看護師が仕事を辞める理由は、病院・クリニックへの不満や人間関係などいくつか考えられますが、具体的にはどんなことがきっかけとなって辞める決意をしているのでしょうか? 『株式会社Donuts』が独自におこなったアンケート調査の回答を紹介していきます。
看護師専門転職サービス「CLIUS看護」
看護師専門転職サービス「CLIUS看護」は、電子カルテ「CLIUS」を手掛ける株式会社Donutsだからこそのネットワークを通じて、希望に応じた非公開求人をご紹介しています。「シフトに融通が欲しい」「給与はこれぐらいほしい」など、まずはお気軽にご希望をお聞かせください。
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人間関係
・「自分がコミュニケーション障害であり、そのうえ、仕事もできないので、周りから浮いてしまい、人間関係が悪くなります。私は特にお局に目をつけられがちです」
・「NICUの認定看護師を目指し、NICUに力を入れている病院に転職しました。希望通りNICUに配属されましたが、看護師中心の派閥があり、助産師というだけで冷たい目で見られました。他施設でNICU経験があったということも気に入らないようでした。初めての処置で質問しても答えてくれず、手順を見てやろうとすると飛んできて叱られる。挨拶をしても返してくれない、助産師の職能を活かそうと乳房ケアを(師長の許可を得て)やろうとすると、他のスタッフから、“できないことをやるな”と言われる……2年ほどいましたが、認定看護師を取りたいと希望するどころか、NICUそのものがイヤになっていました」
人間関係に悩まされることがあるのは、医療業界に限ったことではありませんが、チームプレイが大切な医療機関においては、人間関係が仕事に支障をきたすこともあります。そのため、職場の人間関係に問題があって、しかも改善が難しい状況であるなら、毎日気持ちよく働ける職場を求めて転職活動を視野に入れることを検討してもいいかもしれません。
ハラスメント
・「最初に総合病院で働き始めた頃には、まだ看護大学の数が少なく、総合病院で働く看護師のほとんどが看護学校卒業の看護師でした。看護大学では机上の勉強に重きを置いているため、看護学校卒業の看護師に比べて即戦力とは言えません。そのため、看護大学卒業だと、先輩看護師からも嫌味もたくさん言われました。当時の師長にも相談しましたが、見て見ぬ振りを通され、話しかけても曖昧に笑われて終わることが増えました。精神的にも辛く、また体調も崩してしまったため、退職して休養期間を取ることとなりました」
・「訪問看護ステーションで働いていた際に、看護師の人手が少ないこともあり、直属の上司1人が指導・教育担当となっていたのですが、毎朝、叱責等の精神的な威圧を受けていました。直属の上司以外のスタッフとは良好な人間関係を築けていましたが、報告や相談をするのはすべてその直属の上司のみであり、勤務にも支障をきたすほどだったため、約2年勤めましたが退職を決意しました」
・「今月退職予定のクリニックは院長のモラルハラスメントがあります。スタッフが起こしたインシデントとも言えないような軽微なミスも、執拗に何日も責める姿が多々見られます。休日日数は他院と比較して多い方ですが、それとは別に希望休を出しても理由によっては受理されなかったりします。有給も法定分消化させておらず、院長自身もそれを承知していますが、特に外部から指摘されないから良いのだそうです」
スタッフにとって働きやすい環境を守るべきクリニック側、もしくは上司などが人間関係に亀裂を生じさせているのがこのパターン。毎日のようにイヤな言葉を浴びせられたり、理不尽な状況に追いやられたりといったことが続けば、辞めたいと思われて当然です。最初は「こんなのはおかしい」と思っても、我慢し続けているうちに無感情になってしまうケースも多々あるものですが、看護学校時代の同窓生などとの会話を通して、「やはりうちは異常なのでは?」と客観的視点を持つことができたら、転職に向けて動き出すタイミングだと前向きにとらえましょう。
仕事内容
