
看護師は常に身だしなみを整えておくことがとても大切です。だらしなさや品のなさを感じさせる見た目だと、クリニックの印象そのものを下げてしまいかねません。では、どのように身だしなみを整えておけば、患者やその家族からも好感を抱いてもらえるのでしょうか? 今回は、身だしなみのなかでも髪型に焦点を当てて解説していきます。
そもそも髪型に「ルール」ってある?
髪型や服装は、なんらかの会社や組織に属していない限り自由です。家族や恋人、もしくは親しい友人などに「もっとこうすれば」と言われたとしても、その意見に従わなければならないということはありません。しかし、なんらかの会社や組織に属しているなら、その会社や組織が提示する条件に従うことは不可欠です。「会社の規定は“可能な限り”守りましょう」とされているなら、必ずしも守る必要はありませんが、「うちで働く以上は守ってください」ということであるなら、そのルールに従う必要があります。仮に、そのルールに従うことができないと感じるなら、採用面接の際にそのことをきちんと伝えて、「それでもいいよ」と言われない限り、入職を断るべきです。
身だしなみの三原則とは?
続いては、看護師に限らず、社会人として人前に出るうえで大切とされている「身だしなみの三原則」からみていきます。
身だしなみの三原則は、一般的に、「清潔感」「機能性」「品位」とされています。
清潔感は「相手に不快感を与えないための配慮」として必要で、機能性は「仕事の内容やTPOへの配慮」、そして品位は、自分に合ったサイズや丈を選び、品よくみえる着こなしで、きちんとした人だと相手へ印象付けることです。
また、「品位」や「機能性」のかわりに「調和」をカウントするパターンもあり、調和に関しては「職場の雰囲気や相手への配慮」を意味します。
いずれにしても、清潔感があり、看護師の仕事をしやすく、一緒に働く人や患者からみて、きちんとした人にみえるよう身だしなみを整えることがとても大切です。もちろん、これは髪型に関しても言えることです。
看護師の髪型に関する基本的なルール
続いては、身だしなみの三原則を守った看護師の髪型はどういうものかを説明していきます。
清潔感がある
顔周りに髪の毛がかかっていたり、結んでいても毛先がパサパサだったりすると、不衛生だと思われて当然です。基本的に、型より長く結べる長さであるなら、きちんとまとめておくことが望ましいといえます。また、一見キレイにしているように見えても、整髪剤のニオイがきつかったり、整髪剤をつけすぎてベタベタだったりすると不衛生だと思われます。もちろん、寝坊してシャワーを浴びる時間がとれなかったために頭が臭いなどは論外です。
整髪剤のきついニオイや、お風呂に入っていないことが原因のニオイなどは、患者に不快感を与えるだけでなく、患者によっては、ニオイを嗅いで具合が悪くなってしまうことが考えられます。胃腸を壊して吐き気を催している患者などは特にそうでしょう。また、乱れた髪の怪我患者に触れることで感染のリスクが高まることも、清潔感を徹底すべき理由です。
仮眠後は必ず鏡をチェックしよう
また、男女ともに短髪の場合に気を付けたいのは寝ぐせです。朝の出勤時であれば寝ぐせがついたままということはほとんどないかもしれませんが、仮眠後は要注意! 短時間の仮眠だとしてもバッチリ寝ぐせがついてしまうことはあり得るので、働き始める前に鏡をチェックすることをお忘れなく。
動きやすい。邪魔にならない
患者をしっかりとサポートするためにも、髪の毛が邪魔にならず、機敏に動けるようにしておくことは大切です。たとえばヘアピンやクリップを使用するにしても、外れやすいものや、かがんだときなどにどこかに引っ掛かりそうなサイズや形のものは避けましょう。また、髪の長さがかなり長い人は、一本に結んでいるだけでは、機器に絡まることなどがあるので、おだんごにするなど工夫したほうがいいでしょう。
髪の色には決まりはある?
