治験コーディネーターになるには|看護師の副業でも可能?

現在、看護師として働いているものの、看護師以外の仕事をしてみたいと転職を考えている人、副業として看護師以外の仕事にチャレンジしたい人のなかには、治験コーディネーターに興味を持ったことがある人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、治験コーディネーターとはどのような職業なのか、どんなふうに活躍できるのかなどを詳しく解説していきます。

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目次
  1. 治験コーディネーターとは
    1. 治験コーディネーターの仕事内容
  2. 治験コーディネーター(CRC)と臨床開発モニター(CRA)の違い
  3. 治験コーディネーターには資格が必要?
  4. 治験コーディネーターの活躍の場所は?
  5. 治験コーディネーターの1日のスケジュールは?
  6. 治験コーディネーターの年間休日数は?
  7. 治験コーディネーターの残業時間は?
  8. 治験コーディネーターの年収は?
  9. 治験コーディネーターとして働くメリット
    1. 夜勤がない
    2. ワークライフバランスがとりやすい
    3. 医療ミスのプレッシャーから解放される
    4. 新薬開発のプロセスに携われるためやりがいが大きい
    5. 体力的負担が軽減される
  10. 治験コーディネーターに向いている人の特徴とは?
    1. コミュニケーション能力が高い
    2. 事務作業やスケジュール管理が得意
    3. 医療分野の知識を活かしたい
    4. 人をサポートすることが好き
  11. 看護師から治験コーディネーターに転職する場合の注意点
  12. 治験コーディネーターの仕事は副業でもできる?
  13. 看護師が治験コーディネーターを目指すなら

治験コーディネーターとは

治験コーディネーターとは、「治験」(製薬会社などが開発した新規有効成分を使った医薬品が、人の身体に有効で安全であること立証して、承認申請するための臨床試験)において、医療機関と製薬会社、治験参加者の間に入って臨床研究の進行をサポートする人を指します。

英語表記の「Clinical Research Coordinator」の頭文字をとって「CRC」と呼ばれることもあります。

治験コーディネーターの仕事内容

治験コーディネーターは、治験が円滑に行われるよう、準備および調整、運営支援を行うのが仕事です。

具体的には、ひとつの治験ごとに次のような流れで業務を進めていきます。

  1. 治験の実施計画書(プロトコル)を読んで、製薬会社が開催する、医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師、治験事務局を対象とした説明会に参加します。
  1. 製薬会社から医薬品や検査キットを受け取り、治験参加者の来院に向けて準備を進めます。
  1. 治験の実施計画書に基づいて、治験参加者(被験者)の募集およびスクリーニングを実施します。
  1. 治験参加者に渡す治験の説明書や同意書を作成します。また、医師が治験参加者に治験について説明する際には同席します。
  1. 医師と治験参加者が決めた治験実施日時、投薬や検査の日時などをもとに予定表を作成します。
  1. 診察に同席して、服薬状況、有害事象などを記録します。それらを元に、製薬会社に報告する症例報告書を作成します。有害事象が生じている場合は、その経緯や、関係すると考えられる情報から報告書を作成して、製薬会社および治験実施医療機関に提出します。
  1. 治験終了後には、治験終了の報告書を作成して、製薬会社および治験実施医療機関に提出します。

参照: 厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「治験コーディネーター」

治験コーディネーター(CRC)と臨床開発モニター(CRA)の違い

治験コーディネーター(CRC)と混同されがちな職業に臨床開発モニター(CRA)があります。

治験コーディネーターは前述の通り、治験において、医療機関と製薬会社、治験参加者の間に入って臨床研究の進行をサポートするのが仕事ですが、臨床開発モニターは、新薬開発における治験の計画と準備、治験実施中のモニタリングおよび症例報告などの業務を、製薬会社の立場で行います。

なお、CRCとCRAを比較すると平均年収はCRAのほうが高いことなどから、CRCとしてのキャリアを経て、CRAへの転職を目指す人もいます。

治験コーディネーターには資格が必要?

治験コーディネーターなるために必要な資格はありません。ただし、治験を進めていく過程で、医療従事者やCRA、患者と接することもあります。

そのため、臨床現場で働いた経験があれば安心して仕事を任せられるといった点で看護師や薬剤師、臨床検査技師などの医療系の資格保持者は優遇される傾向にあります。

なお、『日本SMO協会』が認定する「JASMO公認CRC試験」をはじめとするCRCの認定を受けたり、公認試験に合格したりすれば、治験コーディネーターとして働くために必要な知識を有していることを証明しやすくなります。

参照: JASMO「CRCとして働くには」

治験コーディネーターの活躍の場所は?

