
看護師の仕事は、患者さんの命を守るという大きな責任を伴い、やりがいのある仕事です。しかしその一方で、多忙な労働環境やストレスフルな状況に直面することが少なくありません。
今回は、看護師の皆さんに「看護師を辞めたいと思った瞬間」についてアンケートを実施し、その結果をまとめました。それぞれの理由に寄せられた看護師のリアルな声も紹介します。
これを機に、看護師の労働環境について考えるきっかけとなれば幸いです。
約8割の看護師は「辞めたい」と思いながら働いている
「日本医療労働組合連合会」が実施した「2022年看護職員の労働実態調査」によると、「仕事を辞めたいと思ったことがあるか」という問いに対して、「いつも思う」と回答した看護師は24.0%、「ときどき思う」は55.2%、「思わない」は16.6%という結果が出ています。「いつも思う」と「ときどき思う」を合算すると、約8割の看護師が「辞めたい」と思いながら働いているということになります。
参照: 日本医療労働組合連合会 「看護師の入退職」に関する実態調査 記者会見資料
「看護師を辞めたい」と感じる瞬間(理由)とは?
同調査によると、「仕事を辞めたい主な理由は?」(3つまで選択OK)の質問に対しては、58.1%の看護師が「人手不足で仕事がきつい」、42.6%が「賃金が安い」、32.6%が「思うように休暇が取れない」、23.6%が「夜勤がつらい」、23.1%が「思うような看護ができず仕事の達成感がない」、20.1%が「職場の人間関係」、13.3%が「家族に負担をかける」と回答しています。
参照: 日本医療労働組合連合会 「看護師の入退職」に関する実態調査 記者会見資料
また、弊社(株式会社DONUTS)で実際の看護師を対象に行ったアンケートでは、以下のような結果が出ています。
患者の理不尽な態度
看護師は患者さんの健康を守るため、日々献身的に働いています。しかし、その努力が報われず、むしろ感謝とは反対の態度を取られることもあるようです。患者やその家族からの暴言や暴力、不合理な要求は、看護師にとって大きなストレスの原因となっています。
特に以下のような意見が寄せられました。
「患者さんが院内でタバコを吸っていて『強制退院です』と告げたら、その患者さんから怒られたとき。」(もも/30代後半)
「患者からの暴言暴力、セクハラを受けた時。」(くりーむぱんな/30代前半)
「助けても助けても、退院後すぐ暴飲暴食をして再入院する患者さんを目の前にした時。」(ゆーん/30代前半)
「一生懸命ケアをしているのに患者さんから暴言を吐かれたり家族からひどいことを言われた時。」(かつこ/50代前半)
ハラスメント
職場でのパワハラやいじめは、看護師のモチベーションを大きく下げる要因となります。また、育児などの事情を理解してもらえないこともハラスメントに含まれます。
看護師が安心して働ける環境作りは急務です。
以下のような体験談が寄せられています。
「昔からお局などに目がつけられやすく、パワハラや人格否定などを受けることが多いです。最近では子育て中で土日勤務が難しいことを伝えると『シッターを雇えばいい』などといった発言を前々職では受けました。」(フランボワーズ/30代後半)
「理不尽な事で怒られた時。チームワークなのでミスがあればすぐに犯人探しをして、自分ではない事を自分のせいにされたりした時。」(さくさく/30代後半)
拘束時間/休暇の少なさ・取りづらさ
3位には「拘束時間/休暇の少なさ・取りづらさ」がランクインしました。
看護師の仕事はシフト制で不規則な上、急な対応を求められることも少なくありません。休みたいときに休めない、プライベートを犠牲にせざるを得ない状況が多いようです。
具体的な意見としては、以下のようなものがありました。
「休憩もとれず、帰宅も遅い時。」(りち/20代後半)
「子の発熱で急な休みの連絡時にため息をつかれたとき。」(空丸/30代前半)
「有給希望を出しただけで師長に『プロとしての自覚がない』と言われた時。プライベートが充実しているからこそ仕事も頑張れる。」(りん/30代後半)
給与面の不満
命に関わる仕事をする責任の重さに対して、給与が見合っていないと感じる看護師が多いことが分かりました。看護師が安心して働けるよう、給与面の改善は大きな課題です。
以下のような声が寄せられました。
「毎月の給料明細を見る時。」(くりーむぱんな/30代前半)
