
2023年11月10日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会において、かかりつけ医機能の評価に関する併算定についての議論がおこなわれました。その際、健康保険組合連合会理事によって、外来管理加算の廃止などが主張されたことが話題となりました。
廃止したほうがいいとする理由は、外来管理加算は対象疾患や診療科の条件もなく、「丁寧な問診や詳細な診察、懇切丁寧な説明」という曖昧な条件のみで、評価の妥当性に疑問が持たれること。この主張に対しては診療側が強く反発しているため、議論は終着していませんが、具体的にはどのような算定要件なのでしょうか? 詳しく解説していきます 。
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外来管理加算とは
外来管理加算の詳細については、「基本診療料」の「再診料」に関する注釈の8番目に記載されています。抜粋すると以下の通りです。
「注8:入院中の患者以外の患者に対して、慢性疼痛疾患管理並びに別に厚生労働大臣などが定める検査並びに第7部リハビリテーション、第8部精神科専門療法、第9部処置、第10部手術、第11部麻酔および第12部放射線治療をおこなわないものとして別に厚生労働大臣が定める計画的な医学管理をおこなった場合は、外来管理加算として、52点を所定点数に加算する」
参照:厚生労働省「基本初診料 第1部 初・再診料」3ページ目
わかりやすく書き直すと、以下の検査や処置などをおこなわず、病気について理解してもらうよう指導すると同時に、今後の治療方針などを伝えて計画的な医学管理をおこなった場合に算定するということになります。
外来管理加算の算定要件としてかつて存在した「5分ルール」とは?
上記の説明だけだと、「外来患者に対して、検査も処置もおこなわず、計画的な医学管理をおこなった場合には52点が加算される」としか読み取れません。では、なぜ健康保険組合連合会理事は、外来管理加算について「丁寧な問診や詳細な診察、懇切丁寧な説明」という曖昧な条件のみで評価の妥当性に疑問が持たれると主張したかというと、外来管理加算の算定に関して過去に条件づけられていた「5分ルール」とその廃止に関係しています。
「5分ルール」とはなにかというと、「5分以内に丁寧な問診と詳細な身体診察をおこない、その結果を踏まえて、患者に対して症状の再確認をおこないつつ、病状や療養上の注意点を懇切丁寧に説明するとともに、患者の療養上の疑問や不安を解消するための取り組みをおこなう 」というもので、このルールは2010年2月10日の中医協総会において 廃止されています。理由は、「時間が短すぎて、患者に向かって診察しているのではなく書き物に追われているだけになっている」「カルテ記載に時間がかかり、患者の待ち時間は増えるのに患者との対話の時間は短くなる一方」との声が相次いだためです 。
その結果、5分ルールは廃止が決定しましたが、別途、「懇切丁寧な説明に対する評価」を明確化する要件が追加されることとなり、52点の点数は据え置きとなったのです。
外来管理加算に関する注意点は?
つまり、現段階の外来管理加算の算定要件としては、先に解説した「注8」を満たしつつ、丁寧な問診と詳細な身体診察をおこない、その結果を踏まえて、患者に対して症状の再確認をおこないつつ、病状や療養上の注意点を懇切丁寧に説明するとともに、患者の療養上の疑問や不安を解消するための取り組みをおこなう」ということになります。
ただし、「処置」に関しては、基本診療料に含まれる処置であれば算定可能とされていますが、診療報酬がある処置に関しては、診察料に含まれると考えられるため、後者をおこなった場合は、外来管理加算は算定できないので注意が必要です。
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今後の動向にも注目しよう
前述の通り、過去に現場を混乱に陥れるルールが存在しただけでなく、現在も「廃止すべき」との声が根強い外来管理加算。現状としては、加算料52点は据え置きのままですが、今後も反対の声が強くなることなどが考えられるので、最新情報についてはこまめにチェックするようにしてくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2024年4月時点の情報を元に作成しています。