治験コーディネーターの働き方は主に以下の2パターンにわけられます。

  • 治験施設支援機関(SMO:Site Management Organization)に所属して医療機関に派遣される
  • 大学病院や研究センターなどの医療機関に所属する(院内治験コーディネーター)

後者に関しては、もともと医療機関で薬剤師や看護師、臨床検査技師などとして働いていた人が、部署異動によってコーディネーターとして働き始めるのが基本で、求人が外部に出ることはほとんどありません。

そのため、自院の部署異動で院内治験コーディネーターになれる可能性がなく、治験コーディネーターを目指したいとなると、治験施設支援機関に転職するか、もしくは院内治療コーディネーターとして働ける可能性がある医療機関に転職ということになります。

なお、前述の『日本SMO協会』が公表している「日本SMO協会データ2023(2024年4月に実施)」によると、同社の治験コーディネーター2,891人のうち、31.8%にあたる917人は看護師資格保持者とされています。

参照: 日本SMO協会データ2023「CRC資格別割合」

治験コーディネーターの1日のスケジュールは?

治験コーディネーターの仕事はルーティン仕事ではありません。一つひとつの治験の進行に合わせて仕事することになるため、新しい治験の準備に時間をとられる日もあれば、治験参加者の対応に追われる日もあります。

また、治験施設支援機関に所属している治験コーディネーターの場合、複数の医療機関の治験を担当することもあるため、午前中はA病院、午後はB病院に出向くという日もあるでしょう。

1日のスケジュールもその日によりけりですが、スケジュール例としては以下の通りです。

【治験コーディネーターの1日のスケジュール例】

8時30分:担当する医療機関に出社

9時:治験参加候補者を検査室に案内する

10時:検査結果を待って候補者とともに診察に同行

10時30分:診察修了後の候補者に体調などを確認する

11時:症例報告書を作成

12時:昼休憩

13時:SDV(治験の評価において重要な記録や報告を、医療機関が保存するカルテなどの原資料を直接閲覧して照合・確認する)

14時:カルテスクリーニングによって治験参加者を選定する

16時30分:SDV終了

17時:治験施設支援機関に戻って翌日の準備をする

18時:退社

治験コーディネーターの年間休日数は?

治験コーディネーターの年間休日は、一般的な民間企業とほぼ同等の120日前後とされています。

治験施設支援機関に所属している場合、土日祝日休みのケースが多いため、ワークライフバランスがとりやすいでしょう。ただし、透析を実施している医療機関などの担当となった場合、土日祝日も稼働している施設が多いため、出勤が必要となる可能性があります。

治験コーディネーターの残業時間は?

治験コーディネーターの残業時間は月に20時間程度とされています。ただし、複数の案件を担当している期間などは、長時間の残業が必要となることもあります。

治験コーディネーターの年収は?

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」によると、治験コーディネーターの年収は全国平均で459.3万円とされています。また、1時間あたりの賃金に換算すると、残業代、賞与を含む一般労働者の賃金は2,251円、残業代、賞与を含まない短時間労総者の賃金は1,645円です。

また、令和5年度のハローワークの求人統計データでは、月給の全国平均は24.1万円、有効求人倍率は2.02倍という数字が出ています。

参照: 厚生労働省 職業情報提供サイト『 job tag』治験コーディネーター

治験コーディネーターとして働くメリット

続いては、治験コーディネーターとして働くメリットをみていきましょう。治験コーディネーターになる主なメリットとしては次のことが考えられます。

  • 夜勤がない
  • ワークライフバランスがとりやすい
  • 医療ミスのプレッシャーから解放される
  • 新薬開発のプロセスに携われるためやりがいが大きい
  • 体力的負担が軽減される

それぞれ詳しくみていきましょう。

夜勤がない

治験コーディネーターの仕事には夜勤がありません。そのため、昼夜逆転の生活を送る必要がなくなるので、肉体的な負担が軽くなります。

ワークライフバランスがとりやすい

前述の通り、治験コーディネーターは土日祝日が休みである場合が多いため、ワークライフバランスがとりやすくなります。また、一般企業に勤める人と同じ日に休めることになれば、プライベートの時間が充実しやすいでしょう。

医療ミスのプレッシャーから解放される

治験コーディネーターは医療行為を行うことがないため、医療従事者の多くに付きまとう「医療ミスを犯してしまうプレッシャー」からも解放されます。

新薬開発のプロセスに携われるためやりがいが大きい

治験終了後、臨床研究された成分が必ずしも新薬に採用されるとは限りませんが、採用された場合、新薬開発のプロセスの一部を担ったということになります。

また、採用されない場合も、多くの患者の命を救えるかもしれない重要な臨床研究に携わっているわけですから、やりがいが大きいといえるでしょう。

体力的負担が軽減される

治験コーディネーターの仕事では、患者の身体を支えるなどの体力が必要な場面がほとんどありません。そのため、力仕事が苦手な人にとっては働きやすくなるといえるでしょう。

治験コーディネーターに向いている人の特徴とは?