「世間の時給は上がっているのに、命に関わる仕事の割には時給が安く、上がらない時。」(抹茶ぷりん/40代前半)
「仕事量は変わらないのに手当が減っていくという話を聞いた時。」(なる/20代後半)
「給料明細をもらったとき『結構頑張ってるのに、報われないよなぁ』と思ってしまいます。」(北のおっさんナース/40代後半)
その他:多忙、感染リスクなど
「多忙さ」や「感染リスク」も辞めたい理由として挙げられました。特に感染症の流行期や、業務過多による疲労感が強い時に辞めたくなるという声が多く寄せられています。
具体的な意見は以下の通りです。
「患者様のためを思って考え看護をしても、医師にそれは必要ないなど否定的に言われるともうやめてやろうかと思う気持ちになる。」(たた/30代後半)
「いろんな感染症が流行し、自分が罹患するのではないかというリスクがある時。」(みっき/40代前半)
「毎日毎日残業で、先輩からも怒られ、自分にはキャパオーバーだと感じたとき。」(ぽーみ/20代後半)
また、これらの回答のほかには、「医療ミスを犯すのが怖い」「理想と現実のギャップが大きかった(看護師に向いていないと感じる)」などが考えられます。
看護師が「辞めたい」と感じる理由は、立場や経験年数によっても異なる
看護師が「辞めたい」と感じる主な理由はここまでに説明した通りですが、立場や経験年数が変われば、これまでの悩みが自然と解決されたり、またはその逆に新たな悩みが浮上してきたりする場合があります。
経験年数1~3年の新人看護師
経験年数が浅い新人看護師のうちは、もっとも理想と現実のギャップに悩まされやすいでしょう。「看護師として人の役に立ちたい」と意気込んでいたはずが、仕事を覚えられずに毎日怒られているうちに、すっかり意気消沈してしまうことも考えられます。
また、多くの医療機関は、新卒1年目の看護師は先輩看護師がしっかりサポートしますが、サポートがなくなったときに、不安を覚えて「辞めたい」という気持ちが生まれることもあるでしょう。そのほか、初めて患者の死などを目の当たりにしたことで、「こんなに辛い気持ちになるとは思わなかった」とショックを受けて辞めたくなる場合もあるでしょう。
3年目以降の中堅看護師
看護師として独り立ちして、自分が新人をサポートする番になると、新人を指導することに対してのプレッシャーを強く感じる場合があります。担当している後輩がなかなか仕事を覚えることができなければ、自らの仕事に影響が出ることも考えられますし、後輩と上司の間で、双方の意見を聞いて全体をまとめていかなければならないこともあるでしょう。
また、3年目以降となり仕事がある程度できるようになると結婚を考える人も出てきますが、結婚・出産によって家庭での役割ができると、ワークライフバランスについての悩みが生じがちです。
10年目以降のベテラン看護師
経験年数が10年を超えるベテランになると、看護師主任などの役職がつく場合があります。しかし、転職を繰り返している場合は、経験年数は重ねているのに給料が高くないことに悩まされる可能性があります。
また、経験年数10年目を迎えてアラサー以降になると、徐々に体力が落ちてくることから、夜勤がつらくなる場合もあるでしょう。
看護師を辞めたいと感じた時にできること/理由別の対策
続いては、看護師が仕事を辞めたいと感じる場合にとれる対策を、仕事を辞めたい理由別に解説していきます。
人手不足で仕事がきつい
人手不足で仕事がきつい場合の対処法はいくつか考えられます。
転職する
まず考えられる対処法が転職することです。勤め先の看護師数があまりにも少なく、しかも状況が改善される見込みがないなら、転職しない限り悩みが解消される可能性は低いといえます。ただし、医療現場は全国的に人手が不足しているため、勤務体系などが似ている職場を選べば、せっかく転職しても仕事のきつさが変わらないことがあり得ます。
なお、アンケート回答者からは、「仕事が辛く転職したいと考えたものの、スキルも学歴もないため、他職種だと稼げないことから我慢していましたが、看護師としての採用で、売り上げ分析やマニュアル作成などのパソコン作業メインで働ける職場に出逢ったことで無理なく仕事を続けられるようになりました」などの声も上がっています。このように、看護師のスキルを活かしながら、今とは異なる働き方ができる職場を探すのも一手です。
スタッフ数を増やしてもらうよう職場に掛け合う