・「自分が希望した配属先とは明らかに違う病棟の配属先になったため。仲介業者に希望など伝えましたが、まったく違ったため転職しました」
・「地域医療・訪問看護の分野に行きたかったので、脳神経などの病棟への移動を希望していましたが、4年間希望が通ることはなくICUへ移動を示唆されました。そのため、地域医療・緩和ケアに特化した病院に転職しました」
看護師としてどんなふうに地域の役に立ちたいか、どんな医療に携わりたいかに関して明確なイメージがあるなら、その目的を叶えられる職場を選ぶことが大切です。「この職場では理想の仕事はできなそうだけど、経験を積むために一度働いてみてもいいかもしれない」という考え方もあるかもしれませんが、そのような気持ちで働き始めてすぐに辞表を出されるかもしれないクリニック側はたまったものではありません。そうした考えであることを面接時に正直に話して、お互い納得のうえで働き始めるのならまだしも、「できる限りここで働き続けたいです!」というでまかせで採用を狙うことは避けましょう。
過重労働
・「転職後、仕事内容には満足していましたが、連日3時間を超える残業と休日も出勤しなければならい状態にあったことで、私生活に支障をきたすようになってしまったため、再度、元の病院へ転職しました」
・「仕事が忙しく、毎日21時過ぎてからの帰宅は当たり前。残業代の出し渋りもあり、さらに休日も委員会や勉強会で潰れるような病院でした。そうなると働く看護師も疲労からか思いやりがなくなり、イライラした上司も増え、3年以内に辞める看護師も多く、私自身もこの環境では身体を壊すか心を病むと思い転職を決意しました」
・「面接時に子育てとの両立を図りたいことを伝え、早朝の勤務や夜勤はできないことを了承いただき入職しました。しかし、現場は人手不足で、早朝5時からの出勤もしなければならない空気。定時以降の交替勤務者もいないため、日付が変わる直前まで残業。入職2ヶ月も経たず夜勤の話もではじめました。体調を崩したため、休職するとともにわずか2ヶ月で転職を決意しました」
・「手術室配属で、休日のオンコールや時間外(手術が終わるまで帰れない)ことがたびたびあった。新人だったため、自己研鑽という名目にされて残業代がつかない残業もあり、体調を崩して退職しました」
・「勤務時間は8時始業で21時~22時頃まで。午前診と午後診の間は1時間強しかなく、スタッフの人数も最低限のため交代要員もなし。土曜日は午前診だけのはずだが、15時頃まで勤務で辛すぎて辞めました」
夜勤やオンコールを引き受けてくれる看護師がいなければ成り立たない医療機関は多いです。そのため、「夜勤もオンコールもできません」では、働ける職場が限られてきます。しかし反対に、「夜勤もオンコールもまったく問題ありません」では、無理がたたり、心身の健康を保てなく可能性が高いといえます。そのため、就職活動や転職活動をおこなうにあたっては、十分な休暇日数が設けられているかをしっかりとチェックすることが大切です。
給与が安い
・「基本給が安く、勤務時間の割に収入が低かった。残業は毎日あり、休憩もなかなか取ることができなかった」
・「小児科やICUなど特別病棟であり、月に7~8回夜勤があったのにそこまで給料がよくありませんでした。特別管理手当等もなく、一般病棟と同じ給料なのが不満で転職しました」
給与が安いと、働くモチベーションを保つことは難しいです。特に、エリア内の他の医療機関と比べて安い場合などは、給与面以外になんらかのメリットがなければ、やる気をキープしにくいといえます。給与面以外、たとえば仕事内容に魅力を感じているものの、給与の額が引っかかっている場合などは、面接の際に、昇給の可能性や賞与に関して質問することで、納得のいく条件で働けるかどうかを見極めることをおすすめします。
キャリアパスを考えて
・「働きながらも、別分野の専門学校に通いたかったため、正社員として働いていた病院を辞めて、派遣の看護師として働く道を選びました」