看護師の髪の色は、日本ヘアカラー協会が決めた4番~15番の12段階の色のうち、7番までを就業規則としている医療機関が多いようです。
各色に関しては以下のように定義されています。
ただし、髪の色に関するルールは職場によって異なります。また、生まれつき8番よりも明るい髪色だという人は、もちろん暗い色に染める必要はありません。万が一「生まれつきの色でも染めてほしい」と要求された場合、その医療機関では働かないほうが賢明です。
参照:日本ヘアカラー協会(Japan Hair Color Association)「JHCAのレベルスケールとは?」
インナーカラーやローライト、グラデーションカラーならおしゃれも楽しめる
髪の色のルールを守ることを窮屈に感じるなら、インナーカラーやローライト、グラデーションカラーを楽しむのはどうでしょう?
インナーカラー
インナーカラーは、髪の内側の一部のみ色を変える染め方です。結んだ状態だと隠れて見えないので、仕事するうえでは問題がありません。オフの日は、染めた部分が目立つヘアアレンジを楽しむといいでしょう。
ローライト
ベースカラーよりも明るい色身を取り込むハイライトとは異なり、ベースカラーよりも色を入れるローライトなら、髪色を明るくすることなく、立体感をプラスすることができます。
グラデーションカラー
髪が伸びることによって地毛の暗さが目立ってくるのを防ぐため、地毛より明るい色のグラデーションカラーを取り入れるという方法もありますが、根元から全体的にローライトを入れることで自然なグラデーションカラーに見せる方法もあります。
パーマをかける場合の注意点
髪の毛のボリュームが少ない、髪の毛がまとまりにくいなどの理由から、パーマをかけたいと考える人も多いでしょう。看護師がパーマをかけること自体は問題ありませんが、カラー同様、パーマに関するルールは職場によるため、まずは職場の規則を確認することが大切です。
また、パーマ剤によってはニオイや刺激が強いものがあるので、パーマをかける日時は考慮したほうがいいかもしれません。
髪型に関するルールで男女に違いはある?
看護師の髪型に関して、男性は短髪が望ましく、女性は長髪の場合は邪魔にならないようにまとめるのが理想だとする考え方もあります。しかし、男性でも長髪をキープしたい人もいますし、自分の性別がわからない人や決めたくない人もいるので、この理想にしばられる必要はありません。ただし、髪の長さがどうであれ、前述した「清潔感」や「機能性」を守ることは鉄則! 万が一、長さなどについて文句を言われたときも、「清潔感や動きやすさを保っているのになぜ問題があるのですか?」と言い返せるよう、身だしなみを整えておきましょう。
髪型のルールがゆるい診療科はある?
ヘアカラーを入れたりヘアアレンジを楽しんだりすることが大好きで、看護師として働きながらも好きな髪型を貫きたい思いが強いなら、美容クリニックで働くのも一手です。なぜかというと、美容クリニックは、他の診療科と比べて髪型の制限が甘い場合があるからです。
ただし、クリニックによっては他の診療科同様にルールが厳しい場合もあるので、事前によく確認することをおすすめします。また、髪型が自由だとしても、清潔感や機能性はしっかり守りましょう。
また、一般的なクリニックではありませんが、有料老人ホームで働く場合も、比較的自由にヘアアレンジを楽しめるケースが多いようです。美容クリニックの場合は、接する相手が「美を追求するお客」であり、有料老人ホームの場合は、「利用者」の高齢者であることから、一般的な医療機関とは考え方が異なると考えられます。
プライベートでおしゃれを楽しむのは自由
医療機関によってはヘアスタイルに関する規則が厳しいため、髪型や髪色で遊ぶのが好きな人にとっては大きなストレスとなることがあるかもしれません。しかし、仕事中はルールに則ったヘアスタイルにする必要があっても、プライベートは完全自由。好きな髪型を存分に楽しむことができます。「そうは言っても、その日だけ好きな髪色にするわけにもいかないし」と思うかもしれませんが、最近は、髪の毛を塗って色を変えられるポイントカラーなども販売されているので、興味がある人は試してみてもいいかもしれませんね
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2024年4月時点の情報を元に作成しています。