【2025年最新版】認定看護師 B課程(新課程)全19分野の種類と役割を徹底解説!資格取得からキャリアパスまで

キャリアアップや年収アップのために資格を取得したいと考えたことのある看護師は、「認定看護師」についても調べたこともあるのでは? しかし、認定看護師と一口にいっても種類が多いため、結局のところどのような資格であるのか把握できていないという人もいるかもしれません。そこで今回は、認定看護師について詳しく解説していきます。

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目次
  1. 認定看護師とは?
    1. 認定看護師の役割は?
      1. 実践
      2. 指導
      3. 相談
    2. 認定看護師の資格とは?
    3. 認定看護師の総数は?
  2. 認定看護師の資格を取得するメリット、デメリットは?
    1. 認定看護師の資格を取得するメリット
      1. 給与アップが見込める
      2. キャリアアップが期待できる
      3. 周囲からの信頼が増す
      4. 転職で有利に働く場合がある
      5. 夜勤を減らせる可能性がある
    2. 認定看護師の資格を取得するデメリット
    3. 資格取得に時間がかかる
    4. 資格取得にお金がかかる
    5. 必ずしも給与アップにつながるとは限らない
  3. 認定看護師の2種類の教育課程、A課程・B課程とは?  現在の主流は特定行為研修を含むB課程
    1. A課程・B課程の分野は?
    2. A課程からB課程への再編成による分野統合または分野名変更の理由は?
    3. A課程・B課程のカリキュラム内容・時間数の違いは?
      1. A課程からB課程への移行手続きは?
  4. B課程の認定看護分野に必要な知識と技術は?
  5. B課程に組み込まれた特定行為研修とは?
  6. 認定看護師の認定審査合格率は?
  7. 認定看護師に関するFAQ
    1. Q. 認定看護師を養成する教育機関の選び方のポイントは?
    2. Q. 認定看護師の資格更新に必要な条件は?
      1. 自己研鑽実績とは?
    3. Q. 認定看護師と専門看護師の違いは?
  8. 認定看護師の資格取得は計画的に進めるのが吉

認定看護師とは?

認定看護師とは、特定の看護分野において熟練した看護技術および知識を有している、看護現場のスペシャリストです。

認定看護師の役割は?

認定看護師は、「実践」「指導」「相談」の3つの役割を担っています。「実践」とは、個人や集団に対して、高い臨床推進力と病態判断力に基づいて、高い水準の看護を提供することを指します。「指導」とは、看護の実践を通して、他の看護職に対して指導をおこなうことを指します。「相談」とは、看護職などの仕事上の相談に乗り、専門性の高いアドバイスをおこなうことを意味します。

たとえば、次のような活動がこれらに当てはまります。

実践

緩和ケア認定看護師であれば、がん患者の痛みを専門的な知識でアセスメントして、医師と連携しながら最適な疼痛コントロールをおこない、患者の苦痛を和らげることなどが挙げられます。

指導

感染管理認定看護師であれば、院内のスタッフに向けて最新のガイドラインに基づいた手指衛生や感染対策の研修をおこない、病院全体の感染対策レベル向上に貢献することなどが挙げられます。

相談

認知症看護認定看護師であれば、認知症患者のケアに悩む他の看護師からの相談を受けて、具体的な対応方法やコミュニケーションの工夫についてアドバイスをおこなうことなどが挙げられます。

認定看護師の資格とは?

認定看護師の資格は、看護師として5年以上の実戦経験を有していて、『日本看護協会』が定める600時間以上の認定看護師教育を修めて、かつ認定看護師認定審査に合格することによって取得できます。認定審査に合格すれば、認定看護師として活動することができますが、資格は5年ごとに更新する必要があります。

参照:日本看護協会「認定看護師ってどんな看護師?」

認定看護師の総数は?

認定看護師の資格にはA課程とB課程があり(詳しくは後述します)、2024年12月末時点でのA課程での認定看護師登録者数は19,736人、B課程での認定看護師登録者数は5,238人です。

参照:認定看護師【A課程】都道府県別登録者数(日本地図版)2024年12月現在

参照:認定看護師【B課程】都道府県別登録者数(日本地図版)2024年12月現在

認定看護師の資格を取得するメリット、デメリットは?