スタッフ数が1人でも増えれば仕事のきつさが緩和されるようであれば、まずは院長にスタッフ数増加を掛け合ってみるのも一手です。
ただし、スタッフの離職によって一時的に人手不足で仕事が忙しくなっている場合などは、新たなスタッフが見つかるまでの間はどうにもならない可能性もあります。
スタッフと協力し合って院内の業務効率向上を目指す
今すぐにでもできる対策が、スタッフと協力しあって院内の業務効率向上を目指すことです。医療の仕事においてはチームワークが大切なので、自分1人だけ仕事を効率化することはできません。
というより、もしも自分の仕事をスピーディにこなしたとしても、早く終われたぶん他のスタッフの仕事を任せられることになるので、却って損をしたと感じることがあるかもしれません。
そうした事態を避けるためにも、みんなで協力し合って仕事の回し方を改良していくことが望ましいといえるでしょう。
賃金が安い
賃金が安くて辞めたいと感じる場合の対処法もいくつか考えられます。
転職する
まず考えられるのは、人手不足の場合同様、条件のいい職場に転職することです。ただし、金銭面を重視して転職した結果、「忙しすぎてプライベートの時間がまったく持てない」などの悩みが生じる可能性があるので、働く条件に付いてしっかり見極めることが大切です。
資格を取る
認定看護師や専門看護師をはじめとする資格を取得すると、資格手当の対象となって給与額がUPする可能性があります。また、転職するにしても、よりいい条件での転職が叶いやすいといえるでしょう。
資格の種類はそのほか、
- 助産師
- 保健師
- 認定看護管理者
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 栄養サポートチーム専門療法士
- BLSヘルスケプロバイダー(心肺蘇生法やAEDでの除細動などが身に着)
- ACLSプロバイダー(心停止の原因判別や薬物投与などのスキルが身に着く)
- 終末期ケア専門士
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
- 認知症ケア専門士
- 認知症介助士
- 福祉住環境コーディネーター
- シニアピアカウンセラー
などが挙げられます。
副業する
今の職場で働くことは嫌いではないけど、給料が十分ではないことがつらいという場合は、週末などに副業で稼ぐことを考えてもいいかもしれません。イベントナースなど、土日のニーズが高いアルバイトもあるので、まずはどんな仕事があるのかを確認してみましょう。
ただし、職場が副業を禁止している場合にはこの選択肢はとれないので、まずは勤務先の副業に関する条件を確認することが先決です。
思うように休暇が取れない・家族に負担をかける
思うように休暇が取れないことで、「理想の人生を送れない」「家族にも迷惑をかけている」という悩みが大きいなら、転職を考えることが望ましいといえるでしょう。
アンケート回答者からも、「子どもの月齢が6か月未満のころ、欠勤が多いことから周りのスタッフに無視されるようになり、辞めたいという気持ちを抑えきれず退職した」などの声が上がっています。
また、子育て同様、介護との両立で悩んでいるケースもありますが、いずれにしても、「家族との時間を大事にしたい」と「子育て・介護にお金がかかるから働かざるを得ない」という気持ちが拮抗して一筋縄ではいきにくいかもしれません。
条件を満たす理想の職場はなかなか見つからない可能性もありますが、なかには、託児所付きの医療機関などもあるので、転職エージェントなどに希望を伝えておくといいでしょう。
なお、介護に関しては、一定の条件を満たせば、年間約10万円の「家族介護慰労金」を住んでいる自治体から受け取ることができます。
夜勤がつらい
夜勤がつらい場合は、夜勤がない職場への転職が一番です。無床のクリニックはもちろん、訪問看護ステーションなどで働くこともおすすめです。
また、保育園や献血センターなども同様に夜勤がありませんが、病院勤務の場合と比べると仕事内容が大きく変わってくるため、自分に向いているかどうかを見極めることも大切です。
思うような看護ができず仕事の達成感がない
「看護師としてもっと多くの人の役に立ちたい」「今までやったことのないことにも挑戦していきたい」という思いが強いなら、キャリアアップを目指して転職したり、資格を取得したりする選択肢をとることによって悩みを解消できると考えられます。
職場の人間関係