続いては、治験コーディネーターに向いている人の特徴を確認していきます。現在、看護師として働いていて、治験コーディネーターに転職するか迷っている人は、自分が次の特徴に当てはまるかどうかを考えてみましょう。

  • コミュニケーション能力が高い
  • 事務作業やスケジュール管理が得意
  • 医療分野の知識を活かしたい
  • 人をサポートすることが好き

それぞれ詳しくみていきましょう。

コミュニケーション能力が高い

治験コーディネーターの仕事をするにあたっては、医師、治験参加者、製薬会社の担当者などさまざまな人との連携が不可欠です。

医師や製薬会社とのやりとりにおいては、治験の進捗などをスピーディかつわかりやすく伝えることが求められますし、治験参加者とのやりとりにおいては、相手の不安な気持ちを和らげるケアも重要です。

事務作業やスケジュール管理が得意

治験コーディネーターの仕事は事務作業が多く、特に、計画通り遅延を進めるためのスケジュール管理に関しては高い能力が求められます。スピードも正確さも求められるため、細かい管理業務でもきっちりこなせる人が向いています。

医療分野の知識を活かしたい

医療知識を活かしながら資料を作成したり、説明会に参加して新たな情報を吸収したりすることの多い治験コーディネーターの仕事にやりがいを感じられるかもしれません。

人をサポートすることが好き

治験コーディネーターの仕事は、いわば「治験を円滑に進めるためのサポート」です。サポートという意味では、医師の診察補助を行う看護師と共通していますが、新薬開発によって将来的にも人の役に立てる可能性があることなどを考えると、より大きなやりがいを実感できる場合もあるでしょう

看護師から治験コーディネーターに転職する場合の注意点

看護師が治験コーディネーターとして働くことを希望している場合、前述の通り、自院の部署異動で院内治験コーディネーターになるか、もしくは治験施設支援機関および院内治験コーディネーターとして働ける可能性がある医療機関に転職するというステップを踏むことになります。

転職活動する場合は、単純に「治験コーディネーターの仕事がしたい」というスタンスで臨むより、看護師として経験がある領域や、治験コーディネーターとして携わりたい領域について明確にしておくことが望ましいといえます。

たとえば、がん(オンコロジー)、脳外科・神経内科、婦人科、皮膚科などさまざまな領域で、日々、治験が実施されていますが、一部の領域に関しては、積極的に実施している医療機関が限られるため、仕事へのやりがいを追求するためにも、事前によく下調べすることが大切です。

治験コーディネーターの仕事は副業でもできる?

結論からお伝えすると、副業としては難しいようです。

治験コーディネーターの多くは正社員として働いています。なかには、治験コーディネーターの経験が浅いことから、契約社員やアルバイトという雇用形態で治験コーディネーターの仕事に携わっている人もいますが、そう多くはないようです。

契約社員やアルバイトであれば、「副業で治験コーディネーターの仕事をしてみたい」というニーズに合う場合もあるかもしれませんが、「週に1、2回のみ治験コーディネーターとして仕事したい」などの希望であれば、そもそもそうした募集があまりないと考えられます。

また、反対に、「治験コーディネーターとして働きながら週末に看護師として副業が可能か?」については、就業先の規則次第ということになりますが、平日の稼働時間が短いわけではなく、場合によっては休日にパソコンのスキル磨きなどのためにも時間を捻出すべきなので、現実的には難しいかもしれません。

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看護師が治験コーディネーターを目指すなら

看護師が治験コーディネーターを目指すにあたっては、前述のメリット、デメリットを考えながら、どういうふうにキャリアを歩んでいきたいかもしっかり考えることが大切です。

先に述べた通り、治験コーディネーターとして働いた年数が長くなるほど、再び臨床の現場に戻ることは難しくなる一方、治験コーディネーターを経て臨床開発モニターになれば年収アップを実現できる可能性もあります。

キャリアのルートがさまざまにあるなかで、より自分らしい選択ができるよう、じっくりと時間をかけて考えてみてくださいね。

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執筆 CLIUS(クリアス )

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