続いては、認定看護師の資格を取得するメリット、デメリットを確認していきましょう。

認定看護師の資格を取得するメリット

まず、メリットとしては次のようなことが考えられます。

  • 給与アップが見込める
  • キャリアアップが期待できる
  • 周囲からの信頼が増す
  • 転職で有利に働く場合がある
  • 夜勤を減らせる可能性がある

それぞれ詳しくみていきましょう。

給与アップが見込める

認定看護師の資格を取得すると、資格手当が支給される可能性があります。ただし、資格手当の支給は法律で義務付けられているわけではないので、すべての医療機関で資格手当が発生するわけではありません。『日本看護協会』が公表している「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書によると、認定看護師の資格を有している看護師に対して資格手当を支給している職場は、全体の41.2%という結果が出ています。そのため、必ずしも給料アップにつながるというわけではありませんが、資格手当を支給している職場を選べば、今よりも高い給与を得られる可能性は高いといえるでしょう。

参照:公益社団法人『日本看護協会』労働政策部「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書

キャリアアップが期待できる

認定看護師の資格を保有していることによって昇進する可能性があるだけでなく、前半で述べた通り、認定看護師には「実践」「指導」「相談」の3つの役割があるため、指導・相談を通して後輩の育成に関わることでキャリアアップにつながる可能性もあります。

周囲からの信頼が増す

認定看護師として活動すると周囲からの信頼を得やすいので、仕事におけるモチベーションがアップする可能性が高いといえるでしょう。また、前述の通り、「指導」や「相談」にも関与できる資格であるため、看護学生への講義や、院内教育・研修プログラムの指導を担当できるなど、活躍の幅が広がります。

転職で有利に働く場合がある

認定看護師の資格を有していることを履歴書に記すと、それだけで注目してもらいやすくなることは間違いありません。資格を取得している分野が、転職志望先の業務と関連のあるものであればなおさらです。

夜勤を減らせる可能性がある

認定看護師の「実践」「指導」「相談」の3つの役割のうち、特に「指導」と「相談」は日勤帯において発揮すべきシーンが多く訪れる可能性が高いといえます。そのため、自ずと夜勤が減る可能性が高いといえるでしょう。

認定看護師の資格を取得するデメリット

デメリットと考えられることは次の通りです。

  • 資格取得に時間がかかる
  • 資格取得にお金がかかる
  • 必ずしも給与アップにつながるとは限らない

それぞれ詳しくみていきましょう。

資格取得に時間がかかる

前半で述べた通り、認定看護師の資格は、看護師として5年以上の実戦経験を有していなければ取得することができません。さらに、A課程は600時間以上、B課程は800時間程度のカリキュラムおよび特定行為研修を受けなければならないため、資格取得までには膨大な時間がかかるといえます。

看護師として働きながら資格取得を目指す場合は、特に時間がかかるといえるでしょう。

資格取得にお金がかかる

認定看護師の資格には、150万円近くの費用が必要です。授業料などは認定資格を取りたい分野や教育機関によっても異なりますが、概ね、次のような費用が発生します。

  • 入試検定費用=約5万円
  • 入学金=約5万円
  • 授業料=約70万円~110万円
  • 実習費用:約10万円~
  • 審査費用:5万1,700円
  • 認定費用:5万1,700円

総額約140万円かかる計算になるので、資格取得を目指すことを決めた時点で、必要な額を貯め始めることが望ましいと考えられます。

必ずしも給与アップにつながるとは限らない

前述の通り、資格を保有していても、必ずしも資格手当が支給されるとは限りません。認定看護師という資格に対する認識が薄い医療機関などに勤めている場合、「なんのためにあんなにがんばって資格を取得したのだろう?」と自問自答してしまう可能性も無きにしも非ずです。

認定看護師の2種類の教育課程、A課程・B課程とは?  現在の主流は特定行為研修を含むB課程

認定看護師の養成課程には、A課程とB課程の2つが存在します。この2つにどういう違いがあるかというと、まず、A課程が旧課程でB課程が新課程となっています。

なぜ旧課程と新課程の2つが同時に存在しているかというと、A課程の認定看護分野が再編されてB課程が誕生したものの、A課程の教育実施期間が2026年まで残っているためです。ただし、現時点で既に新課程であるB課程のカリキュラムのほうが主流となっています。

A課程・B課程の分野は?