職場の人間関係が辛くて「辞めたい」と感じるときの対策方法もいくつか考えられます。
上司や院長などに相談する。場合によっては労働監督基準書に相談する
医療機関に限らず、職場の人間関係に悩んで転職する人は多いとされます。しかし、転職先でも人間関係に悩まされることになる可能性もゼロではないので、まずは現状の改善に取り組んでみてもいいかもしれません。
たとえば、院長との1on1など相談できる機会があるなら相談を持ち掛けるのも一手でしょう。アンケート回答者からは、「体調不良をアピールして楽な事務作業しかしない同期が、定時で帰らせてもらう姿を見て真面目に働く気が失せた」などの声が上がっていますが、こうした場合も、まずは上司や院長に相談してみることが得策です。
ただし、院長のパワハラなどに関しては解決の糸口が見つかりにくいことも考えられます。労働基準監督署などに相談するという選択肢はありますが、解決までに時間がかかったり、職場にいづらくなったりというデメリットは考えられます。
異動させてもらう
また、複数の診療科がある病院に勤務している場合は、他の診療科への異動願を出すことで、人間関係の悩みを解消できる場合があります。
アンケート回答者からは、「多忙すぎて患者に丁寧に対応できなくなり、辞めたいと思ったが、別の部署で新たな仕事に触れたことで、看護の楽しさを知ることができた」など、部署異動をきっかけに活き活きと働けるようになったという声も上がっています。
気晴らしする
ギスギスした雰囲気のなか仕事するのはストレスが溜まることですが、「生活費を稼ぐため」などと割り切って働いて、プライベートの時間には楽しいことをしてストレスを発散するようにすれば、だんだんと辛さが緩和してくることもあります。
アンケート回答者からも、「わざと患者の前で怒鳴る先輩がいて、辞めることばかり考えていましたが、その先輩以外も含めた数人で寮で暮らしていて、他の先輩はとてもやさしく接してくれて飲み会やカラオケにも誘ってくれていたことから、辛い気持ちを発散しながら働き続けることができました」などの声が上がっています。
また、「職場でのいじめが原因で心が弱っていたとき、軽い気持ちで見に行った箱根駅伝の選手と話す機会を得たところ、“応援ありがとうございます、がんばります”と答えてくれて、自分もがんばろうと勇気をもらえた」など、プライベートでの出来事をきっかけに前向きにがんばれるケースもあるようです。
転職する
状況改善や部署異動、プライベートを楽しむことなどが難しく、転職を考えることが最善の策となることもあるでしょう。
医療ミスを犯すのが怖い
医療ミスを犯すのが怖くて、看護師として働き続けることにネガティブな感情を抱いているなら、考えられる解決方法は以下の3つです。
スキルアップを目指す
まず考えられるのは、知識やスキルを磨いて自分に自信を持つことです。看護師向けのオンラインセミナーを受けるのも一手ですし、先輩ナースに相談して指導してもらうのもいいでしょう。
ちなみに、アンケート回答者のなかには、実際にインシデントを起こしてしまったことで、自分は看護師に向いていない。
もう辞めたいと感じたという人もいましたが、「周りのスタッフから、“起こしてしまったことを振り返るより、今後起こさないように何ができるかを一緒に考えよう”と励ましてもらったことで続ける覚悟を決められました」との声も。
このケースも、「二度と同じことを起こさないためにスキルアップを目指した」ということになるでしょう。
重大な医療ミスが起きにくい職場を選ぶ
患者が予測不能な事態に陥ったときに対処することや、手術に立ち会うことなどに恐怖感を覚えているなら、重大な医療ミスが起きにくい職場を選ぶのも一手です。つまり、重症患者や末期の患者などの看護を任される可能性がほとんどない医療機関を選ぶということです。
注射や点滴などの医療行為さえ慣れることができずにいるなら、精神科などを選ぶのもいいかもしれません。
看護師を辞める
医療ミスへのプレッシャーがあまりにも大きい場合は、他の職種を選んだほうが生きやすさを感じられるかもしれません。
理想と現実のギャップが大きかった(看護師に向いていないと感じる)
看護師が向いていないと感じる場合、以下の3つの対策が考えられます。
(看護師になって日が浅いなら)期限を決めてそこまではがんばってみる