・「新人の時に整形外科の専門病院に入職し、勤務していたましたが、2年、3年と経過していくたびに、毎日が同じような仕事内容で、自分はこのままでいいのかと不安に思うようになりました。そして自分の看護技術や知識をもっと広く勉強したいと思い、違う診療科のある病院への転職を決意しました」
・「先輩方から、専門的知識をつけて認定看護師を目指したいという理解が得がたい雰囲気で、もっと知識を得たいと考えて転職をしました」
今の職場では身につかない知識やスキルを身に着けたいという願望があるなら、スキルアップが見込める転職先を探すのも一手ですが、そのほかには、働きながらスクールや大学院に通って学ぶという手段も考えられます。この方法は、お金を稼ぎながら学ぶことができるのが最大のメリット。先々のことを考えず仕事を辞めてしまうと、生活の質を落とさなければならなくなる可能性があるので注意が必要です。
クリニックへの不信感
・「試用期間中に子供が発熱した際、感染予防のため院長指示で数日間休みましたが、それは欠勤とみなされるとのことで社員への契約も延期となりました。また、それを通告されたのは試用期間最終日です。そのため、ここで働くのは難しいと判断し、退職を決意しました」
・「医師が、午前中は早くても13:30、酷いと15:00にいらっしゃいます。午後は早くて18:00、酷いときは19:00過ぎにいらっしゃります。その間、看護師は医師からLINEで指示を受けて点滴、採血、注射、簡単な処置をおこないます。医療行為が終わったあとは、先生がいらっしゃるまで待ってもらいますが、患者さんから催促があった際には、“先生は今処置中です。処置が長引いています。少々お待ちください”と言って待ってもらっていました(実際処置はしていません)」
・「エステもしているクリニックでしたが、看護師に対して、ガーゼを水だけで濡らして保湿パックと偽り患者さんに使えなどの指示がありました。待ち時間が長くなると想定される患者さんに対しては、時間稼ぎのための点滴が処方されるときがありました。エステの施術は看護師が入ることが多いのですが、研修や教育を受けてから入るのではなく、当日口頭説明のみで入ることがほとんど。ほぼ素人がエステ施術しているようなものでした」
・「カット綿をマスキン液10mlと精製水1本を混ぜたものに浸した消毒綿を使っていましたが、粉瘤切除後の創傷部などにも使っていることや、医療事務が作成していたことに不信感を抱きました。ゲンタシン軟膏がないときはアクアチム軟膏を代用してくださいとの指示がありましたが、患者さんにゲンタシン軟膏の処方を伝えているのに、診療報酬が正しく取られているのか疑問でした」
スタッフに対して不誠実なクリニックだけでなく、患者に対して不誠実なクリニックも、働き先としては望ましくありません。たとえ、不誠実な態度をとっているのが医師だとしても、周囲から見たら、見て見ぬふりをして働いているスタッフも同類です。また、クリニック関係者の言動によっては、行政やマスコミに内部告発される可能性もあるので、外部から後ろ指をさされるほどのクリニックで働いていたとなれば、その後の転職活動にも悪い影響が及びやすいでしょう。
その他
・「勤め先の病院は全国に同じ系列の病院が複数拠点していましたが、私の勤務していた病院の経営は悪化を辿るばかりで、先行きが不安で転職を決意しました」
・「結婚することになり茨城県から静岡県に引っ越すことになったため転職しました」
その他、倒産などを危惧して退職するという回答もありました。
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仕事を辞めることで、いい未来がひらけてくる可能性は高い!
「仕事を辞めたい」とだけ聞くとネガティブなことに思えるかもしれませんが、「辞めたい」と感じるからには理由がありますし、「辞めてどうするのか」の選択によっては、未来が大きくひらける可能性が高いです。「辞めるかどうか」に主眼を置かず、「辞めてどうするのか」をよく考えて、理想の未来を切り開いていってくださいね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2024年5月時点の情報を元に作成しています。