A課程・B課程における分野は次の表の通りです。

A課程:21分野B課程:19分野
救急看護クリティカルケア
集中ケア
緩和ケア緩和ケア
がん性疼痛看護
がん化学療法看護がん薬物療法看護
訪問看護在宅ケア
不妊症看護生殖看護
透析看護腎不全看護
摂食・嚥下障害看護摂食嚥下障害看護
小児救急看護小児プライマリケア
脳卒中リハビリテーション看護脳卒中看護
慢性呼吸器疾患看護呼吸器疾患看護
慢性心不全看護心不全看護
皮膚・排泄ケア皮膚・排泄ケア
感染管理感染管理
糖尿病看護糖尿病看護
新生児集中ケア新生児集中ケア
手術看護手術看護
乳がん看護乳がん看護
認知症看護認知症看護
がん放射線療法看護がん放射線療法看護

参照:日本看護協会「認定看護師ってどんな看護師?」

A課程からB課程への再編成による分野統合または分野名変更の理由は?

上表を見たらわかる通り、A課程からB課程への再編成によって、一部の分野が統合または名称が変更されています。分野統合および分野名変更の理由は次の通りです。

  • クリティカルケア:医療・社会のニーズから集中的な治療を必要とする患者へのケアに特化した新たな分野を創設した。分野名は、クリティカル期にある重症患者を対象とすることから「クリティカルケア」と命名
  • 緩和ケア:症状緩和技術やがん性疼痛に対する薬剤の知識などの両分野の強みをいかし幅広く活動できる分野とするために統合した。分野名は、非がん患者に対するケアの充実が期待されているため、「緩和ケア」と命名
  • がん薬物療法看護:がん対策基本法に基づく第3期がん対策推進基本計画から「化学療法」が「薬物療法」に変更されたため
  • 在宅ケア:入院施設などの退院支援実践者も受講するようになり、現行の分野名では認定看護師の役割を表現しきれなくなっているため
  • 生殖看護:近年は、「生殖医療」に不妊症が包含されているため
  • 腎不全看護:透析導入を予防するためには「透析看護」では不十分なため
  • 摂食嚥下障害看護:「摂食・嚥下」から「摂食嚥下」へと用語が変更となったため
  • 小児プライマリケア:救急場面だけでなく、外来・地域などのプライマリの場を中心として、子どもの健康問題に対応できるようにするため
  • 脳卒中看護:「リハビリテーション」という用語によって看護を提供する場が限定されたイメージであるため
  • 呼吸器疾患看護・心不全看護:急性と慢性が連続性を持った病態であるため、区別せずに専門的なケアの提供が必要であるため

参照:公益社団法人『日本看護協会』「認定看護師」

A課程・B課程のカリキュラム内容・時間数の違いは?

A課程が再編されて誕生したB課程には、従来はなかった特定行為研修が追加されているため、カリキュラムの時間数が増えています。具体的にどのくらい増えたかというと、A課程の修了には600時間以上の教育カリキュラムを受けることが必要でしたが、B課程の修了には800時間程度の教育カリキュラムを受けることが必要です。

つまり、これから認定看護師の資格を取得しようと考えている場合、A課程のカリキュラムで資格を取得するためには、2026年度までに600時間以上のカリキュラムを受けなければならないということになります。

なお、A課程で取得した認定看護師の資格の更新審査は継続されるため、A課程で認定看護師の資格を取得済なら、新たにB過程のカリキュラムを受ける必要はありません。なお、A課程で認定看護師の資格を取得済であるものの、B課程における分野でも認定を受けたいという希望がある場合は、特定行為研修を受講して移行手続きをおこなうことで、B課程の認定看護師に移行することも可能です 。受講する特定行為研修の区分に指定はないため、興味がある特定研修を受けることができます。

なお、特定行為研修について詳しくは後述します。

A課程からB課程への移行手続きは?

A課程からB課程に移行するために特定行為研修を受講した後は、移行手続きをおこなう必要があります。具体的には、次の手順となっています。

1. 特定行為研修指定研修機関の修了証を画像化する
2. 「資格認定制度 審査・申請システム」にて移行申請をおこなう
3. 手続き料を振り込む
4. 手続き完了の確認、情報公開の設定をおこなう
5. 認定証を受領する

参照:公益社団法人『日本看護協会』「2025年度春期 認定看護師(CN)移行手続き申請の手引き」

B課程の認定看護分野に必要な知識と技術は?