新人のうちは怒られることも多いことから、「自分にはこの仕事は向いていない」と落ち込みがちです。しかし、それでも続けた結果、「続けていてよかった」と思う未来が訪れることは多いものです。そのため、まずは期限を決めてそこまではなんとしてでもがんばってみることを検討したいものです。
アンケート回答者からも、「新卒で入社した総合病院で、患者の死を目の当たりにすることが多く、悲しくて辞めたくなった。そのときに先輩から、“〇〇さんに最期をみとってほしいからそのタイミングになるんだよ”と励ましてもらい、なんとか乗り越えられた」などの、“辛い時期を乗り越えて今がある”報告がいくつも上がっています。
職場や診療科を変えてみる
職場や診療科を変えたことによって仕事内容が大きく変わると、それまでとは一転して、仕事が楽しくなる可能性は高いです。
たとえば、大病院で働いていて、毎日さまざまな人と関わりながら働くことにストレスを感じているなら、小規模なクリニックに移ることで落ち着いて働けるかもしれません。
また、ケガや病気の治療に携わること自体好きではないことから気分がのらないなら、美容皮膚科などなら楽しく働ける可能性があります。
異業種に転職する
職場や診療科を変えても、「自分は看護師には向いていない」という気持ちが消えないなら、異業種への転職を視野に入れるといいでしょう。ただし、そもそも天職に出逢える確率は極めて低いとされているため、異業種に転職したからといって現状より満足できるとは限りません。
決断する前に、「辞めるデメリット」を考えてみることも大切
仕事を辞めたいという気持ちが高まると、後先考えずに辞めてしまうこともあり得ますが、後々、辞めたことを悔やむことのないよう、「辞めるメリット」「辞めるデメリット」を洗い出して、「こんなデメリットがあるけど、それでも辞めたいのか?」を自分自身でしっかり確認することが大切です。
代表的なデメリットとしては以下が考えられます。
給料が下がる
夜勤に対応していた場合などは特に、手当がつかない職場や異業種に転職した場合、給料が下がる可能性が高いといえるでしょう。また、辞めることを何度も繰り返した場合、つまり転職を重ねた場合、役職がつきにくいことから、同世代と比べて給料の額が低くなる可能性があります。
辞め癖がつく
「職場が合わないときは辞めて転職先を探せばいい」というスタンスでいると、辞め癖がつくことがあります。そうなると、最終的には、些細なことでも我慢できなくなり、すぐに次の職場を探すようになり、転職回数の多さから、条件のよい職場に採用されにくくなります。
奨学金の返済を求められる場合がある
一定期間、特定の病院で働く契約をすることによって、奨学金の辺所を免除してもらえる「お礼奉公制度」を利用している看護師は一定数います。
「一定期間」がどれくらいであるかは勤め先などにもよって異なりますが、たとえば、借りた期間が3年間なら、3年間の労働によって返済免除などとなります。
しかし、たとえばこの条件で制度を利用していたとして、3年経たないうちに職場を辞めたとなると、残っている返済額を一括で請求されることになるので注意が必要です。
(次の仕事先が決まっていない場合)精神的に追い詰められる
辞めたい気持ちが強すぎて、「とりあえず辞めてから次どうするか考えよう」と退職してしまったものの、すぐに次の職場が決まるとは限りません。
転職活動に時間がかかるとそれだけ焦る気持ちも大きくなるので、どうしても辞めたい場合でも、計画的に物事を進めていくことが望ましいといえます。
働き続けた結果、「あのとき辞めなくてよかったな」と思えることも多い
現状を変えるために離職や転職を検討することは間違いではありませんし、新たな職場に移ったことで、ようやく自分らしく働けるようになったという人も多いでしょう。
しかし、逆もまた然りで、「あのとき突っ走って辞めることなくがんばり続けたからこそ大きく成長できた」「つらい時期を乗り越えたからこそ今がある」と思えるようになる日が訪れるケースもあります。
自分の場合はどちらに該当するのかは簡単にはわかりませんし、時間が経たなければ結果がみえてこない場合もあります。しかしだからこそ、後悔のないよう、それぞれの選択肢をとった場合の未来をよくイメージして、自分で選択することがとても大切です。
また、万が一、「辞めなければよかった」と後悔することになった場合、復職の道を選ぶこともできるので、重たい気持ちを抱えたまま我慢し続ける必要はありませんよ。
この記事は、2024年11月時点の情報を元に作成しています。