬品にういての理解
など
看護師には、医療機器の操作方法のトレーニングのほか、電子カルテ・検査内容の入力トレーニング、医療備品の収納整理方法、掲示物の作成方法などを重点的に学んでもらいます。
事務スタッフには、電子カルテの操作トレーニングを中心に行ってもらいながら、事務用品の準備および収納整理方法、掲示物の作成方法についても学んでもらいます。
職種別研修
職種別研修は、専門知識や技術力の向上などを目的に行うものです。
一定の期間を区切って行うというより、知識やスキル向上のために定期的に行うことが望ましいものなので、そのときどきでテーマを決めるといいでしょう。
開業後に関しては、午前診と午後診の間や、土曜の診療後に実施するクリニックが多いです。「毎月2週目の土曜日は看護師」「毎月4週目の土曜日は事務スタッフ」などと決めるのもよさそうですね。
接遇マナー研修
患者満足度向上を目指すための接遇マナー研修に関しては、毎月定期的に行っているクリニックもあります。
医療機関に特化した接遇マナー研修を行っている専門業者に依頼すれば、自院に来院のうえで、スタッフ一人ひとりとロールプレイングを行い、接遇力を点数評価してくれるため、その結果を昇給などに反映させる仕組みを作れば、スタッフのモチベーションが向上しやすいでしょう。
レセプト研修
レセプト研修に関しては、毎月のレセプト請求がひと段落したタイミングで行って、何が大変だったか、どうすればミスを減らせるかなどを話し合えば、レセプト請求の精度向上に直結しやすいです。
電子カルテの切替やレセプトチェッカーの導入などによってレセプト業務のやりかたや流れが変わった場合は、毎月の研修とは別に研修を行うことが必要です。
手技研修
レーザー脱毛などのメニューをそろえている美容クリニックであれば、スタッフがきちんと機器を使いこなせるよう、手技研修を行うことが不可欠です。
最近は、美容クリニックでのレーザー機器を使った施術で患者が火傷を負ったことがニュースとして取り上げられることも多いので、そうした事態を防ぐためにも、手技研修は徹底したいところです。
基本的な使い方を学び、スタッフ同士で練習したりモデルへの施術を通して練習したりする期間の目安は2週間程度ですが、その後、すぐに熟練スタッフと同じように施術するのはハードルが高いです。
たとえば脱毛であれば、腕や脚などの比較的施術しやすい箇所からスタートして、徐々に、うなじ、顔、VIOも担当できる人材に育てていくことが理想です。
研修の成果は必ず確認しよう!
今回は、研修の期間やサイクルについて解説しましたが、研修を行うにあたってもっとも大切なことは、期間ではなくて成果を出すことです。
たとえ平均的な期間より長く研修を行ったとしても、スタッフが十分に技術を習得していなければなんの意味もありません。
研修の成果を確認するには、たとえば研修期間中には毎日「今日学んだこと」「学んだことを明日からの仕事にどう活かしていきたいか」「研修担当者への質問」などを日誌に記してもらい、翌日、研修担当者が日誌を返すなどすれば、研修を受けるスタッフの理解度を高めていけるでしょう。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2024年3月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
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