続いては、B課程の認定看護分野ごとに必要な知識と技術をみていきましょう。B課程の認定看護分野に関しては、A課程の認定看護分野の再編成という背景があるため、特定年月と認定開始年月はすべての分野に共通となっています。

なお、B課程のそれぞれの特定分野の教育が開始されたのは2020年度です 。前述の通り、B課程の修了には800時間程度の教育カリキュラムを受ける必要があることから、2020年度にカリキュラムが開始されていても、認定が開始となったのは2021年5月ということになります 。

分野名特定年月認定開始年月知識と技術(一部)
感染管理2019年2月2021年5月・医療関連感染の予防・管理システムの構築
・医療管理感染の予防・管理に関する科学的根拠の評価とケア改善
・医療関連感染サーベイランスの立案・実施・評価
・身体的所見から病態を判断して、感染兆候がある者に対する薬剤の臨時投与ができる知識・技術
がん放射線療法看護2019年2月2021年5月・放射線治療を受ける対象の身体的・心理的・社会的アセスメント
・再現性確保のための支援
・急性期および晩期有害事象に対する症状マネジメントとセルフケア支援
・医療被曝を最小限にするための放射線防護策、安全管理技術
がん薬物療法看護2019年2月2021年5月・がん薬物療法の適正な投与管理とリスクマネジメント、ばく露対策
・がん薬物療法に伴う症状緩和
・自宅での治療管理や有害事象に対応するための個別的な患者教育
・患者・家族の意思決定支援と療養生活支援
緩和ケア2019年2月2021年5月・痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題のアセスメント
・全人的問題を緩和して、QOLを向上するための症状マネジメント
・家族の喪失や悲嘆への対応
クリティカルケア2019年2月2021年5月・急性かつ重篤な患者の重篤化回避と合併症予防に向けた全身管理
・安全・安楽に配慮した早期回復支援
・身体所見から病態を判断して、侵襲的陽圧換気・非侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術
・身体所見から病態を判断して、持続点滴中の薬剤(カテコラミン、ナトリウム、カリウムまたはクロール、降圧剤、糖質輸液または電解質輸液、利尿剤)の投与量の調整を安全・確実にできる知識・技術
呼吸器疾患看護2019年2月2021年5月・呼吸症状のモニタリングと評価、重症化予防
・療養生活行動支援および地域へつなぐための生活調整
症状緩和のためのマネジメント
・身体所見を病態判断して、侵襲的陽圧換気・非侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術
在宅ケア2019年2月2021年5月・生活の場におけるQOLの維持・向上とセルフケア支援
・対象を取り巻くケアシステムの課題に対する解決策の提案
・生活に焦点をあてた在宅療養移行支援および多職種との調整・協働
・意思決定支援とQOLを高めるエンド・オブ・ライフケア
・身体所見から病態を判断して、気管カニューレの交換が安全にできる知識・技術
・身体所見から病態を判断して、胃ろうカテーテルもしくは腸ろうカテーテルまたは胃ろうボタンの交換が安全にできる知識・技術
・身体所見から病態を判断して、褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去が安全にできる知識・技術
手術看護2019年2月2021年5月・手術侵襲およびそれによって引き起こされる苦痛を最小限に留めるためのケア
・手術中の患者の急変および緊急事態への迅速な対応
患者および家族の権利擁護と意思決定支援
・身体所見から病態を判断して、経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整ができる知識・技術
・身体所見から病態を判断して、侵襲的陽圧換気の設定の変更、人工呼吸器からの離脱ができる知識・技術
・身体所見から病態を判断して、直接動脈穿刺法による採血、橈骨動脈ラインの確保ができる知識・技術
・身体所見から病態を判断して、硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与および投与量の調整ができる知識・技術
・身体所見から病態を判断して、持続点滴中の糖質輸液または電解質輸液の投与量の調整ができる知識・技術
小児プライマリケア2019年2月2021年5月・重篤な状態にある小児もしくは医療的ケア児に対する重症化予防
・外来および地域等のプライマリケアの場におけるトリアージ
・家族の家庭看護力・育児力向上に向けたホームケア指導
・不適切な養育または虐待の予防、早期発見と、子どもの事故防止
・身体所見および気管カニューレの状態を病態判断して、気管カニューレの交換がおこなえる知識・技術
新生児集中ケア2019年2月2021年5月・ハイリスク新生児の急性期の全身管理
・障害なき成育のための個別ケア
・ハイリスク新生児と親への家族形成支援
・不適切な養育または虐待のハイリスク状態の予測と予防
・身体所見および気管カニューレの状態を病態判断して、気管カニューレの交換がおこなえる知識・技術
心不全看護2019年2月2021年5月・心不全症状のモニタリングと評価、重症化予防
・療養生活行動支援および地域へつなぐための生活調整
・症状緩和のためのマネジメント
・身体所見から病態を判断して、持続点滴中の薬剤(カテコラミン、ナトリウム、カリウムまたはクロール、降圧剤、糖質輸液又は電解 質輸液、利尿剤)の投与量の調整を安全・確実にできる知識・技術
腎不全看護2019年2月2021年5月・疾病の進展予防、合併症の早期発見と症状マネジメント、セルフケア支援
・腎代替療法の選択・変更・中止にかかわる自己決定に向けた支援
・透析療法における至適透析の実現に向けた支援
・急性血液浄化療法における血液透析器または血液透析濾過器の操作および管理を安全・確実にできる知識・技術
生殖看護2019年2月2021年5月・性と生殖の機能、その障害とリスク因子に関する知識に基づく妊孕性の評価
・性と生殖の健康課題に対する、多様な選択における意思決定支援
・患者・家族の検査期・治療期・終結期の安全・安楽・納得を守る看護実践とケア調整
・妊孕性温存および受胎調節に関する指導
摂食嚥下障害看護2019年2月2021年5月・摂食嚥下機能とその障害の評価
・摂食嚥下機能の評価結果に基づく適切な援助・訓練方法の選択
・誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の増悪防止に向けたリスク管理
糖尿病看護2019年2月2021年5月・血糖パターンマネジメント
・病期に応じた透析予防、療養生活支援
・予防的フットケア
・身体所見から病態を判断して、インスリンの投与量の調整ができる知識・技術
乳がん看護2019年2月2021年5月・術後合併症予防および緩和のための周手術期ケアと意思決定支援
・ライフサイクルの課題を踏まえた、治療に伴う女性性と家族支援
・乳房自己検診、リンパ浮腫等の乳がん治療関連合併症の予防・管理
・身体所見から病態を判断して、創部ドレーンの抜去ができる知識・技術
認知症看護2019年2月2021年5月・認知症の症状マネジメントおよび生活・療養環境の調整
・認知症の病期に応じたコミュニケーション手段の提案と意思決定支援
・家族への心理的・社会的支援
・身体所見から病態を判断して、抗けいれん剤、抗精神病薬および抗不安薬の臨時の投与ができる知識・技術
脳卒中看護2019年2月2021年5月・重篤化回避のためのモニタリングとケア
・早期離床と生活の再構築に向けた支援
・在宅での生活を視野に入れたケアマネジメントと意思決定支援
・身体所見から病態を判断して、抗けいれん剤、抗精神病薬および抗不安薬の臨時の投与ができる知識・技術
皮膚・排泄ケア2019年2月2021年5月・褥瘡のトータルマネジメント
・管理困難なストーマや皮膚障害を伴うストーマケア
専門的な排泄管理とスキンケア
・脆弱皮膚を有する個人・リスクがある個人の専門的なスキンケア
・地域包括ケアシステムを視野に入れた同行訪問実施とマネジメント
・身体所見から病態を判断して、褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去および創傷に対する陰圧閉鎖療法ができる知識・技術

なお、A課程の認定看護分野に必要な知識と技術に関しては、以下サイトをご参照ください。

参照:公益社団法人『日本看護協会』「認定看護師」

B課程に組み込まれた特定行為研修とは?

続いては、前述の、B課程に組み込まれた特定行為区分を分野別にまとめました。

  
  
  
  
  
分野名組み込まれた特定行為区分
感染管理「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「感染に係る薬剤投与関連」
がん放射線療法看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
がん薬物療法看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
緩和ケア「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
クリティカルケア「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」
「循環動態に係る薬剤投与関連」
呼吸器疾患看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「呼吸器(人工呼吸療法に係る行為)関連」
在宅ケア在宅・慢性期領域パッケージ
「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」:気管カニューレの交換
「ろう孔管理関連」:胃ろうカテーテルもしくは腸ろうカテーテルまたは胃ろうボタンの交換
「創傷管理関連」:褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」:脱水症状に対する輸液による補正
手術看護術中麻酔管理領域パッケージ
「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」:経口用気管チューブまたは経鼻用気管チューブの位置の調整
「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」:侵襲的陽圧換気の設定の変更/人工呼吸器からの離脱
「動脈血液ガス分析関連」:直接動脈穿刺法による採血/橈骨動脈ラインの確保
「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」:脱水症状に対する輸液による補正
「術後疼痛管理関連」:硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与および投与量の調整
「循環動態に係る薬剤投与関連」:持続点滴中の糖質輸液または電解質輸液の投与量の調整
小児プライマリケア「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」
新生児集中ケア「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」
心不全看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「循環動態に係る薬剤投与関連」
腎不全看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「透析管理関連」
生殖看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
摂食嚥下障害看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
糖尿病看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」
乳がん看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「創部ドレーン管理関連」
認知症看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「精神および神経症状に係る薬剤投与関連」
脳卒中看護「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「精神および神経症状に係る薬剤投与関連」
皮膚・排泄ケア「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」
「創傷管理関連」

上表を確認したらわかる通り、「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」 は多くの分野において必要とされている特定行為となっているので、認定看護師の資格を取得するかまだ決めていないという人も、このあたりの知識については、今のうちから磨いておくと、役に立つシーンがいろいろあるかもしれません。

なお、これらの特定行為を実践できるようになることで、医師の包括的指示のもと、よりスピーディーかつタイムリーなケアを提供できるようになるため、患者さんのQOL向上や早期回復に貢献できます。また、チーム医療における看護師の専門性と自律性が高まり、より主体的な看護実践が可能になります。

参照:公益社団法人『日本看護協会』認定看護師教育基準カリキュラム(B課程認定看護師教育機関)

認定看護師の認定審査合格率は?

続いては、認定看護師の認定審査合格率をみていきましょう。認定看護師の認定審査の合格率は、少々古いデータになりますが、2015年から2019年にかけてのものが最新のデータとなっています。

実施年受験者数合格者数合格率
2015年1,882人1,763人93.7%
2016年1,765人1,626人92.1%
2017年1,671人1,478人88.5%
2018年1,480人1,293人87.4%
2019年1,496人1,329人88.8%

なお、認定審査は年1回実施されており、認定された場合、5年ごとに資格の更新手続きが必要です。

参照:日本資格取得支援「JQOS.jp」認定看護師

認定看護師に関するFAQ

続いては、認定看護師に関するよくある質問とその答えを説明していきます。

Q. 認定看護師を養成する教育機関の選び方のポイントは?

認定看護師の教育機関別開講状況および定員数一覧は、公益社団法人『日本看護協会』のホームページに掲載されています。一覧によると、2025年受講定員が多い分野は感染管理で、定員は276名、反対に定員がもっとも少ないのは在宅ケアで、なんと0名となっています。

感染管理に関しては、全国16機関で開講されているので、たとえば東京都在住の看護師が自宅から通える範囲で探すとなると、東京都の「日本看護協会看護研修学校」「昭和医科大学認定看護師教育センター」、埼玉県の「上尾中央以下グループ協議会」の3校から選ぶことができますが、他の分野は開講している教育機関も少なく、また、公共交通機関の少ない地方であればさらに選択肢が少なくなるでしょう。そのため、自宅から通える範囲で考えると、そもそも選択肢が2つ以上あることは少ないと考えられます。

参照:公益社団法人『日本看護協会』「認定看護師教育機関別の開講状況・定員数一覧(特定行為研修を組み込んでいる教育機関:B課程認定看護師教育機関)

Q. 認定看護師の資格更新に必要な条件は?

認定看護師の資格は、5年ごとに更新する必要があります。2025年度~2027年度の更新に際しては、次の条件を満たしている必要があります。

  • 審査対象期間となる5年間に60時間の研修を受講していること
  • 自己研鑽実績を50点以上満たしていること

自己研鑽実績とは?

自己研鑽実績は、I群、II群の2種類にわけられ、それぞれの項目ごとに点数が決められているので、合計で50点以上取得すれば大丈夫です。I群、II群それぞれの項目例は次の通りです。

【I:実践活動】
学会や自治体などの委員会活動(10点)
認定看護師教育課程における教員(20点)
特定行為研修の修了(15点)
学会・研究会の参加(3点

【II:学会・研究会発表等】
筆頭者としての学会での研究発表(10点)
学会講演(15点)※学会長の場合
論文発表(10点)※筆頭執筆者の場合

※ただし、2025年度から2027年度の3年間に関しては、A課程が廃止されることに伴う「特例措置期間」となるため、2028年度以降に関しては更新条件が再度変わることになります。

参照:認定看護師(CN)の個人審査変更について

Q. 認定看護師と専門看護師の違いは?

 認定看護師専門看護師
定義看護現場におけるプロ看護分野全体のプロ
役割・実践:個人・家族・集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術および知識を用いて水準の高い看護を実践する
・指導:看護実践を通して看護職に対して指導をおこなう
・相談:看護職等に対してコンサルテーションをおこなう
・実践:個人・家族・集団に対して卓越した看護を実践する
・相談:看護者を含むケア提供者に対してコンサルテーションをおこなう
・調整:必要なケアが円滑におこなわれるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションをおこなう
・倫理調整:個人・家族・集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る
・教育:看護者に対してケアを向上させるために教育的役割を果たす
・研究:専門知識・技術の向上・開発を図るために実践の場における研究活動をおこなう
特定分野19分野(B課程の場合)14分野
ケア対象者患者がメイン患者およびその家族を総合的にケアする
資格取得方法5年以上の実務経験を経て、認定看護師教育機関で学び、認定審査に合格する看護系大学院修士課程修了者であり、専門看護師教育課程基準の所定単位を取得して、通算5年以上の実務研修(そのうち3年以上は専門看護分野であること)を終えた後、認定審査に合格する
資格所有者数
(2024年12月時点)
2万4,974人3,400人
向いている人・看護現場の最前線で活躍したい人
・特定の分野に特化した看護師になりたい人
・患者に寄り添った看護を続けたい人
・直接的な看護以外でも専門知識や技術を高めたい人
・看護に関する課題の解決を目指したい人
・広範囲の知識や技術を身につけ、より良い看護ケアを追及したい人

認定看護師の資格と専門看護師の資格は、いずれも公益社団法人『日本看護協会』によって認定されるものですが、前者が「特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践をおこなえる看護師」であるのに対して、後者は「複雑で解決困難な看護問題を抱える個人・家族・集団に対して、卓越した看護を実践できる看護師」を指します。

また、認定看護師は前述の通り「実践」「指導」「相談」の3つの役割を担っていますが、これに対して専門看護師は「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」の6つの役割を担っています。

特定分野に関しては、認定看護師の分野が前述の19分野(B課程の場合)であるのに対して、専門看護師は次の14分野のいずれかで資格を取得することになります。

  • がん看護
  • 精神看護
  • 地域看護
  • 老人看護
  • 小児看護
  • 母性看護
  • 慢性疾患看護
  • 急性・重症患者看護
  • 感染症看護
  • 家族支援
  • 在宅看護
  • 遺伝看護
  • 災害看護
  • 放射線看護

また、認定看護師のケア対象者は患者メインであるのに対して、専門看護師のケア対象者には患者の家族も含まれます。

参照:公益社団法人『日本看護協会』「専門看護師」

なお、認定看護師、専門看護師の2024年12月時点での資格所有者数は、認定看護師=2万4,974人、専門看護師=3,400人です。

参照:都道府県別認定看護師(A課程)登録者数 2024年12月25日現在

参照:都道府県別認定看護師(B課程)登録者数 2024年12月25日現在

参照:公益社団法人『日本看護協会』資格制度認定「専門看護師・認定看護師・認定看護管理者」分野別都道府県別登録者検索

認定看護師の資格取得は計画的に進めるのが吉

認定看護師の資格を取得する目的は人それぞれ。給与アップの可能性や周囲からの信頼は二の次で、「より多くの困っている人の役に立ちたい」との思いで資格取得を目指し始める場合もあるでしょう。しかしその場合は特に、必要なカリキュラム数が多く、資格取得までに時間がかかりすぎることなどから、「いつまでも時間がかかるし仕事と両立させるのも疲れてきた……」と匙を投げてしまうかもしれません。そうしたケースを防ぐためにも、資格取得を目指す場合は、大まかでもいいので取得までのスケジュールをきちんと立てて、計画的に勉強を進めていくことが望ましいといえますよ。

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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、